才能同士がスパークする瞬間
古畑奈和の代表曲というと、皆さんは何を連想しますかね?
2019年5月現在でしたら「オルフェス」や「おしべとめしべ夜の蝶々」を挙げる人が多いかも知れません(僕は『観覧車』でしょうか)。
じゃあ、時計の針を少し昔に戻しましょう。
たとえば、2016年だったら、10分間のソロコンサートで「10クローネとパン」をイメージする人もいらっしゃるかも知れませんし、2013年頃でしたら中森明菜さんの「デザイア」をイメージする人もいるかも知れません(意味が分からない人は『マジカルラジオ3』を観てください)。
でもね、2015年に発表された「愛してるとか、愛してたとか」を忘れてはいけませんね。
この曲は、当時、チームSだった東李苑とのユニット曲でして、二人の才能が絡み合った名曲になってましてね。ちょっと聴いてみましょう。
発表された当時は、化粧品のCMっぽいという評価が多かったんですが、確かに。スタジオ撮影を上手くいかしているな、と思いましてね。白と黒のモノトーンの世界なのに、もの凄い色気がある作品になっています。
歌詞の世界は、とても短い時間を表してましてね。
「あの人」がいるコンドミニアムに行き、ドアを開けるまでの心情の流れが描かれています。ちなみに「コンドミニアム」というのは長期滞在用の宿泊施設なんですね。つまり、「あの人」はもともと自分と同じ町に住んでいる人ではないと考えられます。アスファルトと霧のイメージからロンドンとかかな、と僕は想像しました。
「あの人」との刹那的な関係と、多分、この後の進展はあまり期待できない、けれど、会わずには居られないという心情が描かれています。
年表的に見ると、この辺りから古畑奈和ちゃんの大人路線へのシフトが始まり、引き出しが一つ増えて行ったのかな、と思います。
MVは2種類の衣装があるんですが、1番は白、2番は黒の衣装で、化粧の種類も全く変わってきます。
大サビではその二つが交錯していきます。僕は1番の白衣装とメイクの方が好きなんですが、ライブではだいたい、2番の黒衣装ですね。
この衣装、『SKE48 衣装図鑑 全力制服』をチェックすると、照明が反射するようにビニールやエナメル素材を使ってるんですね。胸元の模様も二人とも違ってますし、スカートの形状も違います。この本の「メンバーの好きな衣装」のコーナーでは、奈和ちゃんがお気に入りの衣装として挙げています。
この曲は、前奏で奈和ちゃんが得意とするサックスと、李苑が得意とするキーボードの音色が絡み合う感じで進んでいくのがカッコ良くてですね。
歌唱力のある二人がお互いを高め合っている感じが好きです。「リクエストアワー2015」のコメンタリーで東李苑が「奈和さんは、なかなかのアレンジャーで(中略)一緒にやっていると表現力が上がって行く」と言っていました。
東李苑が卒業した後は、奈和ちゃん単独でダンスして踊っているこの曲。
今後も一人で披露していく可能性が高いと思いますが、あえて隣りにくるメンバーを考えると、誰が皆さん、思い浮かぶでしょうか。
歌が上手くて、鍵盤楽器ができる人。
僕が思い浮かんだのは、野島樺乃です。彼女の歌唱力と奈和ちゃんの歌唱力がぶつかった時にどんな化学反応があるのか。「スクラップ&ビルド」の時みたいに後輩を引っ張る姿も観たいですしね。
楽器なしのダンスバージョンでしたら、山内鈴蘭と組んでいるのも観てみたいですね。曲の世界観と近そうです。
同期の江籠ちゃんとやるとどうなるのかも気になります。
妄想は広がりますが、2015年のSKE48曲のMVでベスト3に入る良作だと僕は思ってます(残りの2つは『前のめり』と『2588日』)。
「10クローネとパン」の記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2018/11/blog-post_30.html
「オルフェス」の記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/04/blog-post_81.html
「スクラップ&ビルド」の記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/01/blog-post_63.html
「観覧車」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2018/12/blog-post_30.html