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2018年11月27日火曜日

バナナ革命①



どう料理する?


 皆さんは、CDに付いてくる歌詞カードの最後のページって見ますかね?
 あそこのスタッフ欄を見て、「あっ、マネージャの〇〇が辞めた」と知る方もいるみたいなんですね。そこまで見るのか、と思いますが一つのコンテンツを楽しみつくしていて良いと思います。

 さて、僕はこの「バナナ革命」のMVを観た時に初めて歌詞カードの最後のページを確認したんですね。すごい面白いなこのMV、誰が撮ったんだろうと。

 監督は中村太洸さん。調べてみると、本店MVで個人的に好きな「バラの果実」や「掌が語ること」も撮ってらっしゃるみたいなんですね。「バラの果実」は当時、会社の後輩と「この選抜強すぎだろ!」と盛り上がった記憶がありますね。曲も凄くかっこいい。「掌が語ること」のMVは、3・11というどうしょうもない強大な悲しみとどう向き合っていくのか、観るたびにあの頃の空気を思い出せます。もっとじっくり考えたい人は「DOCUMENTARY OF AKB48 2012」をお勧めします。

 SKEだと「いつの間にか、弱い者いじめ」や「チキンLINE」を撮ってらっしゃる。この少し後に撮った「音を消したテレビ」もすごく良いんですよね。また、記事にできればと思います。

 さて、このバナナ革命の歌詞ですが、「最近なんだか、退屈ですよね」という呼びかけで始まります。で、「何にも起こらない平凡な毎日」に対して「刺激」イコール「バナナ」が普段の暮らしの中に「落ちていませんか」と探すわけです。
 「バナナ」イコール「滑ったり 転んだり」とマイナスなイメージの変化が予想されそうですが、それを「ハプニング」といい、それを欲しているぐらい生活の変化を望んでいるんですね。
 そして、2番になると内面の話になってきます。「真面目じゃないけど 不真面目にもなれなくて」とあります。そして、「バナナが落ちていませんか 自分の足元あたり」とまた尋ねます。実は「見過ごしているだけ」ではないかとも。最後に「些細なきっかけで立ち上がりましょう」と「バナナ」イコール「些細なきっかけ」で暮らしの変化を起こそうということですね。
 それが「バナナ革命」だ! (急に断言する暑苦しい文体)

 急に断言しましたが、「毎日平凡だわあ、持て余してるフラストレイション、ユキャナイージーデイズだわあ」みたいに思ってらっしゃる方もいるかもしれませんが、バナナは本当に気づかぬところに落ちているもんですよ(経験者は語る)。

 忘れてはならないのが、この曲はイントロがカッコいいんです。
 ちょっと聴いてみましょう。
 https://youtu.be/nq3OmWRQV7M

 なんでしょう。人によっては、昔のロボットアニメの主題歌みたいに聞こえるかもしれません。僕は探偵物の連続ドラマのエンディング中にかかってほしいなと思います。SKE48の曲って色んなタイアップに向いていると思うんですけどね。それこそ、昔流行った「モテキ!」みたいにドラマ中にストーリーにあった曲がかかるとかね。あっ、「死幣」があったか(1曲だけですが)。

 さてさて、いよいよMVの話に移るんですが、私の前職の会社でもともと芸能界にいらっしゃった方がいたんですね。で、よく酒の席で悪い酔いしながら僕に言ったもんです(ちなみに僕は酒が飲めないので、飲み会中は頭の中で『魔界転生』を上映してしのいでいました)。「芸能人なんてなあ、調味料みたいなもんなんだよ。料理するやつによって生きもするし、死にもする」ほとんどの飲み会は、僕の頭の中でサニー千葉と若山富三郎が闘っているので、上の空で聞き流すんですが、この言葉はなんだか印象に残っていたんですね。

 それじゃあ、中村大洸監督はどのようにチームEを料理したのか。
 SKEに対して、
 まさかの実験!
 もう、これが大成功だと思います。

 まず、アイドルに白衣・眼鏡・ネクタイという理系大学教授ファッション(偏見)をさせるというのが新しいですね。しかも靴が大きくて可愛い。

 で、ここからは、メンバーごとの個性が出てきます。眼鏡もちょっとずつ違いますしね。なかでも一番作りこんでらっしゃるのが、松井玲奈さん。わざわざ黒子つけるわ、髪ボサボサにするわ、ネクタイゆるゆるやら、ポケットに手を突っ込んでるやらで、いやあ、本当にいそうな感じです。研究はすごいけど、ズボラみたいなね。


 順番に実験を箇条書きで見ていくと・・・。
①「アイドルとバナナの皮」
 谷がバナナの皮ですべるという、この頃から身体を張ってらっしゃる実験。
 ありたんのバナナの持ち方が上品。
 今観ると、バナナを3つ同時に投げている。

②「アイドルと風船まわし」
 風で繋げた風船をまわす実験。メンバーはセットして「わーい」。
 ひょこひょこ出てくる谷の面白さとだーすーの眼鏡芸。
 よく見ると、あやちゃんの眼鏡はハート型。

③「アイドルと自転車発電」
 自転車を漕いで発電するというウルフルズの「ガッツだぜ」以来続いている実験。
 梅ちゃんのモンロー。
 眼鏡をずらして遊ぶのが素敵。
 一瞬だけ、だーすーが鼻を伸ばしている?

④「アイドルと空中遊泳」
 風の抵抗を利用して空中を遊泳しちゃおうというトム・クルーズもびっくりの実験。
 どんちゃんみたいな顔の事務職の人、いそうだなあ。
 飛んだ瞬間の真紀子の顔。

⑤「アイドルと円環座法」
 みんなで円になってひざの上に座る実験。
 昔、小学生対象のキャンプでやったなあ、理屈は分かりませんが。
 めいめいの眼鏡のでかさ。
 こけそうになっているのはどんちゃん?

⑥「アイドルと回転椅子」
 空気を放出する逆掃除機みたいなマシーンを持って、椅子に座って、グルグル回るスクリュードライバー実験。
 きょんちゃんのやる前の顔。
 ガチで怯える周りのメンバー。

⑦「アイドルと巨大送風機」
 巨大送風機から風を受けながらも歌って踊るイントゥー・ザ・ストーム実験。
 白衣の集合がかっこいい。なるちゃんが送風機に乗っかっている。
 飛んでくるのは実験で使った風船や新聞紙。
 前の方の人ほど、風のダメージが強いという「弱虫ペダル」でも言われていた理論もついでに証明される。
 最後の真紀子の顔に青いビニールがヒット。
 終わってみんなヘロヘロなところに「バナナ革命」のテロップ

 うーん、まだまだ見どころはある気がしますが、特殊な環境と恰好で、メンバーの新たな魅力が出てくるわけです。今回でしたら、松井玲奈が持って行った感じがします。
 そして、「実験」という新しい何かを見つけ、証明しようとチャレンジすることは、歌詞の世界ともマッチしています。

 コスチュームを変える、シチュエーションを変える。
 そんな「些細なきっかけ」かもしれませんが、愉快で可愛いMVになったと思います。それを「革命」といったら言い過ぎかもしれませんが、「ワクワクする ドキドキする」MVになっていると思います。
 これからのMVでもどんな料理をしてくるか、最近SKEを撮っていないので、中村大洸監督の次のSKEのMVが楽しみです。