光目指し、夜空飛び立つ
「私だけに」って、何だよ、と思われた方。
この曲、SKE48の曲ではありません。
ミュージカル「エリザべート」の楽曲です。2016年のソロコンでさりーこと、惣田紗莉渚が歌いました。当日、僕も会場に居たんですが、何か他のメンバーとは違った魅力を感じましてね。これは何なのかを今日は考えてみたいと思います。
この「エリザベート」は元々ウィーン・ミュージカルなんですが、宝塚でも公演が行われてましてね。さりーは僕が分かる範囲では、2016年の10月11日に中日劇場で花總まりさんの「エリザベート」を観に行ってますね。そういえば、その1曲前に歌った「HOME」も宝塚の「ファントム」の楽曲でしたね。同じく花總花總まりさんも歌われています。
だーそーは、元々、宝塚志望だったのは有名ですが、彼女が我々の前に現れるまでのストーリーが凄くてですね。小さい頃は体が弱くて入院の経験もあるそうです。5歳からお母様の勧めでバレーをします。「身体も気持ちも強くなった」とドキュメンタリー映画の中で語っています。
かおたんちゃんねるでのインタビューによると、小4の時に、芸能界への興味が芽生えます。
「バレーの発表会とかで拍手を沢山のお客さんの前でしてもらうというのが楽しい、沢山の人に観て欲しい」というような気持ちを抱いたそうです。
中3で「ME AND MY GIRL」を見て、そこから3年間宝塚受験スクールに通うんですがね。もう学校休んでまでレッスンする時もあって、転校を勧められるぐらい頑張っていたわけです(ちなみに中2の時に、お母様に連れられてAKBの3期も受けてますね。最終の40人まで言ったそうです。4期と5期は書類ではじかれたとか)。
この時のダイエット話が凄くて、「宝塚を受ける子の体重は、身長マイナス120キロ」という恐ろしい説があり、毎日ダイエットしてたんですね。毎日、色々と体重を落とす修行をしていたわけです。高校の時、購買でパンを食べたことに号泣したエピソードとか、凄いなあ、と思いましたよ。今はダイエットはしないそうです。
そして、高3で宝塚に落ちたさりーは、最終試験で落ちてしまいます。
自分の番号がないことを知ったさりーは、「人生終わったな」と思い、半年ほどひきこもります。未だにあの宝塚の合格発表の映像を観ると、「なんとも言えない気持ちになる」けれど「私は今、アイドル出来てるから」と思うそうです。
宝塚に落ちた後の1か月間、夜ベッドで泣きつづけ、「蘭寿とむさんと同じ舞台に立つ!」とか目標を書いた紙も全部捨ててしまったそうです。この頃、自転車で旅に出たりとニート生活をした後、1年浪人し、大学に入ります。
そして、AKBドラフト会議の発表。
大学に行って、やっぱり芸能活動がしたいという思いが強くなった彼女は養成所に通っていました(東宝の養成所)。当初は18歳までしか受けられなかったんですが、年齢制限が撤廃になり、「これは受けなきゃいけない」とラストチャンスだと思いチャレンジしたそうです。
2013年11月10日。
次々とドラフト生たちの指名が行われる中、彼女の名前は呼ばれません。
そして、どんどん各チームの指名が終わっていきます。
もう指名を行っているのはチームKⅡだけで、最後の5順目でどうするかをKⅡのテーブルでは話し合われていました。
そして、最後の最後に彼女の名前が呼ばれます。
この時、初めて「腰がぬける」というのをさりーは体験したそうです。
ドキュメンタリー映画を観ると、指名された時の目の開き方が彼女の驚きを表してますよね。そして、その日のドラフト生の帰りのバスの天国と地獄たるや。ドラフトの当事者であるからこそ、ドラフトの残酷さも知っているわけです。
2015年の総選挙で初ランクイン。
この時のスピーチの最後に言った、お母さんへの感謝の言葉は、今考えると、人生の要所要所で支えてくれたり、道を提案してくれたりしたお母様への感謝だったんでしょうね。
2016年はミュージカル「AKB49」ではヒロインの吉永寛子役を務めます。この時、茅野さんからは「芝居が宝塚になってる」とか、「それはミュージカル。寛子じゃない」とか指摘され演技に対して苦労したそうです。
2017年の総選挙で彼女は8位にまで昇りつめます。
いやあ、さりなーず恐ろしすぎだぜ、とこの頃は思いました。
写真集「うらばなし」のインタビュー記事によると、この頃仕事が一気に増えて、パニックになって号泣して、駅で綾巴に抱きかかえられたそうで、初めて体感する選抜の仕事量の大変さを肌で感じることになりました。綾巴とは紅白歌合戦選抜でギリギリ二人で滑り込んだりと不思議な絆で結ばれてますね。2018年のリクアワのひな壇でも隣りになってた時がありましたし。
その後も彼女は活躍を続けます。
2018年の総選挙では、速報圏外からの11位というとんでもない上昇を見せます。やっぱり恐ろしいぜ、さりなーず。だって、速報圏外の日は帰り道が3時間もかかったという失意の状態からの復活。もう、彼女のドラマは常に逆襲の連続ですね。
僕は2017年の彼女のスピーチが本当に好きでね。
「大好きな握手会をがんばってたくさんの方が来てくれるようになり、選抜に入ることができました。その時、ある人に言われました。『お前の上りつめ方は邪道だ』と。その時私は思いました。誰もが王道を行かないといけないのですか?泥臭くっちゃだめですか?かっこ悪くっちゃダメですか?みんなから引かれたっていいじゃないですか?私のやり方に文句がある方にはこう言いたいです。同じことをやってみてください。もし真似をできるなら、真似してみてください」
いやあ、カッコいい。
様々な挫折を味わってきた彼女だからこそ、周りの目など気にせずに、全力で上りつめて行く。「王道」なんて与えられた道ではない。それが荒れはてた道であっても冒険の旅に出る。
もう一度、「私だけに」を聴いてみてください。まさに、彼女の歩んできた道のようです。様々な挫折を味わって、自分の道を歩いてきた彼女だからこその説得力があるんですね。
エリザベートの中の劇中歌の中でこんな言葉があります。
「いやよ、逃げないわ。諦めるには早い。生きてる限り自由になれる」
彼女の諦めずに戦い続ける姿勢は、今は負けている人、今は選ばれなかった人達に希望を与えてくれると思います。惣田紗莉渚が希望を与えたアイドル志望の女の子は一人や二人ではないと思いますよ。
2019年の惣田紗莉渚はどうなるのか。「SKEBINGO!」では、どんな活躍を見せるのか。
大河ドラマ「惣田紗莉渚」は毎回見逃せません。期待しながら、次の回を待ちましょう。いつか、帝国劇場に彼女が立つ日を思い浮かべながら。
なんとなく、連想した曲も貼っておきますね。
https://youtu.be/6BDW1V_P5sA