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2019年2月23日土曜日

原点①

リセットされる場所


 皆さんにとって原点となる場所はどこでしょう?
 そこはもう遠い場所でしょうか。それとも今もある場所でしょうか。
 

 この「原点」という曲は、STU48のシングル「風を待つ」のタイプCに収録されています。公式チャンネルとかにも曲がなかったので、詳しくはダウンロードして聴いてみてくださいな。



 さて、まずは歌詞の世界から見ていくと、自分の足元について、主人公は考えさせられます。誰かに自分の足を蹴られることにより、自分の足が誰かの足を実は蹴っていたんじゃないか、という「スキ!スキ!スキップ!」の浮かれポンチが気づかないことに気づきます。https://youtu.be/SUjvUN0vztY

 そして、人混みの中を歩くことが嫌になり、アスファルトの上じゃなく、土の上を歩くためにUターンします。

 もうね、この辺りは故郷を捨てて、都会に出て行った人は共感ができるんじゃないでしょうか。僕も先日、里帰りしたばかりでこの感覚は凄く分かります。しかも、仕事を辞めたとこだったんで、かなり共感できました。働いてた頃は、梅田ですれ違う人全員に殺意を抱くという、映画「葛城事件」なみに荒んだ気持ちで生きてましたからね。いずれはおかしくなってたでしょうね。仕事辞めてからは、「どうしてお腹がすくのかな。喧嘩をすると減るのかな」みたいなことしか考えてないですからね。


 サビの何かが終わるんなら、次の何かをまた始めよう、一つの夢からは覚めたけど、新しい夢をみようじゃないか、という内容も良くてね。その為にも、一度リセットするというのはいいですね。

 2番では「宝石」を求めて都会に出たけど、実は近くにあったかもしれない、ということで、自分の原点に戻ることになります。なんか、「出航」の2番の「古い船」の想いが「宝物」と例えられていることともリンクするようで、興味深いです。もっと言うと、「風を待つ」の主人公が「さっき見てた夢を思い出せない」のも。STU48の曲は、点じゃなくて線で見ると面白いですね。

 大サビ前の生まれたところ(歌詞の中では『生まれた大地』)に戻って、もう1回人生をやり直そうというメッセージも沁みてね。

 曲調が、サビまではとても深刻な感じのメロディーで都会や孤独を感じさせられる内容なのに対して、サビで開放的な曲調に転換されるのが、地方に戻った清々しさが感じられましてね。
 僕は決して、地元を賛美するタイプではないんですが、やっぱり帰ってみて、普段考えないものや観ないこと、興味を持たないことに興味を持ちましたし、自分のルーツについても考えさせられましたしね(過去の「故郷に帰る」の記事を参照)。
 何より多分、地元に帰らなかったら、同じ宇和島市出身の兵頭葵さんのことも知らなかったと思いますし、このCDも手にとらなかったと思うんですね。
 だから、原点に戻るというのは、大事だなあ、と思う次第ですよ。
 いいタイミングで良い曲と出会うことが出来て幸運でした。

 そして、この歌を唄っている「21世紀生誕メンバー」の皆さんが、大人になって都会に出て、ある日、田舎に帰った時。曲のようなことを思うのかな、とちょっと想像もさせられる名曲です。
 
「風を待つ」の記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/02/blog-post_60.html

「出航」の記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/02/blog-post_82.html