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2018年11月26日月曜日

お待たせSet list①



与えられたのではなく、手に入れたもの


 今回、紹介する「お待たせセットリスト」ですが、チームKⅡの「ラムネの飲み方公演」の楽曲です。いつもでしたら、関係ないことを書いて行くんですが、まずは、下の2010年から2011年にチームKⅡに起こったことを雑にまとめたので、読んでみてください。面倒な方は赤い文字だけで結構です。

2010年3月10日 秋元康から「夏にはKⅡのオリジナル公演を始めたい」というメッセージ
2010年6月13日 湯浅支配人「秋にオリジナル公演」をという手紙を読む。
2010年9月22日 KⅡ「手をつなぎながら」リバイバル公演 千秋楽
2010年12月6日 チームKⅡメンバーの降格
2011年元日公演 初日発表 2月13日予定
2011年2月2日  初日延期 3月18日へ
2011年2月13日 KⅡ1st「会いたかった」リバイバル公演
2011年3月9日  初日延期
2011年3月31日 KⅡオリジナル楽曲 「愛の数」をチームS公演でチームSメンバーが初披露
2011年4月5日  チームKⅡ「手をつなぎながら」リバイバル公演 初日
2011年6月9日  高柳明音 直訴
2011年8月11日 公演名決定 「ラムネの飲み方」
2011年9月21日 チームKⅡリバイバル公演「手をつなぎながら」千秋楽 台風のため中止
2011年10月1日 「ラムネの飲み方」公演初日

 もうね、2011年春ぐらいにマイケル・ムーアに見つかってたら、間違いなく乗り込んでこられますよ。めちゃくちゃインタビューされて、過去の事例ひっぱりだされて、この国全体の問題として語られますよ「俺たち全員の問題だ! 立ち上がれ! うぉおおおおお」(BGM「HIGER GROUND」ハイローのあれ)みたいになりますよ。

 とふざけたことを書きましたが、「ドキュメンタリーオブSKE48 アイドルの涙」を観てみると、かなりKⅡメンバーには深刻な時期でしてね。ちょっと、メンバーのコメントも雑にまとめたので、見てみましょう。

高柳明音「ゴールが見えない」
佐藤実絵子「暗黒時代」
古川愛李「このままできないんじゃないか」

 うーむ、毎日の楽しみが、映画「アジョシ」でウォン・ビンが悪人をボコボコにするシーンを観ることしかない僕でも共感できるぐらいしんどいですね。

 考えてみてください、もうすぐ出来るという言葉だけしか、信じる道がなく、それを待つしかない。そして、延期が何回もある。分かりやすく、ご飯ができるまでで、例えるとこんな感じです。

母「もうすぐ、アンタの好きなゴリラが握りつぶしたおにぎりできるわよ」
僕「わーい、後どれぐらい?」
母「今年の夏かな」
僕「ママ~、出来たあ?」
母「うーん、秋まで待って」
僕「ママ~、お腹ペコペコだよう」
母「ごめんね、来月ね」
僕「・・・」
母「あと一ヶ月待ってね」
僕「・・・」
母「何も言わないし、もうしばらくいいか」

 うん、余計ややこしくなったかもしれませんが、これらなちびっ子たちにも共感してもらえると思います。働いている方でしたら「ゴリラが握りつぶしたおにぎり」を「給料」でも「お家」でも自分の大切で待ち遠しいものを当てはめてみると良いかも知れません。


 真面目な話に戻ると、これ、応援している当時のKⅡヲタの方々もたまったもんではないと思います。いつなんだよ、と。あと自分のチームの曲を他のチームに初披露されるとか、今では考えられないですよね。

 たぶん、僕がメンバーだったら、「もう、秋元先生の嘘だろ。諦めよう。『恋愛禁止条例公演』やろうぜ!ひこうき雲好きだし!!」とかいい加減なことを言い始めて、ウォン・ビンにボコボコにされていたと思います。

 それでも、KⅡメンバーは、新しい公演が始まらない間も、リバイバル公演したり、秋元先生に手紙を書いたり、色々とやっていたわけです。しかし、自分たちが何をすれば良いのか、分からないまま日々が続くのは辛いものです。
 そんな中、迎えた2011年6月9日の総選挙。23位で呼ばれた高柳明音はあの言葉を言うわけです。

「秋元先生、お忙しいのは本当に承知なんですけれども、チームKⅡのみんなとチームKⅡを応援しているファンの皆さんの言葉を代弁して言わせてください、私たちに公演をやらせてください!!」

 かなり覚悟を決めて言った言葉だと思います。
 入社2年目ぐらいの社員がいきなり会社の総会で、社長に「前から出してた企画書の案件、いい加減許可だせや!」と物申すぐらいの衝撃です。

 ただ、ここまでの流れを見ていただくと分かる通り、高柳明音はもう後がないというか、「No Fear No Pain」という仮面ライダークウガの歌みたいな状態だったわけです。

 この言葉を受けて、やっと秋元先生は公演曲をKⅡにくれるわけです。
 最初に来た曲が「兆し」というのは有名ですが、このお待たせセットリストはKⅡのドラマがつまった歌詞なんですね。

 「ずっと羨ましかった先輩たちのステージ オリジナルの歌」「だけど そう私たちは忘れられてるみたいに お下がりばかりで どうして・・・」という苦悩。
 「同じレッスン ただ 黙々と・・・ 力をつけて いつかはきっと」という願い。
 「お待たせSet list 叶った夢 私たちに用意された素敵なメロディー」「KⅡのSet list みんなの夢 大切に 大切に 歌い続けるよ これから」という喜び。

色々ふまえて、こちらの公式動画をごらんくださいませ。

 https://youtu.be/zF8Yigps3KI

 2番も自分たちだけの公演という喜びが書かれています。
 いやあ、秋元先生、分かってるなあと書きながら思ったんですが、そもそもの原因はこの人なんですがね。
 ただ、曲が届くまでここまでドラマがある曲は48グループには他にないのではないでしょうか。
 いまだに「ラムネの飲み方公演」がSKE48のチームKⅡでしか公演されていないのも、この曲が持つドラマと強度からではないでしょうか。

 さあ、曲の持つドラマを知ったところで、今回おすすめしたいのは、「SKE48 REQUEST HOUR SETLIST BEST 50 2011」です!


 「ラムネの飲み方」公演が始まった2011年のリクアワなんですが、この年、2位にランクイン!
 曲の前後のKⅡコールが、「やっと報われた!」という気持ちが伝わってきて、最高です。聞いている時のメンバーの顔も本当に幸せそうです。
 オーディオコメンタリーのチームSメンバーの解説も良くてですね。

 平松加奈子「この曲がKⅡのヒストリーになっている」「ファンの人たちもお茶漬け食べながら泣いている」
 松井玲奈「『同じレッスン』のところで今までの公演のふりが入っている」「指のふりが音符になっている」

 ちなみに、チームSのオリジナル新公演は未だに来ていません。
 秋元先生は「7割できてる」って、2014年8月7日に言っていたんですけどね。
 気づいたら、本店と新潟に新公演が先に回されて・・・。
 秋元先生、約束は・・・。
 やっぱりマイケル・ムーアに突っ込んでもらうしかない!