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2022年5月29日日曜日

入口の奥にある信念

 楽しさとツッコミが入口になる


 先日、「情報メディア白書」や「メディアリテラシー~吟味思考(クリティカルシンキング)を育む~」の著者である天野彬さんの新著「ショームービー時代のSNSマーケティング 新世代のビジネスはスマホの中から生まれる」を読みました。
 電通メディアイノベーションラボ主任研究員である天野さんだけあって膨大なデータやマーケティング分析から、ショートムービー時代が何故来たのか?2018年以降のTikTOKの進化はどんな風に起こっていったのか、約380ページに渡って分析・展望しています。

 驚くほど雑に説明すると、進化心理学学者のダグラス・ケンリックの説をヒントに人間が持っている様々な欲をSNSは刺激していきます。2010年代はどちらかというと、自分の環境適応力を「見せびらかす」発信がもてはやされましたが、後半になると「自分自身を使って創作する」というフェイズに入っていきました。
 天野氏の言葉を借りるならば、「2.5性の自分」を出しやすくなったそうです。
 栄えを意識した2枚目なInstagramの自分と、Twitterでリツイートされるネタを仕込んだ3枚目な自分。そして、その中間にTikTokはあるそうです。「生身の自分」と様々な音楽や〇〇チャレンジなどによる「面白い自分」。その二つの自分がTikTokのショート動画の中で融合するわけです。
 そして、TikTokで何百万というフォロワーがいるインフルエンサーに取材をしていくと、「うまさ」よりも「かわいさ」が大事で、なおかつスキルよりもやる気や楽しさが重視されていることが見えてきます。
 これはアマチュアの方でも、気軽に参入しやすい文化が成立しやすいですよね。
 また、「おすすめ」機能が充実していて「自分で探さなくて良い気軽さ」があるそうです。これはこれまでのネットが「検索機能」による能動的な情報の取得に対して、受動的に情報を得つつ、短い尺が多いのでガンガン回っていくという利点もあります。

 この背景には、コロナの影響で「栄える」ところに足を運びにくくなったのも関係しているかも知れません。また、TikTokのユーザーは、日本国内では田舎の方が沢山インストールしていることとも関係してくるかも知れません。

 今回の文章、えらい「かも知れません」が多いんですが、僕自身がTikTokをやっていないことが大きいです。 
 ちなみにTikTokを広告に利用している企業も年々増えています。TikTokを入口にして、他のSNSや自社サイトにお客さんを流していく、という流れが出来始めているようです。「入口」としての相性が凄く良いことも凄く書いていましたね。
 コーセーが化粧品のCMでNiziUを起用し、彼女たちの曲をTikTokにも収録し、人気のインフルエンサーたちにお願いし、スローで左右反転の動画を作ってもらい、観た人達が動画投稿をするハードルをグッと下げる工夫をしていたのは、凄く勉強になりました。ダンス練習動画の次は、さらに親切なものがヒットするのかも知れません。
 また、同じくTikTokをうまく広告利用した企業でブルボンがあります。ブルボンの広報担当の方によると、「楽しさ」に加えて、ツッコみが入れられるような余白があると、コメント欄も盛り上がり、さらにヒットにつながるのでは、語っています。

 この箇所を読んだ時に、ううむ、SKE48でTikTokで相性が良いメンバーって誰だろう、と考えてしまいました。青木詩織さんと荒井優希さんの「おしゆき」コンビは2022年5月29日現在、フォロワーが約73万フォロワーといますが、彼女たちから何かミーム(模倣と拡散)は生まれていません。ただ、このアプローチはこれから更に可能性が拡大していくはずなので、一日でも早く新しい動画をおしゆきコンビには望みます。
 TikTokの利点としては、言葉が関係ないことも多いので国外の方のフォロワーや若いフォロワーの方が増えやすいそうです。
 そこで、新たな可能性がどこに無いかと考えていると、ふと、あるショート動画を思い出しました。



 いかがでしょうか?
 先ほど書き忘れていましたが、TikTokで一番人気がある音楽のジャンルは米国の「The Year on TikTok Top 100」によるとヒップホップが過半数を占めています。日本でもクリーピーナッツがTikTokライブをしてましたね。
 この「ふぃ~る ダッチムホ!」を聴いた時、僕はそのリズムの良さに、「ううむ、素晴らしいリズムメーカーが生まれたものだ」と思いました。
 そして、この動画のポイントは、SKE48運営さんの公式動画からも分かるように、「楽しさ」と「ツッコミ」どころがあります。
 ううむ、ダッチムホをなんとかして広められないものか…。
 めちゃくちゃミーム化しやすそうなんですけどね。
 ちなみに、彼女は、このダッチムホに限らず様々な音楽的な才能の持ち主です。
 僕の推しメンだったSKE48の五十嵐早香さんの作詞に曲をつけてくれたのも彼女でしたね( 遠い目 )。
 さて、まだ18歳の彼女、音楽の才能は勿論ですが、人間としてもしっかりしています。
 ちょっと、2022年5月21日に行われた彼女の生誕祭で読まれた手紙を読んでみましょう。

「奏音ちゃんへ

 18歳のお誕生日おめでとう。そして、チームEへようこそ!

 改めて昇格おめでとう!

 12月の中野で10期生の昇格発表した時、奏音ちゃんがチームEに加入と知って一番嬉しかったです。

 奏音ちゃんには発表の直前、先ほども言っていましたが、声色と私から溢れる笑顔でチームEだってバレちゃってたと思います。実際にそうでした。

 私がオーディションから立ちあわせてもらったこともあって、10期生の皆はめちゃくちゃ可愛くて愛しい存在なのはもちろんだけど、その中でも特に奏音ちゃんは10期生で初めて仲良くなったメンバーでした。

 2020年の夏のコント劇。奏音ちゃんの演技力やストイックさ、それとは裏腹に時折見せる天然でチャーミングな姿にイチコロでやられてしまい、今に至ります。

 一緒にご飯を食べたり、タピオカを飲んだり、稽古以外にもたくさんの時間を一緒に過ごしましたね。歳の離れた可愛い妹ができたみたいで嬉しかったです。

 ただ、SKE48に入って間もなかったのにも関わらず、初めての現場でしっかり自分の芯を持ち、堂々とこなしていて、『この子は只者じゃないな』と震えたことを覚えています。

 奏音ちゃんの存在が刺激的で、『私ももっと頑張らないと』と思わされました。本当にありがとう。

 17歳の1年は毎日が目まぐるしく、あっという間に過ぎていったと思います。本当によく頑張ったね。

 会う機会は少なかったけど、奏音ちゃんの頑張りはいつも自然と私の耳にも入ってきていました。毎日のSHOWROOM配信や劇場でのスクランブル出演。奏音ちゃんの日々の活動に本当に誇らしく思っています。

 誰にもできることではないから本当に凄いことだし、奏音ちゃんは自分の個性をよくわかっていて、それを楽しく届けて伝える力があると思うので、これからもファンの皆さんをたくさん楽しませてあげてください。

 そしていつも積極的に私に連絡をしてくれて、こんなに頼りにしてくれてありがとう。

 私がアドバイスする隙もないぐらいにしっかりとした考えを持っているので、私はほぼ聞いているだけの状態でごめんね。あまり気の利いたことを言ってあげられなくて申し訳なく思っています。

 仲間思いで、正義感が強く、本当にストイックで、やると決めたことはやり遂げる奏音ちゃん。奏音ちゃんのその姿勢はいつか絶対に報われる時が来るし、間違ってなかったと確信できる日が必ず来るので、これからもその強い信念とユーモアあふれる独創力に更なる磨きをかけていって欲しいです。

 見てくれている人は必ずいます。私もずっと見守ってるからね。

 これからはチームメイトとして一緒に頑張っていきましょう。

 悩んだらいつでも相談に乗ります。話何でも聞くからね。

 楽しいことたくさんしましょう。

 奏音ちゃんの成長をそばで見守って、感じられることが何よりの幸せです。

 18歳、素敵な1年になりますように。

 SKE48キャプテン・斉藤真木子」


 真木子の手紙の中に出てきた「仲間思いで、正義感が強く、本当にストイック」という辺りは、まさに手紙を書いている真木子にも近い気がします。また、そのことを踏まえた上で「強い信念とユーモアあふれる独創力」とありますが、このユーモアの部分もちゃんと評価できているのが、真木子のキャプテンとして素晴らしいところだな、と思います。
 そういえば、珠理奈も印象的な言葉を残していましたよね。

10期研究生の澤田奏音です(^-^)v | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)


 澤田奏音さんは、生誕スピーチの中で「18歳まで自分のやりたいこと、夢とか目標とかそれに向かって全力でやる、18歳までは何も考えずにやるということを決めていて」と語っていました。
 そして、これまでの人生でギリギリになって拾われてきたことを語ります。小学校時代に夢に向かってレッスンを受けていたもののなかなか結果が出なかったそうです。しかし、小学校卒業のギリギリのタイミングで映画に少し出ることができたそうです。また、中学の時も通っていたスクールの中学卒業ギリギリのタイミングで、同じカテゴリークラスのグランプリを獲得することが出来たそうです。
 だから、自分を追い込みつつ頑張りたいということ、そして、目標を女優と設定することを語ります。女優の仕事を20歳までにどんどんやっていきたいとも。
 悔いのない18歳を目指すと澤田奏音さんは語ります。
 先ほどの真木子の手紙の中でしっかりしているということが語られていましたが、それは彼女が幼い頃から芸事の世界に居て、周りの子供より先に大人の観点を持つことが出来たからかも知れません。それは、きっと「結果が出なかった」という言葉から分かるように、挫折もあったかも知れません。「ギリギリ」という言葉からは、最後の最後まで諦めなかった彼女の強さを感じます。

 今回、彼女のことを調べながら、ひょっとして、この人なら他者の痛みや辛さが分かる人、キャプテンとかリーダーが似合うんじゃないか、とも思いました。少なくとも10期生の奇才オブ奇才だった五十嵐早香に対しても優しく接してくれた、孤立させないでいてくれた恩を僕は多分、一生忘れないと思います。

 少し、話が私的なことになったので、話を戻します。
 今、TikTokでは、「ストーリー性」のある動画も伸びているそうです。短い中で観る側を引っ張れる動画です。ふと、澤田奏音さんなら、短い演技動画を差し込んでみるのも面白いかも知れません。「ダッチムホ!」のクリエイターがこういうことも出来るのか、という新鮮な驚きがあると思います。日本初の「TikTok売れ」女優が誕生しても面白いと思います。
 彼女の凄いところは作り続けることが出来るところだと思います。これは、物作りをしている方ならご理解いただけると思いますが、かなり大変なことです。是非、この才能を活かして欲しいです。


 今、少しずつSKE48に良い風が吹きそうなところなので、是非、若い才能にチャンスをどんどん与えて行って欲しいと思います。その為にも運営さんには途中で投げ出さずにSNSのハックは続けて行って欲しいと思います。
 澤田奏音という「楽しさ」と「ツッコミ」のクリエイターは、入口から奥に入って行くと、深い信念と独創性、そして優しさが隠れていました。僕と同じ体験を是非、まだ知らない人たちにもして欲しいな、と思いました。

 そして、次の「ギリギリ」では、どんな結果を彼女が出すのか楽しみに待ちたいと思います。

2021年5月22日土曜日

ボーダーブレイク

越境者であれ

 
 最近、仕事の関係でVR chatを用いたメタバースと観光のコラボが出来ないか、と色々と文献を読んだり、ネットサーフィンしたり、実際に自分もアカウントを作ってVRのワールドを作る準備を進めたりしてましてね。まあ、凄まじい勢いで進化している業界なんですよ。
 その中で、VRグラスを用いてコンテンツに没入するVRやバーチャルコンテンツを現実世界を拡張するAR、そして、今はあまり使われていない中間点のMRがあるんですが、その進化の歴史を勉強していくと、「xR」という言葉に出会いました。
 「xR」とは、定義が難しくこれから意味が変わっていくかも知れませんが、「これから先にきっと出てくるであろうまだ見ぬ新しいリアリティ技術たちを総称した言葉」であると言われています(株式会社 往来 著『仮装区間とVR』より引用)。
 
 SKE48で「xR」にあたる進化をプラットフォームに起こしてきたメンバーは、誰がいるでしょう?
 僕の頭にパッと思い浮かんだメンバーは4人います。
 一人目は、かおたんこと松村香織さん。
 Gogle+というツールを用いた「今夜も1コメダ!」に始まる動画や「ぐぐたすの輪」を用いたメンバーとのトーク番組は、自分だけでなく他のメンバーの魅力も発掘される「winwin」の関係を作る素晴らしい発信だったと思います。
 二人目は、こっちゃんこと、白井琴望さん。
 配信アプリであるSHOWROOM上で行ったパンダのぬいぐるみ「パンちゃん」の洗濯シリーズを始めとする、こっちゃんの日常を切り取った配信は、「陽の狂気」といえばいいのか、物言わぬぱんちゃんの哀愁も手伝って、病みつきになる面白さがありました。それ以外にも24時間配信であったり、身体を張ったチャレンジも沢山してきました。
 三人目は、ももたんこと、平野桃菜さん。配信におけるDIY感が凄くて、身近なものを利用して、配信部屋の風景が見る度に変わっていき、彼女の勢いと企画力で多くのファンを楽しませています。
 そして、最後の4人目が、10期生のさんちゃんこと澤田奏音さんです。
 
 毎週日曜日に放送される「おはようSUNちゃんラジオ」をまだ未見の方は、その完成度を是非チェックしていただきたいです。
 と、いうのもですね。
 もう一つの「型」が完成していてですね。
 番組の始まりのジングルミュージックがあったり、「教えて〇〇ちゃん」のコーナーがあったり、リスナーからのお便り募集があったり、と、もはや、スポンサーが付けばどこかの放送局でスライドさせて、レギュラーが持てるぐらい「型」が完成しております。
 しかも、番組を始めたのが、2020年8月16日からなので、まだ1年経ってないんですよね。

 さらに、メンバーとのコラボが面白くてですね。
 新型コロナウイルスの影響もあって、まだ先輩たちと絡む機会が少なかった10期生でありながら、どんどんコラボ配信を続けて行っています(同期とも勿論コラボしています)。皆さんも経験があるかも知れませんが、若手の時にトッププレイヤーの先輩たちと話すことで、勉強になることって沢山ありますよね。この経験がじわじわと後で生きてくるんでしょうね。
 更に、「奏音の日本完食」という、各都道府県の名物を食べて行く企画もやっていて、リスナーからのお便りを拾いながら、全国を食で行脚しています。このアイディアも面白くて、コロナで動けないなら各地域の美味しいものを呼び寄せようという逆転の発想が良いですね。
 アメブロでも触れられているので、ちょっと読んでみましょう。

 ううむ、写真だけでも美味しそう。
 うちの県も観光的なアピールを兼ねて「SUNちゃんラジオ」でアピールしてみようかしら?


 これだけではなく、コラボ配信でも自分のスマホにもう一人メンバーを読んで、3人配信をしたり、とにかく配信放送の可能性をどんどん示してくれるメンバーです。
 世代という縦のボーダーも、場所という横のボーダーも、どんどん飛び越えて行くさんちゃん。
 最近、17歳になったばかりなんですよね。
 果たして、これからどんな風にSKE48の中で才能を発揮していくのか?

 同期の五十嵐早香を僕は推しているんですが、夜行性の彼女とは対照的に、日曜の朝に元気に配信をする彼女の姿もいいですね。2020年11月1日、早香先生とコラボ配信した時に、さんちゃんが曲を作って早香先生が歌詞を作るという約束をしていましたが、「本当に、本当に、その約束、叶えてくれ!」と2021年5月22日現在、僕は願っています。
 普段の配信でもオラウータンのオラ丸や妹のスヌちゃんも登場するんですが、彼女の歌や演技に関する才能の片鱗を感じられるので、おすすめです。

 個人的には、冒頭に書いたVRを彼女に与えたら、どんな世界をデザインするのか、見てみたいと彼女のことを調べながら思っていました。プラットフォームの可能性を拡張しながら、新しい世界を作っていくさんちゃん。
 次はどんなボーダーを越えていくんでしょうか?
 ただ、越境者は常に僕らをワクワクさせてくれます。