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2020年9月6日日曜日

Empathy&Discovery ep1「2次元でも3次元でも変わらないもの」

 

今回から僕が気になる人に話を聞く対談企画「EmpathyDiscovery」を始めて行きたいと思います。(長いので『E&D』と略すと思います)


更新のペースは、対談から文字起こしをして相互チェックをしてなので、一人で書く普段のブログの記事よりも時間がかかると思いますが、二人で話すからこそ見えてくるものを大事に書いていきたいと思います。

第1回の対談相手は、ゲーム「アイドルマスターシンデレラガールズ」のアイドル水木聖來のプロデューサーをしている、るくるぐさんです。

(Twitterアカウント https://twitter.com/rukurugku )

 アイドルマスターという2次元のアイドルを推しながら、イラストや同人誌でその魅力を伝えている彼とは、14年ほど前に同じサークルで同人誌を書いていて(彼は漫画、僕は評論)、もうすぐ20年来の付き合いになります。

今年の2月に生きることに絶望を感じていた僕を京セラドームの「アイドルマスターシンデレラガールズ」のコンサートに連れていってくれて、佐藤亜美菜と思わぬ再会をさせてくれたのも彼です。   

2次元と3次元のアイドルを推すもの同士の会話から見えてきた本質とは?

場所は、「アイドルマスターシンデレラガールズ」で橘ありすさん役を演じる佐藤亜美菜さんが、大阪に来た時は利用するという喫茶「アメリカン」で収録しました。

 




2次元のアイドルと3次元のアイドル 

―今日は宜しくお願いします。まずは、「アイドルマスター」にハマった理由と言いますか、出会ったところから話を聞いてもいいですか?

るくるぐ(以下『るく』)元々『アイマス』自体には興味がなくって、アニメの放送、本家のアイドルマスター注釈1のアニメを観て、それでアイマスを好きになって。その頃、四条高音さん注釈2が好きだったんですけども、そのキャラクターたちが出てくると思って始めたのが、『アイドルマスターシンデレラガールズ』注釈3でした」

注釈1 2005年にアーケードゲームとして稼働したアイドル育成ゲーム。2011年にテレビアニメ放送。現在に至るまで様々なタイトルがリリースされている。

注釈2 アイドルマスターに登場するアイドル。古風な口調と銀髪というミステリアスな特徴を持つ。

注釈3 2011からモバゲーにて配信されているソーシャルゲーム。現在、200人以上のアイドルが登場している。

 

るく「勘違いから始まったんですが、ゲーム内のイベントの報酬で、春ぐらいの『お花見レア』の報酬として初めて出てきて、ちょっとゲームの中で頑張って報酬として得たのが、担当の水木聖來さんです。その時のカードが四条貴音さんとカードのタイプが同じタイプの※注釈4水木聖來さんが気になって、そこからずっと好きになっているって感じですね」

注釈4 シンデレラガールズのアイドルは、キュート・クール・パッションの3つの属性に分類され、属性ごとにゲーム内のステータスに作用する。

―ちなみに、水木さんを推す魅力って何なんすかね?

るく「何でしょうね。初めは見た目とかですが、まあ、なんでしょうか。23歳なのに見た目で言うと背が低くて童顔という割と好みにあった。だけど、凄く明るくって、でもちょっと大人っぽいところもあってというのが、自分の好みと合致したところが、一番かな」

―キャリアで言うと、水木さんは何年目ぐらいのアイドルですか?

るく「ゲームが始まって今年の12月で9年になりますが、その『シンデレラガールズ』の中で何ヶ月かごとにキャラクターの追加があったのですが、水木聖來に関しては、ゲームが始まった当初から居るキャラクターです。水木聖來自体は9年。僕が好きになったのは確か3月か4月ぐらいなので、そんなに変わらないですね」

―ちなみに、「アイドルマスター」について少し補足しておくと、最初から全員のキャラクターに声がついているわけではなくて、イベントで頑張ることで声がついて行くのが主流で、最近は初めからキャラクターに声がついているということも多いそうですが、その辺りを詳しく聞いてもいいですか?

るく「『シンデレラガールズ』で、元の『アイドルマスター』ここでは便宜上、765プロの子たちにしか声がついていなかったのが、ゲームを開始して1年弱ぐらいしたところで、ゲーム内のキャラクターのCDを発売することになって、その時に初めてゲーム内のキャラクターにボイスがついて、それがだんだん広がっていった感じですね。

その中で選ばれなかった子たちが居て。だんだんと選ばれた子たちと選ばれなかった子たちの差が開いてきているというのが、今抱えている大きな問題というか、あれですね」

―水木さんはどっち側ですか?

るく「(声が)ついてない側ですね」

―ずっとついてない状況の中で、水木さんの情報として増えてくるのは、ゲームの中のイラストだったり、ストーリーだったりということですかね。

るく「そうですね」

―その辺が、2次元のアイドルと3次元のアイドルの一つの違いだったりするのかな、と思ったりするのですが、3次元のアイドルがSNSとか自分で更新しているのに対して、2次元のアイドルの場合、あくまで運営の主導というか、コントロールが関わってくると思うのですが。その中でモチベーションを保つ為に、どんなことをやっているのかな、と考えるのですが。

るく「正直、今はそんなにモチベーションは保ててないです。最初の頃は、逆にその人気が低い分、自分こそが一番好きだという気持ちがあって。その中で仲間も増えてきて。その人たちとその子について一緒に話したりするのが、楽しいということもありましたし。その中で自分が絵を描いたり同人誌を出したりというのは負けないぞ、という気持ちもありましたね。でも、その気持ちが(公式の)扱いの差によってモチベーションが下がっているのも事実ですね()

―結構、これって2次元にも3次元にも言えることじゃないかな、と僕は凄く思っていて。3次元にも「干され」っていう言葉があって。運営から干され続けてしまったりすると、結構ファンが頑張っていても、メンバーの方が先に心が折れちゃうっていのがありますし。その中で出てくるのが、3次元って卒業があるじゃないですか?
 でも、2次元って、卒業がないじゃないですか?
 この辺りの違いってどう考えていますか?

るく「嫌な言い方をしたら、キャラクターは劣化しないというのがあって。まあ、好きな23歳の子は、9年経とうが23歳のまんま。たとえば、現実のアイドルだと、アイドルになった時に16歳の子がそこから9年経ったら、もう25歳になって現実で考えれば、もう引退を考えたりとか、或いは誰かと結婚したりとか。そういった選択肢が出てくる中で、2次元のアイドルに関してはそれがないと。声優さんが結婚したというのはあるけども、2次元のキャラクターに関してはそこまで干渉しない部分ではあります。良い部分とも悪い部分ともいえるというのがあるかなあ()

 ―今年の2月に「アイマス」のコンサートに行って思ったのが、2次元のアニメとかゲームのキャラが居て。でも、3次元で声を入れている声優さんが歌っていて、でも、コンサートだとどっちで観ているのかな、と少し観ながら不思議に思いまして。

るく「初めからアニメが好きで最初から声優さんのライブに行っている人はそこまでそれを感じないと思います。あくまで出ているのは声優さんで。その声優さんのスタンスによっても違ってきますが、髪型をキャラクターと一緒にしてその子と一緒に唄っている気持ちでという人もいれば、本家の方の765プロの方では、ステージに立つ時は、私はそのキャラクターの子として立つという人もいますし。声優さんのスタンスと観る側のスタンスの両方が関わってくると思います」

―橘ありすとして観る人もいれば、僕みたいに佐藤亜美菜として観る人もいるということですか?

るく「そう」

ー今、48グループって、コロナの影響で時計の針が止まっているような感じでしてね。みんな、なんとか楽しもうとしているんですけど。アイマスだとキャラクターだとなかなか更新がないということがあって、どんな楽しみ方をしているのかな、というのは聞いてみたいですね。

るく「やっぱりSNS上で何かやりとりをするという人が多いと思いますね。たとえばお互いにゲームの中に出てくる画像を上げたり、ハッシュタグをつけたりですかね。今日見てきたのは、若林智香ちゃんっていうチアガールをもともとやっていたアイドルの子がいるんですが、その子だったら『#今日もふぁいともか』というハッシュタグをつけてみんなで、頑張っていこうというのを言い合うとか」

―キャラクターに関連したハッシュタグをつけて、ファン同士で…。

るく「そうそう。水木聖來であれば『一斉に聖來』ということで『#いっせいら』で、今日の何時からと時間を決めて彼女に関わる画像やイラストを上げようというのをやっている方もいますね」

SNSの良い使い方って感じがしますね。あとは、アイマスを見ていて思うのは、みんながストーリーをゲームの運営から与えられているわけですけど、ファンの人達が2次創作でストーリーを付けたり、解釈を付けたりっていうのが、面白いな、と思いまして。3次元であんまりそれはないので。

るく「やっぱり3次元だと、その子が正解になると思うんですね。基本的にその子の考えていることが正解で、その子が発するものが正解というのに対して、2次元は言ってしまえば、割と問題になるかもしれませんが、公式が出したものであってもそれが受け入れられなければ、受け入れなくて良いっていうのはありますね()。公式が出したものを全部受け入れられる人と受け入れられない人で、また差が出てくる、というのはありますね。まあ、自分でストーリーを作れるというのは、ある意味2次元の大きなメリットではあるかな、と」

―コミケとかの画像を見ていると、自分の好きなアイドルとかのキーホルダーを作ったりとかタペストリー作ったりとか、これって、3次元だとまずアウトじゃないですか()。その辺も「グッズが無いんだったら自分で作るの精神」は、アイマスの人達を観ていて凄いな、と思うんですけど。

るく「2次元でも厳密にはアウトなんですけど。特に立体物に関しては。(ここから少し著作権談義になったので割愛します)たまに居るんですよ、公式にこれ出していいですか、と聞いちゃう人が。公式は聞かれたら『それはあきまへん』というしかないので()

―ここ、太文字にしときます()

るく「グレーゾーンだけど、どっちかというと、色の濃い方のグレーだから、それは聞くなと」

 

 コンサートと刺激

 

コミケ自体が、次の書き手と売り手を生み出す土壌であったというのが、出版業界がお目こぼしをしてくれているというのもあるかと思います。
 本筋に戻していくと、一緒にコンサートに行った時に僕がびっくりしたのが、駐車場に何かお城みたいな形の大きなモニターがあって、アイドルたちがそこにワーって出てきて並んでいるVTRをみんなが座りこんで見ているというのが、ビックリして、なんでああいうのがあるんだろうと。

るく「SKE48はあんまりそういうのは無い?それじゃあ、あれはアイマス独自の文化かもしれないですけど。ファンの間では課金で建った城ということで、課金城と言われているもので。まあ、そのライブに出ているアイドルの等身大パネルとかもあって、そういうのをみられる機会がそこしかないから。ライブにあたってのそこでしか流れない限定の動画とかも流れていて。京セラドームの時は、たまたま屋根のあるところでしたけど、SSA(さいたまスーパーアリーナ)の時は炎天下で良い位置で観るのを待つ為に30分ぐらい炎天下で待つということも()

―その言ってみれば、まだ声がついていないってことは、自分の推しが出ていないライブを観に行くわけじゃないですか?それは箱推し的な楽しさで観に行っていたんですか?

るく「昔はそうですね。僕の場合は、最初のライブとかはシンデレラガールズのコンテンツ自体が大きなものじゃなかったから、自分の好きなコンテンツがライブをするまでになったというのが嬉しくって観に行って。それがセカンドはライブヴューイングでしたが、アニメ化が決定して。サードライブはアニメの放送と同時期にやっていて。その時期からちょっと、僕の好きな子はいつになったら出られるのでしょうか、という黒い面が出てきて()

ーそれがファンになってどれぐらいの頃ですか?

るく「それが3年か4年目ぐらいかな」

―前にライブに行った時の話をした時に。『目には見えてないけど、俺の目にはちゃんとその子は立っている。ステージのどこかに』と言っていたことがあったと思うんですが、それは何年目ぐらいの時ですか?」

るく「それが3年目の黒さが出てき始めた頃ですけど、立っているというか。歌詞の中でコール&レスポンスで『ここでめぐり会えた ずっと大好きなキミに』というところがあって。注釈5そこで、僕はそのステージ上の人達よりも、自分の好きな水木聖來のことを思い浮かべて叫んだという。多分、そこですね」

注釈5 CINDERELLA PROJECTM@GIC!』より

ーなるほど、そこだ。結構、僕も推しが居ない期間が2年か3年ぐらいあって。その時、コンサートには行くんですけど、何をモチベーションにして行っているのか、というぽっかりとした期間があって。なんか、好きなチームの試合なんだけど、好きな選手は居ないみたいな。その頃はモチベーション的に言うと「凪」みたいな感じで。

るく「やっぱりスタメンに今岡おらんとオモシロないなあみたいな※注釈6」

注釈6 今岡誠(現・真訪。千葉ロッテマリーンズ2軍監督)勝負強い打撃で20032005年、阪神タイガースのリーグ優勝に貢献した。2005年には球界歴代3位となる147打点をあげたが、その後は持病のバネ指に苦しんだ。

―僕、野球しらないから、ここ注釈ね()。今、48グループは選挙もないじゃんけん大会もない、という刺激や劇薬がないんですよ。それが平和でいいよねっていう人もいれば、なんか、刺激を知っている世代からしたら、急にこの世からコカ・コーラが無くなったみたいな感じなんですよ()。レッドブルとか。

るく「アイマスを本当に初代のアーケードゲームの頃からやっている人達からしたら、今のアイマスはぬるいという人もいます。1ゲームをやる度に何百円と払って。でも、それでも上手いこと行かなくってゲームオーバーになるとか、全国のプロデューサーと戦って、最後までいけないというのを知っている人からしたら、アイドル同士がガチで戦わないというのはぬるいという人はいます」

ーなんか、アーケードゲームならではだなあ。フォーマットがちょっと違うっていうのもありますけど、凄い世界ですね。

るく「全国対戦していた人たちは、あの頃の熱さをもう一度味わいたいという人たちがいて。シンデレラガールズが最初に受け入れられた理由はそこがあったのかも知れません。主戦場がアーケードゲームから家庭用ゲームに移って、対人戦がなくなってなんかぬるいなというところに、シンデレラガールズのソシャゲが始まって、あの頃は『アイマスでソシャゲやんの?』という声が多かった中で、全国の人たちと争って1位を目指すという熱さがアーケードの熱さと似ているというので、アイマスに久しぶりにあの頃の熱さが戻ってきたというのが『シンデレラガールズ』が受け入れられた一つの理由かも知れません」

―こっちは、刺激刺激で行って、その結末どうなったって言ったら、悲惨なことになったので、何か新しい楽しみ方を見つけなきゃいけないのだろうな、というのはありますね。それがアイマス的な成功例なのか、坂道みたいな成功例が必要なのかな、とも思いますね。

 ちょっと話を変えると、この曲が好きとかあったりするんですか?

るく「これは文字にしていいのか、分かりませんが曲は好きですが心はささくれるというのはありますね()

―太字にしておきます()。それは何でなんですか?

るく「曲は好きですけどねえ。自分の子に曲はつくんだろうかと。曲があるイコール声があるってことですから」

ーちなみに、声がついている人と声がついていない人の割合ってどうなんでしょう?

るく「今、全部で190人居て、多分、80人ぐらい(正確には89人)ぐらい声がついているぐらいですかね。今後、新しくメンバーが増えるというのはそんなにないかと思いますね」

ー今、ファンの減増率はどれぐらいなんでしょう?

るく「新規が入りにくくなっているんじゃないかな、というのはありますね。アニメが始まりました、ゲームが始まりましたという何かによって新規が入ってくる要素が、今後打ち立てにくくなってくるだろうから、そこをどうしていくのかなと」

ーそれは凄いこっちも感じていて、たとえば難波とかだとグラビアとかにどんどん出して行ってコンビ二とかの棚にちゃんとメンバーの名前が載っている。じゃあ、SKEの場合、新規を増やす手段ってなにがあるだろう、と思いますね。今から新規で好きになるには、結構ハードルが高いというか。

るく「去年、新キャラクターというのが7人追加されて、その時のファンの声として上がったのが、『やっと1から知れるアイドルが出きた』というもので。新規で入った人からですね。それは確かにそうだな、というのもあって。別にアイマスの別のタイトルの『アイドルマスターミリオンライブ』というものでもアプリゲームが始まるにあたって新規キャラが二人入るというのがあって。じゃあ、その子たちを見て行けば、これからその『ミリオンライブ』の方も好きになっていけるかな、という気持ちもありましたね。結局やっていませんが…」

ー新規の人が入りやすいのがひょっとすると、新しくデビューする組ではないか、と。

るく「SKEの方でも多少の批判はあれど、10期生の子たちがデビューしてそこから入っていけば、10期生の子たちと一緒にファンとして成長していける喜びはあるでしょうし」

ー確かに。7期やドラフト2期生入ってきた時や9期が入ってきた時に、新規のファンやカムバック組が出てきましたもんね。誰かの物語を一緒に見守れるタイミングがあれば、入ってくるかも知れないっていう。

 

楽しみとストレス

 

 じゃあ、ここからは一番モチベーションが上がった時と下がった時の話を聞かせてもらってもいいですか?

るく「じゃあ、逆に紅條さんはどういう時に?」

ーまあ、僕は質問がね、まさかピッチャー返しで来るとは思いませんでしたけれども。総選挙で推しがランクインした時やグループが1,2フィニッシュした2018年とか、あと推しがコンサートのセンターだった時とかですかね。逆にモチベーション下がった時は、スキャンダルとか出た時とか卒業発表出た時ですかね。

るく「今、聞いて思ったのが、2次元アイドルってスキャンダルがないんですよね」

―ない。ないですね。あったら凄い。どうやって、というか創作者の意図は何だってなっちゃいます。

るく「そこが良いと言えばいいとこなんでしょうけど。一番モチベーションが下がっていたのが、2016年から17年ぐらい。アニメが終わって、その後のアプリゲーム「アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ」がリリースされて、その後の一番何も、あくまで個人的な目線で救いがなかった時期ですね。
 たとえば、ゲームの方でいうならば、リリースされてから徐々に既存のアイドルに唄って踊る3DCGとかが追加されていったんですね。でも、すべてのアイドルがゲームに登場するまでに1年かかりました。
 ボイスが付いているキャラクターが優先的に特別な衣装の2つ目や3つ目がどんどん追加されているのに、自分には来ていないという時期で。格差がどんどん広がっていっていましたね。アニメがやっている時期は、アニメに登場している子たちのグッズしか出なかったということもありましたね。運営に失望した時期ですね」

ー凄い趣味ですよね。ストレスたまる趣味になっている。ちなみに、その時期は同人誌の方を頑張っていたころですか?

るく「同人誌は大人アイドルの本(https://twitter.com/rukurugku/status/814471907202383872を出したのが、その1年後の冬コミぐらいですね。


 その年は2月に神戸でシンデレラガールズのイベントがあって、それに合わせた形で大人アイドル40何人つめあわせた絵をTwitterにあげて

https://twitter.com/rukurugku/status/693769782953291777


 今までの自分では考えられないぐらいの反響をもらって、あの頃が反響という意味ではモチベーションが一番上がった時期でしたね。楽しさで言うと、その2年ぐらい前に夏に有志で水木聖來の合同誌を作って。その時に僕が主催をして。その時が辛かったけど、一番楽しかった時期ですね。もう主催なんかやるか、とも思いましたけどね。結局、自分の原稿が一番遅れたんですけど。人の原稿を預かってそれを編集してというプレッシャーがつらかったですね。楽しかったですけど。それを冷房のきいていないコミケの西館で売ったというのが今考えると楽しかったですね」

ーこっちの世界で合同誌はあまり聞きませんね。

るく「そもそも48グループでも同人活動をやっている人は、絶対にいるとは思うんですね。今からカタログをめくって『芸能』のところをみたら48で出している人は必ずいるとは思うんですけど、主流ではないかもしれませんね」

ー楽しかったことと辛かったことが同時にあったっていうのが、面白いですけど、公式でいえば、どの時期でしょう?

るく「聖來の2つめのSRが出た時だから8年前かな()

ー8年前!一番楽しいが8年前()

るく「楽しいの種類が違うんですよ。達成感的な楽しいと好きになり始めの時の楽しさ。ゲームの中でガチャの目玉として自分のアイドルが選ばれたというのと、絵柄が自分の好みだったというのがあって、やったあというのがありましたね。そこでこれぐらい課金しました」

ー今ですね、文字起こししにくいんですけど、片手じゃ収まらない数字が出ています。

るく「ゲームの中のシステム上、特訓後のカードを手に入れるには特訓前のカード2枚を合体する形で使わなければいけないんですが、ファンだったら、どっちの絵柄もおさえておきたいので、最低3枚いるわけですね。3枚手に入れようとしたら、ゲームの中でフリートレードといって他のプレイヤーとカードを交換することもできるんですが、意地として、せめて2枚は自分の手で引きたいというのがあって、当時『肩書き』というシステムが出てきて、自分でお金をかけて手にいれないとその『肩書き』という称号が手に入らないのもあって」

―うわあ、大変。

るく「1枚は多分、これぐらいで出たと思うんですけど」

ー今、文字起こしで表しにくいんですけど、片手の数字ですね。合計したら、ちょっとした海外旅行に行けそうですね。限られた枠の中に自分の推しが入ったというのが、公式の方の楽しかったことですかね。

るく「その頃から、『アイドルマスター』の同人誌を始めて。それまでやっていたジャンルよりも遥かに売れたり、同じジャンルのファンの人達と知り合えたりっていうのと、その頃同人誌を描く技術が一つ上がったかな、と」

(ここから技術やランクについて『仮面ライダー鎧武』でたとえる話になるので、割愛します)

 

自分しかやらないこと

 

ー3年前か4年前ぐらいにTwitterに書いていたことが印象的で、「自分だからできることがやりたい」というのがあって。実は今日、話を聞こうと思ったのは、そこがメインだと思います。「自分しかやらない」が正解ですかね。

るく「『自分しかやらない』ですね。大人アイドルの集合絵とか同人誌とかもまさにそれで。あの絵の発端は『アイドルマスターシンデレラガールズ』に出てくる子の中で、ボイスがついている子って、ほぼ10代の子たちばっかりで。190人いるうちの44人は20歳より上要するに4分の1か4分の1強は20歳以上なのに。ボイスがついているメンバーは、ほぼ10代に集中していて、8人ぐらいしか20歳以上はいないんですね。当時は44人のうちの6人ぐらいで、絵を描いてからもまだ4人しかついていません。20歳以上の子たちにも、こんなに魅力的な子たちがいっぱい居るんだぞ、というのを言いたいがためにあの絵を描いたというのが、一番の動機ですね」

ー絵や同人誌を通して、自分にしかできないことを。

るく「同人誌にも書いたんですが、あれをもっと綺麗に描ける人は山ほどいる。けれど、やってくれる人はいない。だから、自分がやるしかない。あの頃、ゲームに対してモチベーションが下がっていて、それを反転させて同人活動を頑張っていたというのはあるかもしれません」

ー今のモチベーションは、2020年夏はどうですか?

るく「今は正直、そんなに()。次の作品がモチベーションでもあり、負担でもあります。今、本当に1日、1コマとか2コマネームをじわじわ作っていますね」

ー超大作映画!

るく「それが格差のある現状に対して描いているものですね」

(この後、次回作と僕が昨日読んだ『82年生まれ、キム・ジヨン』という本と映画版のリンクについて話しましたが、ネタバレが含まれるので割愛します)

ー最近、凄くガッカリしたことがあって。推しが毎週ブログを書いているわけですよ。それに対して、もう引くに引けなくなって毎週、分析を書いているんですけど。結構読み取るのが難しいブログを書いている時もあって。でも、ちゃんとヒントは残してくれていて。某まとめサイトをみると、反射的に読んで、反射的に訳が分からなくなったとか、才能の限界が見えた的なことを書いている人たちが居て。それ、お前らがじっくり読めてないだけじゃん、反射的にしか楽しめてない。じっくり読んでじっくりモノを考えられるようになろうよ、とガッカリしたことがあって。

るく「昔って、何かを作っている人に対して、色々文句はあれども自分より凄い人が作っているっていう意識があって。何か理解できないんなら、自分の読解力が足りなかったんだっていうのがあったんですね。でも、今は読み取れなかったら作品が悪いっていう人が多いなと思って」

ー映画や本のレビュー欄に分かりやすさっていう星印とかがあるのが、僕はピンとこない。あと、年下の才能を認めるのがそんなに怖いのかとも思います。

るく「わかりやすさでも、色々と頭を使ってそれを作っているのと、単純に中身がないのとは違いますしね」

ーちょっとこっちの話になってしまいましたが、声がついた時はどうなると思います?

るく「今はカウンター的な立場にいることがモチベーションになっているので、自分がカウンタ―を受ける立場になった時に、どういう立ち位置になるんだろう、というのは、どう揺らぐかは分からないです。自分の子だけでなく、みんなに声がついて欲しいというのは変わらないですが」

 

ーさて、ここからは趣向を変えまして、質問のタイプを変えていきます。まず、なんでそんなしんどい趣味を続けてられるのか、ってことなんですよね。続けてられる理由は何かあるんでしょうか?

るく「正直、辞めたい気はします」

ー金銭的にも精神的にも修行のような日々を送っているわけじゃないですか?

るく「一つは意地」

ーそれは僕もあるかも知れないですね。歴史を見てきたっていうのもありますし。ただ、こちらから見て、楽しいところは楽しいけど、しんどい時はしんどいというのがより明確化されている気がするんですが。そちらから見て、こっちは(SKE48)どう映っているのかは興味があります。

るく「生身の女の子がからんでいるだけに、もうちょっと世界が優しくならないのかなと」

ーああ、傷つく人がファンだけじゃなくて…。

るく「ファンが傷つく分には仕方がないですけど、せめて女の子は守ってあげてよ、とは思いますね」

色々な誹謗中傷の問題とか、直接言えてしまう時代である、より可視化されて本人に届いてしまうという問題はありますよね。ポジティブなメッセージに対して、ネガティブなメッセージの方が大きく響く子もいますしね。
 さらに質問の趣向を変えましょう。今、趣味としてこれがおススメだよ、という「アイマス」の曲やアイドルはいますか?

るく「人に勧めるんだったらこれっていうのは、あんまり考えたことが無いですね。自分の人への勧め方として、その人が好きそうなものを勧めるというスタンスなので」

ー3次元のアイドルで好きだった人とか、今も好きって人はいますか?

るく「とくには。高校時代は声優の飯塚雅弓さんが好きでしたけど。でも、何かしら好きってなったのは、その人だけですかね。アニメで声を聞いて、ラジオを聞いてさらに好きになって、という感じですね。それまでは一人のキャラクターが好きになったということはないですね。ここまで思い入れがあるのは、これが最初で最後、今後この経験を戒めにして()

―僕の場合、推しメンが卒業して、次に好きになる人がいないだろうなあ、と思うんですけど、不意に出来てしまうというのがあるんですが、ずっと1推しだけですか?2推しや3推しはいないですか?

るく「推しイコール担当アイドルとするなら一人だけですね。自分がこの子を好きですとドンっと言えるのは一人だけですね。他の子も好きですけど次元が違うというか」

―話が変わるんですが、コンサートも大分文化が違っていて。一番びっくりしたのが、最初にスポンサーが紹介される時に一緒に名前を呼ぶとか、あれはなんだか面白かったですね。あの文化は好きですね。ほのぼのして。あとはサイリウムの色が揃っているというのも新鮮でしたし。だから、今度はSKE48のコンサートに招待したいですね。

るく「チケット代だしてね、名古屋までの交通費も()

―楽曲も大分ちがうなと思いまして。一人一人が歌う曲が多い印象だったんですが。

るく「アイマスの世界の中でどういう位置づけで歌われているのかが、結構議論に上がるところで。たとえば安部菜々さんっていうアイドルが居て、『永遠の17歳です』って言っているアイドルがいるんですが、歌詞の中で『本当の姿を知っても好きでいてくれますか?』っていう台詞があって。ゲームの設定としては、そうなんですが。『本当の私を知っても』っていうのは、ファンの皆さんに聞かせていいものかどうかということだったり。果たしてそれは、ゲーム内でアイドルが歌っているアイドルソングなのか、キャラクターソングなのか、どっちなのかっていうのが、『シンデレラガールズ』に関しては多いかも知れませんね」

―この人じゃないと唄えないというか。こっちだと、卒業曲とかがそれにあたるかもしれませんね。

るく「グループがあるのではなく、『アイマス』は一人一人アイドルが居て、その集合体が『アイドルマスター』なんです。」

―一人一人が個のソロアイドルと考えた方がいいということですかね。それは大きな違いかもしれませんね。

るく「だから、みんなソロ曲は欲しいし、ソロ曲があってこそというのはありますね」

―こっちだとリクエストアワーという曲の総選挙があったんですが、そちらでもそういうことはあったりするんですか?

るく「一度だけ似たようなイベントがあったんですが、楽曲の人気投票と、1位に選ばれた曲を誰に歌ってほしいかという投票が同時に行われたんですが、どちらも高垣楓さんの『こいかぜ』が1位をとってしまって。結果として『こいかぜ』のアレンジCDを出してということになりましたね」

―なるほど。試みとしては面白かったけど、意外な結果になってしまったと。

 (自分の推しのグッズを作って、アピールする話を少ししましたが、既に書いた内容と重複する部分があるので割愛します)
 昔、働いていたところで、貸し会議室を借りることが多くて、いくつか会場を利用した時に、新田美波さんとかが、資格のポスターに使われていたことがあって。意外なところにアイマスってあるんだな、と思ったことがありました。

そういうのって、今はSKE48だと電車にお見合いサイトの広告でシールや広告としてメンバーが採用されていたことがあって。これから新規を増やしていくには、どうやって他の人の生活に差し込んでいくのかが重要かなと思うんですが、その辺りはどうでしょうか?

るく「シンデレラガールズで、松本沙理奈さんと大沼くるみちゃんという豆乳をよく飲むアイドルが居て、キッコーマンの豆乳とコラボしたキャンペーンがあって。今までだったらボイス付きで知名度が高いアイドルが使われることが多かったんですが、今はまだ知名度が低い子でタイアップを組んだというのが画期的で。あとでキッコーマンが出した声明というか、なんでコラボしようと思ったかを発表した時に、『アイドルマスターで豆乳を好きだという方がいらっしゃってこちらから声をかけました』と実在のアイドルが居る感じでコラボを持ちかけましたというのがあって。それが凄くいいな、と思って。これから企業側から何かひっかかりをもって、アイドルの活躍が増えていけばいいかな、というのはありますね」

―今、僕らが働いている職場で僕らが見つける側になれればいいかもですね。

(このあと、どう目に触れていくかについての話になりますが、職場がバレそうな話が中心のためカットしました)

 

アイマスPから見た48

 

―僕は、アイマスの曲だと「Memories」や「風花」が好きなんですが、48グループで良い曲だなっていうのはありますか?

るく「うーん。耳に残りやすいのは難波の『絶滅黒髪少女』」

懐かしいですね。どっちかというと、ハロプロの方がピンときます?前にBEYOOOOONDSの「眼鏡の男の子」とか結構、評価していましたよね。そうか、48グループだと「絶滅黒髪少女」ですか。SKE48だと無いですか?

るく「申し訳ないですけど、曲がぱっと出てこないですね。あの男が女の子だけの学校に転校して…」

―それは、乃木坂の曲ですね()

るく「ごめんなさい()あれは凄い好きなんですけど」

いえいえ、僕もあのMV好きなんで。まだ、薄い感じなんですね。

るく「正直、興味が薄いと映っている女の子を観てもそんなに違いが分からない時があります」

―僕も時々、なんで大量の女の子の名前を覚えられるのか、と思う時がありますね。お母さんがゲーム全部、ファミコンっていうのと同じで()。差別化というか、自分だけの特別な一人を見つける楽しさはあるかも知れませんね。課題としては、みんなが知っている素敵な1曲が欲しいというのはありますね。一応、紅白3回出ているんですけどね。2020年ではまだまだ、と感じますね。これは、SKE48の方のコンサートで素敵な曲に出会って欲しいですね。

るく「ある意味、今は自分の趣味とは全然違うところに行った方が楽しめるかもしれません」

―知らない曲ばかりからかも知れませんが。コンサートを観に行って思ったのが、「緊急発表!」とかがあった時に、みんなが喜んでいるというのも印象的で、こっちはだいたい阿鼻叫喚があったりして、サプライズ無かったら無かったで物足りないし。

るく「正直、どこでとは言えないですけど、ライブでの発表でガクッときて、その後のアンコールで一切乗れなかったというのはあります」

―いったい何があったんだ!そのライブで!消費税が20パーセントになりますかとか、そういう恐ろしい発表だったんですか。

るく「多分、一緒に行ってた人は、あれのことかと分かると思います()

―僕らは10周年の時に、絶対に名古屋ドームがあると信じていたので、それが無かった時の失望感。勿論、メンバーもがっくりするし、あれは辛かったですね。今、SKE48の中でグループの目標がぼんやりしていて。逆に新しい夢を語りだした人が、ひょっとしたら引っ張っていくんじゃないか、と思います。今までの物語とは違う物語を語れる人が出てきたら面白いかなと。アイマスの場合は、それが個人戦の要素が強いんですかね?

るく「『シンデレラガールズ』でこうというのは少ないかもですね」

―声優さんたちがMCとかで語っていたことがいくつかあったと思いますが、それはあくまで声優さんが言っていることで、アイドルやプロデューサーさんたちの意志とはまた違うということですかね。

るく「個人的な感覚ですが、それは運営の匙加減でファンがどうこう言うのとは違うかなと。そういえば、1個聞きたいんですけど。たとえば10期生の子とか後輩で『私は松井珠理奈さんを超えるんだ』とか宣言したことってあるんですか?」

―それは現役メンバーで何人かいますね。たとえば「松井珠理奈からセンターを奪いたい」と2016、7年ぐらいに言って、実際に2019年に奪った子がいますね。名前は古畑奈和という…。

るく「おお!」

―その言葉を言って実行できたのは、多分いまのところ、その子と須田亜香里だけ。ファンもその物語に乗って押し上げていったんじゃないかなと。

るく「傍から見たイメージだとメンバー間のライバル的なバチバチがなかなか上がってこないんであれですけど、どうなのかなと思って」

―松井珠理奈は一時期、絶対的なセンターであり、エースであり、あの人がいるから みたいになっていたんですけど…・

るく「阪神のショートは鳥谷がいるからみたいな※注釈6」

注釈6 鳥谷敬。現・千葉ロッテマリーンズ。阪神入団2年目から10年以上の長きにわたりショートの座を誰にも譲らずフルイニング出場を続けた。

―絶対ここ、注釈いれてくださいね()。自分で。それに対して、後輩たちは奮起したんだけど、なかなか理想と現実は違っていて。少し時間はかかったんだけど、松井珠理奈と同じぐらいのスピードで走れるようになってきたメンバーがやっと出てきたな、というところで珠理奈の卒業というね。あくまでこれはSKE48のファンから見た目線であって、世間から見たらまだ、知らないよ、ということになると思うんですけど。2017年に7期生の小畑優奈という子が出てきてセンターになったということもあったんですけど。辞めちゃったっていうのがあって。

るく「それは運営がひょいと入れた感じですか?」

―少しずつ、この子が行けるんじゃないか、という期待がメンバーやファンの中にあって、ベテランのメンバーたちが今はまだ早い、ここぞという時にセンターにという話はどこかで読んだ気がしますね。明るくてかわいくて、また、SKE48の風の色を変えた感じの子でしたね。珠理奈自体もこの子を推して行こうという流れはあったんですけど。

るく「本人が夢を見つけて新しい世界に飛び込んでいったんなら応援しなければですけど、痛いですよね」

―本当に痛かったです。多分、運営が想定していたシナリオとは違っていたのかも知れません。でも、逆に言うとキャリアが長いベテランが頑張れるのが、SKE48の魅力の一つだと思うので、こんなに20代後半とかで選抜に入っていたり外仕事があったりっていうのは、48だと僕はSKEぐらいじゃないかなと思います。勿論、若い子が好きな人も多いと思いますが、ベテランの須田亜香里とかが今年センターになったから、夢はまだまだ見られるグループだと思います。あと、これはお姉さんアイドルにも言えることですが、魅力に年齢は関係ないと思うんですよね。

るく「その通りです」

―その人が輝く時のピークなんてバラバラだし、伊能忠敬とか何歳から日本地図にチャレンジしたと思っているんだと。あとは、小学生から入っている松井珠理奈が成人するまでを見守れるっていうのも面白さの一つでもあって、彼女が前田敦子とかが居た時代とかの歴史の証人みたいなところもあるので、凄く懐かしい曲とかを大事にしてくれていて、それはファンとしては嬉しいですね。まだまだブレイクスルーの方法はあると思うので、今日のアイマスの話から探して欲しいな、というのはありますね。

 

ボーナストラックであり本題

 

 ここから、更に内容は加速していきます。
 口調もボーナストラックなので、少しくだけていきます。

ーここからは、ボーナストラックじゃないですが、ここまで読んでくれた方を信頼して、あまり話せなかった部分をリミッター解除して話していきたいと思います。

るく「たとえば、そっちだったら、松井珠理奈さんに対して良くない感情を持っているファンの人もいるでしょう?」

ーいっぱいいる。めちゃくちゃいる。お前、親を殺されたのか?みたいな人達がいる。

るく「その松井珠理奈さんがセンターでやってきて、本人の才能や努力もあってセンターやってきたと思うんだけど、『アンタいつまでやっているんだ』とか『センター変わってもいいじゃないか』と思うもんだと思うんですよね。そういう感情って」

―多分、ボーダーライン上のファンの人達とかは、きっと次変わるんじゃないか、とかいう思いはあるんじゃないかなと。

るく「総選挙とかでもある程度上位陣とかは固まってくるわけじゃない?いや、お前らもういいやん、って思う時はあります()

―殿堂入りみたいな。でも、それは難しいところで、戦う側からしたら、その人達がいる状況で勝たないと勝ったと認めてもらえないというのがあって。1回、2014年の終わりぐらいに新曲の発表した時にセンターをダブル松井じゃない若手の2人で行きましょうと試してみたことがあったんだけど、やっぱり、それが実験で終わってしまった。次が難波との同日発売で絶対に負けられないというので、ダブル松井に戻したというのもあります。

るく「そこもなんで難波と張り合う必要があるのか」

―48グループは闘いで成り上がってきたところがあるので、じゃあ、その辺のガス抜きって何だったかというと、カップリングや公演のセンターとかなんですかねえ?実際に、珠理奈に文句を言いに行くファンも居たりしたわけで、センターである重圧やそういうアンチの存在を考えると、本当に幸せだったのかは考えさせられますよね。

るく「それは3次元特有のもので、ファンがアイドルに直接言えてしまうというのが。こっちはキャラクターに言ったところで、現実的にはキャラクターには届かないわけで。本人に言っちゃダメでしょう」

ー多分、言いたいこととしては、選抜だけじゃなくて、圏外だったメンバーにもちゃんと光が当たるようにってことですよね。なんか、そこは僕、麻痺してきているかも知れないです。

るく「理想論でいえば、人気があろうがなかろうが、全員にある程度出番頂戴よ、ということですね。応援してきたファンやそのアイドルにも何かしら還元してあげようよっていうのはありますよ。たとえば前田敦子さんが一人でいくら稼いだか分からないけど、前田敦子の生写真を買うために彼女のファンが払った1000円と、圏外のメンバーのファンがその子の生写真を買う為に払った1000円に差があるのはおかしい気がするし、そう思いたい。言い方が悪いけど、1000円払ったら1000円相当の見返りが欲しいのはあります。還元されないのは悲しいじゃん。グループでやっているんなら、割り振ってもいいじゃないと」

―その子が研究生の場合、最初は先輩の収益で育ててもらって、やがて売れて行って、今度は後輩たちを収益で育てるっていうのが、理想的なモデルだと思うんですね。それに対して、アイドルとしての社会保障じゃないけど、48グループにいることによって、仕事が少なくても食っていけるというのはあるんじゃないか、と思います。
 公演で頑張ったり外仕事で見つけてもらうというのは、あるんですが、差をひっくり返すのは難しいですね。マネージャーやスタッフの数が本当に適正かというのもありますしね。いつからか、メンバーたちが握手会の日程をまとめて、自分のSNSとかで宣伝したり、総選挙のCDを自分で買って投票しだしたぐらいで、おやっ?と思ったりはしましたね。何かが崩れ始めたなと()
 這い上がるために1か月頑張るのなら、耐えられるけど、それが1年中だと、脱落していくファンも出てくるでしょうし。その辺をどうするかはありますね。まだ、出てきたばかりの若手の子たちのファンの母数は少ないし、その子たちにも活躍の場をどう保障していくかもありますよね。このあたりは、ちょっと麻痺していた気がします。本来はみんな平等にですもんね。

(人気と運営の推し加減についての話になりますが、割愛します)

 

アイドルを生み出した責任

 

ー「劇場職人」っていう言葉があって。劇場公演でピンチがあったらスクランブルで出られるメンバーとかが、歴史の中で何人かいて。

るく「亜美菜さんとかも…、ロッテのフランコとかも注釈7」

注釈7 マット・フランコ バレンタイン監督のもと、130通り以上あると言われたスターティングメンバーの中で様々な打順とポジションで起用されながら、3割・20本塁打を放ち、2005年ロッテのリーグ制覇に貢献した。

ーここ絶対注釈入れなよ。そういう子たちって、選抜には選ばれないまま卒業してしまうことが多くて。

るく「阪神でいうと俊介とか荒木みたいなね。注釈8」

注釈8 俊介(藤川俊介)・荒木郁也 ともに阪神。堅実な守備とバッティングが持ち味の俊介、内外野どこでも守れるユーティリティ性が売りの荒木。首脳陣からは重宝される選手ではあるが、どちらも確固としたレギュラーを獲得するには至っていない。

ーここも絶対自分で注釈かけよな。で、それって、運営からしたら都合がいいわけじゃないですか?でも、それって、本当にその子やその子のファンの人たちにとって幸せなのか?ちゃんとその頑張りをメディアとかに押し出してんのか、っていうのはありますよね。だから、そういう現実を知っている人間からしたら、佐藤亜美菜が今、アイマスの方で活躍しているのをみると、凄く嬉しいですよね。
 今、コロナで言い方が悪いけど、飼い殺しにされているアイドルが沢山いる中で、彼女たちが夢に近づいてるな、と思える努力をしている運営がどれだけいるだろう、と思いますよね。

(30分ぐらいお互いの運営に対する滅亡迅雷トークが続くので割愛します)

―今、他の幸せの形ってないのかな、と考えた時に、今、推しメンが研究生なんですけど。そんなにストレスが無くて。その子がブログで才能が少しずつ認められてきていて。

るく「研究生ということは、今から登っていくだけ。それから小説とか文章で自分の(紅條の)趣味とマッチしているというのが、あるんじゃないですかね。仮にアイドルの方面でダメでも文学の方面で応援できるという気持ちがあるからゆとりが出来ているんだと思うんですね。ないんですよ、こっちは()

―今みたいな色々な方向性が行き止まりになっているってことですか?

るく「キャラクターである以上、アイマスを出られないんですよ。同人誌とかもあくまでそれはファンがやっていることであって。公式ではないんですよ」

―じゃあ、逆にプロデューサーとしてのゴールはどこなんでしょう?たとえば、僕が推している五十嵐早香に望むとしたら、よき頃合いでSKE卒業して芥川賞を取れ、自分で英語やフィリピン語で作品を世界に発信して認められろ、とかなんですね。

るく「アイマスを超えろとは思わないですが、今、恵まれている子たちが受け取っているものを受け取れたらいいと思っています。CD、ライブ、衣装、フィギュア、漫画とかの展開とか。それをまだ持ってないので。アイマスのコンテンツ自体は嫌いではないですし」

ーああ、コンテンツが嫌いじゃないというのは、僕も同じですね。好きだからこそ、ストレスがたまるというのはあるかもですね。

るく「本当の理想だったら、全員が完全に同じラインに立って、その子たちのファン全員が幸せになれるといいなと。現実論が色々とあったとしても」

自分さえよければいいみたいな人もちょっとオフレコのトークで出ましたが、そういう人たちの幼稚さとは真逆ですね。まあ、というわけでですね。どこまで使えるか分からないですけど、ひょっとしたら、僕が今日話したかったのは、こっちのことだったのかも知れない。なんでこの話を今日しようかと思った時に、最初の推しメンだった中西優香って、そんなに恵まれてなかったんですよね。勿論キャプテンやったり選抜に入ったり、総選挙ランクインしたり、っていうのはあったんですけど、大学進学は諦めてSKEの活動を続けていたわけですよ。頭良くて塾の先生もしていたのに。勿論、声優の道を選んで結婚もして幸せにくらしているんでしょうけど、選択肢を一つ外したことで、一つの可能性を捨ててしまったんじゃないかなっていうのがずっとひっかかっていて。

るく「勿論、中西さんが幸せであってほしいけど。別の幸せの形もあったかもしれないってことでしょ?」

―大学の過程を修了してから声優になれたかもしれないし。今は、大学行きながらアイドルも認められているけど、昔はそうじゃなかったんじゃないかと考えてしまうし。運営がどれだけアイドルを大事にしているか。それは、2次元だろうが、3次元だろうが、自分が選んで生み出したんなら、ちゃんと責任もって大事にしろよ、と。

るく「本当にね」

ほったらかすんじゃなくて。愛着あるだろ、と自分が選んだんだから。もっというなら、プロデューサーというファンをつけさせたんなら、責任を持って面倒みてあげてよ、というのはありますね。アイドルやファンの努力うんぬんじゃなくて、コンテンツを管理する人としてもね。思う時ありますよ。SKE完全にほったらかしにされてんじゃんって。秋元先生は今、何人のメンバーのことを知ってるんだろうとか。コロナで場が用意できないとしても、オンラインで様々な取り組みが行われているんだから。亜美菜もそうだったけど、もっと大事にしてくれよ、と。僕の意見が長くなりましたが、今の推しに対する気持ちはどんな感じですか?

るく「昔は恋愛感情的に好きだったんですけど。今は何と言うかホントに家族に対する感じと言うか、居て普通の感じになっていますね。居てくれるのが普通の感じ。運営に対する愚痴みたいなのはそっちはないんですか?」

ーまあ、ありますよ。会場一つとっても。なんで、乃木坂が名古屋ドーム4日間できます。松井珠理奈卒業公演ガイシホールでやってね。この差は何だとかね。曲のリリースが1年に1回というのはファンもメンバーもモチベーション下がるし、曲作りに携わる人を増やすべきなんじゃないか、とか。握手会やSNSでメンバーに直接悪意をぶつける連中に対して、ほったらかしにしてメンバーをサンドバックにする姿勢は正しいのか、とかね。忘れたふりしている人もいるけれど、川栄がされたこととか絶対に忘れてないからね。もっと大事にしてほしいですね。

(ここから、それぞれの所属するアイドルが叩かれた経験についての話になりますが、かなりきわどいので割愛します)

ー時々、アイマスを見ていると、なにか理想郷を観ている気もしていて。「シンデレラガールズ」の方かな。ああいう真摯なプロデューサーがいてくれたら、と見ていたらと思いましたね。ファンとプロデューサーは違うので。ファンのアドバイスはあくまで一部分だけを見ているに過ぎなくて、全体像を把握できている人間のアドバイス、プロデューサーのアドバイスの方がきっと響くと思いますし。

 ちなみに、次で最後の質問になるんですが、次回作は考えているんですか?

るく「エアコミケに乗って行けたらいいな、と思っているんですが、おそらくそれには間に合わないかなと。来年の3月にシンデレラガールズのオンリーイベントがあるので、そこに向けて。理想を言えば、エアコミケに向けてなんですが、自分のペースで言うと間違いなく無理なんで、ネームを徐々に進めていっているものを冬に完成させるのを目標にできたらいいなと」

―お互いにジャンルは違えど、刺激を受けつつやっていけたら、いいなと思いますね。とりあえず、古畑奈和ちゃんのソロアルバム聴いてくださいね。僕もアイマスのCD聴きます。