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2019年2月20日水曜日

風を待つ①



その場所に意味を与えるということ2


 ※SKE48ファンが書いたSTU48に関する記事です。勉強不足の点はご容赦ください。

 実家に帰った時に、僕の出身地のである宇和島市からSTU48のメンバーが出ているということを知りましてね(兵頭葵さん)。じゃあ、ということで応援として1枚STU48のシングル「風を待つ」を購入しましてね。

 youtubeで公式動画にMVが発表された時から気になっていた曲だったんですよ。。
 まあ、まずは聴いてみましょう。ちょっと長いけど、お付き合いあれ。
https://youtu.be/asLJiYOf_No

 うーむ、なんとも新しい視点のMV。白いスカートがフワッと舞う様子が綺麗ですね。
 最後の街とSTU48という画も素晴らしい。

 ロケ地は、尾道の千光寺に向かう坂道。
 尾道といえば、映画「時をかける少女」の舞台でしたよね。
https://youtu.be/RBSozb8D85g

 さて、歌詞の世界を見ていくと、「君」を待つ「僕」の視点が中心です。
 まず、最初に「僕」の「夢」に対する思いが出てきます。すぐ消えるので切なくなる、ということなんですね。そんな当たり前のことを何故書くのか。なかなか消えないものとの対比として出している可能性を僕は考えています。もう一つはこの「僕」が色々なものを意識するタイプではないのかな、ということも考えました。

 繰り返す差し込んでくる「日差し」のように戻りたい「あの日」のことを思い浮かべるんですが、「ここ」には「僕」しか居ないわけです。ということは、「あの日」にはまだ誰かが傍にいたと考えられます。

 そして、「岬」で「風を待つ」ことにします。「春」と「君」を乗せた「船」がくることを待ちます。
 そして、サビで「愛は止まらない」、「恋と気づいた 今さら」という記述で初めて自分の思いを意識するわけです。「君」に会いたいという気持ちが「恋」だったと。

 2番では、「僕」は「凪」のような状態で地元に残って動けないわけです。さっき、「君」を乗せた「船」が来ることが書かれていましたが、「凪」の状態の海に「船」が来たら、微かですが「波」が起こりますよね。「君」が気持ちの変化を起こす何かであることが考えられます。

 そして、「君」は「やりたいこと」を見つけて「都会」に行ったことが分かります。
 そして、「夢」という言葉も。しかし、「僕」にとっての「夢」とは違って、目を開けてみる「夢」というデイドリームジェネレーション的なものなんですね。
https://youtu.be/_oDG36lmk6o
 「僕」の「夢」とはちょっと違うわけです。

 2番のサビでは、「春」と一緒にくる「君」にやっと思いを伝えることを決め、「どう話せば伝わるだろう」と考えます。

 そして、「風」が吹いてくるまで「桟橋」で待とうと思うわけです。
 大サビは1番のサビで終わります。

 「君」を待つ間に「僕」は自分の思いに気づき、「君」に思いを伝えるまでの間の曲なんですね。

 STU48の1作目のシングル曲「暗闇」でも、「友」は都会に行っていて、「僕」は故郷で夜の海に居て思索しています。
https://youtu.be/wTHJ_V96lFQ

 
 STU48のシングル曲の1曲目と2曲目の主人公の関連性があるか分かりませんが、故郷に居て、外からの何かが来て刺激を受けるという「風を待つ」という曲はSKE48の「羽豆岬」と比較してみると、なんか面白そうだな、と思いましてね。

 SKE48の羽豆岬も聴いてみましょう。
https://youtu.be/XxpDHWIh5Rc

 「羽豆岬」は同じ海辺の町を舞台にした曲でも、「行く」場所なんですね。
 羽豆岬に行くことによって、気持ちが癒される。
 「羽豆岬」の曲中には主人公が「都会」に住んでいるかどうかは書かれていません。しかし、バスに乗って向かっていることから海辺から離れていること、「白い肌を焼きたい」ということから、陽が照っているような場所で過ごす時間が少ないことなど、海辺が地元要素は少ないんじゃないかなと思いましてね。

 瀬戸内という都会に向かう若者が多い土地で、地元で暮らす若者の悩みや気づきを描いたSTU48の世界は、自分も四国の愛媛県宇和島市出身なので、死ぬほど共感できるんですね。自分のもう一つの未来を提示されてるようで。もちろん、今、20代ぐらいの海辺の田舎街にお住いの方にも共感できる内容じゃないかと思います。

 そして、優しい曲調も良くてね。
 この色は、要所要所で出してほしいなあ、と思いますよ。
 あと、最後の「それが恋と気づいた今更」と歌ったら音が消えるのも、意識が変化した瞬間を感じられる演出でとても好きです。

 さて、色々と書きましたが、この曲。
 尾道という場所にまた新しい意味を加えたと思います。
 昨日までは何でもなかった田舎の道が、STU48が踊った、特別な道と感じることができるようになるわけです。きっと坂道をイヤホンしながら歩く若者が沢山いるんだろうなあ。
 いつか、尾道に行くことがあれば、立ち寄ってみたいな、と思っている次第ですよ。

 さて、ここからはおまけ。
 CDの特典では「瀬戸内学校制服図鑑」という映像がついてきましてね。
 そこだけ切り取ると、なんじゃいそりゃ!という感じですが、メンバーが架空の学校に通ってくるわけですね。「先生、おはようございます」とか言いながら登校してくるんです。その後、各メンバーが制服の紹介をしていくんですね。正直、ここだけだと、「カメラを止めるな!」の前半を観たような感想を抱いたんですが、最後に思わぬ演出がありましてね。STU48を知るきっかけになった兵頭葵さんのピアノ。彼女はピアノが特技なんですね。ハッとさせられましたよ。



 学校法人山口中村学園中村女子高等学校という、全国の中村さんが親しみを覚えずにはいられない学校ですね。

 あと、全然関係ないんですが、甲斐心愛さん、美人じゃない(下のショートカットの子)?


 いかん、僕にはSKE48が居るんだ!
 推しもいるんだ!
 最近、よこにゃんも気になってるんだ!
 なんなら最近、オードリーのせいで日向坂46の「ひらがな推し」も毎週チェックしてるんだ!
 これ以上、足を伸ばせるか!
 バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!
 https://youtu.be/ox5_z35dF_w
 はあはあ、危なかったぜ!

 でも、本当に良曲が多いと思いますし、地方出身者としてはコンセプトも好きなので、のんびりSTU48と兵頭葵さんも応援できたらな、と思いますよ。

 比べてみると面白い、「羽豆岬」の記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/02/blog-post_34.html

 兵頭葵さんを知るきっかけになった「備忘録特別編 故郷に帰る」の記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/02/blog-post_17.html
 
 

羽豆岬①



その場所に意味を加えるということ


 もう歳なんですかねえ、「聖地巡礼」という言葉が未だにピンとこずに「ロケ地巡り」という言葉を使いたいんですね。だって、映画「空海」とか映画「日蓮」の「ロケ地」巡りを「聖地巡礼」っていうと、別の意味が出て来るでしょ?まあ、屁理屈をこねてるわりには、僕もロケ地に行くのは好きでしてね。関西だと色々な時代劇のロケ地に行けますし、2018年3月のさいたまスーパーアリーナでのコンサートでは、「うぉ!ここ、オーズとジェネラルシャドウが闘ったとこ!」とか「あっ、ここで龍騎が振り向いてオーディン殴ったとこ!」とか、「プロフェッサーがぶっ飛ばされたとこ!」とか異様に興奮しましたよ。そう、場所に何か意味が加わることによって、人は心が動かされることがあるわけです。

 SKE48にもそんな曲があります。
 それが「羽豆岬」です。2010年にリリースされた「ごめんねSUMMER」のカップリング曲だったこの曲は、名古屋の南のほぼ果てにある羽豆岬という当時は、あまり知られていなかった岬を舞台にした曲です。
 まずは、聴いてみましょう。
https://youtu.be/XxpDHWIh5Rc

 うーん、この記事を書いているのは2019年2月の真冬ですが、また羽豆岬に行きたくなるなあ、という1曲です。
 さて、この羽豆岬なんですが、現在、歌碑が建立されています。
 まずは日刊SPAさんの記事をご参照あれ。羽豆神社の宮司さんのインタビューもあり、地元が盛り上がっていく様子が載っているで、併せてぜひ。いやあ、町議会の人も頑張ったんだなあ。
https://nikkan-spa.jp/491730

 さて、この羽豆岬という曲、実はもう一つ意味が加わります。
 それは、SKE48の初代リーダー平田璃香子さんの卒業が決まった後、SKE48における曲の総選挙である「リクエストアワーセットリスト ベスト50 2012」で1位を獲得します。りかちゃんすの「今から見る景色、一生忘れません!」のセリフと、羽豆岬の海のような青いサイリウムに染まった客席は感動的でしたよ。
 これも日刊SPAさんの記事をご参照あれ。えっ、今回、日刊SPAさんばっかじゃないかって?
 まあまあ、先に参考資料出してから自分の考え書きたいタイプなんですよ。
https://nikkan-spa.jp/489819

 読んでいただいたように、「羽豆岬」の1位ランクインで、SKE48ファンにとって特別な曲になっていきました。

 ここまで外側のことばかり書いてきましたが、内側である曲はどうなのか?
 まず、歌詞の世界を見ていくと、羽豆岬に関連する場所とそこから想起するものが書かれていきます。

 バスの窓を開ける → 潮の匂い

 師崎からの道 → 夏への1本道

 羽豆岬の展望台から見える海 → 未来みたいにどこまでも続く・元気をもらえる

 船 → 希望

 羽豆岬の夕焼け → 美しく沈む・優しい背中

 水平線・港に帰る船 → どんな今日もリセットする

 羽豆岬の思い出 → 青春そのもの・遠い夢を見ていた

 船 → 勇気

 たとえば、左側に挙げられている具体的な事象と矢印書いた右側に挙げられている抽象的なもの。左側だけ見ると、どこの漁港でもあるようなものですよ。でも、秋元康は、そこに色々な意味を加えていったわけです。特に出発して港に帰ってくる船に関しては、3つの意味を与えています。
 ただ、書きながら思ったんですよ。秋元康は本当に行ったのか、と。いや、別にいいんですよ。映画「地獄」とか、その理論で言えば地獄に行ってないと撮れないことになりますからね。まあ、なんか別の記事で部下に調べさせたっていう情報があるので、多分、写真とか映像から連想していったんですかね。
 名もなき漁港に、名作詞家の言葉で意味が付け加えられていき、作曲家の力で優しいメロディーが加わり、映像監督の力で夏の2日間を美しく切り取った風景が加わります。あっ、なんか読んでてうちを田舎扱いするな、とむかついてきた羽豆岬近辺にお住いの方は、「栄、覚えていてくれを叩き落とすならこんな地獄大喜利」をして気分をリフレッシュさせてください。

 さてさて、結果どうなったか。
 今では名古屋の観光本に漏れなく紹介される観光スポットになりました。曲の力によって地域が活性化していくというのは、各地方に設置された48グループならではのことかも知れません。


 僕が前働いていた会社の上司がたまたま名古屋のセントレアで結婚式があったついでに、観光地に羽豆岬というところがあるらしいと行ってみたら、SKEファンが居て、みんなイヤホンをして泣きそうになっていたという異様な光景に遭遇したそうです。

 ちなみに僕も羽豆岬に行ったことがありましてね。初めて行ったのは、2014年2月3日。名古屋ドーム2デイズの翌日ですね。この日は、同じことを考えていたヲタがうじゃうじゃいたみたいでね。羽豆岬へ向かうバスはなんともなかったんですが、帰りのバスが超満員になりまして。普段はご近所のお年寄りが病院とかの行きかえりに利用するんですかね。途中で病院前のバス停から乗ってきたおばあちゃんも驚いてましたよ。

 最初は何ともなかったんですが、段々息が苦しくなってきましてね。ふと窓を見たら、もう窓も乗客の息で真っ白に!
 さっき病院前のバス停から乗ってきたおばあちゃんも、また病院に引き返した方が良い状態になっている!
 僕も走馬燈が見え始めしてね。

 昨日見た名古屋ドームのオレンジ色の風景。
 「THE 八犬伝 浜路再臨」で網干が出てくる時の気持ち悪い笛の音色。
 小学生の頃の同級生の川崎くんが「パンの木」というパン屋をやっていること。
 最初に貧血になったのは小学校の朝礼で校長先生が「GTO」の話をしていたこと。

 もう終わりだ。
 映画「ファーストマン」の失神シーンみたいになっていた時、運転手さんが「早く窓を開けてください!」とマイクで叫びましてね。そりゃ、乗客の僕が死にかけてたわけですから、運転手さんもそうですよね。よくぞここまで運転できたもんですよ。なんとか空気が入ってきたおかげでみんな無事に名古屋の土を踏むことができましたよ。

 というわけで、初めて行った時の思い出は、ほとんどバスの思い出しかないわけです。確かに羽豆神社にも行きましたし、展望台にも上がったんですけどね。なんというか、嵐の「アオゾラペダル」みたいですが、本当にほとんど記憶がないわけです。

 それから僕は、「会社辞めようかなぁ」とか「もう、ダメかもなあ」と思うと、新幹線に乗って名古屋まで行き、羽豆岬へと行くようになりました。最近だと2018年の8月17日に行きましてね。ちょうど、喉が悪くなって、前働いてた仕事を辞めるかどうしようかなあ、という時で、急に思い立って、夕方に行きましてね。バスから見える夕焼けが美しくて。うまく撮れてませんが、ひょっとして、グリーンフラッシュが見られるかもっと浮足だってましたよ。



 バスに乗った時はまだ明るかったので、メンバーのサインがちらほら。僕が乗った時は、乗客が僕だけだったので、バンバン写真が撮れましたよ。






 今では大きな展望台が新たに出来てまして、眺めも良いですよ。




 ええ、肝心の羽豆神社と展望台の写真が一枚もありませんが、感動しすぎて、「もうこれは写真に撮らなくていい心の中に保存しておこう」と決めましたよ。ほら、映画でも、「これは買っちゃいけない、ずっと心の中に保存しておこう」っていう映画ないですか?

 多分、今日もSKEファンの誰かが羽豆岬に行っていることでしょう。歌詞の中にもあるように、疲れた時や心が弱った時に夕日を見て元気をもらえる。
 どこから来たかは違っても、どこに戻るか違っても、みんなの頭の中にはきっと「羽豆岬」が流れているんでしょう。