遠い昔の君は
ついにこのブログ、ネタが尽きて本店の曲まで使い始めたか、と思ったあなた。
すいません、実は今回考えたいこととSKE48の曲を繋ぎ合わせていくと、なかなか難しくてですね。読んでいくと原因がだんだん見えて来ると思うので、まあ、お付き合いください。
さてさて、この「走れペンギン」なんですが、AKB48のチーム4の曲でリクエストアワー2013の1位にも輝いたぐらい素晴らしい曲なんですね。MVもあるんで、ちょいと観てみましょう。
https://youtu.be/nN2vuYPI_HQ
いやあ、可愛らしいMVでしたね。
恋心とペンギンをうまくマッチさせた曲です。
また「センター」というワードから当時のチーム4への期待も感じますね。
SKE48と関係してくるのは、チームSの山内鈴蘭とチームKⅡの大場美奈の二人ですね。ちなみに岩田華怜さんもチームSに大組閣で選ばれてましたね。
このチーム4なんですが、今もあるので、ここからは大場チーム4のことをこの記事では指していると考えてください。2011年6月に結成が発表され、2012年8月の東京ドーム公演で解体が発表されるという僅か1年ちょいの短い活動期間なんですが、様々なドラマがありましてね。
チームが始動して暫くした頃、大場美奈の過去の交際をうかがわせるプロフの流出で謹慎になるんですね。
これに関しては、ドキュメンタリー映画で高橋みなみが言っていた「頑張ろうと思う前のものが出てきたら辛い」というコメントが凄い的確で。アイドルになろうと思う前に普通の学校生活を送っていたら、友達も出来るし、恋人も出来るだろうと。金持ちのおっさんからスパイダーマンのスーツ渡されて世界も救うだろうと。アイドルになってから過去が足を引っ張るというのは、乃木坂のドキュメント映画でも描かれていましたが、2019年1月現在、この手の処分はないです。
大場美奈が謹慎でチームを離れている間、チーム4のキャプテン代理として、島田晴香がチームを引っ張ります。ユンボ島田ですね。彼女はとても根性があって、体育会系でぐいぐい行くタイプだったんですね。島田がみなるんが謹慎中もみなるんに連絡を取っていたエピソードも好きでね。本当は彼女とみなるんのドラマも語りたいんですが、また機会があれば。
2012年のドキュメンタリー映画でのみなるんが復帰の為にチーム4のメンバーに「一緒にレッスンさせてください」と泣きながらお願いするんですね。静まりかえったレッスン場。そこで、「しましょう」と言って声を挙げたメンバーがいるんです。それが山内鈴蘭。これは、なかなか出来ることではないと思います。
彼女のメンタリティーはお嬢様育ちというのもあるんですが、浮世離れしたところが加入当初からあったようで、その素直さから来る行動かなと思いました。黒澤明監督の「一番美しく」の主人公みたいにね。
彼女は小さい頃からゴルフのプロになるという目標に向かって努力をし続けました。やがてアイドルになり、公演中のパフォーマンスから気付けば釣り師と呼ばれるようになっていました。よく考えたら、大組閣当時のSKE48って、3大釣り師(須田亜香里、山内鈴蘭、渡辺美優紀)が全員居たんですね。握手会でこの3人のレーンとかあったら、凄いことになってたでしょうね。
さてさて、チーム4メンバーは結構推されてるな、というのが、当時ヲタになりたてだった頃の紅條の印象だったんですね。メディア露出の多さや曲の割りあても豪華だったというのもあったんでしょうね。本店黄金時代を体感した数少ないメンバー達。
話を進めていくと、チーム4はAKB48の東京ドーム公演で解散が発表され、みなるんと鈴蘭は、チームBに移ります。この時の悔しさも凄いと思うんですね。ドキュメンタリー映画の2013年版を観ると涙するチーム4メンバーの姿が。特にキャプテンのみなるんのくやしさたるや。僕だったら、映画「カメラを止めるな」の監督みたいに「そうですね。はい、わかりました。じゃあ、4止めましょう。明日からBで頑張りましょう」と妥協する時の笑顔で流して、しょんぼりしてますよ。映画好きの娘にさげすまされてますよ。涙するメンバーに「この時の気持ちを忘れてはいけない」というみなるんの姿がまた良くてですね。本当は自分も辛い筈なのに。この人はあと何回、辛酸をなめればいいんだと思いましたよ。
やがて、2013年4月の日本武道館公演で組閣が発表され、みなるんはチームKⅡと兼任することが発表されます。2013年5月15日の「ラムネの飲み方公演」でみなるんは兼任の挨拶をしに栄の劇場に出ます。もう泣きながらの挨拶だったんですが、「暖かすぎて涙が」とコメントしていることから、来るまでの不安もあったんでしょうね。
ホントにドラフト会議とかでも思ったんですけど、SKE48ファンを悪く言う人達ってとことんまで言うじゃないですか。「必殺」シリーズにおける「上方」のように、魔境のように語りますが、良い人の方が多いと紅條は思ってますよ。
そして、2014年の大組閣でみなるんと鈴蘭は移籍します。
みなるんに関しては慣れてきてたんですが、鈴蘭の知識がそんなに紅條は無かったんですね。関西で放送されていた「AKB48と××」でゴルフのチャレンジをしていた子というぐらいの知識だったんですね。
迎えたチームS公演の初日。
違和感。
当然です、育ちが違うから。
この辺りは2014年に公開されたドキュメンタリー映画「アイドルの涙」の豪華版での全員インタビューで鈴蘭自身も語っています。「ダンスを活かせるところだな、と思っていたので。ちょっとAKBとは違うダンスの仕方ですけど。今は楽しくSKEのダンスを研究しながら公演とかあと歌番組とかでは披露させてもらってます」また、初めて劇場に出演した時のことを聞かれて「負けない!SKEのファンに負けないという気持ちでやりました。こんなもんでしょ、AKBから来たからSKEのダンス出来ないでしょ、みたいな目で見られたくなくて。ずっと居たから。5年も居たから消えませんよ消えないけど、一生懸命溶け込もうとする姿は観て欲しいという気持ちで初日は立たせてもらえて」とコメントしてます。
もうね、こういう人に弱いんですよ。
心の芯の強さ!
さっき書き忘れてましたけど、「AKBと××」でもチャレンジを成功させるためにひたすらゴルフをする姿に「この子、初めてみたけど、根性あるなあ」と感心してたんですね。
気づけば、二人ともどんどん溶け込んで行きましてね。
山内鈴蘭は公演で弾けまくってますし(ミッドナイト含む)、みなるんはSKE48の枢軸にまで入っていると思うんですね。
みなるんの48人生のアップダウンは、SKE48に移籍することで、さらに上昇します。総選挙の最高順位を更新し続け、2018年の総選挙ではついに選抜にまで入りました。
一方鈴蘭は、2018年の総選挙は辞退し、2019年の総選挙に備えています。彼女がゴルフ仕事に沢山出演していることを皆さんどれぐらい喜んでますか。僕はもう当たり前になりました。ここが彼女の凄いところだと思うんですね。自分の武器を見つけて、そのジャンルでは「当たり前」として定着していくこと。これはアイドルとしてではなく、芸能人としてもなかなか出来ることではないです。彼女の幼少期からの努力の賜物でしょう。
二人ともベテランの良さを活かして、外仕事や公演でも後輩メンバーの良さを引き出しています。
でも、時々、こうも思うんですよ。
「飛べよ!ペンギン 忘れたのか? 遠い昔の君は 走ってたんだ 空だって飛べただろう」
決して昔より今が低いとかそういう意味じゃないです。
何度も悔しさを乗り越えた「遠い昔」があることが素晴らしいと思いましてね。
彼女たちは今も走っています。
ただ、チーム4時代を今回の記事の為にもう1回見直してみると、プレイヤーとしてまだまだ最前線で行けるんじゃないかと思うんですね。後ろに引くには早いぜ、と。
特に鈴蘭は今回、ドキュメンタリー映画で語っているところを見ましたが、こっちのらんらんの方が紅條は好きです。みんなを楽しませるために弾けている彼女も良いですが、落ち着いたトーンで話す彼女や真剣なまなざしでゴルフをする彼女はとても魅力的だと感じます。みんなの前では明るい彼女が自分の前では少し暗いみたいなね(何を書いてるか自分でも分かりません)。
みなるんは、もうコメディエンヌとしての大活躍ぶりが良くてですね。SKE48に来て陽の魅力が爆発してますよね。
「妄想少女 大場」はもはや名作ですね。
「春コン2018」ガイシ昼の部でのアホな子の役も最高でした。
2019年2月から始まるドラマでも一体どんな活躍をするか、リトルトゥースとしても気になっています。
彼女が大好きな乃木坂には移籍しないで欲しいとマネジャー共々願っています。
生まれた場所を離れて活躍する二人のAKB9期生。
「走れペンギン 動かなくちゃ 始まらない 前に出ろよ」
移籍というチャレンジを成功させた二人には、今後もSKE48で大活躍して欲しいと思います。
後輩たちに頼もしい背中を見せてほしい。
今も走り続けているペンギンとして。
(「走れペンギン」より引用)