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2022年1月30日日曜日

はたごんとウェル―イング

「いる」と「推す」の幸福な関係

 予防医学研究者の石川善樹さんとニッポン放送アナウンサーの吉田尚記さんの共著「むかしむかしあるところにウェルビーイングがありました 日本文化から読み解く幸せのカタチ」が1月28日に発売されました。
 「ウェルビーイング」という、名前はよく聞きますがいったいどんなものかを、日本の昔話を切り口に解説しているんですが、「その組み合わせがあったか!」と衝撃を受けるぐらい素晴らしい構成でした。

 そもそも「ウェルビーイング」というのは、定義が非常に曖昧で国や時代によって変わるそうです。「ウェル(善く)」、「ビーイング(いられる)」という言葉は、吉田アナの言葉を借りるなら「イキイキ」ですし、石川さんの言葉で表すなら「『満足』と『幸福』の2つが揃っている状態」と言い換えられもします。
 ううむ、なかなかぼんやりしてますね。
 これを具体的にするのが日本の文化です。
 日本的ウェルビーイングと著書の中では語られていますが、日本人は基本的に「Nobody」(誰でもない)と「Negative」という2つのNを愛でてきたと語ります。
 「Nobody」の方は、昔話の主人公や落語の主人公は、市井の庶民が出てくることが多いです。また、「Negative」の方は、古いものや朽ちたものを「わびさび」と愛でてきたバックボーンがあります。また吉田アナは松尾芭蕉の「夏草や 兵ものどもが 夢のあと」の俳句を挙げ、今はないものに思いを馳せる文化を語っています。
 西洋文化が「上」を目指すのに対して(天界やサミットを和訳すると頂上になるように)、日本人は「奥」を目指す(日本の神社の設計など)違いがあり、『古事記』の中に登場する「いるだけで存在価値がある神様」について紹介し、何か空白地帯の「奥」にある何かを想像させる文化について語ります。
 人間のコミュニケーションでは「いる」→「する」→「なる」という段階があると思います。その場に「いる」ことで、何か仕事を「する」こと人になり、やがて成功して何者かに「なる」。成長することになります。
 たとえば、社会人になると、いきなり「する」を求められます。あなたは何ができるのか、と聞かれます。「する」目線で人をみると、「あいつは使える」みたいな感じになるのかも知れません。
 それに対して、昔話や落語の登場人物たちは、なかなか成長というものをしません。
 元の状態に戻る話が多いです。全然、「する」まで進まないわけです。
 「仕方ないなあ」と町の人達が主人公を笑いつつ、コミュニティの中にその人が「いる」ことに価値を感じます。なんというか肯定を感じますね。替えがきかない大事な存在というか。
 また、古事記などに出て来る神様たちは「いる」だけでありがたい存在だそうです。そこから吉田アナはアイドルカルチャーにも通じると語ります。
 「推す」という行為は相手が「いる」だけで無条件で愛でることを受け入れてくれる状態であると。
 石川さんも日本のアイドルカルチャーの中でソロアイドルであれば、観客からは様々なスキルを求められますが、グループアイドルであれな一緒にいることが強制されるものの「いる」から始まる物語があり、関係性は必然的に生まれて来ると語っています。
 本書の終盤で石川さんはどうすればウィルビーイングに生きられるかの試みの一つとして、「自分より大切なものを見つけてください」と提案します。
 その存在がいることで自分が良い状態になる。
 これを受け手吉田アナは、寺嶋由美さんというアイドルが、ファンの立場で詠んだ短歌を挙げます。

「今日もまた 私を救ったことなんて なんにも知らない 待ち受けのきみ」

 まさに「推す」ということの本質を突いたような気が僕はしますし、ウェルビーイング、良い状態にいるなあ、と感じます。
 これから話すことについて重要なところだけつまみましたが、他にも、医学的に脳は未来にワクワクを期待できないと耐えられない一方で、サプライズが大きすぎても負荷がかかるという、ウェルビーイングを考えていく上での前提も詳しく書かれています。
 なんか前提が、いつものブログの記事より長くなりましたが、それぐらい良い本だったので、興味が湧いた方は是非是非、読んでみてください。

※久々にリンク機能を使いますよう! 


 


 さて、ウェルビーイングについて考えている時、僕が思い浮かべるメンバーがいます。
 それがチームEの髙畑結希さんです。
 はたごんですね。
 

 皆さんは、はたごんは好きでしょうか。
 五十嵐早香推しの僕ですが、彼女が凄く好きです。
 彼女は斉藤真木子さんのようにダンスが凄いわけでも、古畑奈和さんのように歌が上手いわけでもありません。カミングフレーバーの皆さんのように若くもありません。
 自分のことを「ぽんこつ」と呼んでいます。

【 高畑結希】過去の自分にソーユートコあったよね? | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 そんな彼女ですが、僕は彼女がSKE48に「いる」ということが凄く嬉しいです。
 全国握手会がまだあった頃、僕はよくはたごんのいるレーンに行きました(ちなみに、早香先生の前はみいぽぽ推しでしたよう)。
 彼女が持つ親しみやすさの正体は何だろう、と考えたことがあるんですが、思えば彼女はOLを経験していたNobody側、市井の人間側だったというのも重要だったのではないかと考えています。まだ、誰かの夢を見ている側だったと言い換えても良いかもしれません。
 ちょっと、こちらのブログを読んでみましょう。

【高畑 結希】やるからには本気で。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 
 自分の夢から手を離すのか、それともまだ頑張るのか。
 そんな誰かの選択を沢山見てきた彼女は、Nobody側から見られる側になっていきます。
 それは、未来をワクワクさせる選択であり、この時の彼女の気持ちを想像しただけで、僕までワクワクしてきます。
 アイドル髙畑結希の成長を、近くで見てきた人の声も確認していきましょう。
 まずは、2018年7月18日に行われた髙畑結希生誕祭で読まれた手紙です。

「髙畑へ

 23歳のお誕生日おめでとう。

 これで私よりおばさんですね。
 

 髙畑は入ってきてすぐの頃から私のことを名前で呼ばずにニックネームに『さん付け』で呼んできて、でもそれが私は全く嫌でなくて、なんだかスーっと落ち着く感じがあって。きっとそれは同い年っていうのが大きかったと思う。

 後輩だけど同い年。同期とはまた違う。近すぎず、遠すぎず、絶妙な距離感。それが私には本当に心地よくて。だから、髙畑と一緒に劇団れなっちに参加できるって、しかも同じ組って知った時は本当に嬉しかったよ。

 ロミオの弟のヒデ役。初めての演技で男役って凄く不安を感じたと思うし、たくさん悩んだと思う。

 実際、稽古期間中、どうしたら男っぽく見せられるのかずっとずっと試行錯誤してたよね。

 でも、髙畑がそうやって毎日頑張ってる姿を横で見てきた私だから、自信を持ってこう言えます。髙畑のヒデ、本当に最高だったよ。

 一緒に出るシーンでも、最初の頃と全然違って、髙畑らしいヒデをしっかり掴んで演じている姿は本当にかっこよかった。

 そうやってどんどん成長していく髙畑が同じSKEのメンバーとして本当に誇らしかったし、そんな髙畑に対して私も負けてたまるか!って思いながら毎日過ごしてたよ。

 だから、私が最後までやり抜けたのも髙畑のおかげなの。本当にありがとう。

 こうやって髙畑に対する気持ちを素直に言ったら、なんか負けた気がするから、いつも写真撮る度に変な顔をしたり、無駄にイジッたりしてきたけど、髙畑の存在は私にとって本当に大きくて、そして大好きです。

 だから、チームが違ってもこうして一緒にSKEとして活動出来ていることが本当に嬉しいよ。

 これからもSKEのメンバー同士一緒に頑張っていこうね。

 大好きな髙畑にとってこの1年が過去一番輝かしいものになることを心から願っています。

 改めて23歳のお誕生日おめでとう。

 髙畑と同じ1995年生まれのチームS・都築里佳より

 P.S.

 いつか真理佳と3人で何かしような!」

 はたごんの成長を舞台というアイドルとは違う場で見てきたぴよすさんの手紙。
 試行錯誤しながらも新しいチャレンジをして、役を掴んでいくはたごんの様子が目に浮かんで来る良い手紙です。
 それじゃあ、SKE48きっての分析力を持つあの人は、はたごんをどう見ていたんでしょう。2019年7月23日のはたごん生誕公演で読まれた手紙を読んでみましょう。

「はたごんへ

 お誕生日おめでとうございます。

 多分まさかの人からのお手紙です。

 私なりの、もしかしたら独りよがりになってしまうかもしれない言葉ですが受け取ってもらえたら幸いです。

 はたごんは同期の中ではお姉ちゃんみたいな、先輩といる時は仲良い人にもしっかり気は遣う人。んー、後輩といる時はよく知らないです。

 ぽんこつと言われることもあるけれど、実はとてもしっかり者なんだなーと思っています。

 その気遣いが根本にある優しさに皆が笑顔になっちゃって、思わずやらかしても許してしまうんです。

 実は時にそれを『おいしい』と思っていたりもしませんか?それがまた面白かったりもします。

 実はアンダーに出たのも早いし、ライブのリハーサルがあるとなると事前に誰よりも早く練習を始めたり、SHOWROOM配信を長いこと毎週継続していたり、どんなことにも正面からしっかりと向かっていく姿は皆がやらなきゃと思っていてもやれないことで、はたごんの本当に凄いところです。

 今はたごんの目の前には選抜という1つの壁があるんじゃないかな。

 一緒にご飯に行ったりすると、その話題が出ることもだいぶ前からありました。そのたびに真っ正面すぎるぐらい本気でまっすぐ。ふと思い出してみるとはたごんと真面目なお話をしていて、あまり後ろ向きな発言を聞いたことがないんです。

 そこに溜め込んでいないかな。まだ話してもらえる関係ではないのかな。なんてちょっと心配になったりもするけれど、それがはたごんの持つ強さなのかなと思っていたりもします。

 アイドルとして誕生日を迎えることはちょっと不安になったりもします。でもどうかブレないでください。目標がどことかでなく、これからもはたごんであることを楽しんで貫いていってください。これは私からの勝手なお願いです。今年はたごんにとっては選抜へのチャンスになったであろう選抜総選挙は開催されませんでした。それを残念だと、そう言える道をファンの方と歩き固めてきたこと、お祭りみたいなイベントではあるけれど、誰もが多少なり怖がってしまうそのイベントを待ち望めていたということ、頑張ってきたことに無駄なことはなかったと言える、それもまた一つの結果です。

 その頑張りはファンの人はもちろん、スタッフさん、メンバーまでしっかり響いているよ。

 だからずーっといい子でなくてもいいんじゃないかなとも思うの。もうちょっと周りの人に甘えてもいいんだよと。

 それを嫌と思う人はきっといなくて、それくらいはたごんは愛されてる人です。

 はたごんにとって愛あふれる幸せな1年になることを願っています。

 地元香川の美味しいうどん屋さんにまたお仕事のついでに連れてって行ってもらえることもつよーくつよーく願っております。

 最後に。お手紙を書かせてくださった生誕委員の皆様、私でいいのかと驚いたりもしたのですが、書かせてもらえてとっても嬉しかったです。素敵な機会をありがとうございました。

 はたごん、改めてお誕生日おめでとう。

 SKE48チームE 鎌田菜月より」

 ううむ、流石は鎌田さん。
 はたごんの頑張ってきたことをしっかりと見ていたんだなあ、と感じます。
 多分、2019年の選挙に向けて準備していたのでは、というのは確かに2018年のはたごんの勢いを考えると、確かに!と頷けます。
 はたごんにとっても大事なものでもありましたしね。
 ※くわしくはこちらのブログをご確認あれ!

【高畑 結希】一生の宝物! | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 このブログでのファンの方のはたごんへの熱い思いが凄く良くてですね。
 自分の推しが失敗すること、悩むことを肯定してくれる存在。
 背中を押しながら、今を楽しむことを肯定してくれる存在。
 ううむ、髙畑商事はウェルビーイングで包まれてるなあ、と感じます。

 さて、今度は谷から見たはたごんについて見てみましょう。
 彼女の最新の生誕祭で読まれた手紙です。

「結希ちゃん、26歳のお誕生日おめでとう。

 この名前の呼び方をするのは私だけなので、もうわかったと思います。そうです、私です。

 実はお手紙を書くのは2度目になります。

 『SKE48のへーきん!』、そして今回は生誕祭。特別な場所でお手紙を任せていただけて本当に嬉しいです。

 どうしてこんなに仲良くなったのか私にもわかりません。共通点は同い年で、地方から来てる。それだけでした。

 自然と話すようになり、仕事終わりにご飯食べたりしたよね。

 そして謎に自粛期間などほぼ毎日連絡して、長電話もしましたね。しょうもない話やら将来の話、たくさんしたね。

 それくらい仲良しで、私の中で隣にいるのが当たり前になってました。

 それに一番覚えてる出来事があります。それはですね、結希ちゃんが初めて選抜入りの報告を私に一番にしてくれたことです。

 本当に嬉しくて、これ本人には言ってないんですけど、『ソーユートコあるよね?』のMVを何度も何度も見て、綺麗に映ってる結希ちゃんを見て親のように感動しました。

 今でも選抜に入り続けて頑張ってる姿を見てるととても誇らしいです。

 その分、選抜に入るとまた新しく悩みや壁が出て来ると思います。それに7期生も先輩になってきて、結希ちゃんも先輩になりましたね。そして色々任されることも増えたと思います。

 最近では7期生、ドラフト2期生とかでイベントする時などで背負うプレッシャー、感じますよね。特に結希ちゃんはその中でも最年長で、皆を引っ張って行く立場だからこそ慣れずに不安になることもたくさんあると思います。

 それに同期が卒業していく怖さ、私は知っています。だからこそ、これからも色々なプレッシャーに負けずに結希ちゃんらしくいてください。

 それに頼もしくて優しいファンの皆がいるから安心ですね。髙畑氏なら大丈夫。

 そして、結希ちゃんと一緒にラジオできてること、本当に嬉しいでーす!

 FM香川、はたごん&まりかのじゃんならん。地元香川でラジオできるって知った時のキラキラした表情、私は忘れません。

 それにいつもラジオの時に『谷さんおらなラジオ成り立たん』とか『谷さん助けてくれてほんまありがとう』とか言われるけど、いつも助けられてるのは私の方です。

 また、ぴよすゲストで呼ぼうね。そして『ぴよはたごん』の活動も頑張りましょう。

 君はぽんこつではない、多分。

 いつもありがとう。

 それと香川でいつかじょんラジライブもしましょうね。

 たにまりより」

 手紙の中に出てくるじょんラジはこれだ!



 いやあ、いつまでも聴いてられるラジオですね。
 全員、声が良いですしね。
 これから聴いていきます(今回の記事で初めて知りました。勉強不足でお恥ずかしい限りです)。
 鎌田さんの手紙でも登場しましたが、ファンの方との絆を谷も感じていますね。


 さて、はたごんのセンター曲で「人生の無駄遣い」という曲があります。

 彼女はこの曲のことをブログの中で2回ほど書いています。

【高畑 結希】SKE選抜コンサート!カッコいいSKE!カッコいい私! | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

【 高畑結希 】がSKE48で一番思い出が深い楽曲 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 人生を出し惜しみせずに楽しんでいく姿。
 きっと彼女が様々なことにチャレンジしている姿にいつかの彼女のように、心を動かされている方もいるかも知れません。
 コロナ禍の生活の中でのギネスチャレンジ。
 今年はほめらレシピ。
 まだまだ、彼女は自分の新しい可能性を追い求めていくことでしょう。

【2022年もよろしくお願いします!】高畑結希 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 でも、きっと根源にあるのは、こういうことかもしれません。

【高畑 結希】誰かの毎日に必要な存在に♪ | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 飾らないですが、生活が少し豊かになる感じがして素敵です。

 最後に石川善樹さんの言葉をもう一度引用して終わりましょう。

「自分よりも大切なものを見つけてください」

 明日からもあなたが大切なものを「推す」日々が豊かでありますように。

2021年4月29日木曜日

君が見てくれていた

 いつか抱き合って涙流して喜びたい

 先日、アカデミー賞歌曲賞、助演男優賞にノミネートされた「あの夜、マイアミで」を観ました。
 1964年2月、カシアス・クレイがモハメド・アリに名前を改名する前夜、友人である活動家のマルコムX、NFL選手のジム・ブラウン、歌手のサム・クックがあるモーテルに集まったそうです。この実話を元に才能がまったく違う4人が、他の才能に刺激を受け、時には自分に足りないものを指摘され口論になりながらも、自分たちの未来について語り合う映画は、残念ながら受賞は逃したものの、衣装デザイン賞を受賞した「マ・レイニーのブラックボトム」と世界観が、ある登場人物が歌う曲で見事に繋がりますし、4人誰もが時代を動かす主役であり、それぞれの活躍を見守る仲間でもありました。そして、だからこそ、結末がとても切ないんですがね。

 この映画に限らずですが、自分の周りにいてくれる人によって、自分の個性や才能が磨かれていくということはないでしょうか?
 ここでいう「周りにいてくれる人」というのは、別に生きている人である必要はありません。本の中にはもう死んでしまっていますが、昨日のことのように熱く語ってくれる先人たちがいます。直接ではなく、間接的に自分のことを高めてくれたり、指摘してくれたりします。

 それはSKE48の中でも同じです。
 アイドルという一般人と比べると密度の濃い1年を毎年送り、同じステージに立つ仲間でありライバルが居て、順位や選抜や売り上げで時には比べられ、自分には無いものも感じ、それでも周りの才能たちに刺激されながら成長していきます。

 なんでこんなことを感じたかというと、鎌田菜月さんのある生誕祭の手紙を読んだからです。まずは、読んでみましょう。

「菅原茉椰さん、お誕生日おめでとうございます。

 とてつもないインパクトのオンザ眉毛で宮城からやってきたチームEの末っ子が20歳、ハタチ。

 昔の『あどけない可愛い』から成人式での姿はもう綺麗なお姉さんでした。本当に本当におめでとう。とっても嬉しいです。

 まーやんのSKE48人生は凄く波乱というか濃いなって、勝手に感慨深くなりながらお手紙を書いています。

 ラブ・クレッシェンドへの抜擢を始め、キラキラとした道かと思えば、SKE選抜への険しい道もあって、そこから続く19歳の1年もなかなかに波乱だったんじゃないでしょうか。

 前に菅原は自分で自分に『菅原は推されなんです』と言い切ってましたね。

 菅原の素直にそう言い切るところが新鮮で。でもただ言うだけじゃなくて、その自覚を持って、お仕事に向かう姿勢をずっと尊敬しています。

 やりたいことははっきり『やりたい』と言えて、悔しいことははっきり『悔しい』って言える。スタッフさんにも面と向かって自分に足りないものは何かとかズバッと聞ける。全部やるにはとても勇気がいることです。

 一緒にご飯を食べに行けばコロコロ変わる表情が楽しいし、ふざける時には全力で街中でも踊ってくれるところが愛しい。

 菅原のお仕事、そしてひとに 対する向き合い方はあなたにしかできないことがたくさんあります。そんな人柄に惹かれて、周りにたくさんの人が集まるんだよ。
 

 そうやって菅原に集まった人達は、私たちは菅原が大好きで、菅原の味方です。何か力になりたいし、菅原にいっぱい笑って欲しいし、笑顔にさせたい人達です。

 このお仕事をしていると色んな人に色んな言葉をかけてもらうことがあると思います。

 きっと発した本人には何の悪気もない無自覚な一言に傷つくこともあると思う。

 その人にとっては何気ない言葉が、どうしようもないくらいに心をあけることもあると思います。

 それを『お仕事だから仕方ない』心に蓋をしてそう割り切ることが正しいと思っていたけれど、違うかもしれないと菅原のおかげで考えるきっけになりました。

 痛いなものは痛い。つらいものはつらい。それでいいんじゃないかな。

 菅原の人を信じられる素直さ、優しさはそのままでいいんじゃないかな。

 家族や周りの人に接するみたいに自分のことも大切にしてあげてください。甘やかしてあげてください。私もい~っぱい甘やかしたいと思います。

 はるばる宮城から名古屋に来てくれてありがとう。

 今年こそ宮城の観光地を案内してもらいたいな。

 またお風呂屋さんやお買い物やご飯も行きましょう。

 お酒も飲みに行かなきゃね。

 一緒にお仕事ももっともっとしよう。

 皆で制服を着てのお出かけも頑張ります。

 本当に本当にお誕生日おめでとう。

 20歳のお手紙を書かせてもらえて嬉しかったです。

 SKEチームE 鎌田菜月より」

 これは2020年1月21日の菅原茉椰の生誕祭の時に読まれた鎌田菜月の手紙です。
 手紙に書かれた一つ一つの思い出から、読んでいるだけで、まーやんのあの眼を細めた愛くるしい笑顔が、僕は浮かんできました。
 でも、それだけではありません。
 きっと近くにいたからこそ、菅原の才能をファンの方々と同じように触れ、きっと舞台裏の機微についても感じたのかも知れません。
 想像力のリーチの長さ、と彼女の素直さを自分の辛いことにも我慢せずに出しても大丈夫だという鎌田さんの優しさが溢れた文章です。
 これは普段からメンバーのことを観ている彼女だからこその手紙だと思います。
 そして、菅原という存在は、実はSKE48というグループの未来を占う上では非常に重要だと僕は考えています。
 一度休養したメンバーが成功していく、というのは、今、休養を考えているメンバーや休んでいるメンバーの安心にも繋がりますし、帰ってきてくれたということが、ファンの安心にも繋がるということを今回の手紙で再認識しました。

https://ameblo.jp/ske48official/entry-12568812718.html?frm=theme

 次は、2019年7月23日に書かれた手紙を読みましょう。

「はたごんへ

 お誕生日おめでとうございます。

 多分まさかの人からのお手紙です。

 私なりの、もしかしたら独りよがりになってしまうかもしれない言葉ですが受け取ってもらえたら幸いです。

 はたごんは同期の中ではお姉ちゃんみたいな、先輩といる時は仲良い人にもしっかり気は使う人。んー、後輩といる時はよく知らないです。

 ぽんこつと言われることもあるけれど、実はとてもしっかり者なんだなーと思っています。

 その気遣いが根本にある優しさに皆が笑顔になっちゃって、思わずやらかしても許してしまうんです。

 実はそれを『おいしい』と思っていたりもしませんか?それがまた面白かったりもします。

 実はアンダーに出たのも早いし、ライブのリハーサルがあると事前に誰よりも早く練習を始めたり、SHOWROOM配信を長いこと毎週継続していたり、どんなことにも正面からしっかりと向かっていく姿は皆がやらなきゃと思っていてもやれないことで、はたごんの本当に凄いところです。

 今はたごんの目の前には選抜という1つの壁があるんじゃないかな。

 一緒にご飯に行ったりすると、その話題が出ることもだいぶ前から何度かありました。そのたびに真っ正面すぎるぐらい本気でまっすぐ。ふと思い出してみるとはたごんと真面目なお話をしていて、あまり後ろ向きな発言を聞いたことがないんです。

 そこに溜め込んでないかな。まだ話してもらえる関係ではないのかな。なんてちょっと心配になったりするけれど、それがはたごんの持つ強さなのかなと思っていたりします。

 アイドルとして誕生日を重ねることはちょっと不安になったりします。でもどうかブレないでください。目標がどこかとかでなく、これからもはたごんであることを楽しんで楽しんで貫いていってください。これは私からの勝手なお願いです。

 今年はたごんにとっては選抜へのチャンスになったであろう選抜総選挙は開催されませんでした。それを残念だと、そう言える道をファンの方と歩き固めてきたこと、お祭りみたいなイベントではあるけれど、誰もが多少なり怖がってしまうそのイベントを待ち望めていたということ、頑張ってきたことに無駄なことはなかったと言える、それもまた1つの結果です。

 その頑張りはファンの人はもちろん、スタッフさん、メンバーまでしっかり響いているよ。

 だからずーっといい子でなくてもいいんじゃないかなとも思うの。もうちょっと周りの人に甘えてもいいんだよと。

 それを嫌と思う人はきっといなくて、それくらいはたごんは愛されてる人です。

 はたごんにとって愛あふれる幸せな1年いなることを願っています。

 地元香川の美味しいうどん屋さんにまたお仕事のついでに連れてって行ってもらえることもつよーくつよーく願っております。

 最後に。お手紙を書かせてくださった生誕委員の皆様、私でいいのかと驚いたりもしたんのですが、書かせてもらえてとっても嬉しかったです。素敵な機会をありがとうございました。

 はたごん、改めてお誕生日おめでとう。

 チームE 鎌田菜月」

 まず、鎌田さんのはたごんの「ぽんこつ」に対する視線の鋭さが流石ですね。
 それだけでなく、努力家であることもきちんと観ている。
 この辺りは同じメンバーでないと分からないことですよね。
 総選挙と選抜との関係も当事者の立場でありながら、冷静に分析できているのも流石です。
 更に選抜への壁は、かつて自分が突破した壁だからこそ、分かるものがあるのではと思います。彼女自身もそう簡単に手に入れた場所ではないからこそ、苦しさが分かる。
 はたごんは、この約半年後に選抜になります。

 上記の簡単には越えられない選抜への壁。
 それを感じる手紙があります。
 次は2018年1月13日の手紙です。

「谷真理佳さんへ

 お誕生日おめでとう。

 この1年で私たちの周りではたくさんのことがありました。

 こうして今周りを見てみるだけでも去年とだいぶ顔ぶれが変わったと思います。仲良しのメンバーやずっと支え合ってきたメンバーが続けて新しい道へ進んでいく姿に寂しさや不安、色々なことを考えさせられました。

 谷さんにとってはきっと名古屋での家族みたいな人たちばかりで、そのたびに涙が枯れないと言いながら泣く姿に胸が痛くなりました。

 卒業公演などでは泣くからと、最初からアイメイクはしないという荒業にはビックリさせられました。

 その空いた穴をその人たちの変わりにと埋めることは私たちにはできません。それくらいその人たちは特別だし、きっと大切な存在だったと思うんです。

 だけれど、忘れないでほしいです。谷さんが思っている以上に周りの人は谷さんのことが大好きです。

 今年の誕生日に『こんなに連絡をくれるなんて思わなかった』、そんなことを言っていたけれど、そうなんです。それは谷さんの面白いところはもちろん、無自覚かもしれないけど、谷さんの何気ない優しさに集まった人たちです。もっともっと自分を好きでいてあげてください。そして、周りの人を頼ってみてください。私含め、嫌な顔する人は誰もいないよ。

 『意外にマンゴー』のMV撮影があるとなんとなく聞いた夜に電話をかけてきてくれたこと、その数日後にガシガシとマンゴーを一緒に食べたこと、懐かしいです。あの時、誰かに電話する勇気が私にはありませんでした。電話越しに隠しちゃったけれど、私も泣いていたんだよ。あの電話があったから気持ちを整理して折れずに、進むためにと前を向けました。

 今回の選抜のことも凄い早さで連絡をくれてビックリしました、いつも私が怖気づいて動けない時に谷さんはそっと連絡をくれたり、動いてくれます。本当にありがとう。

 ずっと最初の癖が抜けなくてさん呼びだったんですが、これを機に『まりかちゃん』とか『にーたー』とか「まりか」って、どれかしらで良かったら呼ばせてください。(中略)

 そして、SKEで期ごとに集まる時はドカーンと6期のところに是非来てください。みんなで待ってます。

 これからも自分らしく、自分だけの、谷さんだからこその道を是非開拓していってください。道を作っていくのは本当に大変なことだし、ときどき疲れちゃう時もあるかもしれません。そんな時はまたブラっとご飯でも行きましょうね。いつでもどこでも鎌田はとんできます」

 それまで選抜に入っていた谷が選抜から落ち、選抜への階段を登っていた鎌田さんも手が届かなかった。
 過程こそ違えど、選抜には届かなかった二人。
 そんな二人の知られざる物語があったとは。
 そして、「穴」を消して埋めることは出来なくても、自分たちのやり方で盛り上げていく。
 2021年4月末現在、谷は選抜に戻ることは出来ていません。しかし、事務所所属、ソロDVD発売、知多メディアスや「お宝ちゃん」といったレギュラー番組、FM AICHI「今夜も大騒ぎ!!」もあります。2018年頃から谷のラジオ出演に外れなしみたいな感じですが、それが更にレギュラーに繋がっているのは流石です。
 選抜という目標も大事ですが、この人の場合、独自の道で選抜メンバーを凌駕するような活躍をしていくのでは、と最近思っています。
 鎌田さんの手紙の中では一番好きな手紙がこれです。

 

 ここまでは鎌田さんが仲間たちに宛てた手紙を紹介しましたが、今度は鎌田さん宛ての2019年9月6日の手紙を読んでみましょう。

「なっきぃへ

 今回手紙を任せてもらえるって聞いた時は『ついに来たか!』と喜びました。それぐらいあなたに手紙を書けることが心から嬉しいです。


 なっきぃとは素直に何も考えずに気を使わずに話せて、仕事の合間や休日にわざわざ会って、美味しい物ものを食べたり、そしてまさか温泉に行って裸の付き合いをするような関係になれたことにビックリしています。

 そして、こんなにどうしてこうやって仲良くなったんだろう。最初に出会った時、私がご飯誘っても毎回のごとく断られた思い出が懐かしいです。誰かわかったかな?
 

 なっきぃと一緒にいると楽しくて、顔を見ると安心するし、落ち着きます。いつもありがとう。

 なっきぃはこの1年もの凄く頑張った1年だと思います。

 私から見て、いつもなっきぃは落ち着いているように見えて、実は誰よりも一番熱い。そして知的で真面目でしっかりしてるって思えばドが付くほどの天然です。何もないところで派手にコケて怪我するし、方向音痴だし、おまけに雨女だし、見ててヒヤヒヤします。だけどそこが愛らしいです。きっとファンの皆様も同じ気持ちだと思います。

 ただ、弱音を吐かないのがとても心配になります。特に6期生はSKE48を引っ張立ち位置として毎日特別なプレッシャーを感じてると思います。

 その中でも選抜としてその位置にいること、この位置を守ること、とても大変だと思います。

 何かに選ばれた人は何かを残さなくちゃいけない。なっきぃもよくわかっていることだと思います。

 きっと迷うことも、悩むこともあると思いますが、その中でも選抜としてアイドルとして一人の人間、鎌田菜月として輝いている姿を見れてとても誇らしいし、本当にかっこいいです。

 これからも鎌田が鎌田らしく、ファンの皆さんに笑顔を届けてね。

 一応ほんの少しだけ先輩で、ほぼ同期なそんざいですが、いつでも相談してね。

 改めて23歳のお誕生日おめでとう。

 23歳いっぱい笑いましょうって

 谷真理佳より」

 
 「何かに選ばれた人は何かを残さなくちゃいけない」。

 もう、2年前の言葉ですが、彼女は自分の言葉通りに内外で「何か」を残していきます。

 外仕事では将棋での藤井聡太王位・棋聖との対談や競馬仕事や漫画関係の仕事、普段、SKE48に触れない方々への「入り口」になっています。

 そして、内の仕事では、やっぱりセンターですよね。

(鎌ºωº田)<はじめての〇〇。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 9年目の公演全体曲センター。
 でも、「出遅れ組」の彼女がセンターに立つというドラマは、今、伸び悩んでいる後輩たちにアドバイスする言葉にも説得力が宿ると思います。


 更に、誰もが脇役ではなく物語の主役になりうるのだ、その自覚があるものだけが、自分のいる世界を豊かにできるのだという映画「TENET」の終盤を思い出すようなドラマが素敵です。
 別に鎌田さんだけではありません。
 まーやんも、はたごんも、谷も、それぞれの進む道で主役として活躍しています。4人とも「若手」というよりは「中堅」のポジションです、なんなら「ベテラン」に入れた方が良いメンバーもいるかも知れません。
 でも、今日も物語は続きます。
 シングル選抜について考えることが僕は多いんですが、「チーム」という仲間の大切さを痛いぐらい今回の4通の手紙から感じました。
 嬉しいことだけでなく、辛いことや苦しいことも分け合い進んでいく。生まれた場所も歩んできた道も違うけれど、SKEのチームEで出会った。
 この才能が違う4人が、いつか選抜に集結するドラマも見てみたいですが、「チームE」の組み合わせの奇跡を感じながら、今回は終えたいと思います。

 

2020年5月20日水曜日

髙畑結希 「2020 たった一人の闘い」

バラバラなままでつながる


 はたごんこと、髙畑結希の持っている空気が好きです。
 「空気」というと抽象的ですが、公演のMCや各種配信などを観ていると、天性の空気の柔らかさが彼女にはあると思います。親近感という言葉だけでは言い切れない何かがあります。そして、元OLというキャリアもあって、「こちら側からあちら側に行った人」としても応援したくなります。




 
  僕だけでなく、多くの方やメンバーたちからも愛されているんじゃないでしょうか?
 しかも、ただの愛されキャラではなく、最新シングル「ソーユートコあるよね?」では選抜入りを果たしていますし、元々の握手人気もあり、総選挙でも2年連続でランクインもしています。最近だと、結婚相談所の「パートナーエージェント」の広告モデルにも選ばれています。
 つまり、「この子は脅威じゃないから、カワイイね」という愛されではなく、「不器用ながらもきちんとした実力を持っている」という愛され方をされているわけです。
 
 さて、2020年5月現在もCOVID-19の影響で、まだSKE48の活動は以前のように出来ていませんが、各メンバーがそれぞれの「お家時間」での過ごし方を各種SNSで紹介しています。料理を作るメンバーや物作りにいそしむメンバー、新しく趣味を始めたメンバーと様々です。
 そんな中、はたごんは、なんとギネス記録に毎週挑戦していました。
 詳しくは、こちらのアメブロをご確認あれ!
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12596756734.html?frm=theme


 いやあ、よくぞ実行したな、と思いましてね。
 そりゃ、みんなテレビを観てて「楽しそう」とは思いますけど、それにチェレンジしていく精神が凄くてですね。
 ブログ中にもありますが、自分もやってみることで、世界の凄さを実感できるというのがいいですね。
 奇しくも、今年中止になったオリンピックでは、各国の代表たちが選ばれたスポーツの中でしのぎを削っていきますが、全部のスポーツを理解してその凄さを感じるのはなかなか大変です。
 しかし、このはたごんのアプローチなら、自分も気軽に参加できて、世界の凄さを知ることが出来るんですよね。
 
 ちなみに、僕は「30秒片足ホップ」にチャレンジしてみましてね。
 学生時代はバレーボールとラグビーでならした脚力を見せてやるぜ!とチャレンジしたんですがね。
 完全に足を撃たれた人みたいな動きで、85回でフィニッシュでした。
 しかも、50回を超えたぐらいからは、足がつりそうになって、準備運動をせずに挑んだ自分を呪いたくなりましたよ。

 なんと、このはたごんのチャレンジを「ギネス世界記録」公式さんが発見してくださいます。



 翌週のTシャツ10枚チャレンジでにも反応してくださっています。
 ちなみに、世界最速はこの人だ!




 

 このギネスチャレンジに限らず、落語にチャレンジしたり、「プレミアム髙畑デー」というあえて配信日を決めての配信をしたり、自分の生誕グッズと広告CMの表記をからめたトートバックを作ったりと(実は気になっています)、アイディアも豊富な彼女。
 このまま頑張って、ある日、SKE48のメンバーから世界ナンバー1が出てくる日が来たら面白いなあ、と最近は思っています。
 「そんなルートの勝ち方ある?」みたいな、選挙でもセンターでも握手でも外仕事でもない、別の価値機軸。
 影山ヒロノブさんの歌の中で「夢中になれるものが いつか君をスゲエやつにするんだ」とあったと思うんですが(うろ覚えでごめんなさい)、そんな時が来ても面白いなとふと思います。
 世界一は大袈裟かもしれませんが、既にはたごんは、一つ勝ちを掴んでいる気がします。

 それから、SKE48を卒業する時、はたごんは次に何を見ているんだろう、とも思いましてね。
 社会人からアイドルになった人が、再び社会人に戻るのか、それとも別の芸能の仕事につくのか。
 どちらにせよ、彼女が居るところは、柔らかい空気が流れるんだろうな、と羨ましくなります。
 そして、彼女だけが見つけた何かを掴んでいるんだろうな、と思います。

2019年8月24日土曜日

人生の無駄遣い①



意味からの離脱



 なんかもう、このブログを根本から否定するようなことを書きますが、意味を求めるがために、身動きが取れなくなることってないでしょうか。
 今回、考えていく「人生の無駄遣い」は「人生」というものの意味から離れることによって、次第に本質が見えて来る曲になっています。
 ちょっと聴いてみましょうか。

  

 先に歌詞の世界についてみていくと、1番では曲の主人公が生まれてきた意味を求めて生きてきたのですが、愛することや愛されることから背をむけるという、小沢健二の「愛し愛されて生きるのさ」を全面否定する結果を迎えます(ちなみに僕はオザケンファンです。あしからず)。




 1番では、世界との繋がり方を考えますが、まだ答えは出ません。
 サビでは、全てに興味を失っていく主人公。それでも欲しいものが一つある。
 それは何か。
 次に「砂時計」という言葉が出てきます。
 曲が発表された時には、砂時計が欲しいのかな、と思ってたんですが、これは自分の人生の比喩とは、読み取れないかな、と思いましてね。
 そうすると、次の砂が落ちていく内容と1番の歌詞がリンクするんじゃないかな、と僕は思います。
 一度だけの人生を無駄遣いしたいということを主人公は決意します。

 2番では、1番で過去を顧みていたのに対して、未来について考えていきますが、こちらも少し悲観的でしてね。「人生は死ぬまでの暇つぶし」的なゴリサの名言的に考えていきます。
 サビ前では暗に人生を終わらせることも考え始めます。
 そして、サビですが、死んだら何も残らないということを語っていきながら、誰かに泣かれたりするという、「悲しい」という意味を与えられることを否定します。
 
 いよいよ、大サビなんですが、人生は「自由である」という結論に至ります。
 「意味」から離れて、人生を終わらせても良いという気持ちに変わっていくことで、1番の気負いがなくなり、明日死ぬんなら、何でもできるよな、という思想観なんじゃないかな、と僕は理解しました。なので、この曲は、1番と大サビでは同じ言葉のようで、向いているベクトルは、全く違うんじゃないかと考えています。過去の自分の人生の象徴である「安っぽい 砂時計」の砂は無駄遣いして、早送りして、もう一度ひっくり返せないか、という解釈ですね。
 もちろん、さっさと死にたいわい、みたいな解釈もできますけどね。

 この曲のセンターは、はたごんこと、髙畑結希。
 僕が一番印象に残っているのが、2018年10月24日に放送された「ラジオ惑星委員会」に出演した時のはたごんのインタビューです。
 
 選挙でランクインしているけど、選抜には入れなかったはたごん。
 「自分の魅力ってなんだろう?」と考えるはたごん。
 選抜への挑戦権を得ているのでは、ということを司会の宇野さんが語っていました。
 これを受けて、はたごんは下のように答えています。

「今までは、自分はもう、あー選抜っていう位置に立ってないから、自分には関係ない発表だって正直思ってたんですよ。でも、なんか『パンチライン』の選抜発表の時から、なんでか分かんないんですけど、涙が出ちゃって。あの全然自分は何も考えてなかったんです。(中略)これはもしかして、自分ガチで選抜に入りたいんだなって」

 この時のインタビューから時は流れ、カップリング曲のセンターを獲得したはたごん。
 2019年に選挙がなかったダメージをもろに受けているメンバーの一人ではないか、と僕は勝手に心配していただけに、今回のセンターはちょっとホッとしたというか、運営そうきたか、と感じました。ファンの方からしたら、「いや、選抜入れろや」と思われたかも知れませんが、代表曲が1曲増えるというのは、良いことなんじゃないかと思います。

 そして、この曲は、はたごんにも結構合ってるんじゃないかと思いましてね。
 OLからアイドルになるという「人生の自由」を体現しているかのような彼女は、この歌のセンターにふさわしいのではないかと思います。
 人生を無駄遣いできると考えられる人は強い。
 これからのはたごんのアイドル人生がどうなっていくのか、次作のシングルも楽しみです。

             (「人生の無駄遣い」より引用)

はたごんが落語にチャレンジした「鷺とり」の記事はこちら! 
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/01/blog-post_44.html
 
 
 

2019年4月2日火曜日

「SKE48の楽屋ばなし 第11回」の感想



はたごんの魅力


 この楽屋ばなしもいよいよ最終回ですね。
 有料コンテンツなので、気になったところだけざっくりと。

 まずは、オーディションの時の話。
 みんな、SKE48に入るためのオーディションの思い出話を語ります。
 アルパカこと荒井優希ちゃんは、ドラフト1期生なので、他のメンバーと違って、受かってすぐに記者会見。次の日には密着カメラがついてきた話。確かに、もう候補生の段階から顔とかが全部割れてる状態なんだよなあ。この辺の大変さは、「かおたんちゃんねる」でさりーも話してましたね。
 はたごんは、カラオケ審査だったんですが、SKE48の7期生はカラオケ投票もあったんですよね。懐かしい。香川には投票対象となるカラオケボックスが無くて、大変だったとか。しかも、仕事の合間をぬってお母さんが、カラオケボックスに投票にいってくれたりとか。ご家族も協力して受けていたんですね。オーディション写真の「授業参観のお母さん」感。「香川では真珠が流行っていた」という迷言も。イメチェンに関しては、はたごんは、ずっと今のままでいてほしいなあ、と個人的には思います。
 熊ちゃんは、ダンスの課題曲が「会いたかった」と思って準備していたら、「キスだって左利き」だったという話。めちゃ大変だったんですね。
 3期の二人は、かおたんが壁に向かって歌っていたエピソードも。
 かおたんは、2期のオーディションも受けてたんですよね。ドキュメンタリー映画で加藤るみも話していました。2期のオーディションの時に、自分の超えるべき壁は歌だと気づいたかおたん。直前まで努力してたんですね。ダンスも「会いたかった」をしっかりと予習して。

 話は変わって、はたごんは「ミスしても他の子なら許せないのに、はたごんなら許せる」という話に。やっぱり、不器用ながらも努力しているからどうなあ、と思いますよ。周りもその姿を見たら応援したくなると思います。かおたんも「はたごんはあと一押しぐらいじゃない」と。「そのもう一個が分からなくて悩んでます」というはたごん。ここでは、元OLということが挙がってましたが、落語があるじゃないか!かおたんが、「自分で考えて動いている子が好きだから」と言ってましたが、自分と重なる部分もあったのかもしれませんね。自分で道を作ってきたからこそ、今、道を作ろうとしているメンバーの頑張りを応援したくなる気持ち。どんちゃんに対してとかもね。この辺は別の記事で書こう。

 あと、皆さん、気付きましたかね。
 だーすーがトーク回すのめちゃくちゃ上手くなってないですか?
 カンペが出てたのかもしれませんが、万遍なく全員に話題を振りつつ、拡げたりまとめたりをしている。正直、「楽屋ばなし」は内容とは別に、トークの分かりやすさがあると思うんですが、今回は流石でした。かおたんの卒業コンサートでのはたごんのミスについても、明るくフォローしてね。 

 今回の「楽屋ばなし」では、やっぱりはたごん、良い人なんだなあ、としみじみ感じましたよ。
 つぎの「もう1個」を見つけて磨いていくところが楽しみだなあ、と思いますよ。
 
 他にも、何故「ハムレット」最終オーディションではたごんが側転をしたのか、アルパカさんがSKE48を受ける前に受けたところ、そして、マジすかの思い出、かおたんラストメッセージなど、見どころ満載なので、huluをチェック!

 はたごんが、落語にチャレンジした「鷺取り」の記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/01/blog-post_44.html