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2020年6月30日火曜日

古畑奈和とサックス

君が教えてくれたこと


 アイドルを好きになかったら、一生知らなかったかも知れないモノやコトはありますか?
 多分、僕はSKE48を好きにならなかったら、「金城ふ頭」駅をこんなに利用することもなかったでしょうし、名古屋ドームも一生行くことはなかったと思います。
 更に、Coco壱番屋でカレーを食べまくることや、どんどん配信系のアプリがスマホの中に増えていくことも。

 さて、今はSKE48というグループ単位で少し書いてみましたが、皆さんの推しメンという個人単位ではどうでしょう?
 野球やサッカー等、プロレスに詳しくなった方。
 競馬や競輪に詳しくなった方。
 将棋や漫画に詳しくなった方、様々だと思います。
 僕の好きな小説家の一人である森博嗣の作品「魔剣天翔」のノベルス版の99ページに印象的な文章が書いてあります。直接は書けませんが、好きな人が教えてくれたことは頭に残る、だから、人や本でしっかりと覚えたいことがあれば、その相手を好きになることだ、ということが書かれていました。当時、大学生ぐらいだった僕は、なるほどなあ、と共感したものです。

 それでは、古畑奈和の場合はどうか?
 ちなみに僕は、古畑奈和ちゃん推しではないのですが、何故かよくブログで取り上げさせていただいているので、今回も彼女を軸に考えたいと思います。

 まず、2018年から2019年に放送された彼女のレギュラー番組「古川未鈴と古畑奈和のいにしえ乙女酒」と「古畑前田のえにし酒」の2本をお酒に対して特に興味がない(そもそもお酒を呑めない)僕が、ひたすら見続けた結果、地方の酒店の前を通る時、「ほう、この店は獺祭が置いてあるのか」とか「香川にいくならうどんタクシー利用した方が面白いですよ」と同僚に謎のアドバイスをすることが出来るようになっていきました。あと、パリッコさんの著作や記事も楽しく拝読しています。

 ただ、皆さん、古畑奈和といえば、もう一つ大事なものを忘れていませんか?
 そう、ポケモンです!ルカリオです!
 じゃなかった、サックスです!

 彼女が学生時代から頑張ってきたサックスに関するオファーが来ます。
 それが「サックスマガジン」及び、「サックスワールド」です。
 現在は、動画の連載もyoutubeでやってるので、まだ観てない人は是非チェック!
※とりあえず最新回を貼っておきましょう。


 さてさて、こちらの動画でも語られていますが、奈和ちゃんは事前録音録画によるサックスの四重奏をソロコンで行っていますが、はっきり言って、あんまり凄さが分かっていなかったんですね。「奈和ちゃん。分身できるんだなあ、凄いなあ。一人『愛の色』できるなあ」ぐらいの感想だったんですが、この動画シリーズを観ていくと、めちゃくちゃ凄いことしてるじゃん!という発見があります。そもそも、単独で聴いてみると、テナー・バリトン・ソプラノ、それぞれの音色やテクニックの違いがあるんですね。

 僕は個人的にソプラノ・サックスの音色が好きになりました。
 あと、この回の課題曲も良いですね。



  ちなみに、この動画シリーズを観ていくことで、サックスという楽器だけではなく、サックスのリペア、初心者がショップで意識すること、さらに、シンセサイザーのサックス版を知ることが出来たり、サックス周辺のことも知ることが出来ますよ。

 いや、でもね。音楽興味ないし、という人もいると思うんですよ。
 そんなあなたにお勧めしたい見方が、「初心者としての古畑奈和が観られる」というところです。
 アイドル生活が長くなってきて、SKE48内でもベテランの域に入り始めた彼女が、毎回、サックス関係の先輩や巨人たちから教わる様子が見られるんですよね。一人のサックスプレイヤーの女性が成長していく様子が観られるのも面白いですよ。それにしても、振り付けを覚えたり他の番組の収録があったり、公演にも出たりしながら、サックスの練習までしてくる奈和ちゃんの凄さですよ。
 回によっては、自分の出来ないところや苦手なところを先生に自分から言って、徐々に改善していく過程が観られるのも凄く楽しい。

 いや、でもね。成長とか興味ないし、という人もいると思うんですよ。
 そんなあなたにお勧めしたい見方が、「古畑奈和の髪型の変遷が観られる」というところです。
 僕はロング時代が好きなんですが、ショートになってからも色々な変化があるので、その違いを楽しむのも良いですよ。

 いや、でもね。髪型とか興味ないし、という人もいると思うんですよ。
 そもそも、古畑奈和にあんまり興味ないし、という方。よくここまで読んでくれましたね。ありがとうございます。
 そんなあなたにお勧めしたい見方が、「1流のプレイヤーたちの演奏が聴ける」ということです。正直、音楽に詳しくない僕ですが、あっ、この曲素敵、という曲に出会えて、演奏の素晴らしさを体験できるというのもこの動画の良さです。
 
 明日から7月ですが、まだまだ雨の日が続きます。
 外になかなか出られない日は、奈和ちゃんと一緒にサックスの世界に潜ってみるのも良いんじゃないでしょうか。

 推しメンがあなたに教えてくれたものは、何ですか?



 

2020年6月28日日曜日

手をつないでくれた人

分け合ったその勇気


 初めて握手したメンバーを覚えていますか?

 僕はSKE48では、古畑奈和でした。
 確か、「キスだって左利き」の全国握手会だったと思います(2012年の秋ぐらいだったと思います)。
 まだ、チームEだった奈和ちゃんが、「初めまして!」と覗き込むようにこちらを見たのを覚えています。
 「これが握手会!」、「この子は何だ!」など、様々な衝撃が駆け巡り、お目当ての同じレーンだった中西優香に「あっ、1推しです」ぐらいしか言えなかったのを覚えています。
 初めて握手した推しに会えた嬉しさもあったのですが、あの人懐っこいメンバーが古畑奈和か、と衝撃を受けました。
 その日、関西から名古屋に僅か握手券4枚のために遠征していた僕は、残りの1回を秦さんに行き、あとは、推しのレーンに通ったのですが、毎回、ぴょんと動く奈和ちゃんに、いやあ、なんかまた会いたくなる子だなあ、と思いながら、レーンを後にしたものです。
 
 彼女の握手は、そこからどんどん人気になり、2013年2月8日、「ガチガセ」という全国放送のテレビ番組でゴールデンタイムに彼女の握手が紹介されます。「AKBグループの頂点? SKE48・古畑奈和の神対応とは?」というタイトルで、彼女がぴょんとジャンプして移動する動きが「古畑ジャンプ」として紹介されます。
 既に2012年9月の時点でチームE内では、握手会売り上げは木本花音に次ぐ2番手の売り上げをマークしていましたが、更に彼女の握手人気は爆発していきます。

 ただ、良いことばかりではなく、放送翌々日の握手会で菅なな子に「古畑ジャンプ真似してる」と言う人が続出しました(本人に悪気がないにせよ)。おかげでなな子は、奈和ちゃんファンに嫌な思いをさせてはいけないと思い、サイドステップで移動するということになります(詳しくは、2013年2月10日のGoogleプラスを参照)。


 注目度が高くなると、色々な人が出てきます。
 2013年3月20日の公式ブログでは、握手会やぐぐたすのコメントで、「ブログの更新回数が少ない」ということを伝える人達のことを語っています。
 それに対して、学校と仕事の両立について語ります。
 その逆の意見を言う人もいて、「会員登録をしていないから、最新のしか見れない」ということを伝える人達もいました。なので、日を置いて更新していると。二つの意見に挟まれながら、彼女は公式ブログを更新していたんだなあ、というのが分かります。
 
 2013年4月3日からは、「ハピホリ」の新レギュラーが決定。
 中西優香、加藤るみと一緒にトークをしていくんですが、この頃の奈和ちゃんは、まだ様子を見ながら喋っている感じでした。
 
 注目度が高くなると、総選挙の順位についても期待されます。
 同期の菅なな子、同じくAKBとの兼任が決まった難波の矢倉楓子と比較されることが多かったですが、おそらくランクインするのでは、と予想する人が多かったです。

 そして、迎えた2013年6月8日の総選挙。
 投票券付きの「さよならクロール」の握手券は、4次の時点で20部すべて完売していました。 
 彼女の名前は呼ばれるのか?
 僕も当日は、日産スタジアムの一番上の席で開票を見守りました。
 まず、64位で推しの名前が呼ばれて、ホッとして、それからはスタジアムの一番上で続々と名前が呼ばれていくメンバーたちと、それを聞いて喜ぶファンの方々の姿を見ていました。時には知らない人同士で握手をしている人たちもいました。それを見て、なんだか良い光景に出会えたなあ、と感じました。
 時々、アンダーガールズを過ぎた頃、大型ビジョンに映るまだ名前を呼ばれていないメンバーたちの姿を見ると、先輩たちのランクインに喜ぶメンバー、ただただ悔しさに耐えるメンバー、それぞれでした。

 この日、奈和ちゃんの名前は最後まで呼ばれませんでした。

 3日後の公式ブログで、当日の気持ちを彼女は語っています。
 泣きたい気持ちになったこと。
 でも、泣いたら諦めたことと同じになるので、最後まで泣かないようにしていたこと。
 その時、隣りの席に居た松井玲奈が手をぎゅっとしてくれて、彼女の優しさに泣いてしまったこと。

 多くの人の手を包んできた彼女の手を包んだのは、松井玲奈の手でした。
 
 松井玲奈自身も神7を超える「神崩し」が出来るかどうかの緊張状態にありながら、奈和ちゃんの手をぎゅっと握ってくれていた。
 折れそうになった彼女の心をささえる彼女の行為に、僕はSKE48の名曲「手をつなぎながら」のサビを思い出しました。

 奈和ちゃんは、この3か月後にじゃんけん選抜に入り、徐々に兼任先のチームKでも頭角を現していきます。月に数回しか出れない月があって、EとKのイズムをうまく融合できないか、ということに悩んだり(2013年11月30日公式ブログ)、ダブルブッキングで急に公演に出れなくなったり(2013年10月27日HP)、と様々な問題に直面していきますが、ぐんぐん実力を公演で発揮していきます。「握手の古畑」から「実力の古畑」へと徐々にSKE以外のファンにも認められていくわけです。

 そして、2014年6月7日。
 味の素スタジアムで彼女の名前は呼ばれます。
 その時の彼女の顔が忘れられません。

 やがて、彼女は松井玲奈がしたように、多くのメンバーによりそうようにさりげない優しさを見せていきます。最近では卒業を発表したこっちゃんへのコメントが印象的ですが、やはり、「前のめり」撮影時の松井珠理奈に寄り添う姿、選抜で思うようにいかず悩む熊ちゃんに送った手紙。彼女なりのやり方でそっと手をつないでいきます。
 あと、このコメントも凄く印象的です。


 
 いつかまた、握手会が再開されたら、奈和ちゃんと4年ぶりぐらいに笑顔の交換がしたいな、と思っています。
 

2020年6月26日金曜日

北野瑠華という花が開く場所

ひそかなる







 時間が経つにつれて価値が変わっていくものがあります。
 たとえば、2020年初頭のコロナ禍によって様々なものの必然性や有効性が見直されました。それは社会においてだけではありません。
 たとえば、人生の中で「難しい」から「簡単」になったり、「好き」から「嫌い」になったり。
 もっと言えば、自分は社会の中でこういう風に必要にされているのでは、と思っていても、社会からは全く違うスキルが求められているということもあります。

 2017年、北野瑠華は「意外にマンゴー」に初選抜で選ばれます。
 これまでの彼女の実績を考えると、「未来の為に投資してきたな」というのが僕の感想でした。
 2016年の総選挙は圏外(2017年は93位)。
「金の愛、銀の愛」の個別握手会の完売状況は、9.3部中4.7部(革命の丘においては完売なし)。
 指標としてはまだ弱かったのかも知れませんが、外仕事としてあった「SKE48の岐阜県だって地元ですっ!」を加藤るみから引き継いでレギュラーMCを担当していました。
 この状況での選抜入りに関しては選抜のボーダーライン上にいたメンバーのファンの方からしたら、疑問が残る選抜だったのかも知れません。
 しかし、2020年現在の選抜にも言えることですが、「未来への投資枠」がないと若手メンバーに外仕事の経験を踏ませられないと思うんですよね。
 
 話を戻すと、2018年1月1日。
 北野瑠華は、目標を設定します。
 ちょっと、この日のアメブロを読んでみましょう。

 ① 総選挙にランクイン
 ② CM選抜に入る
 ③ 少年サンデーでグラビアをする
 ④ 選抜に入り続ける

 こういう目標を掲げられる人は、個人的に信頼できます。
 2017年に「意外にマンゴー」から「無意識の色」に連続選抜された彼女は、次も選ばれる人となるべく動き始めます。
 ですが、1月初頭に体調不良を起こしてしまい、3日ほど休むことになります。
 しかし、早くも②の目標は叶えてみせ、CM選抜に選ばれます。
 (2018年4月25日のブログを参照)。
 
 グラビアに関しても、サンデーは難しかったものの、1月から「月間エンタメ」で早くもソログラビアを披露し、良いスタートを切っています。
 上記の目標①の「総選挙にランクイン」に関しては、この年のポスターが物凄く清涼感のある良いポスターで、彼女のシンプルな願いが伝わってきます。
※画像はアメブロをチェック!

 しかし、総選挙を迎える前に彼女の目標を揺るがすことが起こります。
 それは「いきなりパンチライン」の選抜発表。
 そこに彼女の名前はありませんでした。
 5月18日のアメブロを読んでみましょう。

 この文章が凄く印象的でしてね。

 「一気にスッキリした気持ちになった」

 これまでそうとう気が張った状態で、選抜の中に居たのかな、と感じました。
 彼女が松井玲奈の「お前は選抜になれ!」という言葉を受け、2年後に選抜になったこと。しかし、初めて見る選抜の世界の目まぐるしさと、輝かしさ。
 選抜を失ったことと、身軽になったこと。
 
 総選挙の結果発表はすぐそこまで来ていました。
 
 ※5月24日は、前回の投稿を受けて、選抜復帰を誓います。

 
 2018年6月18日。
 総選挙開票日当日。
 彼女の名前はありませんでした。
 この日のブログのタイトルは「ありがとうとごめんね」でした。
 

 彼女がこの時に感じた気持ち。
 認められない恐ろしさと辛さ。
 93位ですらも呼ばれない焦り。
 ファンの方との握手会になかなか踏み出せない。
 改めて総選挙という恐ろしイベントについて、認識させられます。

 6月23日。
 彼女のSKE48選抜として、2020年6月現在最後のアメブロが更新されます。

 これまでの選抜としてのキャリアを振り返りながら、選抜として再び選ばれることを誓います。
 彼女がかかげた目標の中で達成できたものは②だけでした。
 しかし、この選抜期間に全く別の力が育っていきます。
 それは何か?

 MC力です。
 もともとラジオのレギュラーもあり、ぎふチャンのテレビ版の「ぎふと」もある。更に、この後、ゼロポジのレギュラーMCとしても活躍していく。彼女の仕切りが上達しているのが分かるのが、2018年5月8日のブログです。

 アメブロの中でも彼女が徐々にスキルを発揮できる機会が与えられ始めているのが分かります。
 また、アメブロの中で毎回の番組の見所紹介もそうなんですが、「名探偵コナン」の名作回紹介も行っているんですが、これも後に仕事に繋げています(月間エンタメにて『名探偵コナン』を語る記事が掲載される)。
 
 実は、①から⓸の自分が設定した目標と別の力が、めきめきと育っていったわけです。個人的にラジオが好きで「オードリーのオールナイトニッポン」は毎週、「アフター6ジャンクション」はアーカイブで聴いている僕ですが、アイドルのラジオなのにきちんと進行が出来ていて、ゲストの話を引き出す側に回れるんですよね。
 彼女のこのスキルは、たとえば「ぐぐたすの輪」的にshowroomで拡張していくと面白いのではと僕は思っています。9期・10期あたりを一人ずつ読んでトークしていくとかですね。

 時は流れ、2018年をもって総選挙は終了。握手会も現在は、かなり限られた人向けに縮小化。これまでの価値観が変わるタイミングが来ています。

 次の選抜の基準がどのようなものか分かりません。
 しかし、一度落選を味わい、その間にスキルアップした北野瑠華がもし、次に選ばれたとしたら。
 新しい価値観で、自分の花を咲かせるのではないか、と僕は思います。今度はきっと軽やかな香りの花を。

※今回のタイトルは総選挙の時のハッシュタグを参考にしました。




2020年6月22日月曜日

夢の在処へ①

夢という山頂へ

※この記事はMAERSIさん(@yoosy160)のツイートからヒントをいただきました。

 皆さんは、昔の自分のことが好きでしょうか?
 今までの人生で何回、変わってきたでしょう。
 そして、推しがどん底の状況にあった時、どうしているでしょう?

 2015年9月4日。
 野島樺乃がSKE48で初めての生誕祭(誕生日を祝う公演。実際は誕生日と少しずれることが多いです)を行います。
 その時にお母様からの手紙で、オーディション合格の通知が来ないか、毎日、何度もポストを見に行ったことが語られます。
 そして、SKE48に入ることを夢見た少女は実際にSKE48になり、お披露目ではセンターを務め、生誕祭のスピーチでは「オーディションの頃からSKE48のエースになりたいと言ってきているので、今年は選抜入りをして、いつかはSKE48を支えられる存在になれたらいいなと思っています」と語ります。

 
 翌年の選挙前の2016年5月23日の公式ブログをチェックしていただくと、握手会でのファンの方からのアドバイスを素直に聞くことも出来なかった時もあったと語っています。そして、選抜に入れないかもしれないという焦りを書いています。この年の選挙のランクインメンバーの中に、残念ながら彼女の名前はありませんでした。そして、SKE48自体のシングル発表はありませんでした。つまり、彼女の目標の選抜入りは、果たせずに次の生誕祭を迎えることになります。
 
 2016年9月17日の生誕祭では、「今年の15歳の豊富なんですけど、今年の誕生日までに選抜に入るって言ったんですけど、自分の努力不足で入れなかったので、だからといって新しい目標に変えることはしたくないので、今年も大きな目標は選抜に入ること。
 そして、握手会の完売を増やすこと。反省点があって、ファンの方は声をかけてくださるのにファンの方と向き合えてなかったり、ファンの方の期待に応えられなかったかなと」この1年間を振り返ります。また、同期が公演センターに立ったことから自分もチームSのセンターを目指すと語ります。

 2017年6月20日。
 忘れられないことが起こります。
 それは、「P4U」という携帯ゲームのイベントで、投票イベントがありました。
 彼女は「私はガチ勢」(もの凄くやりこんでいるという意味です)「充電なくなるぐらいやった」と語るも、実はレベル2だったことが判明し、「今、私は恥をかいている」という名言を残します。
 皆さん、過去に虚栄心のせいで失敗してしまったことはないでしょうか?自分を大きく見せたいというか。僕は過去の自分を思い出して、オモシロ半分、痛さ半分という感じでした。
 ただ、煽っておいて実は嘘をついていたのか、と人間性に問題を感じた人もいました。
 「ペラペラ」キャラという謎のキャラを獲得した彼女は、自分の間違いを認め、レベル上げをしながら(えらい)、イベントを進めて行くのでした。
 最終的に結果は残せませんでしたが、この時の「のじのじ」というニックネームをこの時、僕は認識しましたし、ファンの皆さんにもより彼女を知ってもらえる入り口になったのではと思います。

 2017年9月7日の生誕祭では、この年にあったP4Uにおける事件を引き合いにして、「自分の夢だったり、ファンの皆さんの気持ちとか、目標は一切軽い気持ちで発言したことないし、皆さんからしたら言葉の表現が薄っぺらいって思われることでも私は心の底から言っていることなので、伝わったらいいなと思います」と語ります。16歳の目標としては、チームSを引っ張れる存在となること、そして、SKE48の選抜入りを掲げました。
 ここで忘れてはいけないのが、前日のブログで公演200回を祝ってくれたことのお礼と、「ファンの皆さんに恩返し」したい、という思いを書いてくれています。
 
 そして、2018年になります。
 この年、彼女のアイドル人生は大きく変わり始めます。
 2月23日。
 「歌唱力ゼロポジ」の収録が行われ、歌手の新妻聖子さんや名古屋音楽大学の松下教授、作曲家の井上ヨシマサさんが審査員として参加します。この時の優勝は古畑奈和ちゃんでした。



 5月29日。
 モデルプレス選抜に選ばれます。
 モデルプレス独自の女性目線で選んだメンバーとして、SKE48で選ばれたのは彼女だけでした。この選抜基準が、「モデルプレスで発信したい話題・情報を持っている。ファッションアイコンとしての可能性」など、彼女の目標としているモデルへの道も開けてきた選抜でした。

 2020年6月現在、最後の総選挙が行われました。速報で名前が呼ばれたものの、本番では彼女の名前はありませんでした。

 8月30日に東京・赤坂サカスで行われた「ゼロポジサマーフェスティバル」では、aikoの「カブトムシ」をソロで披露します。少しずつ、外のライブでも彼女の歌唱力が認知されていきます。

 9月6日。彼女の17歳の生誕祭が行われます。
 17歳の目標として、総選挙のランクインと握手会の増部を語ります。
 「ゼロポジ歌唱力対決で、この前の夏サカスで初めてソロでステージで歌うことが出来て嬉しかったです。それは皆さんがいつも隣りにいてくださって、背中を推してくれて、いつも一緒に手をつないでくれたからこんな充実した一年を過ごせたかなって思います」と自身の成長とファンの方との関係を語りました。

 2018年11月9日。
 TBSチャンネル主催の「AKB48グループ歌唱力№1決定戦」が発表されます。
 SKE48からは、杉山愛佳・野島樺乃・山内鈴蘭・白井琴望・高柳明音・浅井裕華・後藤楽々・白雪希明というメンバーでした。
 SKE48歌唱ゼロポジの古畑奈和ちゃん出ないのかい、とか、推しのみいぽぽ出ないのかい、と思うところはありましたが、前回の歌唱ゼロポジから継続してチャンスを掴みにいく野島さんの姿勢は、本当に素晴らしいと思います。
 AKBからは80人、難波は20人、HKTは19人、NGTは16人、STUは17人とかなり他グループは人数が多い中、SKE48はわずかに8人と、かなり厳しい競争率の中での戦いとなりました。
 このイベントの予選が12月1日に行われ、野島樺乃は山口百恵さんの「いい日旅立ち」で挑戦。8位で決勝出場を決めました(鈴蘭・ちゅり・こはくさんも同時に出場)。
 そして、2019年1月11日。
 野島樺乃は、ディズニーの「パート・オブ・ユア・ワールド」を熱唱。
 見事に優勝を勝ち取ります。
 そして、秋元康作詞のソロ曲も優勝賞品として獲得します。
 優勝発表を受けた様子が、少しだけ第2回の告知に残っているんで、ちょっと観てみましょう。

 
 
 この時の「あなたにとって歌とは?」という質問に、「私をさらけだせるもの」と答えます。

 2019年6月27日。
 SKE48のシングル「FRUSTRATION」の選抜が発表されます。
 彼女はここで選抜に選ばれ、15歳の頃から言っていた夢をついに叶えます。
 このシングルのタイプDには、彼女のソロ曲である、「夢の在処へ」が収録されています。
 この曲について、彼女は2019年7月11日のアメブロの中で次のように書いています。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12492922332.html?frm=theme

 実はここまで生誕祭のコメントを並べてきた理由は、ここにありましてね。
 かつて、お披露目センターを務め、自分に自信を持っていた少女が「自分のことが本当に嫌いだった」と思うようになり、それでも、離れなかったファンの皆さんたちに支えられます。以前、書いていた「ファンの方への恩返しがしたい」という願いが一つ叶えられたのではないか、と思います。

 ちなみにこの曲。
 もの凄く歌詞が良くてですね。
 この動画とか、もの凄く良いです。

 
 実は僕もこの歌に励まされていた一人でして、この1か月ぐらいウィズコロナ関係の企画書を作る為に、ひたすらデータとにらめっこしながら、新しい企画を会議で話し、ボツになり、帰りの電車の中でこの曲に力をもらいながら、また明日の仕事へ向かうという毎日です。
 
 2019年7月25日。
 今度は、「湖山医療福祉グループ」さんのCMソングを彼女が唄うことが決定されます。
 


 うーむ、良い曲。
 そして、この曲についてのアメブロもチェックしておきましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12497822602.html?frm=theme
 なんと、社長が来ていたんですね。
 歌唱力№1は、やはり、野島樺乃史において、重要なイベントでしたね。
 各所の介護施設を回って歌を披露できたらいいなあ、という言葉も素敵ですね。
 歌というものを通して、誰かの心を豊かにでき、自分を表現できるというのは本当に凄いと思います。
 

 2019年9月17日。
 彼女の18歳の生誕祭が行われます。
 ここで歌唱力№1決定戦でチャンピオンになり、「人生が変わった」と語ります。
 18歳の目標として、SKE48の選抜メンバーに入り続けることを語ります。「あがるのは大変だけど、落ちるのは簡単なんですよ」という言葉にはこれまでの様々な経験があったかもしれません。そして、2回目のソロ公演やソロCDの発売を願います。
 この日のことを9月25日のアメブロで書いてるんですが、本当に良い文章なんですよね。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12529392478.html?frm=theme

 もう、「ペラペラ」では全くなくて、実力を持った一人の芸能人として勝負していく考え方の頼もしさが凄く伝わってきます。そして、やはり、自分を見捨てなかったファンの皆さんとの関係も良いですね。
 
 10月29日に新曲「ソーユートコあるよね?」の選抜に彼女は選ばれます。「当たり前じゃない」場所をしっかりと守りきりました。

 12月19日。
 彼女はこの1年を振り返ります。
 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12540600212.html?frm=theme

 そして、12月20日のアメブロで彼女の振り返りは、さらに過去にまで遡ります。
 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12561116661.html?frm=theme
 
 二つの振り返りから見えてくることは挫折を経て、彼女は成長したことが見えてきます。
 
 やがて2020年、3月23日の彼女のブログを読んでみましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12584342763.html?frm=theme


 最初の生誕祭の時と同じく、お母さまの言葉がジンとしますね。何かを成し遂げるために、先頭にたつ為に、彼女は努力を続けていきます。
 自分の地図を作りながら。
 何度も諦めようと膝をついた時に、彼女を照らしてきた太陽は、きっと野島樺乃ファンの皆さんだったのではないか、と今週、野島さんのことを調べながら感じました。
 総選挙だけではない、自分のスキルとファンの精神的な支えで、活躍していくというのは、48グループ隆盛前のアイドル像に戻っているのかも知れません。
 しかし、2020年、握手会すら再開できない今、野島樺乃が作ってきた道は、誰もが真似できる道ではないですが、新しいモデルや価値観を作ったのではないか、と感じました。
 彼女のソロアルバム、是非、実現してほしいと思います。そして、歌唱メンだけの公演とかもどうでしょう?一人3曲のフェス形式で。

※いや、ソロコンサートのこと書けや、と思ったアナタの為にソロコンサートの感想はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/05/blog-post_57.html

※いや、ハムレットのこと書けや、と思ったアナタの為にハムレットの記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/04/blog-post_40.html

※いや、歌唱力優勝して、焼き肉食べた時のこと書けや、と思ったアナタの為に焼き肉食べにいった時の記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/05/blog-post_38.html

2020年6月19日金曜日

おすすめの映画と本「ドクター・ドリトル」

丁寧な1作


 徐々に映画館が復活してますが、皆さんはもう映画を観に行きましたかね。
 先週は「死神遣いの事件帖」を観てきたんですが、今日は久しぶりにIMAXで映画が観たいぜ、と思い、東宝シネマズ難波へ行ってきました。
 そして、今週のIMAX上映作品が、「ドクター・ドリトル」だったんですね。ただ、劇場についたのが早すぎたので、先に「映画秘宝」を買って開場を待ちました。
 うーむ、今月のランボー特集もマ・ソンドク特集も気合が入ってるなあ、と「映画秘宝」を読み、シアターへ。
 「ドクター・ドリトル」自体は、昔、そういう作品があったらしいぐらいの予備知識で、エコーズの「ZOO」みたいな、本当は動物みたいな僕たちなのさ、みたいな話だろうな、と思いきや、良い意味で裏切られましたよ。個人的に好きな福山バージョンを貼っておきましょう。

 
  

 【ここからはネタバレありです】
 
 原作を知らないため、「動物と喋ることができる」という「仮面ライダー龍騎」の世界に居たら絶対不利だろという特殊能力一つで、いったいどうやって物語を作っていくのか、と思ってたんですが、「医者」という要素と物凄く相性が良いんですよね。

 患者である動物たちの声が聞こえるからこそ、最終的に動物を超えた存在の心の声にまで耳を傾け、治してしまうことが出来る。そして、動物たちをナメてないというか対等な存在として扱っているからこそ、仲間たちも付いてきてくれるんでしょうね。
 更にいうならば、「~らしい」動物があまり出てこない。
 「臆病なゴリラ」や「寒がりの白クマ」とか、僕たちが思い浮かぶ動物のイメージとちょっと違うけれど、よく考えたら、僕たち人間でもそれぞれ違いますもんね。動物たちの多様性を受け入れる感じが素敵でした。
 あとは、物語の最初にリスが撃たれて手術するシーンと最後のドラゴンを手術するシーンが、きちんと重なるような構図になっていたり、子供を亡くした海賊王ラ・ソーリが飼っている虎のバリーが親の愛情に飢えていたりという関係も面白かったですね。
 ドリトル先生が愛する先生の思い出を胸に、スタンビス少年との師弟関係を結んでいくラストも良かったです。
 本来、動物の命を奪う側の猟師になる可能性もあったスタンビス少年が命を救う獣医を目指すという展開もまた良し!
 一番好きなキャラクターはリスのケヴィンくんです。
 彼の「リベンジ!」は名シーンですね。明らかにあの時代より未来のイメージ混じってただろ、という野暮なツッコミは置いておき、彼の冒険記的なナレーションと復讐に燃える感じが最高でした。

 これは子供の頃に観ていたら、また、他者への理解が今よりも深くなっていたんじゃないかなあ、と思わされる丁寧な1作です。そして、過去に飼ってきたペットたちの気持ちを本当に分かっていたのか、と内省させられる作品でもありました。

 昔、我が家で飼っていた犬が、よくお腹を見せて「遊んで遊んで」としている時に、足でぐりぐりしながら「本当にコイツは馬鹿だなあ」とか言いながら遊んでいたんですが、それは全て僕のアフレコであり、本当は全く別のことを考えている可能性があるな、と思ったわけです。
 つまり、腹を見せるのは「遊んで遊んで」のサインではなく、「お腹が痛いよ、ちょっとみて」かもしれなかったわけです。そんな犬のお腹に足をぐりぐりさせてたわけですから、「うおおお、何すんだコイツ。痛い痛い痛い。貴様のような最低の人間は、孫の代まで畜生道に追い堕とす。生きながら煩悩の犬となさああああ!」(『里見八犬伝』の読み過ぎ)と思っていた可能性もあるわけです。

 うーむ、もう、犬には何の償いも出来ませんが、子孫が牡丹の痣と霊玉のせいで、超過酷な人生を送らなくて良いように、より他者の声に耳を澄ませようと思った僕でした(なんだこの終わり方)。

 

悔しさの先に見えてくるもの

まだ届かない理想と現実

それでも走りだす


 推しがどうしょうもない絶望にさらされた時、皆さんはどうしていますか?
 
 2017年。
 この頃はまだ総選挙が行われていました。
 そして、SKE48のメンバーたちにとっては現状を変える上での重要なイベントの一つでした。
 古畑奈和にとっても。



 2017年5月30日より投票開始。
 同年5月31日に速報が発表されました。
 速報順位は、6954票で40位。
 この時、奈和ちゃんは悔しさを味わうことになります。
 当日のブログを読んでみましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12279759675.html

 うーむ。「愛のために何を捨てる?」と自分とのリンクを語っていますが、もう奈和ちゃんの本音が伝わってくる内容ですね。「這い上がろう」という言葉から、まだ現状に満足していないことが伺えます。

 6月4日。
 彼女は「SKE48ゼロポジ 生討論会」に参加しますが、生放送中、質問にうまく考えを答えられずに終わってしまいます。
 


 この収録後の映像をかおたんが残しています。
 


  この時のアメブロを確認してみましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12280672590.html
 
 期待と焦り、言葉に出来ない感情。
 真っ白になっていく思考と重なる申し訳なさ。
 人生の中で、皆さんも一度はこういう体験をしたことがあるんじゃないでしょうか。
 しかし、まさか全国放送される番組で訪れるとは。この日のSNS上や各種まとめサイトでは、奈和ちゃんに対する意見が語られました。それは彼女を擁護する意見もあれば、必死になり過ぎていることやセンターはキツイのでは、という否定的な意見もありました。
 翌日はAKB写真会でしたが、彼女は涙が止まらずにサイン会にしか参加できませんでした。ファンの方からしたら、握手会があったことで、少しでも推しを応援したいという方も多かったのではないでしょうか。ファンの方たちの気持ちも分かる人だけに、余計に辛くなります。
 ※この日のアメブロはこちら。
 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12280931713.html
 
 神のいたずらというのは、時として残酷です。
 さらに翌日の6月6日。
 SKE48の次のセンターが発表されます。
 それは後輩のゆななこと、小畑優奈でした。
 彼女のセンター抜擢に関しては、「満を持して」という感じで支持をする声が圧倒的でした。SKE48の時計の針が一気に進んだ感じがしました。
 この日の奈和ちゃんのアメブロを読んでみましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12281151181.html

 「もう私はセンターに立つことはないのかな」という言葉。
 そこからの「私の力でセンターに立ってやる」という言葉。
 彼女自身もまだ先が見えていないけれど、藁にもすがる気持ちで選抜総選挙に向かっていくことになります。

 6月8日のアメブロでは眠れなくなっていることを書いています。
 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12281815500.html

 この眠れない現象は、「755戦争」を思い出して、奈和ちゃん、大丈夫か。自分をあんまり追い詰め過ぎないで、と心配になってくる感じでした。

 6月9日。
 これまでのシングルを思い出しながら、自分の心情を語っていきます。
 古畑奈和という人のこれまでと芯を食った内容だな、と僕は感じます。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12282216101.html

  
 長年、SKE48ファンをしていると、シングル発表にも慣れてくるというか、新しく選抜に入った子の喜びや選抜落ちしたメンバーの悲哀に目が行ってしまうんですが、選抜常連でも、裏にはこんな気持ちがあったんだなあ、と考えさせられます。決して、そこで満足しているわけではないのだと。


 6月12日。
 総選挙前の最後の握手会に参加し、悔し涙よりも嬉し涙を、ということを誓います。
 そして、いよいよ、総選挙当日。
 彼女は、14位にランクインし、見事に選抜入りを果たします。
 これまでの悔しさを乗り越えていく結果でした。
 その順位を推しにプレゼントした奈和ちゃんファンの皆さんも凄い。
 この日の喜びを奈和ちゃんは、次のように書いています。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12284838343.html

 喜んだ奈和ちゃんの声が聞こえてきそうな、この日の文章が僕はとても好きです。
 悔しさを乗り越えて、結果を残せたこと。
 そして、ファンの皆さんと次の目標に向けて走り出せる。
 僕は石井竜也さんの「RIVER」を思い出しました。

 
 でもね、思い出してください。
 翌年の総選挙で何が起きたかを。
 詳しくは「誰かの耳」という記事で書きましたので読んでいただきたいんですが、何度彼女は逆境に立たされるんだと。
 ※「誰かの耳」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2020/04/blog-post_26.html

 ただ、2017年の総選挙があったからこそ、2018年の速報後は全く違ったアメブロになっています。
 ちょっと読んでみましょう。
 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12381617759.html

 2017年の経験があるから、自信になってるんですね。
 さらに選挙前の握手会も良い感じで迎えられてます。

 そして、ここからは、「誰かの耳」で取りこぼしていたことの補足になるんですが、ネットの名前の無い悪意からの誹謗中傷に足を引っ張られる形になった24時間。その時の気持ちは僕なんかでは想像も及びませんが、見事に乗り越えて選抜入りした彼女は、次のようなことをアメブロで書いています。
 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12390812604.html

 「信じる」ことの難しさ。
 「信じてもらう」ことの難しさと儚さ。
 出来れば奈和ちゃんには、知らずにいてほしかったことかも知れません。
 
 2017年総選挙、2018年総選挙と彼女の前には常に試練が待ち構えていました。
 しかし、それを見事に乗り越えて行った彼女とファンの皆さんのドラマは何度思い返しても、胸を打たれるものがあります。
 
 今、壁にぶちあったっているメンバーたちには、古畑奈和のストーリーを思い出して欲しいとこの記事を書きながら思いました。
 この記事や「誰かの耳」の記事を書くために過去の情報を調べれば調べるほど、彼女のことを知らない人は、「推され」とか「運営のお気に入り」的なことを書いている人がいましたが(主に名前が出ないところで)、いや、なかなかのオフロード人生よ、と僕は思います。さらに言うなら、運営が敷いたレールの雑さ。このレール、なかなか走れるレールじゃないよ、と(松井珠理奈のアイドル人生にも言えますが)。
 それを全て乗り越えての2019年のセンターとレギュラー番組獲得。
 その下地は、もっと前から作られていったと今回の記事を書いて感じました。
 奇しくもそのレギュラー番組の再放送が開始された夜に書けた幸運に感謝しながら。

※755戦争について書いた「幻の写真集」の記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2020/04/blog-post_18.html

2020年6月15日月曜日

2020/1/25 末永桜花ソロコンサートの感想

ソロコンという宙をかける


 2019年11月24日におーちゃんこと末永桜花のソロコンサートの開催が発表されました。
 東京ドームシティホールで1月25日の10時からの開催でした。
 彼女の前後にはAKB48からは村山彩希さんと岡田奈々さんのコンビ(1月22日)。HKT48の田中美久さん(1月23日)。STU48からは石田千穂さん(1月24日)。NMB48の梅山恋花さん(同日昼)、NGT48の本間日陽さん(同日夜)。AKB48から久保怜奈さん、山内瑞葵さん、小栗有以さん(1月26日)。

 選出されたメンバーの中では、おーちゃんはキャリア的に丁度真ん中ぐらいでしょうか。
 この時の率直な感想としては、「これは勝負だな」というものでした。2019年11月の時点で、7期にはゆななも楽々も居ません。7D2という「キセキの世代」の中で次に誰が飛び出すのか、「触らぬロマンス」のセンター、「モニカ夜明けだ」の選抜で布石は作られていただけに、いよいよ試される時が来たかという感じでした。
 
 で、当日は観ることが出来なかったんですが、AKB48グループ映像倉庫での配信が始まったので、早速観てみたんですがね。





 もう、ただただ彼女の選曲センスの良さとファンの皆さんとの関係を感じました。
 まず、1曲目で「恋よりもドリーム」からワクワクしますし、おーちゃんの魅力を味わうライブだということを連想させる2曲目の「桜、みんなで食べた」。さらに、好きな人の些細な要素も好きなんだ、というのが伝わる「オレトク」。この3曲だけで期待感が高まります。

 「賛成カワイイ!」を挟んで、かわいい曲メロディの選曲も素晴らしい。
 「心の羽」「軟体恋愛クラゲっ娘」を久々に聴けたのが嬉しかったですし、まさか、栄で「なめくじハート」が聴けるとは。
 また、なるぴーと唄った「微笑みのポジティブシンキング」もこれからの未来を感じさせて良いんですよね。
 この辺りを彼女がアメブロで語ってくれているので、読んでみましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12570158661.html

 
 そして、初センターの「触らぬロマンス」では、筋肉モリモリマッチョマンたちが(意味が分からない人は映画「コマンドー」を観よう)、ラグビー要素でおーちゃんを盛り上げ、「清純フィロソフィー」ではおーちゃんに花を渡していく大活躍をしていきます。この人達がおーちゃんの邪魔にならない程度にちゃんと存在感を出しているのも良かったですね。
 バックダンサーの方について書きましたが、おーちゃんの「触らぬロマンス」の一人バージョンも良かったですね。特に最後の表情。この歌詞の世界だと、声をかけたのか声をかけなかったのか、明らかになってないんですが、ひょっとしてと思わせる感じでしたね。

 髪を振り乱して踊る「絶滅黒髪少女」を挟んで、「誰かの耳」ですよ!
 モニターを観ながら、「うおおおお!」と声を上げてしまいました。
 ゆななのセンター曲であり、古畑奈和が表現力を爆発させたあの曲にチャレンジするのか、これは勝負だなと思いました。おーちゃん版の良さは、大サビ前の爆発寸前の溜めです。ああ、ここから主人公の苦悩が爆発するぞ、というのが伝わってきました。
 初選抜の「いきなりパンチライン」では谷とのコンビで踊ります。
 谷のシリアスな歌声っていいですね。
 MCを挟んでの電車曲ブロック。
 最初の映像って、ひょっとして「桜、覚えていてくれ」の駅ですか?
 だとしたら、元中西推しとしては、かなり嬉しいところです。
 惣田さんとの「センチメンタルトレイン」、谷も加えての「初恋の踏切」もワクワクして良かったですね。
 MCで二人とおーちゃんの関係が明らかになるんですが、こういうエピソードってもっと聞きたいなと思いますね。
 ここまでの流れをおーちゃんのアメブロで確認しましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12570161483.html

 会場を移動しながら、「バンジー宣言」や「チャイムはラブソング」というSKE48曲も良かったんですが、「永遠よりも続くように」を持ってきたのが、本当に素晴らしい。実は、この曲大好きなんです(「めちゃイケ」世代)。
 丁度この曲の記事を書けないかなあ、と何度も聴いていただけに一緒に口ずさみながら観ました。
 ゲスト3人を加えた「Stand by you」も良くてですね。「何回も通っているのに」の部分のフォーメーションが本当に好きなんですよね。
 本編最後は、尊敬する先輩の柴田阿弥ちゃんのセンター曲「愛の意味を考えてみた」です。先日もインスタライブでコラボして、生誕Tシャツの素晴らしさを語ってましたね。そういえば、「3じゃないよ」の最後の回もおーちゃんはゲストに呼ばれてましたね。

 アンコールでは、「君と虹と太陽と」なんですが、僕はこの曲を聴く度に2014年の総選挙開票前コンサートを思い出しますよ。あえて、後ろの席から登場というファン想いな演出も良いですね。
 「47の素敵な街へ」では、谷がヲタクの恰好で出てこないかな、と一瞬期待したんですが、凄まじいガチ恋口上でしたね。
 そして、電車の駅名をどんどん答えていくところで、おーちゃんの「好き」の本物さを感じましたね。
 おーちゃんへの愛を叫ぶ「アイシテラブル!」から最後の「桜の花びらたち」。
 良い選曲!
 研究生時代からの彼女の「始まり」を思い出させるし、ソロコンサートの成功という「新しい世界のドア」をまた開けたなあ、と未来を感じさせるエンディングでした。
 よし、この辺りの曲についてのおーちゃんのアメブロも確認しましょう!
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12570163558.html

 更にこのコンサート、衣装さんとの関係も泣けるので、ぜひ「その4」も読んでみてください。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12570165684.html

 スタッフの方やファンの方への感謝をつづった「その5」も貼っておきましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12570167733.html


 最後までコンサートを観ての感想は、おーちゃんは「正統派にして異端」だな、ということです。
 かわいい曲メドレーで見せたアイドル性。今回は「鉄道」でしたが、「ガンダム」、「聖地巡礼」という趣味人としての側面。どっちも持っているバランス感覚の良さを感じます。さらに阿弥ちゃんと同じく、ソロプレイヤーとしての強さも感じさせます。

 2019年の生誕祭では、センターを目指すということを語った彼女。2020年1月にソロコンサートという最高のスタートを切りました。
 はたして、後半からどんな1年にしていくのか、注目です。

 僕としては、セットリストのセンスの良さから、もう1回ソロコンサートして欲しいですね。あと、時代劇が凄い似合いそうなんですよね、ギルデンスターンも良かったんで、おーちゃんに演技関係の依頼が来たら面白くなるのでは、とも思っています。
 最後におーちゃん版の「サイレントボイス」が聴きたい!

 ※「モニカ、夜明けだ」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/09/blog-post_19.html

 ※「触らぬロマンス」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/01/blog-post_5.html
 
 
  

2020年6月14日日曜日

バラの果実①

別世界へ


 48グループの曲には、時として日常から離れた世界へ連れて行ってくれる曲があります。
 たとえば、「10クローネとパン」の寒くて厳しい世界。
 「ドガとバレリーナ」の芸術への目覚めを感じさせる世界。
 そんな現実とは少し離れた世界に連れて行ってくれる名曲の一つが「バラの果実」です。
 ちょっと聴いてみましょう。




  うーむ、この曲を聴きながら、2013年の選挙はシリアルコードを打ち込んでいたもんです。あまりにも聴き過ぎて、脳内で歌詞に沿ったMVを作っていたもんです。というのも、歌詞が凄く良いんですよ。

 許されない恋を生きる二人がやがて、どうなるのか?
 バラという花に果実が宿るというありえない空想。
 実を結ぶことはありえないという連想。
 悲劇を予感させる「狼たちの声」。
 一つ一つがスタンダールの小説のようで良いんですよね。
 僅かな文章量で二人の背景やこれからを感じさせる凄く好きな歌詞です。

 そして、この曲。
 ロマンチックとドラマチックが混ざったようなメロディが良いんですよね。
 目の覚めるようなイントロから別世界に誘われます。
 「チュルラチュルラ」という謎の日本語を曲の雰囲気を壊すことなく活用していく終わり方も良い。

 MVはAKB48の14期生のトップ3人が前に出る感じなんですが、我らがSKE48からは向田茉夏、古畑奈和、そして移籍前の谷真理佳もいますね。
 スローモーションで髪が舞ったり、顔をあげるメンバーたち。花びらが舞っていくところも美しいんですよ。
 
 この曲は、生で観たことがあるのが、2013年総選挙の日産スタジアムだけなんですが、その日、僕は最上段のまさに天空の勇者状態だったので、ほとんど見えてないんですよね。 
 最近は、あまり使われていないこの曲ですが、いつかまたフルで歌って欲しい1曲です。
 オリメンの奈和ちゃんバージョンとか、どうなるか観てみたいですね。あとはおーちゃんバージョンとかカミフレバージョンも聴いてみたいですね。
 皆さんも聴いて、妄想を繰り広げてみるのはどうでしょう?それぐらい別世界に連れて行ってくれる世界観がしっかりとした名曲です。

 

2020年6月13日土曜日

おすすめの映画と本 「死神遣いの事件帖」

言葉の説得力を持たす設定


 個人的に時代劇が好きで旧作・新作問わず観るタイプなんですが、今回観た「死神遣いの事件帖」は、最初は時代劇だと知らなくてですね。
 作品としてもシナリオとしても、良い意味で裏切られました。
 主演の鈴木拡樹さんは、「信長と蘭丸」とか「刀剣乱舞」とか「カフカ」の人だな、と知ってたんですが、今回の演技が僕は好きになりまして。3枚目の線でもいけるな、と思いましてね。
 朝から2番目の回を観に行きましたが、パンフは売り切れてましたよう。




 【ここからはネタバレありです】

 とにかく伏線回収が素晴らしかった。
 「お千」さんや「お藤」さんというネーミングもそうなんですが、「どこかで会ったことがあるんじゃないか?」という問いも凄く良かったんですが、吉原が誰かを守るためのものだとしたら、というのが斬新でした。いやあ、その発想は無かった。
 歴史との繋がりも上手く落とし込んでいて、本当に良い脚本だったなあ、と思いました。

 そして、殺陣も無駄に斬り合うんじゃなくて、本当に重要な部分に集約することで、緊張感がある闘いになっています。特に西洋の死神との闘いが僕は好きです。速いところと遅いところの緩急がしっかりとしてましたね。

 また、死神遣いという設定だから、戦った後に寿命が縮まった関係か息が上がるし、「命をかけて」という言葉の説得力が宿る。また主人公の血筋を知ると、ヒロインを助けるということにも必然性を感じられるから素晴らしい。

 役者の皆さんでは、特撮好きには見慣れた方が何人かいるのが嬉しかったですね。
 鈴木裕樹さんも、最初観た時は、「バー秀」さんみたいな髪型だけど大丈夫か?と「オードリーのオールナイトニッポン」大好きな僕は思ったもんですが、観ていくと全然違和感が無くなっていきましたね。
 十蘭役の安井謙太郎さんは、別れの涙も良かったんですが、声だけの演技で心情を伝えられるのが素晴らしいなあ、と思いました。
 そして、ヒロイン役の鈴木絢音さん。
 乃木坂は生駒ちゃん以来、推しはいない筈でしたが、とても気になりました。

 序盤のシーンで彼岸花が咲く水辺で見栄を切るシーンは、うーん、ちょっとうるさいなあ、と感じたんですが、最後に変身した時に見ると、「ああ、これは三途の川のメタファーだったかあ!」と序盤の自分をぶん殴りたくなる素晴らしい演出でした。

 色々と書きましたが、何度も観たい素敵な時代劇に出会えました。
 これは、是非見ておいて欲しい1作です。

 

不器用太陽①

太陽が燃えている

 皆さんは聴けば聴くほど良さが見えてくる曲はありますか?
 SKE48の曲でもそういう名曲が沢山あるんですが、僕の場合は「不器用太陽」がそれです。
 「パレオはエメラルド」、「アイシテラブル!」といった夏の名曲たちの影に隠れがちですが、上記の2曲が夏の昼間にかかっていそうなイメージだとすれば、「不器用太陽」は夏の夕暮れにかかっていそうなイメージがあります。ついでですが、「君はラムネ」はMVのイメージもあって夏の昼下がり、「花火は終わらない」は夏の夜をイメージします。




  さて、まずは歌詞の世界を見て行こうと思うんですが、とにかく歌詞がいいんですよね。
 まず1番のAメロで、夏の暑さで蜃気楼のようにみんなスローモーションのようになっていることと、僕たちが知り合って長すぎることで、関係性がゆっくり進んでいるんだな、ということをここでいきなり連想させます。君だけが特別にゆっくり見えるという解釈も更にできますね。
 次に「海に行きたい」という君に対して、僕はうまく答えが出ずにいつものように視線を合わせず、欲しいスニーカーの話をしている。ここがもう、素直になれない行動としては、共感する人が多いんじゃないでしょうか?
 でも、バスが「君」の傍を通った時はさりげなく庇うという「言葉」にはしなくても、行動で表す人なんですね。

 そして、サビです。
 自分を太陽になぞらえますが、不器用な太陽なんですね。
 言葉には出せずに照らしている。その思いは太陽のように熱くてジリジリしている。
 これ以上、近づくと関係が変わってしまうんじゃないか、という怖さも少しあります。
 先ほどの歌詞にあったように、まっすぐに君をなかなか見られずに、言葉にもできない、うーん、もどかしいですね。

 2番は、二人が海にやってきたところから始まります。
 かき氷を食べながら、こんな感じで波をぼんやり見ながら、「君」の一番近くに居られたらいいかなあ、「僕」は思います。
 そんな「僕」の気持ちを見透かしたように、「君」は唇を尖らせます。
 もう、チャンス以外の何物でもないんですが、2番のサビでは僕の葛藤が描かれます。
 近づくべきか、このままでいるべきか。
 奇しくも「かき氷」という太陽の日差しが近づくと、溶けてしまうものが出ているのも印象的ですね。

 大サビは、1番のサビで終わるんですが、このあと二人の関係はどうなるのか?
 自分のことを「太陽」だと思っている「僕」ですが、よく考えると街がのぼせたようになる蜃気楼も「太陽」によるものですよね。そう考えると、初めからこの曲の世界は「太陽」である「僕」視点の「君」への物語だったんですね。
 
 メロディーは、イントロが凄く好きなんんですよね。
 それから1番のAメロのゆっくりと二人の関係をなぞっていく感じも良いです。
 サビのラップは、初めて聴いた時は「果たしてこれは必要なのか?」と思ったもんですが、僕の内面を語っていると考えれば、全然いけるな、と思うんですよね。
 

 好きなライブパフォーマンスは、「リクアワ2014」です。
 「珠理奈ソロバージョン?」と松井玲奈ひょんがオーディオコメンタリーで語っていた感じで始まるが印象的です。そして、みなるんと山田さんが並んだところも面白かったですね。「フルで聴くと印象が変わる」と玲奈ひょんが語っていましたが、その通りなんですよね。
 あと、衣装が凄く良い。
 抑え目の色なのに華がある。
 それから松井玲奈卒業コンサート初日の浴衣バージョンも良いですよね。
 曲の一番最後の振り付けで、胸をトントンと叩いて、手を開くところが心の中のものが開いたようで好きです。

 ちなみに、もし二人の関係が変わらなかったら、このシングルのカップリングの「友達のままで」みたいになっていたかも知れませんね。

 今年の夏は、どこで「不器用太陽」が聴けるのか?
 皆さんは好きな夏曲はありますか?

※「パレオはエメラルド」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/12/blog-post_12.html

2020年6月10日水曜日

SKE48と渡辺美優紀

答えは分からないまま



 皆さんは、どうしても逆らえない大きな流れに飲み込まれそうになった時、どうやって受け入れますか?

 2014年2月24日、48グループと46を巻き込んだ大組閣が行われました。
 SKE48もその大きな流れに巻き込まれ、木崎ゆりあという間違いなくSKE48の未来を担うであろう逸材をAKB48に移籍させることになりました。
 高柳明音は難波へ、木本花音は博多へ、そして、松井玲奈は乃木坂へ兼任することになりました。
 また、上海から宮澤佐江、博多から田中奈津美が兼任、谷真理佳や大場美奈、佐藤すみれが移籍してくることになりました。
 
 この時点で中西優香推しだった僕としては、「ええっ、にししがキャプテンじゃなくなるのか!」という衝撃を受けましたが、実はこの時、もっと重要なことがありました。
 それは、NMB48の渡辺美優紀と山田菜々の兼任でした。
 
 当時、AKBとSKEは比較されがちでしたが、SKEとNMBも同じくらい比較されていました。
 特に大組閣色が強く出たチームSは、「果たしてこのチームデザインはいったい何なんだろう。そして、これは各グループの個性を薄めることにならないか?それとも、それでも残ったものをそのグループの個性にするのか?そして、本店にエース級を集めて行う、ペナントレースってなんだ?」と2月24日、当日は思ったものです。そして、ネットは大荒れだったのを覚えています。あの大組閣で離れていった人、やってきてくれた人もいたんでしょうね。
 ちなみに、僕のNMBに対するスタンスを書いておくと、関西に住んでいる関係からとても親しみ深いですし、「げいにん!」のシーズン1は神がかった面白さだと思っています。その中で普段はにこにこ笑顔なみるきーが、ちょっといじわるな表情でさや姉をいじる時なんかがとても好きでした。
 難波で良い曲が多くて、「ドガとバレリーナ」や「存在しないもの」、「だってだってだって」なんかは良く聴いています。

 さて、話を戻して、この時の気持ちを渡辺美優紀は映画「アイドルの涙」の特典映像の中で「SKEに兼任っていうことをして、何の得があるのか、得っていうか、何が、誰が自分にじゃなくて、誰にとっていいことがあるのかなって、思いました。別に、ライバルチームだし。どっちつかずになっちゃうし、私は、NMBをSKEやAKBさんを抜かして、NMBが全国民的アイドルになりたいなって気持ちが、気持ちでいたので、そのSKEと兼任して、どういう風にどうどうとNMBをアピールすればいいんだろうと思ったし。うーん。自分が受けたところもNMBで、やっぱNMBが大切なことには変わりはないので、イヤでした本当に」とストレートな気持ちを語っています。

 ファンですら戸惑ったのに、兼任を言い渡された本人たちの気持ちを考えると…。しかも、みるきーの場合、NMBのフロントメンバーの一人でしたもんね。
 1期生としてNMB48を日本一にする為に努力してきた彼女からしたら、あまりにも理不尽な人事異動。
 人生の中で、そうは来ない理不尽さのレベルですよね。
 当時の背景としては、文春からのスキャンダルも出ていた時でしたし、あまりにも衝撃的で、SKE48ファンのどれぐらいの人が、彼女の受け入れに賛成していたのかは分かりません。

 ただ、少しずつ彼女の気持ちは変わっていきます。
 2014年3月3日放送の「NMB48のTEEPENラジオ」で、小谷里歩へ次のように語っていきます。
「あとは、チームSに兼任ということで。はじめは凄い不安で。お母さんも私に電話してきて泣いてたりしてて(まーちゅんのお母さんとみるきーのお母さんが一緒に映画館で大組閣の様子を観ていたそうです)。(中略)もう、S。ねえ、初め聞いた時は、初め私はチームBさんと兼任してたので。まさか、そのやっぱり、AKBさんと兼任することで自分にとってもグループにとっても良いことがあるなっと思って、そういうのを感じながらしてたので。まさかライバル、とってもライバルのSKEのところに行くとは思わなくって。自分は何の役目があるのかっていうのを悩んだんですけど。今、チームSさんは、「RESET」公演をしてるんですよ。チームKさんがやってたのをしてて。家帰ってから「RESET」公演を観たりしてるうちに、玲奈さんからもメールで励ましてもらったり、(中略)心配をしてくれてたり、珠理奈さんもね。暖かく迎え入れてくれたり。キャプテンの宮澤さんも。(中略)私はNMB48のオーディション受けたので、NMB48を引っ張っていって、これからどんどん上のNMB48がどんどんどんどん有名になったらいいなあ、と思うのと一方。ちょっと、チームSで、新しいチームSを浮かべてみると、もしかしたら最強チームSになる可能性もあるな、と思って。だから、私は葛藤してるんですよ。どっちも頑張ろうという気持ちになったから」
 この言葉を聞いたりぽぽは、感動し「明るいね未来は」と言っていました。
 もともと頭の良いみるきーだからこそ、葛藤があったんでしょうね。
 この後のみるきーの「チャンスの順番」的な話も良いですね。
 ちなみに、だーすーの凄さをまーちゅんと語っている回もあったはずなので(第何回か忘れましたが、2013年だったはず)、気になる方はチェック!
 

 やがて、新チームSが始動。
 2014年4月25日に「制服の芽」公演が開始されます。
 この時の違和感は、未だに覚えています。
 あれ、同じ「制服の芽」なのに、「恋を語る詩人になれなくて」なのに。
 何なんだろう?という謎がありました。
 ただ、SSAの時の「RESET」では、宮澤さんの久々の「RESET」に感動して僕も涙をした反面、「うわあ、みるきーが『RESET』踊ってるよ!」という別の感動もありました。難波がお好きな方ならご存じかと思いますが、みるきーはダンスメンの一人でもあるんですよね。
 チームSとの兼任はそういう意味もあるのかも知れませんが、まさか、松井玲奈のソロ曲「枯葉のステーション」を担当することになるとは。
 僕としては、あれだけ踊れる人なんでダンス曲の方を担当できなかったかとも思うんですがね。
 初日から彼女に対しては厳しい目を向けられることになります。
 そういえば、SSAの時も声援の差が露骨でした。
 この辺りは、「大組閣」という理不尽な現象の怒りのはけ口にされてしまったんじゃないか、と2020年現在は感じます。

 さらに、「不器用太陽」が2014年7月30日に発売。
 彼女は選抜に選ばれ、AKB、SKE、NMBの3グループの作品の握手をすることになります。これはかなり限られたメンバーだけでしたが、今、考えると、48グループの面白さであった企画で新しいシステムを作るというモデルが崩壊し始めていたようにも、僕は感じます。
 選抜の枠を増やしたものの、彼女が入ることでSKEの選抜争いの真っただ中にいたメンバーのファンの方は納得がいかなかったかも知れません。
 この頃、「SKE48のエビショー」が始まります。
 みるきーはこの番組と「エビカルチョ」でも大活躍しています。
 
 既にソロプレイヤーとして活躍していたみるきーは、なかなかSKEの公演には出られませんでした。それでも、2014年は生誕祭を行っています。
 この時、メンバーたちに「みんあずっと支えてくれてずっと励ましてくれてありがとう」と語るみるきー。宮澤さんが卒業時にメンバーへの感謝の言葉を語っていましたが、外から来る人にも温かく迎え入れるのもSKE48メンバーの良いところなのかも知れません。
 涙ながらに最初は戸惑ったけれど、兼任してSKEの魅力を知ったと語っています。「孫氏の兵法」に敵を倒すのではなく、味方にすべし、ということが書かれていますが、まさに、ライバルが味方になってくれた、という嬉しさがあります。
 確かに、佐藤実絵子・中西優香の二人のケアやさきぽんのフォローなんかもしっかりしていましたよね。まいたけなんかも。



 続く、「12月のカンガルー」でも選抜入り。
 当時、選抜発表がされた会場にいましたが、一人一人選抜メンバーが発表されていく中での難波勢二人への声援は少なかったです。
 まあ、当時の僕も、えっ、今度は鈴蘭とかなつみかんの番じゃないの?と思ってたぐらいです。
 
 書き忘れていましたが、みるきーが大注目しているメンバーの一人が江籠ちゃんでした。江籠ちゃんのことを「10万人に一人の逸材」とし、凄くかわいがっていたことを江籠ちゃんはアメブロの中で書いています。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12029473204.html

 やがて、2015年5月21日、彼女はSKE48を去っていきます。
 
 
 
 彼女が去った2年後、NMBのファンだったメンバーがSKE48の8期生となって入ってきますが、これはまた別の話です。

 ドキュメンタリー映画「アイドルの涙」の中で、兼任をやってみることで得たものについてこう語っています。

「やってみないと分からないこともあるな、と思って挑戦はしてみました。やるって決めたからには楽しもうって思ってやりました。SKEのメンバーと仲良くなれたことは、人生で良かったことだし、これからもやっぱ仲良くなれた人が沢山いるので、この先も仲間でいたいなと思います」と語っています。
 
 僕らは新型コロナウイルスというどうようもない大きな波にのまれて、「日常」を一部放棄して、「新しい日常」を選ぶことになりました。
 多分、様々なチャレンジをしていくことになるでしょう。その時に、彼女のように逆境の中で何か大切なものを一つ手に入れて、先に進んでいけたらいいな、と思います。
 
 この1週間ぐらい、ずっと考えていました。
 渡辺美優紀をSKE48は他の兼任メンバーのように活かしきれていたのか、と。
 メディア関係は出来ていたかも知れませんが、果たして彼女にぴったりの位置はどこだったのか?
 まだ答えは見つかっていないので、一度、大組閣を企画した人に話を聞けないかな、と思う今日この頃です。




2020年6月6日土曜日

11月の古畑奈和

壊れそうな僕の夢、君以外の誰が分かる?


 皆さんはアイドルを応援する醍醐味ってなんでしょうか?
 毎日の自分の生活に他人の物語が入ってくることで、幸せな気持ちになれたり、時には落ち込んだりヤキモキしたり。
 また、一人の人間の成長物語や仲間との関係性を楽しめるという意味では、スポーツチームや選手を応援する感覚にも似ているかも知れません。
 
 さて、このブログをよく読まれる方ならご存じの通り、僕はよく面倒なことを思いついて、そのことについて考えるんですよね。
 たとえば、今回取り上げる古畑奈和ちゃん関連で言えば、「他者から観た古畑奈和」というタイトルで、先輩や後輩、共演者からの証言を集める為に、実は2週間前ぐらいから、色々と調べていたんですが、思ったより少ないんですよ。
 勿論、熊ちゃんが落ち込んでる時に手紙くれたエピソードとか、ブログにちゃんと残ってるんですが、どちらかというと、映像やラジオの音源として残っている方が多くて。このブログとは相性があまり良く無さそうなお題だったので、泣く泣くボツにしました。本当に、
 「えにし酒」のロケ地とかのHPとか調べまくってたんですよ。うどんタクシーとかね。
 きっと誰かが、僕の代わりに掘り起こしてくれるはず(でも、小分けにして書けないかというのは考えています)!

 それでね、「気持ちわりいなあ」と言われるかも知れないですが、結構、過去のブログを読んで行ったんですよ。
 そして、あることに気が付きました。
 ひょっとして、奈和ちゃんのブログ、11月に印象的なことが多くないか?とふと思いましてね。
 そこで、2013年から2019年までのアメブロを読んでいきました。
 「なんでアメブロなんじゃい、公式もshowroomとTwitterもラジオもインスタも調査しろ、何やってもええんじゃい!」と映画「孤狼の血」の役所広司みたいなことを思った方もいらっしゃるかも知れません。でもね、最近、ありがたいことにSKE48ファンじゃない方々もこのブログを読んでくださってるんですよ。
 できたら、SKE48モバイル会員ではない方々もフェアにアクセスできるもので行きたいというこだわりがありましてね。
 そういう縛りでちょっと書いていきたいと思います。

 まずは、2014年の11月4日のブログからです。
 「2013年は?」と思ったアナタ。
 あの、変な言い方ですが、凄い平和なんですよ。2013年の11月は。
 なので、大変申し訳ないんですが、2014年からスタートします。

 さて、この年、何があったかというと、「12月のカンガルー」の選抜発表があったんです。
 ちょっと読んでみましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-11948173278.html

 同期と後輩にセンターとして先を越されてしまった悔しさ、でも、その気持ちを一旦置いて支えになりたいという気持ち。自分の10代の時を振り返ると、ここまで他人のことを果たして思いやれていたでしょうか。そして、奈和ちゃんファンの皆さんと上を目指したいという文が凄く良いんですよね。

 そして、「支えになりたい」という意味では、珠理奈との関係を11月6日のブログで書いています。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-11949064280.html

 同い年のこの二人。 
 活動を始めた時期こそ違いますが、「前のめり」のメイキングで泣く珠理奈を慰める奈和ちゃんの姿、「フラストレーション」で後ろから奈和ちゃんを頼もしく見つめる珠理奈の姿、この二人の関係が僕は最近好きです。
 ちなみに割愛しますが、11月12日はリクアワもあり、5期生が減ってしまったことを感じつつも大切な動機に頼って欲しいということも書いているので、気になった人はチェック!
 2014年11月23日には、「P4U」のCMイベントで獲得したCMの撮影。ファンの方々への感謝の気持ちを綴っています。そういえば、少し前の11月18日のブログでは、AKBの方のゲームとSKE48のゲームどちらも頑張ってくれている奈和ちゃんファンの皆さんに「私達のペースを大切に」というタイトルで、感謝しながらも、少し休憩しましょうと書いていますね。無理はし過ぎないでね、という優しいメッセージですね。

 さらに11月24日には「サックスマガジン」での連載も決定。
 11月27日にはゆっこの卒業に触れ、「SKEイズムを伝えてくださった」と書いています。二人はチームEで同じなんですよね。好みは分かれるかも知れませんが、僕は「SKEイズム」は曲を大事にすることではないか、と解釈しています。「SKEイズム」の始祖となったチームSを経験したゆっこから受け継いだイズムは、今も彼女の中に残っていると思います。
 ただ、この2014年のブログの中で、「12月のカンガルー」と並んで重要だと感じたのが、11月17日の記事です(順番が前後して申し訳ないです)。
 ちょっと、読んでみましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-11953696421.html

 AKB48の選抜を目指すこと。
 ちなみに彼女はこの時、AKB48と兼任中です。
 彼女なりにグループについてどう貢献できるかを考えていた時期ではないか、というのは、以前書いた、「古畑奈和と兼任」についての記事を読んでいただければと思います。

 さて、次は2015年の11月です。
 11月18日に杉ちゃんと出会っていますね。
 そして、11月23日に書いた「募集します」という記事は、ラジオでのオリエンタルラジオの中田さんとのやりとり、そして、アイディアをファンの方々に募集します。
 「本性」や「観覧車」の種は、この時に蒔かれていたのかも知れません。
 印象的なのは、11月27日のブログです。
 この日、SKE48は紅白歌合戦に落選しました。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12099981553.html

 「知っているからこそ
  諦められないものがある」

 この一文がとても印象に残りましてね。
 SKEの選抜として、AKBの兼任メンバーとして、沢山の「知っている」ことが、彼女の中には今もあるはずです。それは、珠理奈にも。ちゅりやだーすー、みなるんや鈴蘭の中にも。テレビ番組に拘泥するな、という考え方もありますが、SKEが帰る場所の一つとして、「紅白」もいつからか忘れられてしまいましたが、いつかまた戻れないか、とふと思いました。

 2016年の11月です。
 まずは、11月20日にはソロコンがありましたね。
 「10クローネとパン」は僕も大好きな曲なんですが、ここで、奈和ちゃんは曲について、そして、オリジナルの振り付けについても書いています。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12221385307.html

 表現することの楽しさが伝わってきますね。
 この時の衣装が僕は大好きです。曲の悲しい世界観と、彼女の振り付けも合っていて良かったですね。曲を大切に表現していくスタンスが伝わってきます。

 11月25日は「100%SKE48」についてのことが書かれています。
 センターを目指す気持ちと、その気持ちを抱いた時の自分と現状が変わっていないこと。
 赤裸々な彼女の心情を読んでみましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12222710086.html

 ここを読んだあと、気になって、「100%SKE48」の創刊号を読んでみました。
 そこでは、「花より男子」のミュージカルという外の世界の厳しさを知ったことと、珠理奈を守りたいということ、「ファンの方が選抜を目指せる切符をくれたんです」という一言も印象的でした。
 そして、その2日後。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12223307453.html
 
 現状のもどかしさから、「助けてほしかった」奈和ちゃんの言葉を真剣に受け止めて、一緒に前に進んでいくファンの方との関係が垣間見えて、僕はこのブログが凄く印象に残っています。
 「癒す」側と「癒される」側が交代しながら進むというが理想的な関係だと僕は思います。どちらかが欲しがるのではなく支え合う。そんな理想的な関係をちゃんと作れていますね。

 2017年はユニットコンがありましたね。
 11月13日のブログを読んでみましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12327896004.html

 SKE48イズムを伝えられる側から伝える側に彼女が変わっていることが分かります。ちなみに、この年はAKB48の「神曲縛り」公演にも出ていましたね。11月ではないんですが、「孤独な星空」でのダブルセンターが凄く良いんです。本店曲で、奈和ちゃんに唄ってほしい曲の1曲です。

 次は2018年。
 この年の11月で印象的なのは、「ベストヒット歌謡祭」でのAKBセンター緊急オーディションがあったことですね。
 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12419324348.html

 頑張れる理由が「私のファンの皆」という最高の1文。
 選挙で頑張ってくれたファンに応えたい。キラキラとギラギラ。
 ダンス経験者ではないけど、それでも食らいついていく。

 加入した時から「推されている」と外野からは言われがちな彼女ですが、実は、スタート地点はずっと後ろで、努力し続けてきたのではないか、とふと思いました。
 それを裏付けるように2018年11月28日のブログでは、自分の前を走っていた「仲良しだった同期の子」について書いています。
 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12422239236.html

 先に「仲良しだった同期の子」は卒業してしまい、「Wセンター」の夢を見るのは「一人」になったと勘違いする時もある。でも、その度に違うと気づく、何故なら「ファンの皆」が一緒に見てくれていたから。
 翌年、彼女は見事に夢を叶えます。
 ファンの方々と一緒に見た夢を叶えてみせます。
 古畑奈和の物語の中でかなり重要なブログだと僕は思っています。
 
 2019年の11月はというと、なんと0件!
 まあ、仕方ないと思うんですよ。他にも発信するものが増えましたし。自分にぴったりと合うメディアで発信すればいいと思いますしね。たとえば、珠理奈がshowroomとの方が相性が良いように。
 代わりといっちゃなんですが、江籠ちゃんから見た奈和ちゃんを読んでみましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12544427769.html

 アンナ先生の「二人が並んだら最強だね」という言葉。
 SKE48という大きな物語の中で、選抜やコンサートで年々価値が見直されている5期生。
 この二人のWセンターも見てみたいですね。

 今回は、11月という縛りで調べていきましたが、奈和ちゃんの「センター」や「選抜」、「ダンス」への思いと、なかなか思い通りにいかない悔しさ。でも、そんな奈和ちゃんを時には支え、時には共に戦うファンの皆さんとの関係が浮き上がってきました。
 
 2020年の11月、奈和ちゃんとファンの皆さんはどんなことと向き合っているのか。けれど、一緒に支え合って進むのは、10年20年経っても変わらないんだろうなあ、としみじみ感じました。

 ここまでまとめて、「FRUSTRATAON」のダンスバージョンを見ると、ちゃんとSKEイズムを引き継いでるし、曲が終わってからあおむけに倒れこむ奈和ちゃんの姿をみていると、ジンとします。

 彼女が倒れてみているのは、「あの子」の姿か、「みんなの姿か」、「次の夢」か。




※「古畑奈和と兼任」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2020/05/blog-post_18.html

※珠理奈との共通点について考えた「何故、二人に惹かれるのか?」の記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2020/05/blog-post_7.html

※2018年、ネットの悪意と向き合った「誰かの耳」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2020/04/blog-post_26.html

2020年6月5日金曜日

Zoom劇場「カミングフレーバーは1週間で女優になれるのか?」1週目の感想

制約の中で生まれていくもの


 新型コロナウィルスの影響で、様々なエンターテイメントが活動を延期、あるいは中止という流れが2020年2月頃から続きましたが、徐々に様々な形態で再始動が行われています。
 SKE48も、今回はZoomを利用した演劇にSKE48の次世代ユニット「カミングフレーバー」が挑戦しています。
 まあ、中京テレビさんの公式動画を観てくださいな。



【ここからはネタバレありです】

 まず、あらすじをびっくりするほど雑に紹介しますとね。
 今日は野村実代演じるサクラの誕生日。みんなでZoomを使ってお誕生日会だあ、ということで、平田詩奈演じるミキと、赤堀君江演じるカエデが、ルームに集まって誕生日会を開きます。画面には、もう一人フードとマスクをした女の子がスケッチブックを持って手を振っています。
 やがて、その女の子はいなくなり、「あの子は誰だろう?」、「このルームを作ったのは誰だろう?」、「アイの姿が見えないけど、アイの帽子がさっきの画面にはあった」様々な疑問が湧いてきます。
 やがて、アイの画面が砂嵐になり、ミキの家のインターフォンが鳴り始めます。
 砂嵐の画面には「出ろ」の文字。
 ミキが部屋の扉を開けると、謎の小包が。中を開けると、卒業アルバムが置いてあるじゃないですか。
 画面には「私はダレ?」の文字が!
 答えられない3人。再び、ミキの家のインターフォンが鳴って、扉を開けると、謎の女の笑い声と共に画面は消えてしまいます。更に、カエデにも同じようなことが起こって、画面が消えてしまいます。
 「ミンナワタシノコトヲムシシテタ。イルノニイナイ」という乃木坂46の「君の名は希望」を邪悪な感じにした扱いをされたことが謎の声から語られます。そして、「8年前に…」という言葉で消え、サクラはどうなる、というところで、実は、中野愛理演じるケイのどっきりでしたあ、ということで、ネタ晴らし。ケイとアイが登場します。
 元ネタは既に亡くなっている「ミネギシユカリ」さんを元ネタにした趣味の悪いドッキリだったことを起こるサクラ。
 突然、サクラの部屋のイヤフォンが鳴り、出て行ったきりサクラは帰ってきません。そして、画面に「ワタシはダレ?」の文字が!

 ここで、物語は終了。
 時間にして、約25分(どっきりでしたと明かすのが20分頃)。
 いやあ、時間が過ぎるのが早かった。
 ホラーは苦手なので、見る前はどうしようかと思ってましたが、なかなかどうして、後からじわじわ来る系の怖さでしたね。
 この後の展開を予想すると、先に福岡にいるケイが画面から消えて、「うわあ、もう距離とか関係ないやつだあ!」となって、徐々に「ミネギシユカリ」さんが明らかになっていくんじゃないか、と考えました。
 
 今回、演技が初体験というメンバーだらけでしたが、個人的には、平田さんの演技が凄くしっくりくるなあ、というのが一つ。普通の女の子を違和感なく演じられるのが素晴らしい。
 そして、赤堀さんが演じている姿も初めて見たんですが、良かったですね。特に一瞬、顔を曇らせる時や恐怖を感じた時の顔が凄く上手いな、と思いました。
 中野さんは、出番が限られている中で、最初の怖い演技で存在感を出してましたね。推しの人なら、声の時点で分かったんでしょうか?
 大谷さんは、草の役しか経験がないと言っていたんですが、限られた出番の中で緊張感の緩和というぴったりの役を発揮してましたね。
 最後にみよまるは、画面に映えますね。特にカメラに顔を近づけて、大きい目が近づいた時には恐怖よりも「キレイだなあ」という感情の方が大きかったです。
 
 Zoomという画面があまり動かせず、胸から上ぐらいしか移せない制約ので、顔の演技が中心になると思うんですが、そこにホラーを持ってきた、というのは本当に設定の勝利だなあ、と思いました。見えないこと、そこにいないことの怖さを感じさせる設定でした。

 個人的には、「カメラを止めるな! リモート大作戦」みたいに、最後にみんなで踊るのとかいいんじゃないか、と思います。



 来週はキャストを変えての上演や追加日程もありますが、是非、ここだけで終わらずに様々なメンバーが演技に触れる機会を継続して与えて行ってほしいな、と思いますね。演技をすることで、また別の魅力が見えてきますから。

 次は、演技経験ありメンバーで行ったり、10期生で行くのも面白いのかも知れませんね。 

※「君のいない世界」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2020/01/blog-post_31.html
 

2020年6月1日月曜日

趣味人としての渡辺麻友

好きなものを語るあなたが好き


 本日、2020年6月1日、女優渡辺麻友さんが、引退しました。
 皆さんの中の渡辺麻友はどんな姿でしょう?
 女優として連ドラや映画で活躍する姿?
 アイドルとして輝いていた姿?
 それともかつてアイドルサイボーグと言われていた頃の姿?

 僕は、趣味に夢中な姿でした。
 マンガやアニメが大好きだった彼女。
 そんな彼女が大好きなアニメの中の登場人物になった「AKB0048」。
 この作品のメイキングを観ていると、本当に楽しそうにアフレコしてますし、キャストの方や監督との対談を読んでいると、彼女のキャリアの中で本当に大事なものだったんだな、と改めて思います。
 もう、園智恵理としてのシリアスな演技が好きなんですよ。
 「この涙を君に捧ぐ」を大切にしていてくれているのも嬉しい。
 
 
 そして、宝塚が大好きだった麻友選手。
 秦さんと一緒に宝塚を観に行ったりしてましたね。
 個人的には、「EXCITER!!」を唄っている彼女が凄い生き生きしてていいんですよね。
「ミレニアムチャレンジャー」も熱く歌っていましたが、誰か見つけてください。


 

 いつからか、指原莉乃のカウンターとしての役割を彼女に求められるようになったせいで、正統派路線で推されていましたが、僕は変化球としての麻友選手の方が好きでした。
 好きなことを語る時のあの顔が本当に良くて、とここまで書きましたが、「君の名は希望」のまゆゆバージョンも良いんですよね。
 あと、「FIRST LOVE」のまゆゆバージョンは一度見て欲しいですね。えれぴょんを超えられるメンバーは居ないと思ってたんですが、こんなに似合っているとは。

 あとは、「マジすか」のネズミも捨てがたいですね。
 当時のAKBのヒエラルキーを反映されていた作品でしたが、彼女はヤンキーなのに知性派なんですよね。
 個性派ぞろいの1期、2期を虎視眈々と狙う3期生。 
 僕は「マジすか2」のセンネズも好きなんですが、丁度、「1」と「2」の間のような「マジジョテッペンブルース」が大好きでしてね。
 「前田軍団対ラッパっパねえ、狭い階段、ぶつかってもらいましょうか?」
 こんなカッコいい台詞ありますか? 
 ここからの振り返るチョウコク、サビのラッパっパ、燃える展開です。




 ちなみに、ソロだと、「軟体クラゲっ子」や「ラッパ練習中」が大好きでした。
 渡辺麻友という人が10年代のアイドルシーンに残したものは、多分、まゆゆのファンや本店ファンの皆さんが書かれると思うので、僕みたいなSKE48ファンがああだこうだ、いう立場ではないので、控えさせていただきます。
 ただ、一人の趣味人として、本当に彼女が夢中で好きなものを観たり、歌ったり、演じている様子が好きでした。

※「おすすめのアニメ AKB0048」の記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2020/02/akb0048.html