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2019年3月19日火曜日

誰かがいつか 好きだと言ってくれる日まで①



少女たちは傷つきながら夢を見る


 皆さん、恋愛映画とか恋愛小説、恋愛マンガって普段の生活の中の選択肢に入ってますかね。僕も読んだり観たりするもののジャンルが固まらないように、意識的に入れるようにしてるんですがね。それでもあんまり詳しくはないわけですよ。
 そんな僕が心動かされた恋愛マンガに「ハチミツとクローバー」がありましてね。作中で片思いの登場人物がこんなセリフを言うんですよ。「一番好きな人に一番好きになってもらえる、こんな簡単なことが一番難しい」。片思い経験がある方でしたら、共感される方もいるんじゃないでしょうか。

 それでも、向こうが思いを打ち明けてくるか、こちらから思いを打ち明けないと状況は変わりません。そのまま我慢するか、行動を起こすか。ただ、タイミングが重要になってきます。そう、どのタイミングで言うか、今回考えていく「誰かがいつか 好きだと言ってくれる日まで」はそんなタイミングと、自分の告白で変わってしまった関係を描いた曲です。


 いつもなら、まあ聴いてみましょうと動画のリンクを貼るんですが、探したけどなかったので、暗闇のタイプGを買ってくんなんし。



 さて、この曲は何が良いって、告白したけどフラれて、しかも、その後の心情や行動まで描かれているというところです。これがまあ、言っちゃなんですが面白い。もう、オジサンの目線でみると頑張れと応援したくなる。曲調もほのぼのした感じで好きなんですね。サビがなんか、昔のアイドルソングみたいでなんか懐かしい感じがしていいんですね。


 まず、突然、今まで隠していた「愛しさ」「どうでもいい話題に紛れ込ませて」相手に伝えてしまうところから始まります。相手は、困った顔をして彼女がいることを答えます。しかも、相手が気を遣ってくれているので、「惨めになる」というね。なんか、サビが来る前から大変なことになっています。
 何故、言ってしまったんだ、「大声ダイアモンド」でも聴いてたのか。ももクロの「走れ!」でも聴いてたのか。そう考えると、48でこういうほのぼのとした失恋の歌って意外と少ないかも。

 「このタイミングで無理して言わなけりゃ怪我しなかった」というのは、別に恋愛だけに限らず、色んなタイミングで言えますね。もう、僕なんて人生怪我だらけですよ。

 サビでは、もう自分から告白しないと決心します。だから、こういうタイトルなんですね。何も知らない夕日にまで悪態をつきたくなる、人や物に当たらないところがいいです。でね、「恋が叶わなくても恋していたい」というのも面白くてですね。ささやかな幸せでいいと。もう時間は元には巻き戻せないわけです。

 2番では、精いっぱい強がって、話題を変えます。
 餃子の話をし始めるんですね。
 自分でも脈絡なさすぎて「痛い」と客観的に感じながら。
 ただ、この挙動不審な感じが最高に面白くて輝いてましてね。頑張れ、頑張ってくれと、曲を聴きながら思いましたよ。もう、ここでこの曲が好きになりました。うわあ、僕にもあったわあ、こういう痛い切り替えししか出来なかったこと、と胸がざわつきましたよ。

 サビ前で「思い付きで口にしちゃいけない感情だった」という反省も良くてね。

 2番のサビでも、もう「受け身」でいることを決意するわけです。
 もう友達には戻れない、という悲しさを感じてね。
 もう外は夜ですよ。
 
 そして、大サビ前では、昔から秘密にしておけない人だったということが分かってくるんですね。「正直者」が良いことばかりとは、こと恋においては違うということが見えてきます。

 大サビは1番のサビで終わります。
 
  なんか、こう人間だれしも痛い思いをして学習していくんだなあ、と感じましてね。青春の甘酸っぱさを感じるというか、「ハチミツとクローバー」の野宮さん風に言うと、「お前、今、最高に輝いてるよ」と言いたくなる感じです。
 僕はこの曲を聴いて以来、暗闇のタイプGの歌詞カードの夕焼けは、この女の子が見ている夕焼けなんじゃないか、と考えるようになりましたよ。絶対違うけど、そんな風景が目に浮かびました。


 うーん、タイミングって難しい。
 でも、これって、言わなかったら、相手に彼氏がいることは分からないまま悶々としてたわけでしょ。でも、言わなかったら友達のままで居られた。友達のままで相手が彼女と別れるまで待つのか?これは人によってそれぞれかもしれませんが、フラれることで一つ成長できたんじゃないかなあ、と思います。
 この曲の主人公の次の恋が上手くいくことを願ってやまないです。でも、また、我慢しきれずに言って欲しい気持ちがあります(無責任)。

 グループの代表的な曲ではないかも知れませんが、優れた短編小説のような曲だと思います。

 なんとなく僕が連想した曲を貼っておきますね。