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2021年5月4日火曜日

証言 松井珠理奈

誰かの嘘と真実

 
 映画が好きなので、たまには映画の話をさせてください。
 黒澤明監督の「羅生門」を皆さんはご覧になったことがあるでしょうか?
 もとは芥川龍之介の「藪の中」が原作になっています(原作には、映画に出てくる木こりは出てきませんが)。
 ある殺人事件に対して、3人の証人がそれぞれが食い違った証言をして、事件は行き詰ります。映画の終盤に事件を目撃していた木こりが、事件の全部を目撃していて3人ともがそれぞれ嘘をついていたことが明らかになっていきます。
 映画のストーリーから浮かび上がってくる人間のエゴだったり、それでも人間を信じたいという思いだったり、様々な心情が描かれていて、「羅生門」は第12回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞。第24回アカデミー賞で名誉賞を受賞します。
 この作品のように、証人たちが食い違う証言をして、矛盾が生じることを「羅生門効果」という名で心理学や犯罪学の世界でも使われるようになったそうです。
 映画やミステリーの場合でもこの効果は今でも「羅生門スタイル」で使われています。印象的な作品だと「トーニャ 史上最悪のスキャンダル」とかですかね。
 
 
 当事者がそもそも語らず、証人たちに先入観があった時には「羅生門効果」が生じやすくなります。
 松井珠理奈に関してもそうです。
 
 松井珠理奈は、SKE48を4月末に卒業しました。
 当初彼女はSNSの更新や文章に関して、そこまで頻繁に更新したり多くを語るメンバーではありませんでした。これは、年齢だったり学業だったりのバランスもあったと思います。また、休養だったり外仕事が多い関係で、外から見ている人だけでなく、一部のSKE48のファンからも「珠理奈は孤立しているのでは?」とか「自分のことばかり考えて出しゃばっている、早くセンターを変えろ」というような批判もありました(Yahooニュースのコメント欄だけでなくまとめサイトのコメント欄でもこの手の批判は形を変えて続けられていました)。
 
 showroomという喋り中心の場を手に入れたことで、彼女の発信は加速していき、握手会という1対1の場だけではないオープンの場で、珠理奈の考えやグループに関する想いなどを思う存分知ることが出来るようになりました。
 それでも我々ファンが知る珠理奈の姿は一面に過ぎません。
 今回は信用できる証言者、SKE48のメンバーたちの証言を借りて、今、自分たちが思い描いている珠理奈像の確認や新しい魅力を発見できないか探してみたいと思います。
 珠理奈と過ごした時間や距離によってメンバーによっても見え方が違うと思いますが、それぞれ見えて来るものがあるかと思います。

 まずは、ファンだったメンバーから見た珠理奈です。


 もう、筋金入りの珠理奈ファンのどんちゃんだからこそ、言葉に出来ないところもあるんでしょうが、「裏表のなさ」を挙げています。ファンだった頃のどんちゃんが見ても、メンバーになったどんちゃんが見ても変わらない姿。よく「嫌いになってない?」とどんちゃんに聞くそうですが、ファンの思いを裏切らない珠理奈の真っすぐさを感じます。
 次は松井玲奈ひょんの大ファンの倉島杏実先輩のブログです。
  

 ファンとして見ていた頃の珠理奈と自分を比べて、当時の珠理奈が務めていたポジションの凄さを実感しています。だからこそ、同世代のメンバーと比べて大人っぽくならずるを得なかったのかもな、と深読みしてしまいます。
 そして、その最前線で様々な場所で戦ってきた経験が、「オーラ」になっているのかな、とも思います。川嶋美晴さんもブログでこの辺りのことは触れていますね。

 特にファン目線から見た「頭の回転の早さ」のところは、本当にイベントなどの記者会見でダジャレを求められる度に、即答しているところが印象に残っています。しかし、彼女の凄さは頭の回転だけではありません。
 荒井優希のブログを読んでみましょう。


 そう、記憶力の凄さも珠理奈の凄さですよね。
 記憶力が凄いからこそ、昔のAKB48の曲も大事に覚えているし、オリジナルの振り付けも覚えている。
 さらに振りつけ覚えの早さも凄いんですよね。
 井田玲音名のブログを読んでみましょう。


 ううむ、10分で振り付けを覚えてしまうところが凄いですね。
 そういえば、松井玲奈が乃木坂46と兼任している時に、覚えの早さに乃木坂46のメンバーたちが驚いたというエピソードがあったそうですが、どんどん覚えなければいけない曲がやってくるという時代背景もあったんでしょうね。
 さきぽんも同内容の指摘をしています。

 ただ、この辺りの性格面やスキル面だけではなく、彼女のSKE48への愛は非常に強いです。立ち上げメンバーである1期生だからというものもあるかもしれませんが、こちらが思っているよりも広い視線でSKE48を見ているのでは、と思わされることがあります。
 僕がそう感じたのは、6期生ZEEPライブで披露した「神々の領域」についてです。
 「神々の領域」は、1期生だけの特別な曲。
 それを6期生がやる。
 かつての僕のような心の狭いファンでしたら、「へえ、6期生はんたちが、『神々の領域』?神7とかに入ったメンバーはんでもいらっしゃるんでっか?いっぺんおうてみたいわあ。誰やろ、神って?」と急に京都風の嫌味をブーブー言いたくなるところですが、珠理奈は違います。

 もうね、この度量の広さ。
 珠理奈卒業コンサート昼の部で、1期生の「強き者よ」が披露された後に、「うわあ、こんな凄い空気の後、誰が場を作り直すの?」と心配していた時に、6期生たちがパフォーマンスで時間を「今」に戻してみせたのは流石です。
 
 そして、僕らの知らないところでメンバーたちを支えていきます。
 まずは、おしりんのブログ。

 もうね、こういうエピソードを聞くと泣いてしまいそうになるんですよ。
 ステージでは前に立つことが多いのに、ちゃんと後ろを支えてくれてる一人一人のメンバーのことを見てくれている。

 同じく6期生の熊ちゃんのためにも動いてくれる。

 朝方までマンツーマンで練習に付き合ってくれていたとは!
 先ほど、覚えの早さやパフォーマンスについて凄さを挙げていましたが、その裏にある「影の努力」を熊ちゃんはちゃんと感じ取っていたんですね。なんか、珠理奈の6期生や熊ちゃんに対する信頼感の裏付けを図らずも見えてきた気がしました。


 そして、センター候補の一人であるみよまるの最初の相談できる人になる。

 彼女の姿が後輩たちのロールモデルになっていく。
 リハーサルでも全力ということは、多くのメンバーがブログで語っていますが、この姿勢を素晴らしいと思うか無駄だと思うか。2018年6月18日、あそこでイズムの違いから齟齬が生まれたのではないかと僕は考えています。
 
 
 話を戻しましょう。メンバーのアイドル活動の要所要所で、ちゃんと声もかけてくれます。
 よこにゃんのブログ。
 
 勿論、励ましたり喜んだりするばかりではなく、時々、仲間に弱音を吐いたりしてくれます。

 ほのぼのしますが、るーちゃんのお母さんにもなってもいます。

 あまりにも、色々なブログを読んで行くことで、皆さん忘れているかも知れませんが、アンチの「珠理奈が孤立してる」とか「自分のことしか考えてない」という言葉とか、馬鹿らしくなりませんか?
 「SKE48に寄生していこうとしている」みたいなことを言う人もいますが、「いや、SKE48が好きなんだよ、言動を見てて気づかないのか?」と問いかけたくなります。人間ってつくづく自分の信じたい物語しか信じないんでしょうね。
 
 最後に、珠理奈は後輩たちにバトンを託します。
 はっきりと明記しているメンバーもいれば、秘めているメンバーもいます。



 今回は、珠理奈のブログや発言を一切引用せずに珠理奈像を立ち上がらせていくということが表のテーマで、裏テーマは何故6期生はこんなに珠理奈に信用されているのかが、あったんですが、ひょっとすると僕が見えてなかった重要な時間を共有していたのかも知れません。

 彼女はもうSKE48には居ません。
 でも、彼女が後輩達に残していった言葉や経験は残ります。
 そして、彼女が作った曲も。
 読み終わった後に「オレンジのバス」の響きが少しだけ変わったら嬉しいです。
 いつかファンの皆さんの握手会とかの証言で珠理奈像を作っていく記事も作れたらいいなと、今回記事を書き終えてから思い始めています。