過去に生きない
「もう一度名古屋ドームを!」というのはSKE48の目標の一つです。
勿論、僕としても名古屋ドームを経験してない世代には、是非体験してほしいんですね。
ただ、それと並行して何か新しいストーリーも必要かな、とも思いましてね。
言い換えると、誰かの目標じゃなく、自分の目標が欲しいな、とこちらとしては思うんですね。
別に実現できるできないにしてもですね。だから、珠理奈の「いま、戦うべきは坂道」という考えは賛成なんですね。おもしれえと。
ところが、若手のメンバーは、まだ借りてきた言葉が多いかなと思うんですね。新しい夢を個人としても、チームとしても、グループとしても目指してほしいところです。欲張りですかね。
さて、そんなことを意識させられるのが、今回考えて行く、「スクラップ&ビルド」です。
もともとこの曲はAKB48のカップリング曲でしてね。
この曲をSKE48のユニットコンサートで「いろは」というユニットが披露しましてね。メンバーは、古畑奈和、石黒友月、岡田美紅、白雪希明です。5期生一人に対して8期生3人というメンバー構成でして、果たしてどんな感じになるのかな、と思ってたんですね。
最初に「ファーストラビット」で迷える子兎たちを先輩兎の奈和ちゃんが励ましていくという「SKE48魂を研究生に注入」という看板に偽りなしの演出でしてね。その後、何が来るかと思ってたらこの曲で、しかも2番からというのがうまい!
歌詞を見て行くと、「確かにいい時代だったんだ 老人は懐かしむけど 今をスタートにする者たちは 思い出じゃ生きられない」というフレーズから始まるんですね。
もうね、若手中心のユニットでこのフレーズを持ってきたのは、素晴らしい。
相当勇気がいると思うんですが、よくぞ選んだ、という感じです。
演目を選んだ奈和ちゃんは凄い。
「褪せたポスターが剥がれるように 未だ見ぬ世界が 瓦礫の下生まれるよ」
一度壊れてしまった場所に新しい世界が生まれてくる。
「Baby! 恐れることはない Baby!僕らはできるんだ 何かに縋って生きてくより その手を離そうか」
この「何かに縋って生きてくより その手を離そうか」は僕も勇気をもらってますよ。「恐れることはない」、「僕らはできるんだ」というのも若手を後押ししてるようでね。
「Baby!恐れることはない Baby!また作れるだろう 守ってたものは まるで価値のない過去 心に鉄球をぶつけろよ!」
過去にとらわれずに新しい何かを作ることができるはずだって、ことですね。
なんかねえ、これを書いた秋元先生自身が今、どう思ってるんでしょうね、48グループの取り組みを。
「未来は与えられるより 自分で切り拓こう」
未来は誰かに拓いてもらうんじゃなく、自分で切り拓こうということですね。
誰かに連れて行ってもらうコンサートじゃなくて、自分たちで行くコンサートにするべきなんですね。
「Baby!スクラップ&ビルドだ! Baby!全部壊そうぜ! 何も規制されずに やりたいようにやろう! Baby!スクラップ&ビルドだ! Baby!もう一度作れ」
規制はいらないんですよ。
もっと自由で良いわけです。
ここから「改革の鉄球を振り下ろせ!」というメッセージで終わるわけです。ちなみにこのユニットの裏話としては、振りを覚えてなかったことを奈和ちゃんが怒ったというエピソードもありましたね、あの奈和ちゃんが、成長したなあと感じましたよ(詳しくは、『100%SKE48』の第4号をチェック)。
そりゃね、僕も昔のSKE48好きですよ。初代チームSとか大好きですよ。
未だに2012年のガイシの「仲間の歌」観てわーいとなりますし、「箱で推せ!」Tシャツとか着る時ありますしね。マジカルラジオ2は最高ですよ。松井玲奈卒業コンサートのセットリストは最強だと思ってます。
でもね、不思議と今のSKE48が好きでしてね。
毎週のラジオやテレビ番組、公演が楽しみでね。
これから関東ツアーも始まりますし、今のSKE48がどんなストーリーを作っていくか楽しみなんですね。
奈和ちゃんは、まだまだ上に行けると思いますし、8期生の3人もそれぞれの個性を伸ばして行ってます。
もう、石黒友月ちゃんは、細い手足をパワフルに動かして踊ってますし、岡田美紅さんは山本彩を彷彿とさせる歌い方をしますし、白雪希明さんもやはり歌唱力があるんですね。もちろん、歌だけでなく、今回の演出をした奈和ちゃんにも新たな才能を感じます。
ここまで頑張ってきた先輩達を見習いつつ、若いメンバー達も新しい夢を掴んで行って欲しいですね。