嫌いじゃない、知らないだけだ
SKE48には、昔からメンバーという幾本の川が支流のように流れて、やがて「SKE48」という海に繋がっていく構造になっていると思う時があります。
昔から流れている川の中に松井珠理奈を中心としたアスリート的なものがあると思います。
全力のダンスもそうですが、スポーツ関係のお仕事や、時にはメンバーが身体を張って魅力を伝えるところです。これはSKE48が他のアイドルに負けない魅力の一つですし、1曲1曲を大事にする考え方も素敵です。
それに対して、2次元同好会から広がっていった文化的なもの。
松井玲奈や中西優香、秦佐和子といったSKE48の文科系女子たち(しかも、ダンスも出来るぞ!)が結構深く、コンテンツを語るという面白さがありました。特に松井玲奈という人の作品の読み解き方や楽しみ方は素晴らしくて、未だに2nd写真集「ヘメレット」の文章を読んでいると、小説家としての世界を見つめる視点の萌芽を感じられます。
あと、秦さんの狂気的な好きなものへののめり込み具合。もう、たまらないものがありました。勿論、中西優香の書店員のようなモバメでのおすすめ本の紹介も楽しかったです。
さて、なんでこんな話を最初にしたかというと、鎌田菜月について考える上で非常に重要だと思ったからなんですね。
僕は鎌田さんに関しては、合わないなあ、と思っていたんですね。
これは完全に個人の好みによると思うんですが、初期の6期生全体に対する印象があまり良くなかったのと、彼女の自撮り詐欺とか「ざまあ」画像とか、遅刻の話とかを聞くとあまり印象が良くなかったんですね。
なんか文科系の悪いところを凝縮したように思えて。
好きなものを仕事に繋げているところとかは、尊敬できるけど、自分とは合わないなあ、と思っていたんです。
ただ、最近、「しましま」さん(@shirasu48)とTwitterを通してお話をしまして、鎌田菜月さんについてじっくり考えてみようか、と思い、過去のブログや生誕祭の手紙、映像を巡っていきました。
そこから見えてきたことは、彼女の分析力の凄さでした。
ファンから見える自分、様々な事象とSKE48の類似点を捉える力。
個人的に、彼女のブログで印象的なものは、2019年8月9日のブログです。
ちょっと読んでみましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12503622703.html?frm=theme
アイドルと花の類似性が面白くてですね。
SKE48のメンバー一人一人を花で例えた時に、本当にアスファルトに咲く花のように力強く生きているメンバーも居れば、華道の家元の庭に咲き、僅かな鮮度や花びらの形の違いで大きな器に飾られるメンバーも居る。
上のブログと少し似ているのが、2020年3月21日のブログ。
先ほどのブログで「水をあげること」と表現していた「好き」と伝えることについて書いているブログです。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12579060876.html?frm=theme
タイトルもそうですよね。自分がズレてしまわないように「自分への記録として」というのも良い。
更にその「好き」とうこと、言葉で伝えることについて深く書かれていたのが、前後が逆になりますが、2020年1月22日のブログです。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12568812718.html?frm=theme
「好き」に理由を求めてしまいがちなこと、文字だけで気持ちを伝えることの難しさ。でも、文字だからこそ形に残り俯瞰で見られる。そして、文字に残して自分の気持ちを書いていくブログについて書かれた2020年3月3日のものも読んでみましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12579315815.html?frm=theme
ブログに関しては、12周年公演に向けての短期集中連載で、既に3回公演を間違えている人間としては、励みになりますね。
いま、ざっといくつかブログを紹介しましたが、彼女のブログは一つのテーマや連想を繋げていける、かなり面白い場だなと感じました。
さらに、剣道部出身でダンスに関してもベテランとして、スクールの生徒たちに教えるレベルにまでなっているんですね。
そう言われてみれば、鎌田さんのための曲ってまだありませんでしたね。
最初に僕が抱いていたイメージ上の鎌田さんと、実際の鎌田さんは表面上は似ているものの、全く違うものでした。そこが決して浅くない。ここに辿り着くまでのドラマもある。
SKE48に入って変わったところ、自分を変えてくれたファンの方々の存在。
目の前を流れている鎌田菜月という川のことを知らないから、勝手なイメージが増幅して、ますます近寄りにくくなる、入りにくくなるという悪循環に陥っていました(これは最近の国際問題に対しても言える気もします)。
①推されが全てじゃない、②個性が強い、③全力。
ただ、今、僕は鎌田菜月に対して楽しみにしていることがあります。