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2019年3月16日土曜日

猫の尻尾がピンと立っているように…feat.Bose①



他ジャンルとの融合


 皆さんは、ヒップホップは聴きますかね。
 僕は、最近になってちょっとずつ聴くようになりましてね。
 個人的にはライムスターが大好きです。

 さて、ヒップホップの長所として、リズムに乗せて多くの言葉を韻を踏みながら乗せていくことが出来るということがあります。また、ラップを乗せることで、よりその曲の輪郭がはっきりとしてくるということもあります。

 僕が初めてスチャダラパーを知ったのは、小学生の頃に放送していた、ポンキッキーズのオープニングです。
 「あの小節の中に集まろう」というバースが格好良くてね。
 勝手に「あの小説の中に」と若き日の僕は勘違いしていました。



 さて、その後、大学生になった僕は、小沢健二にはまりましてね。
 彼の名作の一つである。
 「今夜はブギーバック」で再びスチャダラパーと再会します。
 僕と同世代の方なら、結構思い入れのある曲の一つではないでしょうか?
 パーティナイトの様子をオザケンの世界とスチャダラパー両者のアプローチから作り上げていく構成が今でも素晴らしい。「心のベスト10 第1位はこんな曲だった」とか未だに使える強度のある言葉だと思います。


 ただ、その頃の僕は、ヒップホップという言葉すら知らない状態でした。全然、関係ないけど、オザケンの「ある光」は、今聴いても名曲です。


 
 さて、時は流れ、気付けば2017年にアメリカではヒップホップの売り上げが多ジャンルを追い抜き、トップに踊りでました。
 日本でも近年の日本語ラップの市民権の獲得は、著しいものがあると外野からは見えます。
 ヒップホップ単体でも、良い曲が多いんですが、それが多ジャンルと融合した時にどんな効果が起こるかは、上の「今夜はブギーバック」の例でも示しましたが、もう1曲。
 スガシカオがライムスターのマミーDとコラボした「はじまり日」をお聴きください。
 普通にスガさんの詞がドラマチックで良いんですね。
 ここにマミーDさんの歌詞が乗ることで、心情的な面が浮き上がってきます。


 
 ここまでは、ミュージシャンとのコラボの例ですが、ではアイドルとはどうか。
 SKE48とスチャダラパーのBoseがコラボした「猫の尻尾がピンと立ってるように…」を聴いてみましょう。


  

 うーむ、途中で切れるのがもったいないぐらい良い曲なので、是非、購入して全部聴いていただきたい。
 順番に見ていきたいんですが、まず、この曲、ラップなしの単体でも非常に素晴らしいんですね。特にサビのメロディが本当に優しくて好きなんですね。猫のような気難しい彼女とヘタをこいた曲の主人公の関係が好きでね。
 なんとかしてご機嫌を戻してもらおうとするんですが、簡単な方法では機嫌が直らないというのが良くてね。恋人を怒らせて機嫌を直してもらう時の、あの気持ちを思い出させる歌詞で良いですね。

 ラップの部分も最初は「邪魔になんない程度の声量で」とちょっとメタ的な感じで始まり、「遺伝子レベルで君が推しメン」というアイドル楽曲とのコラボを意識した歌詞も入ってましてね。「隠し味的ファンキーな要素」と自身のラップの立ち位置を考えたような歌詞も良くてね。個人的には最後の部分の「クリーミー」「ドリーミー」をうまく繋げてるのが好きです。

 普通の歌詞にラップが乗ることで、主人公の気持ち、部屋の風景。ラジオから流れてくる曲のメロディ、色々なものが浮き上がってくるわけです。

 さて、この曲なんですが、初めてのお披露目はさいたまスーパーアリーナでしたね。
 僕はライブビューイングで観てたんですが、この曲でBose君が出てきた時は、一人でテンションフォルティッシモになってましてね。危うくエンペラーフォームになるところでしたよ。隣りの高校生たちが「誰?」となっていたのが、非印象に残ってましてね。なんていうんですかね。この映画の主人公が殺人マシーンであることを自分だけが知っているみたいな淋しさと優越感がありましたね。

 その後はみきてぃこと、矢方美紀がラップ部分を担当し、その後は暫く披露されてなかったんですね。ところが2018年、かおたんの卒業コンサート昼の部の「リクエストアワー」で披露され、なんとラップ部分はかおたんが担当したんですね。み、観たい。運営さん、ソフト化をお願いしますよ。

 さて、この曲のMVはまなつの何気ない鼻歌から曲とダンスが生まれていくという、心暖まるストーリーになってましてね。ダンス部の珠理奈と軽音部のゆりあが、曲とダンスを作っていきますよ。



 今考えると、中西チームSって、中々良いメンツですよね。
 そして、運営がチームSを新しい形でフラッグシップチームにしていこうとしてたんだなあ、というのをメンバー見てたら思います。1期から3期のエース格を持ってきて、5期のエース候補を持ってきていたというのがね。5期視点で見ると、なん奈和江籠を別チームに振り分けてるのも面白いですね。3期のゆりあ・だーすー・ゆっこが別チームというのもね。
 ただ、僕個人としては、やはりKⅡのチームCが一番成功したのでは、と感じます。いつか、この最初の組閣を見直す企画とかやりたいなあ。

 今聴いても、優しいメロディとスパイシーなラップが融合した非常に心地いい名曲です。
 春の散歩のお供にもおすすめですよ。