スタイリッシュな演出とドラマ
さて、新コーナー紅條のおすすめの映画と本を紹介するコーナーです。
1回目は好きな映画監督の一人、市川崑について紹介していきたいと思います。
皆さん、市川崑監督ってご存知ですかね。
代表作として、ぱっと思い浮かぶのは「犬神家の一族」ですかね。
まだ観たことない方は是非、観て欲しい日本映画史に残る名作です。
さて、この市川崑監督の人生と「犬神家の一族」について書かれた新書がありましてね。日本映画史・時代劇研究科の春日太一さんが書かれた「市川崑と犬神家の一族」という本がありましてね。これは、入門書として本当にお勧めです。特に市川崑の人生について書かれた箇所が凄く勉強になりまして。他の映画も観たくなること間違いなし。石坂浩二への25000字インタビューもあります。まだ読んでない日本映画ファンの方はぜひ!
さて、市川崑監督作品の中で僕が一番好きなのは、「悪魔の手毬唄」なんですね。これは春日太一さんも「一つの完成形」と言っていますね。「犬神家」で実験して「悪魔の手毬唄」で完成させたというかね。何回観ても面白い。あと、なんで駅の名前が「そうじゃ」なのかも、分かった時に、雷に打たれましたよ。
他にも三島由紀夫の金閣寺をもとにした「炎上」や、谷崎潤一郎の「細雪」なんかも奥様の和田夏十さんが最後に書いた箇所を思い浮かべてみると、感慨深いですよ。
最後に市川崑監督の監督人生をあの岩井俊二監督が作った映画がありましてね。「市川崑物語」ですが、これが傑作でね。ほとんどは、静止画と文字だけで進むんですね。時々、映画の名シーンが出てきて。まあ、まさか「女王蜂」の犯人までばらすとは、と思いましたがね。ただ、ラブストーリーの名手が描く、市川崑と奥さんの和田夏十さんの最後のデートの描き方は最高ですよ。紅條のお気に入りは幼年期の「江戸屋のお染ちゃん」の映像です。全作品をカタログ的に見せて行くので、この中から面白そうなものを選ぶのもいいですね。紅條のベストドキュメンタリー部門で「ピープルVSジョージルーカス」と競るぐらい良いドキュメンタリーだと思います。