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2021年4月19日月曜日

二人の距離感

もし寂しくなったら何もない大地に話しかけて 


 先日、東京大学大学院情報理工学系研究科の稲見昌彦教授が「最近植物学者の方と研究しているんですが、植物は単体ではなく群として考えた方がいい時もあり、植物交信から学ぶことが多い」と宇野常寛さんと平田オリィさんとの対談で語っていました(平田さんは分身型ロボットOriHimeの開発者ですね)。
 反射的な早さのある動物的な交信と違い、植物的な交信は、遅いけれど長い目線で考えると着実に種を残していきます。このスタンスは情報の捉え方・発信の仕方として非常に勉強になるところがあります。
 

 なんで冒頭からこんな話をしたかというと、昨日の夜ぐらいからネットニュースで「松井珠理奈・松井玲奈 不仲?」という記事が溢れていて、Yahoo!と連動した記事には、まあ、珠理奈の悪口が溢れています。
 さらに、肝心のネット記事は、珠理奈卒業公演に玲奈が来なくてビデオメッセージだったこと、そのメッセージが厳しい内容だったこと。更に、昨日のSKE48公式youtubeチャンネルの珠理奈のオンラインサイン会のコメントの中の「3回楽屋挨拶に行ったけど、3回断られたこと」が書かれていました。




 まだ、記者の名前入りで書いている大手メディアはマシですが(それでも自分の考えは一切書かずに書き起こしだけの記事もありましたが)、名前も書かずにひたすら広告をベタ貼りしてアクセス数やアドセンスを稼いでいるサイトや、それを拡散したり心無い言葉を書いたりしている人々を見ると、疑問を感じてしまいます。
 なんで、こんなに反射的に決めつけられるんだろう?
 確かに珠理奈は「もう会いたくないのかなぁ」と動画の中で言っていましたが、「かなぁ」であって「会いたくない」ではないんですよね。
 じゃあ、何故、会わないのか?
 僕は玲奈ひょん本人ではないので、本心は分かりません。
 でも、これまでの彼女の行動や珠理奈との関係から、推測はできるかも知れません。

 まず、玲奈のビデオメッセージに関してですが、「これからもそっと見守りたいと思います。周りで声を掛けてくれる人を大切にして、卒業してもすてきな笑顔でいてください」というメッセージの部分に注目してみましょう。
 「これからもそっと見守りたいと思います」の部分は、松井玲奈卒業コンサートでの珠理奈が玲奈に送った「玲奈ちゃんには安心して卒業してほしいし、これからもSKEを守るから玲奈ちゃんも見守ってください。これは私からの約束です」という言葉と丁度、対の関係になっているかと思います。
 更に「周りで声を掛けてくれる人を大切にして」からの部分は、一緒に配信に出ていた山内鈴蘭の「親目線じゃない?」という指摘と全く同意見で、甘えん坊の珠理奈のお姉さんとしての玲奈の言葉だと僕は考えています。
 「AKB48Show」の「高橋みなみの説教部屋」のコーナーに呼ばれた松井玲奈は、「私もやっぱ今でも姉妹って感覚。関係性を聞かれたら姉妹って言うのが自分はしっくり来ると思ってて」と、まず二人の関係性を語ります。 
 そして、たかみなが「すっごく語ってたよね?すっごい真剣なの。でも、玲奈が珠理奈には結構強めに言うのが面白くて、それ違うよ!みたいな。えーって。それに対して珠理奈が、そっかなぁみたいな。それ違うそれ違うみたいな。結構強めよね、珠理奈にはね」とロケバスで見た二人の姿を語ります。
 そこから玲奈は「あんまり珠理奈には言葉を選ばないです」、「甘やかさないです」と珠理奈へのスタンスを語ります。
 何故甘やかさないんでしょう。
 たかみなに問われると松井玲奈はこう答えます。

 「それは理由がちゃんとあって。彼女が11歳の頃からやってて周りの人達が凄く珠理奈に優しくしてたから」、「ずっとそれできてるところもあった中で、あ、このままだと良くないなって思った時があって。彼女が多分14か15の頃に。まぁ反抗的になる時ですよね。だからその時に、あぁこのままじゃいけないなと思って」、「お母さんみたいですよね。強く、ダメなことはダメ、違うことは違うと」


 珠理奈のことを思っているからこそ、厳しい接し方をする。
 その場その場のコミュニケーションの為に甘やかしてしまうと珠理奈の為にならない、将来まで見据えた長い視点で厳しい態度をとる。
 そう、植物的交信の視点です。
 そういえば、彼女の卒業曲は植物がテーマでしたね。
 秋元康作詞なのに、玲奈から珠理奈へのメッセージにも僕には最近聴こえています。
 


 
 段々と楽屋挨拶に行こうとしても会わなかった理由が、皆さんにも推測できてきたのではないでしょうか?
 僕の考えとしては、「親離れ」いや「姉離れ」でしょうか?
 珠理奈の視点ではなく、玲奈の視点から考えてみることで、ひょっとすると、わざと今は会わないようにしているのでは、と思います。まだ、甘えていい時じゃない。これからソロで頑張るときだからと。
 でも、いつか、珠理奈が松井玲奈が安心して抱きしめられる日が来た時に、必ず会ってくれると僕は信じています。
 それまでは真那の言葉を借りるなら絶妙な距離感で居てほしいです。
 
 そして、いつか、こんな二人が見られますように(二人の表情が良いですね)。

 僕も植物的な交信で遅くても長くても、見守っていきたいと思います。