バッドエンドの誘惑
※今回はMVのネタバレ要素が含まれているので、そういうのは嫌という方は、映像を観てからどうぞ。世の中には、すっきりしない終わり方の映画ってありますよね。
ネタバレになるので、よっぽど有名なバッドエンド映画しか書きませんが、「セブン」とかね。黒澤映画のあれとかね。
SKE48でもサスペンススリラー的な作品があるんです。
それがこの「世界が泣いてるなら」のMVです。
ちょいと観てみましょう。
https://youtu.be/tisSAJ4qx2w
いやあ、のっけから死体と記念写真を撮るという、SNS世代の怖いとこ全開できてますよ。
あれ、この顔見覚えが・・・。
「女城主 直虎」の今川氏真じゃねえか!
初めましての方はこちらの記事をどうぞ。https://oboeteitekure.blogspot.com/2018/12/tsutaya.html
そりゃ殺されるわ。
アホな話は置いといて、本編を観ていきましょう。
刑事役の神尾佑さんが、教室に入ってくると死体と記念写真をする女子高生たちが!
神尾佑さんといえば、仮面ライダーオーズのドクター真木!知らない人はカラオケで大黒摩季の「Anything Goes!」を入れてみよう。オーズをどついてる紫色のやつがドクター真木だ!(間違いだらけの説明)
殺人は重罪ということで早速逮捕だ、ルパーン!と逮捕したわけです。
そして、逮捕した後は、ベニチオ・デル・トロ風拷問(嘘をついたら、君の家族の家を米軍が容赦なく空爆するよ)・・・じゃなかった取り調べだ!
ざっくり聞いていくと、殺された今川先生(勝手に命名)は、女子の人気者だったんですね。谷、なにやってんだ。
階段の踊り場で今川先生に弁当を渡す綾巴。
頭をなでなでされる綾巴。ああ、今川先生、こっち側の手は結城丈二みたいな目にあわせてえな(危険な発想)。
同じように宮前もお弁当を渡しています。もちろん成功。
で、なぜか留置所の廊下を裸足で歩く女性。
意味深な数字。
で、取り調べを進めていくんですが、まあ、分からなんわけですよ。みんな言ってることも分からないし、ちゅりは怖いしでね。
うーん、ドラマ「ニーチェ先生」とは比べものにならないぐらいの悲壮感。
そして、今川先生、どうやら彼女がいるらしくてね。玲奈ひょんが渡した手紙も弁当も「こんなもん、いるかよ!コロスゾ!」はいい過ぎですが、「いや、僕は、いいです…」という感じで断るんですね。
ここらへんで留置場の謎も分かってきます。
なぜか各番号ごとの独房に入れられてるメンバー、玲奈が珠理奈がいる部屋のドアをガチャガチャ回すとさっきの注射針のシーンへ。
いやあ、ピンポンが鳴って、この顔の珠理奈が覗いてたらビビりますね。
さてさて、ミステリーとか好きな方ならボチボチ謎が解けたかもしれませんが、もう少しお付き合いください。
MVはもう一度最初のシーンに戻るんですが、な、なんと実は玲奈ひょんしかいなかった。
残りの15人はなんと、玲奈ひょんの別人格だったんです。
この数字の意味もここで判明。
そして、刑事とお医者さんもごっちゃになっていくんですが、最後は「じゃあ、罪を認めて償おう」的な感じで終わると思いきや、突如玲奈ひょんが消えます。
で、映画の予告風に終わりというなんとも後味の悪い終わり方をします。
この曲は、「世界が泣いてるなら」というタイトル通り、「世界で誰かが苦しんでたら、他人事と思っちゃダメ!」というマイケル・ムーアも笑顔で共感間違いなしのハートフルな歌詞なんですがね。
しかし、このMVでは凄まじく禍々しい意味を持ってしまいます。
だって、玲奈ひょんの15人の別人格にとっての「世界」とは何のことを差すんでしょう?それは主人格である玲奈ひょんの世界でしょう。「僕も号泣」するのは当たり前なんですよね。「無関心のままじゃ 僕は生きている価値がないよ」という歌詞も全然違った意味になります。
皆さん、珠理奈が注射器を渡す時に言っていたセリフを思い出してください。
「僕は無力だ。何もできない。一緒に泣くことしかできない」玲奈ひょんの中にいる珠理奈は「無力」であり「一緒に泣くことしかできない」んです。ただ、殺すという決心の後押しはできたのかもしれません。MVでも歌詞の中の単語が一瞬フラッシュバックしていきますが、多重人格とのリンクかもしれません(といいつつ、歌詞と関係ない画像を張る)
綾巴や宮前の人格は、玲奈ひょんに「こうしたらいいんじゃない?」というお手本を見せていたのかもしれません。
この手のMVは、最近SKE48ではお目にかかっていませんが、また観てみたいですね。バッドエンドなだけに、暫く心の中に残るという。
それにしても、今川先生。
こんな平和主義者だったのに。
この手のMVでの玲奈ひょんの狂気たるや。
バッドエンドドキュメンタリー映画はげんなりするので、もういいですが、バッドエンドMVはまた観たいですね。