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2020年10月27日火曜日

末永桜花が目指すもの

 「好き」の理由


 以前、末永桜花についての記事を書いた時に、少しだけ彼女のブログを読んだんですね。その中で、一つ、疑問に思ったことがありました。ただ、それは一部しか読んでいない結果かな、と思って、時間をおいてアメブロを全て読むことにしました。全部読み終わっても、僕の疑問は変わりませんでした。
 それは、「何故、この子は自己評価がこんなに低いのか?」ということです。
 握手会や生誕祭についてのブログで「こんな私に」とか「何も持っていない私に」という言葉が度々登場します。
 おーちゃん推しではない、僕から見ても美人だと思いますし、アイドルとしてのたたずまいも凄く説得力があるメンバーだと思います。なぜ、自己評価が低いんだ、と。
 最初は、謙遜として書いているのかな、と思ったんですが、2018年から2019年、そして、2020年になっても変わりません。
 昔からコンプレックスが多かったということを本人も総選挙ガイドブックの中で語っていますが、アイドルという自己承認欲求が満たされやすいし、可視化されやすい職業に就いていても、そう感じてしまうのか、と。
 勿論、48グループという競争社会にいれば、自分よりも上の数字を叩きだすメンバーや、先に選抜入りした同期たちの姿もあるでしょう。
 ただ、この自己評価の低さこそが、上を貪欲に目指していく姿勢と繋がって来るかと思いますし、あの柴田阿弥が認めたアイドルでもあるんだろうな、と思います。
 これまでの僕のおーちゃんに関する認識については、「好きなことを紹介する時の姿がとても素晴らしい」という感じでした。僕はガンダムはZガンダム派ですし、電車に関しては全く知識はありませんが、好きが伝わってくる発信がとても素晴らしくてですね。以前、仕事で京阪電車を利用していた人間としては、「まさか、そこを紹介する?」と衝撃を受けたものです。
 さて、じゃあ、アイドルとしての末永桜花はどうなんだ、と。
 なんで自己評価が低いんだ、そして、何故、今の地位まで登っていったんだ、と考えました。
 研究生時代、恵まれたポジションでのスタートではなかったおーちゃん。
 当時は、ダンスが得意な同期の姿、選抜に次々に選ばれていく同期の姿も見てきたと思います。
 ただ、彼女の姿をちゃんと見つけて、彼女を応援していく人達がいました。
 それが「セレッソール」、おーちゃんのブログ流に言うと、「皆様」です。
 もう、何回登場するんだ、というぐらいブログの中で「皆様」へのメッセージが登場するんですね。
 2018年7月4日のブログを読んでみましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12388518361.html?frm=theme
 更に総選挙のトロフィーが届いた2018年9月5日のブログも。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12388518361.html?frm=theme
 いずれも、現場・在宅問わず、セレッソールの皆さんとおーちゃん自身が努力した結果の結晶だと思います。
 先ほど、挙げたおーちゃんの「好き」の中には、SKE48もあります。
 彼女の聖地巡礼っぷりは本当に凄いですよね。
 そんな彼女の好きが魅力的な曲のユニットを引き寄せます。
 2018年9月15日のブログを読んでみましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12405233855.html
 見てくれている人は、見てくれているんだなあ、としみじみ思います。
「曲を大切にしてくれるメンバーにやってほしい」というみこってぃの粋な計らいも素敵ですね。
 少し脱線しますが、おーちゃんと先輩たちの関係というと、阿弥ちゃんが印象的ですが、実は、谷が推しメンなんですよね。今回調べていきながら、初めて知りました。気になった方はこちらをどうぞ。(2019年1月8日のブログより)
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12431431874.html
 谷、本当にこういうとこも素敵ですね。
 2019年6月24日のブログでは、「こういうせんぱいになりたいです」というメッセージを書いています。
 さて、先輩の話に触れたので、同期に関して書いておくと、やっぱり町音葉さんについてもチェックしておきましょう。チームS、チームEと別々のチームになったものの、仲良しの二人の別れが訪れます。2018年11月18日と11月29日のブログを連続して読んでみましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12420004208.html?frm=theme
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12422506843.html
 11月29日に、町さんから言われた「ドレスを作って貰えるぐらいの大物」には、約1年2か月後、卒業を待たずに彼女はなることになります。
 さて、どんどん脱線して行ったので本筋に話を戻すと、セレッソールの皆さんと掴んだ総選挙ランクインと選抜入りは、彼女をSKE48の枠だけでなく、48グループの枠へと躍進させていきます。
 まずは、総選挙ランクイン曲「友達じゃないか」についてのブログを読んでみましょう。
 うん、あの曲、歌詞はいいのに。メンバーもいいのに。何故、あのMVにしたんでしょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12406147738.html
 2018年11月6日のブログでは、最強ツインテール選抜に選ばれたことを触れていますし、「モニカ、夜明けだ」などのカップリングにも参加していくことになります。2018年12月12日のブログの「加入時は予想できないことが起こっている」という状態が徐々に進んでいきます。
 「SKEBINGO!」では、舞台ハムレットのメンバーにも選ばれます。
 この期間で印象的だった2019年1月29日のブログを読んでみましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12436387580.html
 初めての試み、勇気を出して新しいことをしていく。
 こういう文章を読むと、メンバーがチャレンジする場がどんどん増えていくと良いな、と思いますね。たとえば、演劇関係とかは継続してやっていって欲しいところです。SKE48をステップに夢を叶えていくメンバーが増えていくように。
 さてさて、ここらでまた先輩との関係をピックアップしたいんですが、それがかおたんです。
 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12438316471.html
 センターというチャンスだけでなく、MCの回しという阿弥ちゃんやみこってぃや谷を彷彿とさせる役割を任されていきます。勿論、かおたんの後輩への態度も学んでいますね。
 そして、2019年3月29日。
 先ほど、「羽豆岬」でおーちゃんを選んでくれた内山命が卒業します。
 ちょっと、ブログを読んでみましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12450519861.html
 こうして、おーちゃんの視線を通してみることで、みこってぃの重要性もみえてきますね。
 さらに、おーちゃん視点から見た奈和ちゃんについても、2019年4月11日のブログで見てみましょう。
 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12453630490.html
 ちなみに、由麻奈や綾巴についても書いてますが、気になった人は、是非是非、検索してみてください。
 
 2019年10月29日の「ソーユートコあるよね?」の選抜に選ばれます。 
 彼女は変わらず控えめながらも、少しずつ自信を持って未来へ進んでいきます。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12540493384.html
 上を目指す彼女を後押しするように、2019年11月29日。ソロコンサートの発表があります。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12548580505.html
 
※ その時のソロコンの感想の記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2020/06/2020125.html
 ちなみに、ソロコンで彼女は衣装さんたちの愛がこもったドレスを着る「大物」になります。
 更に時は流れて、「12周年公演フェス」で彼女は研究生時は端っこだった彼女が、センターに躍り出ます。
 この時の動画がちょっとした伏線になっていますね。 
 そして、「12周年公演フェス」についてのブログ。
 本文に出てくる「大好きな2期生の先輩」も、もうここまで読んだ方なら分かりますよね。

 ここまで、調べてきて、いよいよ最初の問いに戻りたいと思います。

 「何故、この子はこんなに自己評価が低いんだろう」ということです。

 ひょっとして、偉大な先輩たちや同期の背中が良いお手本として、目指すべき目標としてあるからじゃないでしょうか?
 それは、グループの中にもいるし、外にもいる。
 それぞれの場所で輝いている姿がある。
 コンプレックスではなく、まだまだ上を目指せるから、彼女の自己評価は控えめなのではないかと。
 だから、貪欲にチャンスに挑んでいけるし、「好き」を仕事に繋げてちゃんと継続できる。
 彼女の実績はトップクラスへの道を進んでいます。たとえば、SKE48の中でもソロコンサートをしたのは、松井珠理奈、古畑奈和、野島樺乃と限られたメンバーだけです。
 これから、彼女がどんな未来を仲間たちやセレッソールと作っていくのか、どこかで満足するのか。次は彼女のどんな「好き」が観られるか。そして、彼女を目指すメンバーがいずれ出てくる。SKE48の歴史がまた接続していく。

 最後におーちゃんのブログで一番好きなものを貼ってお別れです。おーちゃんとセレッソールの「皆様」が作る物語は、次の章も熱くなりそうです。


※Zガンダム派の僕ですが、おーちゃん版「サイレントボイス」が聞きたいです。

2020年10月26日月曜日

松井珠理奈で印象的な曲は?

 あなたの中にあるもの

 昨日は古畑奈和ちゃんについての印象的な曲のアンケート結果を発表したので、今回は、松井珠理奈の印象的な曲について聞いたアンケート結果を発表したいと思います。結果はこちら!


 

 まず、大前提として、松井珠理奈という人が48グループにおいて参加している曲が多すぎるということですね。センターとして参加している曲だけではなく、横のポジションで入っている曲も名曲が多くてですね。たとえば、「君はメロディー」や「愛の存在」なんかも凄く良いですし、「誰のことを一番愛してる?」での化学反応とかも良いんですよね。あと、「希望的リフレイン」での運動神経の良さ、とかね。さらに、「桜の木になろう」のMVなんて、主役みたいな扱いじゃないですか(あのMV観ると毎回泣きそうになります)。
 実はセンターじゃない曲で印象的な曲も多いんですが、今回は特に印象的な4曲に絞らせていただきました。

 まず、トップに立ったのは「大声ダイヤモンド」!
 僕も48グループにハマって行ったのは、「大声ダイヤモンド」がきっかけですし、この曲のセンターを務めた小学生の女の子を巡るストーリーも凄く印象的ですね。
 個人的には、「箱で推せ!」名古屋ドーム2日目で披露したアコースティックバージョンが本当に良くてですね。初日でもイントロが流れた時の盛り上がりも良かったんですが、2日目の「大声」のSKE48への思いが伝わる感じが好きなんですよね。
 
 第2位は「赤いピンヒールとプロフェッサー」。
 もう、ソロコン2016での大トリが凄いですよね。そこまでアップテンポな曲が続いた後に、ゆっくりと赤いヒールを履くという「タメ」の演出が素晴らしくてですね。イントロが鳴った時の解放感と爆発も含めて、「SKE48」という競技における珠理奈の強さを改めて印象付けられた1曲でした。
 正直、アルバムで聴いた時は、「ん?」という感じだったんですが、実際にパフォーマンスでみるとカッコいい名曲でした。

 第3位は「Glory days」。
 「手をつなぎながら」公演の珠理奈センター曲ですね。
 こちらは、ゆっくりとしたイントロから、朝日を連想させる始まり、そして、AメロからBメロにかけての青春の悩みの提示。そして、サビでの答えが若さを肯定するような内容が歳をとってから聴くと、「本当にそうだよなあ」と共感できるんですよね。
 珠理奈・桑原・中西トリオからスタートしたこの曲は色々な3人組が観られるのも楽しみで、果たして卒業コンサートで披露するとしたら、どんなトリオで出るのか楽しみです。
 とにかく、珠理奈の弾ける明るさを感じられる名曲です。

 第4位は「思い出以上」。
 「制服の芽」での珠理奈のセンター曲ですね。先ほどの「Glory days」とは対照的な大人っぽい別れの曲ですね。初期のリクエストアワーでは、常に上位に入り続けてきた名曲ですが、珠理奈の年齢が徐々に曲の主人公に近づいて大人になっていくという楽しみもありますね。 
 個人的には、とにかく振り付けがカッコいい!
 衣装の色の重なり合いもそうなんですが、波うち際と心の動きを表すような「すべて幻」からのふりが特に好きです。

 今回は、代表的な曲を4曲挙げましたが、多分、読んでいる方お一人お一人に珠理奈の代表曲があると思うんですよね。僕は「バケット」とか1番好きですし。
 果たして、卒業コンサートではどんな曲が選ばれるのか、そして、次のシングルではどんな曲調の曲が来るか、今から楽しみです。

2020年10月25日日曜日

古畑奈和で印象的な曲は?

 超接戦!


 先週1週間は、ブログがほとんど書けないぐらい体調が悪くてですね。てぬ…じゃなかったアンケート企画でSKE48のことを考えて、何か出来ないかと思いましてね。今回は古畑奈和ちゃんに関するアンケートを取ってみましたよ。



 なかなかの接戦になりましたね。
 まずは、1位になった「10クローネとパン」。
 もともとは、「次の足跡」というAKBのアルバムに収録されていた曲で歌唱力の高い山本彩がセンターで入っていましたね(卒業公演でのさや姉のパフォーマンスは圧巻です)。
 山本彩が5人で実現した世界を古畑奈和は、一人で表現していきます。
 さらに、山本彩がキレのある「ダンス」で表現したのに対して、奈和ちゃんは「演舞」に近いオリジナルの表現で魅せます。
 この曲についての奈和ちゃんのブログを読んでみましょう。

https://ameblo.jp/ske48official/entry-12221385307.html 

 僕自身もこの曲の世界観が大好きで、終盤の「呼吸をする度 白い息」から「僕は目を閉じて 走ってる」は、初めて聴いた時、世界とも時間とも離れた世界になっていて、素晴らしいと感じました。
 20世紀後半のアメリカ文学における、ひたすら物語の中でマイナスの札が出続けて、最後に希望の光を手に入れるような世界観が好きです。もし、奈和ちゃんソロのセカンドアルバムが出るなら、アコースティックバージョンで入って欲しいな、と個人的に思っています。 

※「10クローネとパン」についての記事はこちら!

https://oboeteitekure.blogspot.com/2018/11/blog-post_30.html


 第2位は同率!
 まずは、「誰かの耳」。
 この曲に関しては、総選挙の感謝祭で披露していますが、そこに辿り着くまでのドラマが凄まじすぎてですね。曲自体は、ネットに溢れるちょっと失敗した人に対して石を投げる文化や、ファクトチェックもせずにデマを信じて広めていくことの怖さを描いた曲なんですがね。これほどまで2018年総選挙における古畑奈和にリンクした曲はないんじゃないでしょうか?
 この時の奈和ちゃんのブログを読んでみましょう。

https://ameblo.jp/ske48official/entry-12395214436.html

 いやあ、もう読んでてヒリヒリしてきますね。
 ブログの中の「狂気的でヤバい奴」とありますが、申し訳ないですが、そういうところが、大好きでしてね。竹久夢二や萩原朔太郎に通じるような「狂気」も本当に好きです。しかも、それを「アイドル」という枠からはみ出してやってしまうと下品になりがちですが、48グループという当時の大メジャーの中で枠ギリギリで表現し続けているところも素晴らしかったです。エピソード込みなら文句なしに1位です。

※「誰かの耳」についての記事はこちら!

https://oboeteitekure.blogspot.com/2020/04/blog-post_26.html


 さらに同率2位の「本性」。
 中田敦彦さん作詞ですね。
 ソロアルバム「Dear 君とボク。」が届いた日のことを皆さん覚えてますかね?
 僕は、歌詞カードや曲順も読まずにCDをプレイヤーに入れ、1曲目を聞き始めたわけですよ。まあ、「10クローネとパン」みたいな曲が1曲ぐらい入っていたらいいなあ、と思っていたんですが、1曲目からパンチが効いた曲が来ましてね。

 公式の動画を貼りますので、歌詞に注目しながらお聴きください。


 最初聴いた時は、ただただ、「とんでもないアルバムが出来たな」と感じていたんですがね。最近、聴きなおすと、まさに「アイドル」について「恋愛」のフィルターを通して間接的に描いているようにも感じましてね。この曲における「互い」が、アイドルとファンの関係にも見えます。「本性」を剥き出しにして全部さらけだした僕も愛せる?と試しているようにも感じます。ちなみに、ライブの時に、イントロで顔を手で隠すと表情がすっと変わるところとかが、まさにこの曲の世界観を表していると思います。


 そして、最下位になってしまったんですが、実は1番好きな曲が「観覧車」。
 もの凄く未来の話ですが、古畑奈和卒業コンサートでこの曲を聴いたら、絶対泣くんだろうな、と思いましてね。
 曲の中の時間は観覧車のようにゆっくりと進みます。
 二人の「別れ」に向けて、曲の主人公はそれに逆らうように「出会った日」のことを思い出します。
 「一番上」の景色を想像するくだりは、「総選挙」は勿論ですが、「約束」を果たした先の未来を連想させられます。
 上の3曲がどちらかというと僕は、夜の路上で聴くことが多いんですが、この「観覧車」は夕方に聴くと本当に良いんですよね。さらに言うと、自発的に「聴く」という行為をしなくても、頭の中で「流れてくる」曲になっています。

 先日、youtubeで10月公開の映画の予告をひたすらウォッチしていた途中で「おぬしへのおすすめ」に出てきた素敵な動画も貼っておきますね。



 ここまでで、「いや、オルフェスが無いじゃないか!『ゲティ家の身代金』の息子みたいな目に遭わせるぞ」と思われた方もいらっしゃるかも知れませんし、「『コールボーイ』がないとか、『ジョン・ウイック』シリーズの最初の15分のキアヌみたいな目に遭わせるしかないな」と検討されている古畑奈和ちゃんファンの皆さんには、本当に申し訳ないです。Twitterは4つまでしかアンケートの選択肢がないんですよ。どうか、見逃してください。飼い犬を殺したり、家をバズーカで吹っ飛ばしたり、世界中の殺し屋から狙われるような目に遭わせないでください。


 さて、話を戻すと、ラジオのレギュラー番組「10月のお楽しみ」も毎回、素敵な曲との出会いがあり、ゲストの方がちゃんと奈和ちゃんのキャリアと接続している方ばかりで、本当に良い番組だな、としみじみ思います(武田さんとのサックストークなんか特に良かったです)。あと、声がラジオ向きの声でいいんですよね。邪魔にならないけど、心地よい。


 「えにし酒」の配信イベントもなかなか良かったですしね。
 僕は20時に会社の休憩をとって、クイズコーナーに関しては、「くっくっく、伊達に『乙女酒』と『えにし酒』の感想を総集編以外、全部書いていないぜ、この勝負もらったな」と挑みました。しかし、自分のブログを改めて読み返すと、「クイズの答えが1問も書いていない…」という悲しい事実にぶつかりましてね。僕の半年間は何だったんだろうと、思いながら、そっと画面を閉じましたよ。

 色々と書きましたが、今年は歌唱力№1にもエントリーしているので、果たしてどんな結果を出すのか楽しみです。

 2020年も2021年も奈和ちゃんにとって、「おめでとう」が沢山の日になることを願いながら。

https://ameblo.jp/ske48official/entry-12329997877.html

2020年10月17日土曜日

今こそ考えたい!小畑優奈とは何だったのか?

センターの条件

 先日、終電を逃してカラオケボックスに泊まりました。
 歌う元気もないので、ぼんやりモニターを観ていると、あるアーティストの方のMVが流れていて、そこにはゆななこと、小畑優奈の姿がありました。

 ああ、今はこういうこともやってるんだ。

 笑顔もいいけど、今も眼差しが素敵だなあ、と思いながら目を閉じました。


 2019年3月26日。

 一人のメンバーがSKE48で最後の公演を終えました。

 彼女の名前は、小畑優奈。
 松井珠理奈・松井玲奈に続いてSKE48で単独センターを務めたSKE48の期待のホープでした。



 このかおたんちゃんねるの動画を観ると、僅か4年間の活動だったんですね。
 個人的には、彼女がいた7期とドラフト2期生で構成された通称「7D2」が「SKE48の新たなムーブメントを起こし、先輩や後輩との世代闘争!激しいセンター争いを繰り広げつつ、SKE外でも活躍していくに違いない!ワガンダフォーエバー!」と信じていただけに、まさかの卒業で衝撃だったんですが、この辺りは以前書いた「意外にマンゴー」についての記事を読んでいただければ幸いです。
※「意外にマンゴーの記事はこちら!」

 さて、2019年3月26日までのゆななが居たSKE48と彼女が居なくなってからのSKE48。何が違うんでしょう?
 彼女が居た時のSKE48に関しては、「もう一つの選択肢」があったことだと思います。しかも、「〇〇よりはマシ」ではなく、「ゆなななら任せられる」という信頼感がありました。周りのメンバーの声やファンの方々の支持率も高かったのではないでしょうか?また、総選挙の順位もキャリアを加味すれば上出来の順位だったと思います。

 さらに、彼女に触発されて他のメンバーたちも輝いていく、という相乗効果。先ほどのかおたんちゃんねるの中でも水野愛理が泣いていましたが、いかに彼女にとって重要な存在だったかが分かります。他にも楽々や菅原といった多くのメンバーとのドラマもあります。
 しかし、彼女は登りつめてしまったが為に、アイドルとしてやりきってしまったんですよね。卒業発表をした日のブログを読んでみましょう。

 ただね。
 彼女が卒業を発表してから、K2メンバーを中心に「アイドル」について書きました。
 まずは、2019年2月13日の江籠ちゃんのブログ。

 間接的にですが、2019年2月13日のさきぽんのブログ。

 ちゅりの2019年2月14日のブログ。

 時間が前後して申し訳ないですが、卒業を聞いていた荒井さんのブログ。
※今回は割愛しますが、日高さんも「大好きな妹」というブログでゆななについて書いています。
 彼女の卒業を通して、自分の活動やファンのとの関係についても考えるきっかけにになったのかもしれません。

 思えば、ゆななは、卒業だけでなくセンターという位置に立つことで、周りに刺激を与え、刺激してきたのではないか、と思います。
 
 そう、センターに居る人間は、ひょっとすると周りの成長やライバル心を促す人間がふさわしいのかも知れません。
 たとえば、彼女と同期でもなければ、プレイべートでも関係はほとんどなかったのですが、物凄く刺激を受けたメンバーがいます。
 それが古畑奈和です。
 「意外にマンゴー」のセンターが発表された日のブログを読んでみましょう。
 
 もうね、この日のブログ大好きなんですよ。
 自分はセンターの選択肢から外されたのか?
 いや、総選挙という別のルートから行って周りの評価を変えてやる、という熱い思いが伝わってきます。SKE48の歴史の中に連綿と流れる熱い思いが伝わってきます。

 そして、同期の楽々のブログを読んでみましょう。

 自分が選抜された日のことを思い出し、ゆななを含めて初選抜の人々を支えたいという思いが芽生えていきます。自分と同期のメンバーが選抜に入ってくれる嬉しさがあったのかもしれません。仲間との関係やドラマは12周年公演の時もそうですが、本当にSKE48っていいなあ、と思いますよね。

 7期生のセンター抜擢からSKE48のセンターを2作連続で務めた実績は、様々な可能性を提示していきます。
 そして、それまでの松井珠理奈が示してきたイズムとはまた違ったものを見せてくれたのではないか、と思います。
 完全に深読みですが、「無意識の色」のMVの0分28秒あたりのところで、「強き者よ」と「意外にマンゴー」の二つの衣装を見比べて、「マンゴー」の衣装を選ぶところは、新しいSKE48イズムの提唱にも見えるんですよね(奇しくも直後に珠理奈が『強き者よ』を着て踊っています)。
 それは「ストロベリーパンチ」とはまた違う「陽」のイズム。「楽しい」という感じでしょうか。それまでのSKE48のアスリート的なものとは似ているようで少し違う感じが僕にはしました。珠理奈や玲奈、ちゅりから続く「本気」というイズムをバックボーンに、新しい何かが生まれた気がします。
 
 ここまで書いてふと思ったんですが、メンバーへの刺激だけではなく、我々ファンにも刺激を与えていたんですよね。色々な可能性を巡らせることができるというのもセンターに大切なことなのかも知れません。変な言い方ですが、様々な料理の素材になれる魅力がある。シリアスもホラーもコメディも全部行ける。
 ゆななに当てはめると、「意外にマンゴー」や「無意識の色」での王道アイドル感もそうですが、「誰かの耳」や「不協和音」での曲の世界への没入感、そういう拡張性の高さが彼女にあるんじゃないか、と思います。

 話を戻すと、彼女が居たから彼女と近い期のメンバーも選抜やセンターに入って、時代を変えるという目標が出来ましたし、先輩メンバーたちもまだまだ負けてられないと燃えたのではないか、と思います。

 そう考えると、小畑優奈は、SKE48にとっての救世主であり良い意味での「刺激」だったんでしょうね。2020年はコロナの影響でSKE48におけるシングルリリースの遅れで、「刺激」が少なくなりましたが、12周年公演フェスという新しい形の「刺激」がメンバー全員に対して成長や覚醒を促したのではないでしょうか?

 彼女が持っている笑顔の明るさには、小学生の時にAKB48のセンターになった松井珠理奈の天性の頼もしさとも似ていると僕は考えています。生まれついての「ギフト」といいますかね。
 それに対して、須田亜香里や古畑奈和が長年かけてセンターを「勝ち取ってきた」こと。彼女の抜擢があってこそ対比が際立つのではと思います。「もうベテランメンバーは選ばれないのか?」「いや、そんなことはない!」という熱いドラマもあります。待ってたぜ!というかね。勿論、この二人なら任せられるという安心感や頼もしさもあります。また、努力すれば結果を出し続ければ、センターを取れるし、年齢やキャリアは数字に過ぎないということの証明になったと思います。

 どんなSKE48になるんだろう?
 そういう想像力の幅がゆななに関しては広かったのかも知れません。
 個人的には、IFの話になりますが、ゆなながSKE48に残って、そのままセンターだったら、「ソーユートコあるよね?」どんな風に表現するのかが凄く観てみたいです。勿論、卒業した後の今でも面白いと思います。アイドルから離れた彼女とも世界観を壊さずにできる曲なんじゃないかと思っています。こういうところも色々な可能性を感じさせるメンバーでした。
 

 
 彼女の最後のブログを読んでみましょう。

 彼女のために何かしてあげたい、そう思ったメンバーやスタッフの方、ファンの方が沢山いたんだなあ、とこのブログを読んでいると感じます。
 この人の為に何かしたい、と思わせるのもセンターにとっての大事な条件かもしれません。
 それは、珠理奈もそうですし、だーすーもそうですし、奈和ちゃんもそうですね。ひょっとしたら、次にセンターになるメンバーにも同じような思いをファンに抱かせてくれるメンバーがなるのかも知れません。
 
 なんだか、ゆななのことを書こうと思っていたんですが、だんだんセンターについての話になってきました。
 ゆななのことを考える時、センターについても考えることになるのかも知れませんね。
 彼女は今、自分のブランドを作ってハンドメイドの作品を売ったり、youtubeで動画を沢山残したりしていますが、やはり演じること表すことに向いているなあ、と思うんですよね。他のアーディストの方のMVや商品の宣伝用の写真のモデルをしているところを見ると、誰かの視線を通して世界を表現できる貴重なメンバーだったんだと思います。

 カラオケボックスのモニターに映った彼女の姿を見ながら、「頑張れ。元SKE48のセンターの力を存分に見せてくれ、残った同期や先輩たち、後輩たちも頑張ってるぞ。いつか、君に憧れて入ってくるメンバーがいるといいな」と思いながら、その日、僕は朝を待ちました。

 小畑優奈というSKE48にとっての「希望」であり「刺激」は、彼女が次に選んだ世界にどんな変化をもたらすのでしょう?

 

2020年10月13日火曜日

9月から10月のnote更新

 9月から10月のnote更新



2020/9/10「12周年公演と好きについて」(ラジオです)

https://note.com/oboeteitekure913/n/n128de74613a3


2020/9/15「古畑奈和をずっと見ていたい」(ラジオです)

https://note.com/oboeteitekure913/n/n6731ee50a3a7


2020/9/20「余韻を感じる時」

https://note.com/oboeteitekure913/n/n17b880107e49

2020/9/25「おすすめの映画と本 ミッドナイトスワン」

https://note.com/oboeteitekure913/n/n1a5bb371a8bf

2020/9/27「10月のブログの更新について」

https://note.com/oboeteitekure913/n/nbea48fc119ed

2020/10/2「どっちがいいのか?」

https://note.com/oboeteitekure913/n/nbaba455ffa57

2020/10/8「不要不急について」

https://note.com/oboeteitekure913/n/n6639c6f6aecd

2020/10/13「おすすめの映画と本 82年生まれ、キム・ジヨン」

https://note.com/oboeteitekure913/n/naaced79d7ed4

2020年10月11日日曜日

「to you for me」

 過去から今、そして、未来のあなたへ


 最近、対談企画をしたアイドルマスターのるくるぐさんから、声優としてアイマスで活躍している佐藤亜美菜に関する曲やライブのCD・Blu-rayを借りましてね。


 今年の春の初めに京セラドームで佐藤亜美菜と再会した時からずっと気になっていた曲がありました。

 ※ちなみにその時のライブの様子はこちら!
 9分52秒ぐらいからの「in fact」は、是非、48時代の亜美菜しか知らない人は聴いてみて欲しいです。



 凄い良い表情をしてますよね。
 丁度、「シンデレラの舞踏会」なるブルーレイを借りて観ていたんですが、そちらの静謐な淋しさや孤独とは違う、どこか、遠い日のことを思い出して語っているように僕には聴こえました。

 アイマスを全然知らないけれど、佐藤亜美菜のドラマは少しだけ知っている人間としては、思わず涙がこぼれた曲でした。そして、曲が終わった直後にるくるぐさんが「これだけでも兄さんを連れてきた甲斐があったな」と耳元でささやいたのを覚えています(何故か彼は、僕のことを『兄さん』か『ポーリー』と呼びます)。

 さて、この時の記事を書いた時に、多くのプロデューサーさん達に読んでいただけたんですが、「最後の4音に気づきましたか?」という質問が何回かありました。なんと、この4音が彼女の他のソロ曲である「to you for me」のサビだったんですね。芸が細かい!そして、知っている人はニヤリと出来る感じが素敵ですね。
 
 では、「to you for me」とはどんな曲か、聴いてみましょう。
 

 ※ライブバージョンは10分20秒ぐらいから! 

 ううむ、歌詞の前半は全て過去形で進んでいきますね。
 そして、サビが「あのね」と語りかけるような歌い方で入るんですが、この後の「to you and for me」だけが英語なんですよね。素直に日本語で伝えないところが「まだ少し照れくさくて」というところとも繋がる気がします。無理やり和訳すると、「私のためにあなたへ」へでしょうか?
 1番のサビで「前より」、2番のサビで「今日より」と彼女の視線が未来へと連想させられるサビの終わり方も良いですね。

 自分を変えてくれた人との思い出。
 自分の思いを大事なあなたへ伝えたい。
 簡単には素直になれないけど、自分の声で、という一途な思いが曲全体から伝わってきます。

 さて、こちらの曲を歌っている「橘ありす」さんについては、多分、プロデューサーさんたちが詳しいし、様々な解釈をされているのではと思うので、ここでは一回「佐藤亜美菜」の方に振って考えてみたいと思います。
 
 まず、新鮮なのが、「女性目線の曲を歌っている」ことと「ダンスがほとんどない」ということです。
 プロデューサーの皆さんからしたら、何を当たり前のことを思われるかも知れませんが、48はどちらかというと男性目線の曲が多いんですよね。ちなみにファン目線で描かれたNONAMEという声優ユニットの「この涙を君に捧ぐ」や、壮大な始まりを感じさせる「希望について」は亜美菜も参加しているので、是非、チェックしてみてください。
 次に新鮮なのが、「ほとんど曲にダンスがない」ことです。
 こちらも、いや何を当たり前のことを思われるかも知れませんが、チームK時代の佐藤亜美菜を知っている人間からしたら、「ダンスも出来るのにもったいない!」と思いつつも、動かないことで、表情に注目が行く。「演じる」ということに注目が行くんですね。そうか、もう彼女はアイドルじゃなくて、声優さんなんだもんな、としみじみ感じましたよ。ちなみに、「言い訳Maybe」のリクアワ時とかを見ると、アイドル時代の彼女がいかに凄いか分かると思います。総選挙の結果とはいえ、超選抜の2列目にいて、うちの珠理奈がその斜め後ろの列ですよ(急にSKEヲタ口調になりました)。



 もちろんね、歌声が「橘ありす」さんとしてのものなので、「佐藤亜美菜」目線で考えていくのは乱暴だと承知なんですが、最初の方に挙げたライブの映像を観ていると、本当はバリバリ踊れる人があえて身体をあまり使わずに表情と歌声だけで勝負する迫力を僕は感じました。俳優の千葉真一さんが、「本当に素晴らしいアクション俳優は動かない演技でも魅せられる」と語っていたそうですが、何かそこに通じるものがあるように感じます。

 話を「to you for me」に戻すと、「in fact」との繋がり目線で読み解いていくのも面白い曲ですが、「佐藤亜美菜」という人の人生と繋げてみても味わい深い曲だな、と感じます。AKB48というアイドルを駆け抜け、声優になり、今度は「橘ありす」というアイドルと一緒に表現していく。その姿を見ていると、本当に良いキャリアを進んでいるな、と感じます。

 なかなか難しいかも知れませんが、いつかまた、それぞれが自分のキャリアを進んだ先に、「NONAME」が揃ってライブすることとかないかな、とふと思いましたよ。特に声優の道に進んだ人達は。それぞれが演技力を磨いた上でもう一度、あの頃の曲を表現する機会がこないかなと。
※ おすすめの「この涙を君に捧ぐ」を貼っておきます。秦佐和子さんがただただ儚く美しいという世界の真実が閉じ込められた3分16秒でもあります。
  

 ※ 個人的に、このバージョンが何故か泣けます。「瞼を落ちて目尻から流れ落ちた熱いもの」のところの亜美菜が素晴らしい。


 ここ数日間、過去のアイマスのライブ映像を観ていたんですが、名古屋ドームとかの映像を観ていると、もう一つのコンテンツとして行くとこまで行ったな、と感じましてね。次はどんなところに冒険していくのか楽しみですが、また、佐藤亜美菜と橘ありすに素敵な曲が来て、大観衆の前でパフォーマンスする日が、また来るといいな、と思います。

 最近、気になった曲を貼ってお別れです。


※京セラドームの時の記事はこちら!

※るくるぐさんとアイマスとSKE48のことを中心に2次元と3次元のアイドルについて考えた対談はこちら!

2020年10月9日金曜日

「もっと観たいと思わせるセンス」

 スキルとセンス


 

 先日、楠木建さんの「経営センスの論理」という本を読みながら、おっ、と思うことがありましてね。「スキル」と「センス」の違いに書かれていたんですね。ただ、なかなかこの二つの概念は、抽象的な表現のまま考えるのは難しいので、たとえを出されていました。「スキル」は、「国語算数理科社会」のように数値化できるもので、身に着けるものが出来ること。それに対して「センス」は「モテる」というような生まれつきの感覚である、ということ。経営者はセンスのある人、担当者はスキルがある人が向いているというような内容でした。詳しくは是非、読んでみてください。

 SKE48のメンバーの中で「センス」を感じるメンバーは沢山います。
 それはもう、厳しいオーディションを勝ち抜いてきた人達ですから。
 その中でも単独センター経験者の珠理奈、だーすー、ゆななは「センス」を僕は感じます。

 そして、古畑奈和。
 この人も生まれながらの人を惹きつけるセンスを感じます。ダンスや歌のスキルが凄くてもセンスがないと、やはり、ただの上手な人だと思います。

 2020年10月3日から行われたSKE48の12周年公演フェスでは、「0start」、「逆上がり」、「ラムネの飲み方」と3つの公演に彼女は出演しました。

 この3つの公演が彼女のセンスを別々の感じで光らせるプリズムになってましてね。
 特にユニットブロックが3日とも印象的でした。

 初日の「MARIA」では、彼女のことが大好きな岡本彩夏さんと、成長著しい水野愛理とのトリオで登場したんですが、元々チームK3rdの「脳内パラダイス」の曲ですが、歌詞の物語的な要素と奈和ちゃんの表現力の相性が凄く良かったですね。僕は、何故かみこってぃの幻を途中で観てしまいました。ソロ曲の「MESSIAH」とどこか通じる世界観でもありますね。彼女の動きや表情、歌詞の世界観を具象化するというセンスを感じました。ソロアルバムで作ってきた表現力をユニットでもフィードバックする感じですね。

 次は、「逆上がり」での「虫のバラード」。
 SKE48ファンの方なら山下ゆかりのソロでお馴染みですが、僕はこの時、ラジオ番組「10月のお楽しみ」で最近、再会したAKB48チームKの秋元才加さんを思い出しました。
 どこまで意識していたか分かりませんが、古畑奈和の柔らかさに力強さが瞬間瞬間にメリハリで入る感じは、独特のものでしたね。
 「虫のバラード」についての奈和ちゃんのブログを見てみましょう。
 https://ameblo.jp/ske48official/entry-11598058023.html

 秋元さんの強さに古畑奈和の歌唱力を掛け算することで、更に新しい「虫のバラード」を見せることが出来たんじゃないでしょうか。
 AKB48での兼任で手に入れた表現力がここでは出ていたんじゃないでしょうか?


 そして、最終日の「フィンランド・ミラクル」。
 これはちょっと意外でした。
 まさか、まなつ、ゆななといった「可愛い」の超正統派曲で出るとは。
 でもね、2012年頃の研究生だったり、チームE時代の古畑奈和の笑顔の写真と「フィンランド・ミラクル」での笑顔を見比べてみてください。
 何も変わっていないんです。
 一緒に踊った片岡成美、水野愛理コンビとはまた違った可愛さなんですよね。そうそう、こういう一面もあるよね、という。


 ちょっと、「フィンランド・ミラクル」について書いた奈和ちゃんのブログを読んでみましょう。

 https://ameblo.jp/ske48official/entry-11594132865.html

 そういや、これ、会場で観ましたよ。
 菅なな子とのコンビが、SKE48の未来を感じさせました。ああ、これからこの二人が引っ張っていくんだろうなあ、と。
 佐藤実絵子さんが言ってた通り、「躍動感」(いや『脈動感』という言葉もあるのかもしれませんが)が素晴らしかったですね。
 可愛い曲が自分の好き感じと真逆だ、といいつつも、みんなから評価されているのは流石ですね。
 先日放送された「古舘伊知郎のオールナイトニッポンGORD」の中で秋元康が「恋するフォーチュンクッキー」に関するエピソードを話していたんですね。曲が完成した際に、センターを務める指原さんは、物凄く嫌がったそうなんですね。「もっとファンの人がコールを入れられるアップテンポな曲が良い」と。しかし、彼女が自分が好きなものと真逆のタイプの曲が意外と彼女にフィットして大ヒットしました。

 今回の「フィンランド・ミラクル」も同じような化学変化が起きたのではないか、と思います。なんというか、久しぶりに彼女が「可愛い」というスポーツで全力を出してきた、という感じがします。

 こうして彼女が担当したユニット曲だけで並べてみると、彼女のこれまでの歴史を逆行していって、手に入れてきたものや元々持っていたセンスを、12周年公演という物に反射することで確認できたのではないかと思います。
 茅野イサムさんが、ミュージカルのメイキングで彼女の集中力や吸収力を評価していましたが、これまで吸収してきたものが、溢れ出たユニットブロックだったのではないでしょうか?

 そして、今回観られかった別の面は、これから他の曲と重ね合わされることでもっと観られるんじゃないかと思います(『10クローネとパン』のような世界観も好きですが、個人的には『観覧車』のような歌い方の彼女も観たいです)。


 シングルの発売が来年以降ということで、今、僕が求めるのは、対外試合だと思います。それは、アイドルフェス的なものではなくて、普段と違う曲を歌う、普段と違う自分を演じる、そんな対外試合です。先日の朗読劇もまだ観られていませんが、古畑奈和という人の未来に接続するものを残りの2か月間で触れていって欲しいな、と思っています。

 カミフレや「P4U」とかの動きを観ていると、ひょっとすると、SKE48は演劇業界とのパイプが少しずつ強固になっているのでは、と思います(オファーが増えているだけかもしれませんが…)。
 本当に妄想の話になって恐縮ですが、これまで彼女が歌ってきた曲の中で僕が心惹かれるのは、どこか悲劇の予感や悲しみの中に希望がある曲でした。なので、ひょっとすると、そういう原作の作品と奈和ちゃんは相性が良いのでは、と個人的に思っております(その反面、『えにし酒』でみせた人懐っこさがみられるような役もみたいんですけどね)。
 あと、曲だと「僕の打ち上げ花火」の古畑奈和バージョンも聴いてみたいですね。どう表現するんだろうと。

 もっと色々な顔が観たい。もう一度あの顔が観たい。
 そう思わせるセンスこそが、古畑奈和にはあると思います。


※ あと、「10月のお楽しみ」で流れていたこの曲も似合いそうです。ラジオ好きとしては、11月も12月もお楽しみが続いてほしいです。

2020年10月2日金曜日

12周年公演に向けての短期集中連載最終回「思い出に手をふりながら」

 この1か月間のこと



 9月1日にSKE48の12周年公演フェスが発表されて1か月が経ちました。
 この1か月間連載を続けてきて、色々と感じたことを最後に書いて終わりたいと思います。

 まず、感じたことは、「こんなにSKE48で胸が躍ったのっていつ以来だろう?」ということです。
 近年、皆さんの推しメン個人に対して、期待したり妄想が広がったりすることがあっても、SKE48全体の取り組みとして、心が大きく動いた方はどれぐらい居らっしゃるでしょう?(推しメンじゃないけど、古畑奈和センターが僕の最後です)

 「オードリーのオールナイトニッポン」の中で若林さんが、コンテンツに対しての「好きや愛は捏造できない」ということを話していました。本当にその通りだな、と今回感じましてね。無理やり好きになることは出来ないんですよ。31回書いていきながら、自分が好きなSKE48ってどんなものだろう、自分が好きな時期っていつぐらいだろう、と感じることが多々ありました。
 その中で、本当に「過去」にすがってSKE48を推していたんだなあ、と感じました。「伝統」とか「思い出」という良い面もあるんですけどね。ただ、「今」を頑張っているメンバーにいつまでも「過去」を押し付け続けても仕方ないかな、とも思いましてね。多分、それは自然に受け継がれていくものだな、と。「模倣」をして欲しいわけではないですし。倉島杏実先輩のように歴史を見てきて、それを受け継いでいる人も好きなんですけどね。もう、めちゃくちゃ信用できます。
 ただ、今のメンバーで出来る新しい地点を目指す頃かな、とも思っています。


 今回の連載で、僕のリサーチ不足で一人だけ書けなかったメンバーがいます。これからの重要なマスターピースになるであろうメンバーです。
 それが、青海ひな乃です。
 本当に感覚的な話をして申し訳ないんですが、何か新しい歴史を0から作れそうなメンバーの一人だと思います。いつか彼女についてじっくりと書きたいと思います。本当は珠理奈で初めて、青海さんで終わる連載も考えていました。


 さて、話を戻すと、多くのSKE48ファンの皆さんが、この1か月間、様々な期待や想像を12周年公演に対して繰り広げたんじゃないでしょうか?
 AKBの総選挙の朝の「この数時間後に自分の推しメンはどうなっているんだろう」という期待と不安とはまた違った期待をこの12周年公演フェスで感じています。

 明日からの公演フェス、いったいどんな化学反応が起こるのか。ひょっとすると、卒業した過去の推しメンの残像が見える瞬間もあるかも知れません。でも、それでもいいじゃないですか。こういう時ぐらい「思い出」と再会しても。僕自身、もう中西優香の居ない「制服の芽」を、岡田美紅の居ない「青春ガールズ」を観て、何も感じないわけがないですもん。
 でも、「思い出」と同じぐらい、いや、それ以上に輝く「今」の可能性がきっとあります。だから、忘れないけど、大事にするけど、それはそれ、今は今として新しいものとして楽しめればなと思います。


 「歴史」や「思い出」に挑むSKE48のメンバーたちへ、惜しみない拍手を送りたいと思います。「今」のチャレンジを肯定することで、シェイクスピアの「テンペスト」のラストシーンで、観客の拍手が主人公プロスペローを救って自由にするように、きっとメンバーたちの自信になり、何かから自由にしてくれると僕は信じています。

 一か月間、この連載に付き合ってくださった皆さん、ありがとうございました。

 大丈夫、SKE48はこれからも面白くなる。

※なんとなく、連想した曲を貼ってお別れです。


「君を忘れたこの世界を 愛せた時は会いにいくよ」


 

2020年10月1日木曜日

鎌田菜月という川に足を入れるとき

 冷静な分析力と生き残りへの道


 前回、鎌田菜月さんについて書いた「鎌田菜月という川に手を入れる時」という記事で、今まで食わず嫌いしていた鎌田さんについて少しふれてみたんですが、もう少し知ってみようと思いましてね。 

 今回は、彼女が自分の立っている場所をどうやって変えて行ったのか、どういう闘い方をファンの方々としてきたかを考えてみたいと思います。
 

 彼女のイメージとして強いのが、ソーシャルゲームの「P4U」でのCM選抜です。
 2014年から2019年において、ランクインし続けています。

 ただね、シングルの選抜になったのが、2017年からアメブロの引用という古畑奈和ちゃんの時みたいなアプローチがなかなかできないんですよ。
 そこで、もう開き直って今回は、ある年のあるイベントに限定して見ていきたいと思います。

 それは、2018年総選挙。

 そう、48グループの歴史において2020年現在最後の総選挙に注目してみていきましょう。
 2018年4月18日深夜の「AKB48のオールナイトニッポン」において開催地が名古屋ドームであることが発表されます。

 この時の彼女のブログを読んでみましょう。
 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12369706254.html

 過去最高順位を目指して彼女は始動したわけですね。
 ちなみに、2015年は70位、2016年は74位、2017年は44位という結果です。2017年のジャンプアップが彼女の勢いを感じさせます。そして、自分の敵は自分自身という観点も素敵ですね。

 2018年5月31日。
 速報が発表されます。
 彼女の順位は70位でした。
 この日のブログを読んでみましょう。

 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12380094361.html

 ううむ、この速報の夜というのは、毎年、心がざわざわしますよね。
 過去の速報順位の中では、一番低い順位からのスタートになります。
 そして、僕も図星をつかれたようなところが文章の中にありましてね。
 当時、バリバリの総選挙中華思想の持主だった僕は、「1期から5期は総選挙選抜に入っているし、ドラフト1期も総選挙選抜に入ってるけど、まだ6期生は入ってないしなあ。苦労人が多いのは、分かるけど。これならキャリアは浅いけどセンターを生み出した7D2にこそ夢を託したい」という考えの持ち主だったんですね。
 こういう思考を鎌田さんも敏感に察知していたんだなあ、と。
 流石の分析力だなと感じました。
 ただ、このブログを最後まで読んで、何故か涙が流れていました。
 ひょっとすると、今のところ、彼女のブログの中で一番好きなものかも知れません。

 2018年6月8日。
 総選挙前の最後の公演を終えます。
 この日のブログも気になるので、読んでみましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12382335698.html

 もう、周りの目なんて気にせずに自分との闘いに挑むんだ、という感じが良いですね。
 「夢」と「目標」の違い、そして、「目標」を現実にしていくには。
 彼女の熱い気持ちが伝わってきます。この頃は「一部を切り取る」人が多かったですね。今も居るんでしょうか?

 2018年6月17日。
 総選挙当日。
 僕もあの日、会場にいました。
 鎌田菜月さんの名前が呼ばれた僕の率直な感想は、「えっ、早くない?」でした。
 去年の数字を考えれば、彼女はさらに上に行くだろうと予想していたからです。

 この日の彼女のブログを読んでみましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12384353103.html

 もうね。
 この名前呼ばれた時の描写とか、ゾクゾクしますよね。
 彼女の視点から描いた壇上の景色と推し席の様子。
 いやあ、この日は僕も須田亜香里応援席から、色々なメンバーのサイリウムをカチカチしてましたよ。岡田美紅推し席から落選したんですよ、ええ。

 話を戻すと、彼女は悲観することなく、「嫁ぎにきてください」という言葉でファンの方々との絆を強めつつ、あくまで「過程」であるということを書いています。

 穿った見方をすると、強がりを言っているようにも見えますが、彼女が本当に「過程」にしてしまうのは、この2018年秋から、2020年現在までの彼女の活躍を観れば、一目瞭然でしょう。

 総選挙が終わり、彼女の新しい1歩を感じさせる、2018年6月26日のブログを読んでみましょう。

 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12386625683.html

 「女の一番の化粧は笑顔」という言葉、素敵ですね。
 ここから、彼女は自分の道を更に確立していきます。

 今回は、2018年総選挙関連から見ていきましたが、「生き残る」というキーワードから考えると、実はシングル選抜視点から見ていくと、更に見えてくるのかな、とふと思ったりもしました。

 鎌田菜月という人が自分の立ち位置をどうとらえて、それをどう変えていこうとしていたか。その考えの一端を今回は触れられたんじゃないでしょうか。

 また、ある程度調べて考えがまとまったら、さらにこの川を進んでいきたいと思います。

 

12周年公演に向けての短期集中連載第30弾「Future Is Born」

今も「未来」が形成されていく


 今年の夏の終わり、SKE48の「物語」について2つの記事を書きました。

 8月24日に書いた「伝説のライブ」について。

 https://oboeteitekure.blogspot.com/2020/08/blog-post_24.html 

 8月25日に書いた「夢と日常と」という記事。

https://oboeteitekure.blogspot.com/2020/08/blog-post_25.html


 「伝説のライブ」では、「物語の喪失」と「非日常の喪失」を語りました。目指していた目標がもうなくなってしまったこと。「夢と日常」での過去の美化と、どんな夢を設定すれば良いのか、という問題を提起し、カミフレがSKE48の歴史をなぞりつつ、それを現在の技術で超えるという企画を提案しました。過去を超えるための新しい夢を作るアイディアが必要であるとも。


 それから、9月1日に12周年公演フェスが発表されました。
 「そうきたか」
と、僕は膝を打ちました。

 見事に新しい「未来」の創造を始めている。

 「名古屋ドーム」という「未来」は2018年の10月に一気に離れてしまった感じがして、それからぽっかりと無くなった「未来」を見つけるための「日常」が続いていった気がします。大きな波が立つことは少なく、平和な日々が続いていく。

 やがて、その「日常」も2020年の春からは失われ、もうSKE48というものがじわじわと弱っていくんじゃないか、と心配していました。

 そこに来て、この12周年公演フェス。
 あの頃夢見た「未来」は今の社会情勢では難しいかもしれません。

 けれど、新しい「未来」を作るために、「歴史」と一度接続して、模倣ではなく新しい公演たちを作っていく。今いるメンバーたちで「歴史」を短期間で再構築していく。その中には、「歴史」への敬意も勿論あると思います。まるで、博物館で歴史の中で燦然と輝いたものたちを観ていくように、ゆっくりと一つ一つの公演を観ていく。ただ我々観客とは違って、メンバーたちは、展示物を取り出して身にまとい、なんなら振り回すことで、「歴史」の中に眠る何かを掴んでいくのだと思います。

 いよいよ、2日後からの12周年公演フェス。
 どんな「未来」が形成されていくか楽しみです。
 いつかの「物語」とまたどこかで合流するのか、また違った「物語」が紡がれていくのか。これは、「13枚目の絵」という記事でも書きましたが、今いるメンバーだからしか描けない「未来」が待っていると思います。それは、大きいとか小さいじゃなく、「面白い、ワクワクする」が次のキーワードじゃないかな、と僕は思っています。

 ※30日間、記事を書く時によく聴いていたこの曲を貼ってお別れです。

 

12周年公演に向けての短期集中連載第29弾「SKE48とSKE48風」

 君が見たものは何だ?

 美術はお好きでしょうか?
 僕は琳派が好きで、京都の国立博物館によく作品を観に行きました。
 年を経てからは、西洋絵画も勉強するようになり、ドガが一番好きです(だから、NMB48の『ドガとバレリーナ』はなんとなく、『アラベスクの終わり』を連想させて好きです)。
 その中で最近は、小林秀雄の「芸術新潮」の連載をヒントにピカソについても勉強しています。
 ピカソの友人であり、秘書でもあったサバルテスは、著作のなかで芸術において「探求」してしまうことの危うさをピカソはサバルテスに語ります。「意味」に拘泥してしまうことで、ありのままを捉えずに、芸術の本質とずれてしまうのではないか、という問題提起でもあると思います。

 何の話をしているんだ、と思われる方がいるかも知れませんが、12周年公演で一つ危惧していることがあるとすれば、振りを覚えるというのは良いと思うんですが、過去のSKE48のチームの模倣になってしまわないか、ということです。勿論、チームのカラーに即した公演曲もあります(『ラムネの飲み方』なんかは特に)。
 けれど、誰かの真似になってしまった瞬間、過去という歴史の重さに負けてしまうと僕は思っています。youtubeで曲を検索すると、よく「cover」という名のカラオケが沢山アップされていますが、「~風」の仕上げは出来てもその曲の本質を自分なりに再構築できるのは、やはり、プロの人達ならではだと思います。SKE48だと、古畑奈和ちゃんの「コールボーイ」とかね。
 小林秀雄は著作の中でピカソの模倣に走る人は、あまりに危険な道で、模倣者は呪われるとまで、書いています。ただ、ゴーギャンやゴッホが自分たちの知らない土地の芸術の歴史にふれた時、自分の内面や自分に似た何かを見つけたように、メンバーたちも過去の公演にふれることで、自分の中の新しい顔や何か時間差の同期感を抱く瞬間があるのでは、と期待しています。そこからどうやって、本質を掬って自分たちの表現にしていくのか(マネみたいに歴史に苦しめられる可能性もあり)。

 僕らも過去に捕らわれず、「あの時の〇〇と違う!」と「〇〇を超えるのは無理!」という史観はいったん置いておいて、ナチュラルな視点で12周年フェスをみていきましょう。ピカソの言葉を借りるならば、「時と場所と見る人の精神状態が仕上げをするだけだ」でしょうか。美術の名作は、見るひとの精神状態や美術館など、場所によって感じ方も違ってきます。僕らの見方できっと公演も変わってみえる。

 ピカソがセザンヌを評して、彼の注意力の凄まじさをとらえ、セザンヌが木の葉を掴んだら、木のことも掴んでいる。それほどの注意力の持ち主であると書いていました。

 一つ一つの公演も、簡単にわかったら面白くない。
 自ら踊り、歌うことで、注意力を総動員して集中してこそ見えてくるものがある。その時、本質に触れられるのか?
 誰かの真似で終わるのか?

 どこまでも危うく探求しながら、「SKE48風」ではなく、新しいSKE48の公演を作っていってほしいですね。

※「親友ピカソ」の中の有名な会話を連想させるこの曲を聴きながらお別れです。