人気の投稿

2020年4月29日水曜日

かおたんと「無修正」

物語的思考へ


 何故、人は人を応援するんだろう、と最近になってまた、よく考えています。
 赤の他人に自分のお金や時間を使っていく。
 2020年4月末現在、日本だけでもオンラインサロンやクラウドファウンディングが活発に動いています。
 
 48グループのファンになって思ったのは、こんなに人を応援する人が沢山居て、色々な魅力を持ったメンバーたちがいるんだなあ、ということです。
 
 中でもSKE48に居た松村香織さん、通称「かおたん」については、様々なドラマがあります。
 「研究生」という肩書きで、どんどん彼女がのし上がっていく姿はとてもドラマチックで、彼女が最終的にAKB48の選抜に入っていったのは、48グループの歴史の中で例を見ないものなんじゃないでしょうか?(選抜ランクイン時はチームK2に昇格後)

 なんで、彼女がここまでのし上がったのか。
 彼女を応援したくなる理由は何なのか?
 慮らずに書くと、スタートの時点では、決してスキル的に素晴らしかったわけでもルックス的にずば抜けていたわけではありません(かおたんファンの皆さん、ごめんなさい)。けれど、彼女を応援したいと思う理由は何でしょう?
 それはギリギリの状況で、もがいた彼女の姿だったのだと思います。
 この人は、明日、どうなってるんだろう、というスリル。
 現在、日本で一番オンラインサロンの会員がいる西野亮廣さんのサロンは、彼が美術館を作るために、多額の借金を背負った時に、会員がぐっと増えたそうです。
 この人の物語をもっと読みたい、応援したい、参加したい、と思わせる姿が彼女の躍進の秘密だったのかも知れません。
 
 たとえば、2013年10月20日に名古屋ドームの駐車場で行われた彼女のソロシングル「マツムラブ!」の手売りイベント。
 雨が降りしきる中、1000人以上の人が朝から駐車場に集まって、発売を待つ。
 その中、雨合羽姿のかおたんが設置を手伝っていました。
 僕は直接行っていませんでしたが、現場での写真や彼女の投稿、ファンの方のレポートを読んでいると、何か胸が熱くなったのを覚えています。
 色々なかおたんの写真が、彼女の活動の中で残っていますが、僕は雨の中、CDのケースを合羽姿で持ってくるかおたんの写真が一番好きです。
 また、脱線してしまうので、最小限の内容に留めますが、初めて個別握手会でかおたんの券を取った時、前で握手されていた不知火幻庵みたいなおじいさんに丁寧に感謝の言葉を述べられていたこと、そして、僕みたいな常連でもない初心者にも1枚の券とは思えないぐらい時間を取って、名刺にサインをしてくれたことから、凄くファンを大事にしてくれている人なんだな、と感じました。



 さて、ぐぐたす、「マツムラブ!」ときて、彼女のキャリアの中で忘れてはならないのが、ソロ写真集の「無修正」です。
 2014年11月2日、彼女のソロ写真集の発売が決定されました。
 2015年8月30日、タイトルは「無修正」に決定。翌日に各種サイトで先行カットが解禁になります。
 そして、2015年9月20日には、Amazonタレント写真集ランキング1位を獲得します。

 2015年9月29日、『無修正』発売。
 ちなみにその翌日ぐらいに、Amazonの商品レビュー欄に、全ページのレビューを入れる稗田阿礼クラスのかおたんずの登場に、衝撃を隠せませんでした。
 さて、この後、お渡し会が平和に続いていくんですがね。 

 2015年11月22日。
 三洋堂書店新開橋店の5階特設会場で、メイキング映像上映&スペシャル抽選会が行われました。
 ここでの抽選景品の一つに「フルスイング尻バット」という文字がありました。
 写真集の中にあったバッティングの画像が良かったということから、この特典が出来たらしいですが、さだかではありません(かおたんは、元ソフトボール部)。
 翌日のヤフーニュースでその衝撃的な写真が公開されます。
 僕は価値観の転倒にクラクラしたのを覚えています。
 何故だ、何故、罰ゲームみたいなことが景品の中にあるんだ、と。
 2015年12月25日の東京スポーツの記事を読むと、元中日ドラゴンズの宇野勝さんから、バッティングについて学んだという衝撃的な記事が書かれていました。
 えっ、そっちを更にパワーアップさせるの?という驚き。
 先日観た、映画「工作 黒金星と呼ばれた男」の中で、主人公が「ビジネスには二つの意味があります。一つは事業。もう一つは冒険です。私と冒険しませんか?」と物語のクライマックスで説得に乗り出すシーンがありましたが、冒険しすぎだろ、というこのサービスがこの後、すさまじい現象を生み出すことになります。

 2015年12月27日に白夜書房で行われたイベントでは、色々な抽選景品がありましたが、ケツバットの色はさらに強くなった気がします。
 参加者のみなさんのSNSを参照にするとバッティングするかおたんの姿が残されています。
 ここから、2016年3月6日の25人連続ケツバットや発売1周年イベントなどを挟みながら、2017年3月19日。ラストイベント「さらば、無修正~卒業~」を持って無修正の発売イベントは終了します。
 16000冊刷って、15900部完売。出版史上、類を見ない数字をマークしたことがBUBUKA編集部の並木さんからアナウンスされます。驚異の完売率。かおたんのソロ写真集を最後まで楽しみきったかおたんファンの皆さんのすごさを感じる数字です。
 多分、家に2冊以上の『無修正』がある人もいるかも知れません、でも、このイベントを楽しむためにまた買ってもらえるというのは、何か、評価経済におけるかおたんの信用度を感じさせるエピソードだと思います。

 彼女は卒業後、ソロ活動を開始。
 競馬の予想などを中心に活動を続けています。
 2020年に予定していた生誕祭のバスツアーは、新型コロナウイルスのせいで、残念ながら中止に終わってしまいました。
 来てくれるお客さんのことを考えての価格設定やサプライズを考えていた彼女だけに、今回の中止による痛手は大きかったと思います。
 詳しくは、かおたんの生誕生配信を観て欲しいのですが、こちらを観ていると、彼女のファン思いな部分と、また、ピンチになって応援したくなる彼女の物語が立ち上がっていきます(しかも、意図したものではなく)。
 もし、名古屋にお店を出したり、間借りすることが出来たりしたら、という話をされていましたが、是非、かおたんのお店を出して欲しいなと思いますね。その為にクラウドファウンディングやキャンプファイアーで協力する人の多さは、48OGの中でもかなりの数なのではないか、と僕は思います。
 今、僕が住んでいるのは関西なのですが、もし、関西でイベントをするとしたら、ロフトプラスワンウエストとかで、トークイベントをするのはどうでしょうか?
 あそこかなら、料理やお酒もお店の方が作ってくれるし、きちんとトークや配信・録画もできるので、あそこでやってみるのはどうかな、と思います。
 遠く離れた人達に自分の思いやメンバーの思いを伝えていた「ぐぐたす」。
 更に、自分の歌を手に入れた「マツムラブ!」。
 そして、ある意味握手会を越えたファンへのサービス「ケツバット会」。

 ここから、次はいったいどんなことをかおたんがやっていくのか、凄く楽しみです。
 これまでは、どちらかというと接触が中心でしたが、コロナが終息するまでは、原点に戻って映像の配信を進めて行くのも良いんじゃないか、と僕は思っています。
 個人的には、震災の後の山田町の映像が凄く印象に残っています。今の山田町に関する映像や写真のオーディコメント付きの解説や和光市の映像とかを、多分、それぞれの街のことを、かおたんを知るまでは知ることがなかった僕みたいな人間にも知らせてくれる映像とかも観てみたいですね。
 
 とにかく、チャレンジ精神に満ち溢れた人ですし、業界内外問わず、応援してくれる人が沢山いるので、彼女のSKE48時代や彼女のセカンドキャリアが、10年後、20年後にゼストスクールの後輩たちが読む物語になればいいな、と期待しています。
 その物語を読んだ後輩たちが、「ああ、あの時、私も生まれていればよかった。この物語に参加したかった、体験したかった」と胸が熱くなるような物語を明日もかおたんは作ってくれると信じています。

※ぐぐたすについて中心に書いた「ぐぐたすの空」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/02/blog-post_4.html

※松村香織卒業コンサートの感想はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/09/ske48_16.html
 
  

2020年4月27日月曜日

マジカルラジオとたりない二人

ラジオ、たりてるかい?


 ※この記事にはマジカルラジオ2のネタバレが含まれています。まだ、観てないひとは、huluで全話観てから来るか、DVDを観てから来てくんなんし。




 つい5年くらい前、勤めていた会社の繁忙期に入って、一日、12時間ぐらい働いて、家に帰る日々が続きました。その人間としては、完全に非文化的な日々の楽しみが「マジカルラジオ2」のDVDを観ることでした。
 「30分だけ」と思って、DVDを入れると面白くて、気づいたらディスク1枚分をあっという間に観終わっていた。
 ドラマも面白かったし、バラエティコーナーで毎回観られる素の顔も面白かったんです。この作品のおかげで、僕は高柳明音のことが大好きになりました。
 
 そして、3年ほど前。
 僕はオードリーの若林さんの大ファンになっていました。もちろん「とんばか」こと春日さんも大好きです。
 彼の出た番組を映像ソフトで辿っている時に、「たりないふたり」に出会いました。
 当時、まだ芸能界や日常生活で様々なことが「たりてなかった」二人は、飲み会の逃げ方、家でのストレス解消の仕方、様々なことを30分のトーク番組の中で披露しあっていました。
 観ていた僕は、日常の中で起こる避けたい社会的慣習からの逃げ方や、一人で家にいる時の変な行動を肯定されているようで、彼らの試みに共感しつつ、自分の人間関係が弱い部分を許されているようで、嬉しかったのを覚えています。

 観ることで、仕事ばかりの荒んだ生活や、うまく行かない人間関係を乗り越えられる、どちらも大切なものでした。

 さて、こんな二つの愉快な番組が、実はクロスオーバーしていることがありました。それが「マジカルラジオ2」の時である。
 第6話で玲奈から送られてきた謎のテープを狙って「たりない追手」役で山里亮太さんが登場。
 この回は僕の推しだった中西が教授役で登場、松井玲奈さんも合流、青汁対決ではちゅりと一緒に苦しんでいたのが印象的だった。あと、「いや、どんだけ好きなのよ」と言われるかも知れないが、秦さんがおもしろ美しい。
 そして、ラジオっていいなあ、と思わされる回なんですよね。
 ちゃんと、シーズン1とも繋がってて。
 気分がほっこりしたところで、登場する刺客の山里さん。
 玲奈ひょんとちゅりのキャッチフレーズを知ってるんですよね。
 若チンの「SKEに詳しすぎるだろ!」というツッコミも的確です。笑いを堪えている二人も面白い。
 ここでの、花音の「ていうか、お前、オオサンショウウオみたいな目で見てんじゃねえよ!」というツッコミがあとから効いてきます。
 この回見ると、ついでにロミオとジュリエットの回も観ちゃうんですよね。
 
 さて、ここからは「たりない二人」での公開収録の話。
 なんと、木本花音が、マジカルラストの衣装で、役と同じようにADの衣装で登場。
 舞台裏では緊張しつつも、ステージ上では堂々と山里さんをオオサンショウウオ扱いしていました。ちなみに、マジカルラジオの撮影の時に、緊張してスタッフさんと打ち合わせする山里さんを横目にカメラ目線でダンスしてましたね(しかも『アイシテラブル!』)。

 緊張が解けた後の舞台裏での3人の会話も良くて、若林さんの「初めて投票してみようかと思った。花音ちゃんに入れるよ」という一言も嬉しくてですね。そういえば、オールナイトニッポンでも一時期、「たりない二人に出てくれたから、48の中では木本花音ちゃん」って言ってくれてましたもんね。
 ここから、今となっては「日向坂とかいう小娘どもに鼻の下を伸ばす無能オーロラ、モンゴル野郎」になってしまった若林さんですが、いつかまたSKE48とも共演してほしいですね(元ネタが分からない方はyoutubeで『オードリー カスミンファン』で検索してみてください。僕は日向坂も大好きです)。
 「さよなら、たりない二人」では、久しぶりに若林さんがヤバい人なんだな、というのが伝わってきた即興漫才2本が堪能できるので、huluにご加入されている方は是非見て観てください。
 
 久しぶりに観て気づかされたのは、木本花音のスペックの高さですよね。
 この頃、まだ中学生だったのにも関わらず、抜群の愛嬌と演技。
 関西で放映されていた「AKBと××」でもよく出てた彼女なんですが、演技の仕事が在籍中にあまり見られなかったのが勿体なかったですね。完全な妄想ですが、「マジカルラジオ2」でゆりあと花音を推したのは、JR体制以外のトップを模索していたのかな、とも思います。
 「マジすか3」の「ナナシ」も良かったんですが、個人的にはこの「マジカルラジオ2」での木本花音役が大好きです。
 特に最終回での黒幕としてバレてからの演技と、みんなが「ラジオが好きな理由」を語る展開が凄く良くてですね(なんとなく、この時の「ラジオ」を「SKE48」に変えても通じる気がするのは僕だけでしょうか?)。
 みんなの好きな気持ちを聞いた後に、花音が涙ながらに「ラジオは大切な友達だから」から始まる台詞が凄く良いんです(実は後ろで聞いてるくーみんも、OK出た後に泣いていることがメイキングで分かります)。
 
 奇しくも若林さんも山里さんも、自分のラジオ番組を持っています。毎週のモヤモヤや発見をテレビとは違うフルスロットルで話していく二人。
 この二人が、最高のラジオ局を題材にしたドラマ、「マジカルラジオ」とコラボするのは、必然だったのかも知れません。SKE48もラジオしまくってますしね。
 どちらも僕にとって凄く大事なもので、これからも繰り返しみていくと思います。

 あの、若チンからの提案なんですけどね。
 「さよなら、たりないふたり」やったんだし、「さよなら、マジカルラジオ」しません?珠理奈もちゅりも居る間に(マジカルラジオ4でも可)。

※「復活してほしいドラマ マジカルラジオ」の記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/05/blog-post_55.html

※「さよなら たりないふたり~みなとみらいで会いましょう」の記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/11/blog-post.html
 

推しに演じて欲しい役は何?

妄想が明るい日を作る


 黒澤明の映画は好きでしょうか。
 黒澤明と三船敏郎のタッグによる名作も多いですが、僕が好きな作品の一つに「素晴らしき日曜日」があります。
 戦後間もない東京で、お金を持っていないカップルの日曜日のデートの様子が描かれている映画です。のどかな雰囲気ですが、行く先々で上手く行かなかったり、家に帰って自分の卑しさに気づかされたり、と色々あって、終盤に戦後のまだまだ焼け跡の公演のようなところで、二人で喫茶店経営を妄想して話すシーンがあります。
 そこまで「どうせ俺なんて」的なメンタルの主人公が次第に元気になっていきます。
 未来に対する妄想を語ることで、人は少し強くなれるんだな、と感じました。
 ちなみに、この後の日比谷公会堂のシーンで、黒澤明は1947年にして映画の掟破り的な手段をとって、僕らを巻き込んでいます。
 気になった方は、是非見て欲しい作品の一つです。

 さて、前置きが長くなったが、妄想は良いものです。
 人を元気にしてくれます。
 ここ二日間、「虫のバラード」、「誰かの耳」と過去を振り返る記事を書いてきたので、今日は妄想で元気になろうと思います。よろしければお付き合いください。

 今回、考えてみたいのは「SKE48のメンバーが演じるならどんな役を演じているところが観てみたいか?」です。皆さんの中にも推しがやるなら、この作品のこの役ならいいだろうなあ、と思うものが一つや二つないでしょうか。
 小説・脚本・映画・漫画、様々な作品であると思います。
 ちなみに、僕が今、気になっている五十嵐さんは、「彼女は嘘を信じすぎてる」のアキとか、「失恋ショコラティエ」の主人公とかも似合いそうなんですが、オノナツメ先生の「ACCA」の主人公とか演じて欲しいなと思います。見た目云々じゃなくてね。あと、芥川龍之介の「河童」とかね。

 それでは、いってみましょう。

① 古畑奈和×清家雪子著「月に吠えらんねえ」

 まず、僕が見てみたいな、と思うのが「月に吠えらんねえ」の主人公、萩原朔太郎役を演じる古畑奈和ちゃん。もともと、こちらの漫画、「文化庁芸術メディア芸術祭 マンガ部門新人賞」を受賞するぐらい素晴らしい漫画で、近代詩が好きな方は勿論なんですが、僕のような、ゆるーく近代詩を楽しんでいた人間にも、凄く近代詩について興味を広げさせてくれる素晴らしい漫画なので、未読の方は是非読んで欲しい1冊です。参考文献をみると、作者の方がめちゃくちゃ勉強されているのが分かります。
 現在は、作者の方が「月に吠えたんねえ」を書かれていますが、こちらも面白いです。
 ちなみに、朔くんはこちら!
 



 
 今まで、男性の役も演じてきた奈和ちゃんですが、こちらも似合いそうなんですよね。萩原朔太郎の過去の詩や文章を元に作られたキャラクターなので、彼自身の詩の世界とも相性良いのではと思います。

② 野村美代×京極夏彦著「京極堂シリーズ」

 講談社から刊行されている『姑獲鳥の夏』を始めとする京極堂シリーズの中善寺敦子役が凄く似合う気がするんですよね。ただ、ちょっと背が高いので、最近の『今昔百鬼拾遺』の呉美由紀とかいいかもしれませんね。そう考えると敦子役はぴよすとかが、似合うかも知れないですね。
 みよまるの姿は、少し昔を舞台にした物語でも似合いそうな気がするんですよね。


③ 松井珠理奈×横溝正史「悪魔の手毬唄」

 ええ、「マジカルラジオ」が好きなんですよ。
 シーズン1だったと思うんですが、珠理奈が金田一の書生スタイルで出てきた時に、めちゃくちゃ似合う!と思ったんですね。
 ただ、市川崑監督が描く金田一が好きな僕としては、少し頼りないけど最後に決めてくれる感じがいいので、あえてはたごん版の金田一とかも良いかも知れません。
 えっ、なんで「悪魔の手毬唄」かって?
 市川崑の金田一シリーズで一番好きだからですよ。
 最後のシーンのあの演出最高でしょ?

④ 青海ひな乃×つかこうへい「幕末純情伝」

 だんだん、年がバレてくるようなチョイスですが、松井玲奈ひょんも舞台で演じていますね。最近だと、欅坂の菅井友香さんも演じていましたね。
 沖田総司が女だったら、という設定が面白いんですよね。
 男性っぽい演技とそこからの女性らしさが見られる演技が、今、観たい人は誰かな、と考えた時に出てきたのが、青海さんでした。
 ちなみに、9期の推しメンであるなーやんが演じるなら、「KUBO 2本の弦の秘密」のクボとか観てみたいですね。

 ざっと挙げてみましたが、たとえば、よこにゃんこと北川愛乃とかも凄く色々な演技が出来る人なので、きっと何かぴったりくる役があると思うんですよね。水野愛理なんかもそうです。あとは、菅原は絶対に特撮とかの少し浮世離れした作品でも凄く似合うと思っています。

 皆さんの推しは、どんな作品がぴったりくるでしょうか?
 最近は演技仕事が少し減っていますが、各メンバーの新しい魅力が発見できるように、演技仕事を増やしてほしいなあ、と思っていますよ。

2020年4月26日日曜日

誰かの耳②

ファクトネス


 2018年5月30日。
 AKB48 53rdシングル世界選抜総選挙の速報が発表されました。
 古畑奈和は5225票で、82位というスタートでした。
 前年が速報6957票でのスタートからの14位だったので、今年は大丈夫か?という不安が少しありました。
 
 6月6日夜。
 なんとも捨てアカウントっぽい名前で、あるツイートが拡散されます。
 それは、ディズニーデートを男性らしき人とする写真で、奈和ちゃんが発言した「携帯電話を奪ってでも」という発言を煽るような書き方でした。
 ここから、あっという間にネット上では噂が広がり、古畑奈和叩きが始まりました。
 画像の検証や行動の推測、実はこうだったんじゃないか、「お客さん」たちだけでなく、SKE48ファンの間でも波紋が広がりました。
 
 6月7日夜。
 写真に一緒に写っていた男性らしき人が、奈和ちゃんの友達の女性だったことが分かります。ツイートで撮られた写真と全く同じ服で、ディズニーリゾートを楽しむ二人の写真が、古畑奈和自身のアカウントでツイートされます。
 ここから、状況は一変、多くのファンが謝罪やお詫び投票をする光景がネット上で観られました。

 文章にすると僅か数行のことですが、この6月6日から6月7日までの約24時間の間の奈和ちゃんファンの方々の心の揺れ動きや罵詈雑言を浴びせられた奈和ちゃんの気持ちを考えると、とてもじゃないですが、短い時間のこととは思えません。

 2018年6月18日。
 45688票で、古畑奈和は15位にランクイン。
 順位は下がったものの昨年よりも5000票多い票数でした。
 更にスピーチで語った「お酒が大好き」という言葉が、お酒を呑むイベントや「乙女酒」、「えにし酒」に繋がっていったのだと思います。
 彼女の未来に繋がる重要な選抜入りだったと、2020年4月25日現在、強く思います。

 2018年8月2日。
 AKBグループ感謝祭が行われ、選抜メンバーはソロでそれぞれの曲を披露していきます。
※公式の動画はこちら!



 本間日陽さんが、「波乗りかき氷」でキラキラした魅力を披露した後、次は奈和ちゃんの出番です。
 会場の通路を制服姿の奈和ちゃんが出てきます。
 通路には、おそらく彼女のものであろう教科書が落とされています。
 それを拾いながら重い足取りで、ステージへ向かう彼女。
 ステージ上には教室のように机が配置され、「霧島、部活やめるってよ」のスクールカースト上位みたいな人々が楽しく話しています。奈和ちゃんが教室に入ると、全員は動きをぴたりと止め、奈和ちゃんの方を見ます。
 彼女が自分の机の方に歩いていくと、後ろから突き飛ばされ、「誰かの耳」が流れ始めます。
 机に座ればゴミ箱の中身を丸ごと上からかけられ、服もビリビリに破られていく奈和ちゃん。

 これまで公演などで「誰かの耳」を唄う際は、感情を爆発させるのは後半の大サビのところであることが多いんですが、奈和ちゃんソロでは、もう悲しみの感情が爆発してるんですよね。おびえながら、言葉を重ねていく彼女。ちなみに、この時のいじめをする人々役のふりつけが歌詞の世界を表現してて僕は結構好きです。
 やがて、身体を抑えられ、髪を切られそうになる奈和ちゃん。
 ところが、彼女はいじめっ子のはさみを奪って、自分の髪を切っていきます。
 あまりにも予想外の行動に、会場はどよめき、スクールカースト軍団は逃げていきます。
 自分で切った髪を持って、大サビを唄う奈和ちゃんの強い眼差し。
 やがて、髪を捨てて、これまでのことが馬鹿らしいというように笑う姿。
 確かに、初めてこの映像を観た時は、「いやあ、やっぱ奈和ちゃんは、台詞なしに曲だけで世界観を作れるのが凄いや。そして、こういう狂気を感じさせる表現も似合うな」と思ったんですが、この曲が披露されるまでに現実で起こったことを考えると、また違うものがあると思いましてね。

 実は「いじめ」という「誰かの耳」という曲の題材の一つを膨らませただけではなく、彼女がネットから受けたことをそのまま表現した、2重のレイヤーになっているのではないか、と僕は思いました。

 この日の彼女のブログを振り返ってみましょう。

 うーむ、この曲のソロでの披露は、あの時じゃないとダメだったんですね。
 「ネットで様々な物語ができまして」という表現が秀逸ですね。
 「王様の耳はロバの耳」、この真実はネットでの声でウイルスのように広がり、隠されていきます。
 悪意のある手が自分の髪を掴んだ時に、それを振り払い、自分の大切な髪をハサミで切ってしまう勇気。
 素直に生きるために、切り落とした髪は、ひょっとするとアイドルはこうあるべきという既成概念や居心地の悪い場所の暗喩のように、2020年の僕には見えます。

 この1年後、ミッドナイト公演で「誰のことを 一番愛してる?」でセンターを務めることになる彼女。平手さんが持つ狂気に、SKE48で張り合えるのは、タイプ的に珠理奈でもだーすーでもなく、奈和ちゃんだと僕は思っています(卒業メンバーありなら、玲奈ひょんやゆななも候補に上がるのでは、と思っています)。

 2018年の8月のこのコンサートで、これまでの何かを切り捨て、解放された彼女が、ここから、素直に自分の好きなものを追いかけていくことになります。

 あの6月にあった喧噪と解放感、そして、8月の爆発。
 古畑奈和の「誰かの耳」はずっと忘れられない1曲です。


 
※奈和ちゃんがソロをしたミッドナイト公演の「誰のことを 一番愛してる?」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/12/blog-post_24.html

2020年4月25日土曜日

虫のバラード①

曲の価値が変わっていく3年間


 2013年10月11日、どこかの映画館。
 SKE48のリクエストアワーがライブヴューイングで中継されていた。
 第10位の曲が発表された瞬間、次々と観客が席を立ち始めた。
 その曲の名前は「虫のバラード」だった。
 トイレ休憩のように次々と立っていく観客を観ながら、この歌を唄う山下ゆかりの母親は映画館に居ながら、どんな気持ちでこの現象を観ていたのだろうか(リクエストアワー2014のおーディコメンタリーより)。

 山下ゆかりについて語る時に、「虫のバラード」は切っても切り離せないものだ。
 もともとチームKの秋元才加が唄っていた名曲をチームEで唄うことになった彼女。
 どうしても比べられてしまうチームE時代。彼女の誕生日に届いた秋元才加からのメッセージこの辺りのエピソードも良いのだが、僕が好きな山下ゆかりのエピソードはまだある。

 それは、手紙だ。
 このSNS全盛の時代に、ファンに向けての手紙を撮ってSNSにアップする姿は、時代に合ってるんだか、合ってないんだか分からないのだが、ひと手間かけた不器用な温かみがあって凄く好きだった。
 
 彼女が2014年8月11日に、サマンサ・タバサのブランドレップオーディションに自ら応募し、最終選考の7人の中で選ばれた時も驚いた。確かに彼女の顔や細見のスタイルは、海外受けとかも良さそうな感じがする。そして、彼女はサマンサタバサのブランドレップ新メンバーに選ばれる。
 これは、今考えると、むちゃくちゃ凄いことだと思う。世界的なブランドのモデルとして認められることが出来るメンバーはなかなかいない。

 ちなみに、この日の山下ゆかりのブログを読むと、自分がSKE48であるということで、周りからどのような目で見られるか、を意識して、「SKE48」の看板を一回置いて、「山下ゆかり」個人としての闘いをしてきた旨が書かれているので、もし、良かったら確認していただきたい。最後に自分の名前が呼ばれた時の描写はとても幸福感があって、好きだ。「ゆかり」とゆかりファンの方々が声をかけられたのも美しい。
 ただ、この件はその後、続報は何も聞かなかった。
 彼女のこの実績を何故、運営は外仕事を持ってくる際に活かさなかったのか、今となっては勿体無い話である。

 また、この年は「ミュージカルAKB49」にも選ばれている。
 秋元康から「山下は芝居がいいな」と755で褒められていもいる。
 更にSKE48もレギュラー番組「エビカルチョ」で、ネイマールになったりと、様々な姿を見せてきた。また、「ゆかリストキーホルダー」も発売。以前、僕も握手会で前の列に並んでいた方が「ゆかリストキーホルダー」を鞄につけてらして、「ゆかリストの残党が何故、8期生のレーンに!誰推しなんだ?」と衝撃を受けたものだ。

 そして、2014年11月2日。
 第2位が発表された瞬間、僕は名古屋国際会議場センチュリーホールで、「ええ!」と思わず言っていた。
 「少女は真夏に何をする?」
 卒業する木下有希子、通称「ゆっこ」の最後の大舞台。
 リクエストアワーは「羽豆岬」のようにドラマ性のある曲が強いと思っていた。
 僕もゆっこを送り出すために、「少女は真夏に何をする?」に投票していた。
 じゃあ、いったい何が来るんだ?
 疑問符が頭の中で駆け巡っていた。
 それはリクエストアワー2013の時の2位で「枯葉のステーション」が出た時に似ていた。
 やがて、曲が終わり割れんばかりの「ゆっこ」コールの後、1位が発表された。
 「虫のバラード」
 僕はこの時、松井玲奈のことを思い出していた。
 2011年の第2位の「お待たせSet List」のK2コールの後の「枯葉のステーション」。どこかあの感じに似てるな、と僕は感じていた。
 やがて、始まった「虫のバラード」。
 彼女の被っている帽子に散りばめられた宝石の輝きが、歌の途中で首を少し傾げた時に輝いていたのが、1階真ん中の僕の席からも見えた。
 チームE公演以来の2番。
 大サビでの輝きに満ちて逆光になったゆかりの姿。
 そして、歌い終わったあとの、ふっと力が抜けたような表情の笑顔。全部素敵だった。
 この時の気持ちをリクエストアワー2014年のオーディオコメンタリーの中で、山下ゆかりはこう語っている。

 「1位だから、なんか、ちゃんと自分の1位を誇りに思って堂々と歌わなきゃと思ってて。2位がさ、ゆっちゃんのさ、『少女は真夏』だったじゃないですか。それに勝っちゃたというか、まあ、それより上を、上回っちゃったから。やっぱりなんか、堂々としなきゃなと」

 
 この日の気持ちを彼女は、ブログの中で「生きてて良かった」と書いている。
 この年、彼女は総選挙にランクインしていない、シングル曲の選抜にも選ばれていない、けれど、大きな結果をグループ内でもグループ外でも出した。
 ちなみに、会場に来ていたゆかりのお母様によると、「今年の1位がトイレ休憩になったらどうしよう」と心配されたそうだが、周りで席を立つ人はいなかったそうだ。ただ、「ゆかり」コールはこの時なかった。

 そして、迎えた2015年。
 
 この記事を書くために、いくつか読んだ山下ゆかりのブログで印象的なものがある。それは、2015年に行われたSKE48の7周年記念公演の時のブログだ。
 その中で彼女は、SKEでの活動をマラソンにたとえて、デビューからゆかり自身は5年走ったが、今どの地点にいるのか、ということを書いている。
 5年間自分が何をしていたのかを考え、「もっと前に出たい」という思いと、いつからか、素直になれなくなってしまった自分のジレンマを書いています。
 「本当はもっとがんばりたいのに」という心の叫び、そして、ゆかリストへの感謝を書いて、ブログを終えている。

 
 そして、2015年11月29日。
 再び、「虫のバラード」は1位になった。
 「枯葉のステーション」以来の2連覇。
 それは偉業だった。
 この時に自然と起こったゆかりコール。
 そして、スピーチの時に話した「去年と今年はちょっと気持ちが違って。ソロ曲というのもあって、今までは、なんか一人で、孤独に歌って感じがするんですけど。(略) 今年はファンの方や自分の家族は勿論。大好きなメンバーやお世話になってるスタッフさんにも、なんか『また1位で虫のバラード』見れたらいいなとか、いう風に言ってもらえて、それが凄い自分の自信にもなったし、一人で唄ってるけど気持ちはみんなと一緒かなと思って」という言葉が印象的だった。
 
 そして、2016年2月4日。
 彼女は卒業発表をする。
 3月3日のガイシホールで披露した「街角のパーティ」からの「虫のバラード」の演出は、生で会場で観ていたが、鳥肌が立つほどカッコ良かった。静かにせりあがって来る「虫のバラード」の衣装。それを羽織り、歌っていく山下ゆかり。奇しくも2013年にはここで、矢神久美が唄う「虫のバラード」を聴いていたので、不思議な気持ちだった。
 
 卒業した後の彼女は、一般人に戻り、結婚した。
 彼女の「SKE48」の活動のマラソンは、人によって見方は変わるかも知れない。「虫のバラード」が連覇したことに対して、過小評価する方もいるかもしれない。「いや、そんなことより総選挙頑張れよ」とか「リクアワしかないのか?」、「曲の人気投票なのに」など、様々な意見はあると思う。
 しかし、「SKE48」というマラソンの中で「1位」になることは、なかなかできない。とにかくみんな、このマラソンでトップを走るために走っている。
 しかも、走り方が違う。時々、松村香織みたいに、リタイアしたかと思ったら、すさまじいスパートをかけてくる者や、柴田阿弥のように、突然、ごぼう抜きをしてくる者がいる。
 ゆかりの走り方やゆかリストの応援の仕方は、不器用だったかもしれない。もっと上手いやり方や空気を読む方法もあったかもしれない。しかし、無様に見えても、傷ついても、2連覇することで、彼女は間違いなくマラソンのトップでゴールしたと僕は思っている。
 ただ、このマラソンの恐ろしいところは、ゴールしたと思ったら、やっぱり給水所だったということである。まだまだレースは続く。僕は「ウルトラセブン」の中に出てくる有名な台詞を思い出した。
 
 彼女の走り方を振り返って、もっと彼女の才能を活かせたのではないか、という惜しい面はある。
 それでも、彼女と彼女を支え続けた人々が打ち立てた記録は、これからもSKE48史に残り、後輩たちの「走り方」のお手本の一つとして輝き続けるだろう。
 「虫のバラード」の輝きは、彼女が着ている衣装のようにキラキラしている、ただ、彼女自身が放つ光がこんなに輝いていたのか、とここ数日、色々なところに残された彼女のブログを読んで感じた。丁度、2014年で1位を取った時の大サビでの輝きのように。
 いつか、また、彼女のようなのし上がり方や、曲の評価が変わっていく過程が生まれることを期待している。


 

2020年4月22日水曜日

3-2①

マイナスの先に残るもの


 本日、4月22日は、HKT48の新曲、「3-2」のリリース日です。
 この曲はyoutube上で発表された時に、気になってましてね。
 HKT48のCDを買うのは「メロンジュース」以来なので、久々に観ると選抜メンバーの顔触れもかなり変わってますね。
 まだ、観ていない方は公式チャンネルをチェック!



 うーむ、色彩が美しいMVですね。
 そして、とても大人っぽいトーンの衣装ですね。
 冬の寒空の下で、一人一人がバラバラの場所でリボンのような細い布を持っているところから映像は始まります。画面の照度は少し暗めですが、メンバー一人一人が着ている服はそれぞれバラバラで色彩豊かです。そして、細い布の色も一人一人違う。
 ロケ地も印象的な美しい風景が多くてですね。陰影が美しい港や船の上、波が逆巻く砂浜、そして石が渦高く積み上げられた高原。田島さんが立っていたところは、特に色彩が豊で印象に残っています。この秘密は、少し高い位置からや遠くからの遠景の撮影が多いからでしょうか。
 一人一人が天へと手を伸ばし、やがて集まっていく。
 ダンスは、リボンのような布のはためきを映えさすかのような、手の動きを強調したダンスですね。
 MV中は走っているシーンが多いんですが、夕陽の逆行で、一瞬、見えなくなるところがカッコいい。
 これからへの強い意志を感じられる名MVだと思います。

 歌詞の世界を見ていくと、友達の恋人を好きになってしまう、という切ない展開。
 タイトルの「3-2」の「3」は今の一方的な三角関係であり、「2」は恋人同士の「君」と「あいつ」。マイナスして残った「1」は「僕」。
 この曲の切ないところは、既に勝負がついてしまっているところなんですよね。先に知り合って、先に告白した「あいつ」の方が勇気があった。
 自分の「愛」に正直になると友情も「2」の関係も壊れてしまう。
 誰のせいでもないし、我慢して孤独が残るだけの悲しい式。
 この「僕」は決してバカではなく、状況が見えている賢さがあるからこそ動けない。
 その最後が「3-1」を選ぶことになります。
 確かにそれなら、「割り切れ」ますが、あまりにも切ない。
 前々から秋元康作詞曲で、友達の恋人を好きになる曲で名曲は多いですが、新たな名曲が生まれたんじゃないかと思います。

 
 さてさて、ここからは、書かずにスルーできないSKE48の話を。HKTファンの方は、思い出して不快に思われる内容もあるかと思いますので、読むことはお勧めしません。

 昨夜、SKE48チームSの都築里佳がHKT48の選抜の容姿を貶すツイートをしました。
 現在は、ツイートを削除して謝罪しています。
 人の容姿に対して心の中でどう思うかは自由ですが、それをSNSで発信してしまったこと、そして、他社の商品に関することをだったということが問題視されています。
 今後に関しては、SKE運営と博多運営が交渉して処遇を決めることになるかと思います。
 また、HKT48ファンの方からすれば、AIIAもからんだ選抜でもあり、曲も良曲で期待していたところに冷や水をかけられた部分もあったかと思います。
 これに関しては、どこまで行けば許してもらえるのかは、一人一人違うので、なんとも厳しいところもあります。要は許すことのリーチが一人一人違う。謝罪ツイートで許した人もいれば、直接謝りに行くことで許す人、彼女が居なくなることで許す人もいるかも知れません。
 
 今まで、SKEとHKTの関係は、決して悪かったとは思っていません。
 特に木本花音が博多に兼任した時にしてくれたことには、本当に感謝しています。また、「波が伝えること」での植木さんの浴衣姿は未だに観ます。

 都築里佳が、Twitterで所謂、「裏垢」と呼ばれるもので書く内容を自分のアカウントで呟いてしまうことは、初めてではありません。5年前にも一度、同じ失敗をしています。その時は、同じグループの若手に対してでした。
 まさか、また同じ間違いをしてしまうとは、というショックがありました。
 今は、どうするかを「~すべき」とか「~するのが常識」とかいうテレビのワイドショーのような趣味の悪いことを当事者でもない僕は語りません。
 でも、SKE48というグループの一員である彼女が、どうなって欲しいか。
 彼女の未来を今、どう想像していますか?
 皆さんの想像が、残酷なものでないことを願っています。
 過去の裏垢に関する事件と比較する方や、いや、他のメンバーだってこんな悪口を言っていたぞ、という方の気持ちも分かります。 
 でも、今回は今回として考えておいた方が、余計なものが混じらずに、考える筋道として安全かと思います。
 
 
 少なくとも5年前の件から、学ばなかった本人や運営にも責任があると思うので、反省した後は、なんとかグループに残して、うまく環境を変えてあげて欲しいな、と思います。
 何故かというと、彼女の「愛の色」や「拗ねながら、雨」、「泣きながら微笑んで」、チームS公演での「ダンスメドレー」。どれも素晴らしいパフォーマンスです。声優になるために、専門学校に通い、徐々にチャンスも掴んでいます。48グループに対する愛も強く、クイズ選抜にもなっています。めちゃくちゃめんどくさい性格ですが、やはり、後輩たちからは愛されています。
 これまで彼女が積み重ねてきた数字を、今回のツイートで大きなマイナスで引いてしてしまいました。ひょっとしたら、1も残っていないかも知れません。

 甘いことをいうな、と言われるのを承知で書くと、これから、どんな発表があるか分かりませんが、彼女が反省した後に、道を踏み外さずに進めるような提案が出ればな、と運営には期待しています。
 個人的には谷が取ったアプローチは流石だな、と思いました。なんとかここで、悪い形で終わらさない手はないかと思います。
 さて、当日の夜、支配人の斉藤真木子とSKE公式から、発表があり、彼女のツイートの謝罪・SNSの無期限での停止が発表されました。
 コロナで活動ができない今、これで彼女がファンへ発信できる手段は切断された状態です(モバメぐらい?)。
 

 初代リーダーの言葉で「ピンチはチャンス」という言葉があります。
 今の過去最大の「ピンチ」をなんとか「チャンス」に変えられることを期待しています。
 奇しくもリーダーの言葉の続きを考えると余計に。

2020年4月20日月曜日

ウィズコロナ時代のSKE48

ゲームチェンジ


 2020年4月20日現在、日本はCOVID-19の影響で、多くのエンターテイメントが活動自粛に陥っています。
 48グループも公演・コンサート・握手会などのイベントを中止し、主にSNSでの配信や動画サイトからの発信を中心に活動しています。 
 今回の自粛によって、いくらぐらいの損失が出たのか、予想もつきませんが、早く日常が帰ってきて欲しいな、と思う次第です。
 ただね、ふと思ったんですよ。
 一部の報道で予想されている通り、この状況が来年の秋ぐらいまで続くとしたら、なんなら2年ぐらい続くとしたら。
 
 これまでの48グループのモデルでは、とてもじゃないけど、ほとんどの活動できなくなります。
 何か良い手はないか、と素人ながら考えてみました。

 まず、48グループのコンセプトは、素人同然の女の子たちが成長する過程を見せていく、プロ野球ではなく甲子園のようなもの、と秋元康が著作の中で語っていました。
 これまでは、「少女たちの成長」という材料を、「総選挙・握手会・公演・コンサート・外仕事」というものを使って料理することで、僕たちは様々なドラマを見てきましたし、推していこう、という気持ちを持ちました(そして、その物語に参加して後推しすることもできた)。

 こうしてこれまでの調理方法を羅列すると、「モノ」消費よりも「コト」消費が圧倒的に多かったんだな、と思います。 
 これをウィズコロナモデルに変えていけないか、を今日は考えてみたいと思います。
 

① すべての「コト」をデジタルに出来るか?

 
 たとえば、握手会ですね。
 これまでは①CDを買って、②その中にある握手券をゲットして、③会場まで行って握手をするというモデルでした。
 これからは、①曲をダウンロードして、②シリアルコードを確認後に入力して、③リモートというモデルになるのかなあ、と思いましてね。
 もちろん、ファンとの距離問題があるので、ZOOMとかで、本人、メンバー、はがし担当の人の3窓で行う形になるのかな、と思います。
 時間が来たら切断されるというかね。
 ②の際に、指定日時がいくつか選べて、順番に通信していく形。
 メンバーは自宅ではなくて、安全のためにレッスン場やゼストスクールとかなどから通信ですかね。
 これまでの握手会で必要な会場代、スタッフ代、ミニライブ代は減りますが、全国握手会のような形式はなくなりますね。また、限られた時間で捌く人数は減るので、長期的なスケジュールになるかと思います。あと、はがしの人もこっち見ながらっていうのが、ちょっと嫌かもですね。ただ、回線や番号は分かっているので、厄介や暴言は減る気もします。ただ、物販とかはできなくなるので、愛理の破天荒セールスが見られないのが悲しいですね。
 時々、シャッフル券とかを出すのもオモシロそうです。どのメンバーかは分からないけれど、会話できるという。
 あくまで、対面で話す握手会の形を残しながら、ということになりますが、既に一部のメンバーがしているSHOWROOM配信でのデジタルサイン会とかも、まだまだ探っていけるものだと思っています。
 会話の内容も少しずつ変わっていくのでは、と予想しています。

 総選挙がなくなってもうすぐ2年ですが、競い合うイベントはまだまだ継続中です。ご褒美が果たして、実現するのかということもありますが、先日の「755戦争」の記事でも書きましたが、全く離れていても推しの為に熱くなれることを僕らは知っています。
 運営がこの状況下でどんなイベントを取ってきてくれるかですが、ファンと経験を共有できるイベントはまだまだ必要だと思います。そういう意味では「P4U」や「大富豪は終わらない」のCMイベントも同じですね。
 「成長する過程」のためのイベントもまだまだ残して行って欲しいですね。

② 曲や公演はどうする?


 まず、2020年4月現在、本店、博多、難波、瀬戸内と新曲の発表が続き、次は5月か6月ぐらいにSKEかな、と思っていただけにリリース情報が何も出ないのは悲しい限りです。ただ、2016年とか年に1枚のリリースだしな、とあの時代を知っている人間からしたら、まだまだ耐えられるレベルなんですがね。
 レコーディングをどうするか、MVをどうするか、色々な企画が止まってしまっています。これに関しては、人と人が触れ合う状態を防ぐために、しばらくは我慢ですかね。
 また、公演に関しては、無観客でやるにしても大人数なので、なかなか実現は難しい。
 もし、やるとしたら、奈和ちゃんが行ったような少人数による数曲の配信でしょうか。
 個人的には、週に1~2度のソロ公演を順番に配信してはどうでしょうか?
 出演者の人数と、スタッフの人数もできるだけしぼって、なるべく密着状態にならないようにですね。
 難波が「だってだってだって」を各メンバーの家バージョンを撮ったように、各メンバーやチームの「ソーユートコあるよね?」お家バージョンを見せていくというのも面白いかもしれません。
 あとは、どんちゃんによる「恋を語る詩人になれなくてを踊ってから寝る動画」とかね。
 配信はyoutubeでの配信で課金する「投げ銭」方式でも良いですが、手数料で持っていかれるので、ももクロのように他のアプリからの課金という道筋をつけるのも良いかもしれませんね。
 自分の推しのソロ公演が回ってくるごとに、じっくりと推しの成長を見ることができる。集団でのパフォーマンスが揃うとことかも観たいですが、こればかりは仕方ないです。でも、多才なメンバーが多いだけに、何か新しいものが生まれるかもしれません。


③ メンバーの才能を発表する場をキープし続ける

 
 今、女優になろうと思ってSKE48に入ってきたメンバーは、どんな感じでモチベーションを維持しているんでしょう?
 SHOWROOMでもSKE48の公式チャンネルでも良いので、演技をしてそれを発表する場を設けることはできないでしょうか?
 朗読劇とかなら、一人ですることもできますし、1冊の本で演じ分けも必要になります。また、役者に必要な、脚本を読む力も養われていくのではないでしょうか?
 どの作品を使うのかは、著作権が切れたものとかを使っていけば問題ないかと思います。そういや、昔、そういう配信ありましたね。
 個人的には、須田亜香里・古畑奈和・北川愛乃の世界名作文学全集の朗読とか聞きたいですね。
 さとかほの「文系のための理系知識講座」とかも観てみたいな、と思います。
 更に、10期生の五十嵐早香さんの文才を、SKE公式サイトのブログだけに留めておくのではなく、noteとかで発表していくことで、よりリーチが長いものにしていけると思います。
 ちなみに、noteは柏木由紀さんもアカウントを持っていて書いているので、48グループからアカウントを作るというのは、難しいことではないと思います。
 ゲーム実況を公式とコラボして、やっていけるメンバーとかいたら、かなり面白いと個人的には思っています。

④ 「コト」を「モノ」に変えていく


 ここまでは、どちらかというと、生で接触していた「コト」をうまく、デジタル技術を通して返還できないか、ということを書いていきましたが、なかなか歯がゆいところもありましてね。
 たとえば、推しメンに惹かれた理由として、公演やコンサートで汗を流しながら踊っているところに惹かれたという人も多いんじゃないでしょうか?
 でも、今は、コンサートは実施できない。
 そこで、過去の映像を蔵出ししていく。
 たとえば、美浜海遊祭のこれまでの映像をソフト化して売ったら、結構売れるような気がするのは、僕だけでしょうか?
 また、多少映像が荒くても「全国握手会アーカイブ」とかソフト化したら、僕は絶対に買うと思います。
 個人的には、この際だから、映像のアーカイブを繋げてドキュメンタリーとか作ってくれないかな、と思っています。
 それから、「古畑前田のえにし酒」のコラボグラスやお酒が、初回注文ですぐに売り切れになったように、物語や価値をしっかりとつけることで、まだまだグッズは売れます。
 たとえば、よこにゃんのこれまで描いた絵をまとめた画集や、ラーメン部監修のお家で楽しめるラーメン第2弾とか(あれはコラボありきかもしれませんが)、欲しいな、と思うのは僕だけでしょうか?
 個人的には、SKE48関連の公式本をそろそろ出して欲しいです。
 特にヒストリーブックが更新されてないのは、勿体ないです。「まだ、夢の途中」が名著だっただけにそろそろ新しいバージョンが欲しいところです。特に、SKE48の時計が緩やかになっている今は。
 あとは、はたごんの落語のCDやカセットも発売したら、その不便さも楽しみつつ買うと思います。

 

⑤ 大きな物語の終わりから小さな物語の集合へ


 これまでは「名古屋ドームを目指す」とか「総選挙で1位になる」とか、「選抜に入る」とか、メンバーそれぞれの大きな物語があったと思います。
 けれど、これからは日常が中心に配信される「小さな物語」が、毎日更新されていくのかもしれません。
 それを愛していけるか。
 「会えないけれど身近なアイドル」になっていくのか。
 少なくとも、いなくなってしまうよりかは、マシです。

 ただ、2014年ぐらいから、明らかに秋元康が48グループに飽き始めていて、彼の手から舵取りが少しずつ離れて、総選挙とかじゃんけんとか、バカげているけれど斬新でドラマが生まれるものは少しずつ無くなっていきました(運動会は惜しかったと思っています)。

 この状況になって、SKEの魅力ってなんだっけと改めて考えさせられました。
 なんでSKE48が好きで、これからも観ていきたいと思わされる理由は何か?
 推しに名前を呼ばれること?
 「いいね」や「リツイート」をもらうこと?
 他店よりも売れること?
 いや、嬉しいけど、それはこれからも観ていきたい思いとは少し違う。
 じゃあ、なんで好きなのか?
 そこには、自分の目指しところへ向かって、もがく成長の物語があったからだと思います。
 そこをなんとか残せないかと、付け焼刃のアイディアをだらだらと書いてみました。

 運営のゼストさんから、斬新で明るいアイディアが発信されることを僕は願っています。

 2020年4月20日 「桜、覚えていてくれ」を聴きながら。


2020年4月19日日曜日

行ってみたかったコンサート ガイシ2012

伝説の目撃者たちへ


 いつSKE48を好きになったかは、人によって違います。
 たとえば僕が、どっぷりハマったのは2012年の『アイシテラブル!』発売後ですし、職場に居た古畑奈和ちゃん好きのデザイナーさんは、2013年の『マジカルラジオ3』放送時でした。

 すると、当然ですがもっと早くファンになっていて、あの時のあのコンサートに行けてたらなあ、と思うことがあります。SKEに限らず、皆さんにとってもそういうコンサートはないでしょうか?

 僕の場合は「SKE48春コン2012 SKE専用劇場は秋までにできるのか?」がそれでした。

 このコンサートの大きな特徴としては、当時のSKE48の目標であったガイシホールに初めて単独で立つことが出来るということが一つ。
 そして、もう一つは松井珠理奈が不在である、ということです。原因としては、その2012年3月23日に行われた兼任発表からの体調不良によるものでした。珠理奈は入院。4月12日に松井珠理奈は退院するものの、パフォーマンスは厳しいのでは、と考えられていました。
 果たして、SKE48は、このピンチをどう乗り越えて、コンサートを成功させるのか?
 このコンサートの見所を書いていきたいと思います。

① W松井のユニットチェンジ

 1日目の目玉はやはり、珠理奈の「枯葉のステーション」と玲奈の「Glory days」でしょうか。それぞれのセンター曲をシャッフルして、登場するインパクト。
 特に珠理奈の「枯葉」は、病み上がりだったのもあって、曲の世界観ともあっていたように感じます。
 舞台裏で、玲奈ひょんが曲披露後に、ゆっこや真那にチームSメンバーから「良かったよ」と言われているのもよかったですね。
 

② 矢神久美が大活躍!

 そして、この2日間で個人的にMVPを挙げるとするなら、矢神久美ではないかと僕は思っています。「Gliry days」を2ポジション覚え、サックスまで覚え、「GM5」の楽器まで。この人はいったいどれだけ多才なんだ、と思いますよ。いつかまた、踊るくーみんを見てみたいですね。

③ KⅡの勢いを感じるセットリスト

 丁度、「ラムネの飲み方」公演が来て、まだ1年経ってないんじゃないか、という時なので、凄い勢いを感じます(リクアワ2011でも感じましたが)。初日の「兆し」、2日目の「お待たせSet list」どちらも良かったですね。あと、「16色の夢クレヨン」はいつ聴いてもいいですね。もっと全体コンサートでも聴きたい。

④ チームEって良い曲多いよね


 急にため口になって申し訳ないですが、改めて「パジャマドライブ」公演って良い曲多いな、と思いましてね。更にこのコンサート後に「逆上がり」公演にうつっていくことを考えるとチームEって、本店のチームBとチームKの良いとこを吸収しつつ、SKEらしさを作っていったチームだったのかもしれませんね。


⑤ 研究生のフレッシュさ


 とにかく、みんな若い。
 今から約8年前というのもあるんですが、えごなるは勿論、奈和ちゃんやなな子の顔も幼い。でも、「強き者よ」のパフォーマンスはカッコいいですし、同時多発「天使のしっぽ」はカワイイ。
 みっきーのバク中もこの年に既にやっていたんですね。

⑥ チームSの安定感

 この頃のチームSから溢れるSKEっぽさって何なんでしょうね(超抽象的な表現)。
 「恋を語る詩人になれなくて」もそうですが、「PARTYが始まるよ」の躍動感。ドキュメンタリー映画「アイドルの涙」を観た人間からすれば、そりゃそうなるよね、という躍動感でした。
 

⑦ ユニット曲も大会場ならでは


 まずは、卒業組の「思い出以上」。はーちゃんのセンターがカッコ良かったですね。
 個人的には「孤独なバレリーナ」と「眼差しサヨナラ」が凄く好きでしてね。どちらもガイシのステージを贅沢に使ったパフォーマンスになっています。だーすーの美しさ、「眼差し」の赤と青のステージの美しさ。
 そして、なんといっても松井玲奈・秦佐和子の「狼とプライド」でしょう。このコンビ、わりと好きな人は多いんじゃないでしょうか?もっとみたかった二人です。

⑧ ステージが見やすい。

 
 楕円形でステージ構成がなかなか良くてですね。2013年はこれが十字型になっていたのが、ちょっと残念でした。同じステージの作り方だと、真那卒業コンサートや2018年のSSAがそうですかね。
 大きすぎず小さすぎない会場なので、ファンの声が凄く響きやすいのが印象的です。1日目の「over ture」がいつもとちょっと違う感じのMIXなのも時代を感じますね。
 

⑨ 仲間の歌の幸福感


 2日目の最後に唄った「仲間の歌」。
 歴代でもトップ3に入るぐらいの幸福感があります。
 卒業するメンバー、もきゅ松さん、そして、珠理奈。
 みんなで唄った「仲間の歌」でのエンディングは何度観ても幸福感があります。

⑩ メイキングも見どころたっぷり


 僕としては、珠理奈が「枯葉」のリハーサル中に玲奈が見ているんですが、その時に彼女が着ていたパーカーには、「松井珠理奈」の文字が!
 色々という人もいますが、やはり、この二人の関係は特別なものがあるんだと、ずっと僕は思っています。この後、2012年総選挙が、二人には待ち受けているんですよね。

 今回は、もう少し早くSKE48にハマっていれば、絶対に行っていたコンサートについて書きましたが、皆さんはそんなコンサートありますかね?

 後悔しないために、行ける時に、どんどんコンサートに行っておきたいと、自粛が続く2020年4月に思いました。

 

2020年4月18日土曜日

幻の写真集

歩いてもいいんだと大人たちは言うけれど




 人は、人を推したくなる時に、様々なきっかけがあります。
 MVでアップになった顔、公演でのパフォーマンス、握手の対応、SNSの何気ない「いいね」やコメント。
 僕の場合は、その人のドラマがやはり好きでしてね。
 1推しだった中西優香や岡田美紅なんかも色々なドラマがありました。それを知ったり、体験したりすることで、ああ、この人を応援したいな、この人の物語の続きがみたいな、と思っていきました。
 
 よくこのブログでは古畑奈和ちゃんについて、取り扱うことが多いので、「奈和ちゃん推しなんですか?」と聞かれることも多いんですが、実はそうではないんです。でも、奈和ちゃんに惹かれるエピソードは沢山あります。
 その中でも、一番心に残っているのは、「UTB」の755イベント、通称「755戦争」です。

 このイベントのレギュレーションは755の個人トークのウォッチ数の伸び数です。 
 期間は4月20日0時00分から5月3日23時59分。
 参加者は、奈和ちゃん以外にNMBの上西恵さん、AKBの込山さん。
 普段は優しいのに「げいにん!」では猟奇的な漫才をしたけいっちも、結構好きだったので、河島英五の「てんびんばかり」ばりに複雑な気持ちになりましたが、奈和ちゃんを応援することにしました。
 何故なら、このイベントはこれまでと違い、栄と難波の主力級が投入される代理戦争的な要素もあったからです(実際にそういう風に書いて煽っているまとめサイトもありました)。一人のSKEヲタとしては、負けられない。
 2015年の春先にあったシングル同日発売対決では、SKE48がミュージックカードまで導入して勝利しましたが、こんな形で再び対決することになるとは、思ってもいませんでした。

 ちなみにウォッチというのは、コメントのランをポチっとひと押しするだけで、1カウントされます。つまり、連打すればするほど、数が増えていきます。この仕様を頭に入れておくと、この後に登場する数字についても見えやすくなるかと思います。
 
 2015年4月19日の握手会で、このイベントは発表され、奈和ちゃんよりも先にファンの方々が知ることになりました。
 この日の古畑奈和ちゃんのアメーバブログを皆さん、ご一読ください。
 イベントへの熱い意気込みが伝わってきます。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12016414444.html

 さて、4月20日の0時00分にイベントはスタート。
 開始1時間で、奈和ちゃんのウォッチ数は、23万。
 けいっちのウオッチ数が21万という壮絶な数字で開幕しました。
 この数字がどれだけ凄いかというと、1週間以内に48グループ総監督の高橋みなみの総ウォッチ数を抜いてしまうぐらいの速度です。

 そして、9時間経過した朝9時のウオッチ数は、下記の通りでした。

 けいっち 69.7万
 奈和ちゃん 66.2万
 込山さん 22.9万
 
 トップとの差 3万4000

 ただし、この2時間後の11時には、差が1万2000まで縮まります。
 ここから分析されることは、起きている時間は、奈和ちゃん勢の方がペースが速く、深夜になってくるにつれて、けいっち陣営の数字が伸びていくということでした。
 その日のうちに、みなるんやかおたんから援護のメッセージが発令されました。また、前日には珠理奈からも応援のメッセージがありました。

 当日の16時の時点で、奈和ちゃん約137万ウォッチ、けいっち146万ウォッチという異次元の数字に到達しました。もちろん、755ウォッチランキングは数日後にトップになり、二人を含めてイベント参加者はランキングから除外されます。
 つまり、お前らはお前らでやってろ、という感じになります。
 初日終了時点での数字は下記の通りです。

奈和ちゃん 4,213,851
けいっち  4,065,049
 ここから、すさまじいスピードでウォッチ数は加速していきます。
 4月23日の時点で累計30000万ウォッチ突破。
 4月24日の時点で累計4000万ウォッチを突破します。 
  4月25日のアメーバブログにはファンと一緒に、熱くなれることを「幸せウォッチっち」というタイトルで書いています。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12018893176.html
 
 参考までにこの4月25日のウォッチ数も書いておきます。
 奈和ちゃんが7,514,317。
 けいっちが6,683,607。
 奈和ちゃんが前を走っている状況でした。

 ちなみに僕個人はどうしていたかというと、奈和ちゃんが定めたウォッチタイムには、なかなか参加できず、会社の休憩時間や夜に寝る前の時間を利用してウオッチしていました。
 すぐにスマホが熱くなってしまうのが、凄く怖かったですね。
 ちなみに、この頃の奈和ちゃんのコメントの時間を見ると、深夜に寝て早朝に起きるという生活を繰り返していて、ほとんど寝てないのではないかと心配でした。
 このまま日々は過ぎていきます。
 途中でアンチのような人から、奈和ちゃんへ直接文句を書かれたこともありましたが、奈和ちゃんはとても丁寧な対応で返していきます。

 運命の最終日。
 5月3日の20時の時点で、奈和ちゃんは約8350万、けいっちは約7750万。
 奈和ちゃん勝利が見えていた状態でした。
 流石に600万差はひっくり返せないだろうと。
 
 しかし、21時を過ぎたあたりから、けいっちの1時間あたりのウォッチ数が120万を突破します。
 1時間あたりのウォッチ数はけいっち陣営は伸び続け、23:00を超えると、1時間あたりのウォッチ数が約700万を越えます。それに対して、奈和ちゃん陣営は、約400万。
 明らかに流れが変わり始めているのが分かります。

 23時35分。
 奈和ちゃん 90,698,115
 けいっち  90,006,967
 
 ここに来て、二人の順位が入れ替わります。
 イベント終了まで、あと25分。
 
 ちなみに、この日、イベントに参加した方なら体験したかも知れませんが、一度、ウオッチから抜けて、数字を確認しようかと思ったら、全く入れなくなりました。
 どんどん開いていく数字をみながら、夜空に向かって咆哮したのを覚えています。あの時の焦燥感は、今まで味わったことはなかったものでした。
 
 
 最終結果は、5月4日の00時05分頃からUTB編集者の山下さんから発表されました。
 奈和ちゃん 92,410,202
 けいっち  94,060,840

 また、この企画の盛り上がりを受けて、2位の奈和ちゃんにも『UTB』の付録としての20ページ綴じ込みプチ写真集権がプレゼントされました。
 3人での総ウォッチ数は1億9000万というのは、日本の人口を越えた数値でした。
 

 最終結果後の755の奈和ちゃんのコメントを抜粋します。
「手に届きそうな距離に夢が
 近くにあったから、悔しくないと
 言ったら嘘になるけど、でも
 この熱さは本物でした。

 だから、心残りはありません。

 今度は企画じゃなくて
 自分の力でソロ写真集が出せる
 ように努力していきます。

 本当に本当に
 ありがとうございました!」

 


 翌日の2015年5月5日。
 755の奈和ちゃんのコメントに対して、ファンのせいで負けたと思われるよ、的な指摘をした方に向けたコメントも同じく抜粋しておきます。

 「そっか、そんなつもりはなかったんです。
 ただ、気をひきしめてほしくて。
  
 私にしかわからないこともあるし
 そしたら、より皆が団結して
 くれるとおもったけど、ごめんね。

 私、ファンの方のせいで負けた
 なんて思ってないよ。
 皆が皆全力でやったんだから
 誰のせいでもないし。

 ファンの人が油断したから負けた

 なんて思わないくらい私たちは
 熱かったんだからさ。

 それに、私はもう過去の人
 今を戦ってるちゅりさんに心を
 向けないとね!

 教えてくれてありがとうございます!
 気をつけますね。」

 この文章を奈和ちゃんがどんな気持ちで書いていたのか、僕には分かりません。
 でも、彼女の素晴らしい性格だけはこのイベントを通して伝わってきました。
 あとは、全力に立ち向かうところも。

 2015年5月6日のオールナイトニッポンでは、このイベントに参加した奈和ちゃん、けいっち、そして博多の松岡さんが参加することが発表されます。
 本放送を聴いた時は、わざわざこの戦いの様子を再度、アナウンスするところは、いや、本人たち居る前でそれはやめてくれよ、と思いましたが、奈和ちゃんがけいっちの結果に拍手しているところが印象的でした。
 当事者たちからすれば、ファンの皆さんがウォッチしているので、「おやすみ」と書いた後も本当に寝ていいのか、という葛藤や、1秒ごとに増え続ける数字をみる楽しみもあったそうです。

 この2015年は、今振り返っても奈和ちゃんにとって、ターニングポイントになることが多くて、演技に関する仕事が増えたり、福岡での総選挙で躍進したり、年末のリクエストアワーの「前のめり」でセンターを務めたりと、様々なことがありました。
 でも、僕はこの755戦争を体験して、この古畑奈和という人の誠実さを感じましたし、良い意味での狂気も感じました(惹かれる方ですよ。引く方じゃなくて)。
 
 2020年4月18日現在、古畑奈和のソロ写真集は発売されていません。
 しかし、2017年には総選挙で選抜入り、2018年にはソロアルバム発売。
 2019年にSKE48のセンターになります。


 彼女の好きな言葉で「辛い時こそ伸びる時」という言葉があります。
 イベントでは勝利することが出来ませんでした、けれど、彼女のひたむきに頑張る姿を見て、その後の対応やコメントを読んで、彼女に心を掴まれるきっかけになった、僕のような人間もいたんじゃないかと思います。負けるという辛い体験をしたけれど、その過程で彼女に惹かれていき、ファンの総数がまた伸びていったのではないか。

 ブログを始めた時から、このことについて書きたいと思っていましたが、なかなかうまく書けず、この1年半でなんどかチャレンジしては消しました。
 皆さんも推しではないけれど、この人からは目が離せない、というメンバーがいると思います。僕にとってはそれが古畑奈和でした。

 今年は彼女のソロ写真集が発売して、5年越しに彼女の夢が一つ叶わないかな、と思っています。

 僕にとって特別な事件であり、特別なメンバーについての記事でした。
 最後まで読んでくださってありがとうございました。 

※僕のブログの2018年から2019年前半の古畑奈和ちゃん関連の記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/03/blog-post_80.html

2020年4月15日水曜日

女神はどこで微笑む?①

SKE in...


 かつて、AKB48グループは、様々な連続ドラマをやっていました。
 一番代表的なのは、「マジすか学園」でしょうか。
 個人的には、グループまたいでなら「豆腐プロレス」、SKE単独ならしつこいぐらい「マジカルラジオ」が好きでしてね(特にシーズン2)。

 今、考えると、集団アイドルっていうのは、ドラマを作りやすいのかな、と思います。
 最近だと、日向坂46の「DASADA」とかがそうですね。
 あとは、初期メンバー一人一人のキャラクターが立っていて、世間にも認知されやすかったというのもあったかも知れません。
 今のSKE48のメンバーたちも、キャラクターがたっている子が多いので、是非、連続ドラマとか作ってほしいな、としみじみ思います。
 
 さて、こういう願望を満たしてくれるのが、MVです。
 たとえば、「DADAマシンガン」なんて、ジャンルもののドラマとして、妄想を繰り広げるには、もう売ってつけの題材だと思います。また、「Is that your secret? 」とかサスペンス調で大好きです。

 さて、そんなジャンル系で、ケイパーものがあります。
 まあ、簡単にゆうと犯罪者目線の映画ですね。
 「オーシャンズ11」とか「グッドフェローズ」とかね。日本だとドラマ版の「雲霧仁左衛門」とかが、凄い丁寧ですよね。
 今回、紹介する「女神はどこで微笑む?」もまさにそんなMVなんです。
 ちょっと公式の動画をチェックしてみましょう。


 
 MVの一番では、メンバーそれぞれが、お客さんやお店の人に紛れています。
 ここでの見所は、メンバーのコスプレですよね。個人的には、宮澤佐江さんのスーツと眼鏡という最強の組み合わせがたまりません。多分、宮澤佐江のカッコいい画像全国大会があったら、余裕で県大会まではいけるでしょう(そんな大会あるのか?)。
 また、大島優子のチャイナ姿やあきちゃのディーラー姿なんかも印象てきですね。
 まゆゆはさまよいこんだ少女みたいで、これも彼女の雰囲気にあっています。

 さて、2番ではまゆゆが店員さんとぶつかり、視線が集まった隙に電気を消していよいよ盗みにかかります。
 しかし、警備員のみなさんも黙っていません。「正義をかざして奪うの?」的に追いかけてきますが、迫ってくる奴らに「アデュー」という感じでお宝を大サビ前にゲットするメンバーたち(何人の方が元ネタが分かるんだろう)。
 警報が鳴り響く中、いったいどこにあったのか分からないバズーカ砲で、活路を見出すメンバーたち。ここでのバズーカまゆゆがカッコいい。この組み合わせはなんか「0048」の3式みたいでいいですね。
 最終的にどや顔でお宝を持って帰るみいちゃんでした。
 
 わずか3分ほどですが、色々と妄想が広がる良いMVです。
 また、歌詞の中の「女神」を連想させるカジノが舞台なのも良いですね。
 曲もスリリングな感じで、チームE公演でのメンバーたちの表情を見るのも楽しいです。同じようなMVを撮るなら、佐江ちゃん役は、奈和ちゃんとかですかね。菅原とかでも観てみたいです。まゆゆ役は衣装とかみてると、こっちゃんですかね。

 
 さて、そういえば、48グループで泥棒ものってまだやってないですよね。
 怪盗団的なのするなら、チームSとかが似合いそうですね。それを追いかけるKⅡ探偵事務所。そして、チームE警察!なんかはたごんが48曲署の署長とかしててほしい。普段は昼行燈だけど、ここぞという時にやってくれるみたいな。「ナメてた署長が推理マシーン」的なね。
 研究生たちが、各話で被害に遭う豪邸の娘とかどうでしょう。

 あとは、もう完全に関係なくなるけど、EXILE TRIBEがやっている「HIGH & LOW」シリーズをSKEでやってくれないかなあ、という無茶苦茶な妄想を2年ぐらい前に繰り広げましてね。もう、こういう機会がないと発表できないので、書いておきましょう。

 ※とりあえず、公式の紹介動画を貼っておきますね。


 
 琥珀さん→珠理奈
 九十九さん→ちゅり
 雨宮兄→だーすー
 雨宮弟→かおたん
 コブラ→ゆなな
 ロッキー→北川綾巴
 村山→野村美代
 スモーキー→古畑奈和
 日向→みなるん
 アイス→菅原
 ジェシー→水野愛理
 源治→こっちゃんとパンちゃん
 
 いったい、このネタにどれだけの人がついてこれているのか分かりませんが、読者の中に一人ぐらい、SKEもハイローも好きな人もいると信じて残していきます。
 僕が妄想してた頃は、先輩たちが卒業して、ゆななたちが引っ張ってると思ってたんですね。ちなみに、SWORDは全部、期で分かれているのに気付いたアナタは、鋭い。
 ちなみに鬼邪高校はWORSTに対応するためにカミフレメンバーや8期が中心です。
 奈和ちゃんのスモーキーは、絶対に似合うと思います。
※ついでにブルーレイが発売されたWORSTの予告も貼っておきましょう。



 まあ、今、コロナで自宅で自粛されている方も多いと思います。
 こういう妄想配役考えるのも、たまにはいいと思いますよ。
 何かと何かをつなげたりあてはめて考えることで、またそのものの本質が見えてくることもありますから、と今日は珍しく映像よりの記事でした。
ヒプノシスマイク風に3人一組のディビジョンとかも考えてましたが、またいつか。
※「Is thet your secret?」の記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2018/11/is-that-your-secret.html
 

 
 

2020年4月14日火曜日

4月上旬のnote更新しました。

少しずつ少しずつ




 いやあ、私的なことは、なるべくnoteに書くことにして、早いもんで1か月。
 もともと、SKE48ファンよりも、それ以外のジャンルのファンの読者の方が多いこのブログなんですが、開始1か月目なので、まだまだ閲覧数は寂しいもんです。
 でも、このブログを始めた1か月目なんて、ほとんど知り合い以外は読んでいなかったんじゃないか、というぐらい読んでいる人が少なかったですからね。
 
 今回はこんな感じのラインナップです。

 『地下室の先生たち』
 僕が「ペイ・フォワード」という言葉を知る話です。
https://note.com/oboeteitekure913/n/n112191022570

 『ヒプノシスマイクは、発見を促し続ける』

 最近、好きな2次元はこれです。
https://note.com/oboeteitekure913/n/n3c24fdd747bc



 『春が見えない目で』
 明るいところで眼が開かなくなった僕に春がくる話です。
https://note.com/oboeteitekure913/n/nb9bf42335da8 
 

体育館で朝食を①

この妄想を仮にAとして、この現実をBとする


 皆さん、朝食は食べていますかね。
 僕は「食」に全く興味がなかったんですが(よくそんなやつが某酒番組の感想を50回近くかけたな、というツッコミは置いておいて)、この2週間、朝ご飯を食べるように生活習慣を変えましてね。
 なるべく朝食を食べるようにしています。
 読者にとって、本当にどうでも良い情報から始まりましたが、今回取り上げる「体育館で朝食を」は、まさに夢のような朝食曲なんですよね。ちょっと、聴いてみましょう。





 さて、まずこちらの衣装、『SKE48衣装図鑑 全力制服』によると、レトロ路線で「魔法使いサリー」をイメージしたそうなんですね。白い方の衣装も実は水色のストライプなんですね(リクアワ2014はこちらの衣装で出てますね)。こういう発見があるから、衣装本は読むのが楽しい。

 まず、歌詞の世界から見ていきましょう。
 朝のまだ誰もいない校庭を抜けて、昇降口へ主人公の「僕」は入っていきます。
 好物のオムレツが食べられるか期待していますね。オムレツ上手は料理上手ですからね(ポンポッキーズ世代)。そして、ランチョンマットを敷いて、二人でご飯を食べるわけです。
 僕は1番のサビの歌詞が大好きで、「天窓に秋の陽射し」というのが、風景や温度を想像させていいんですよね。バスケットコートでコーヒーを飲みながら、チャイムが鳴るまで過ごす「僕たちの日常」。
 いいですよね。
 男しかいない、工業高校で青春時代を過ごしていた僕としては、夢のような生活です。
 体育館の朝なんて、バスケやバレー部、卓球部の朝練で、男たちの声で溢れていたので、そんな静かな朝に憧れます。
 2番では、この朝の時間は二人だけの秘密で、体育館に泊まったような錯覚を感じます。そして、こんな体育館で朝ご飯を食べることを「馬鹿馬鹿しいこと」と客観視しながらも、「楽しい」と幸せいっぱいな感じなんですね。ええ、あっしに関わりねえことで(『木枯らし紋次郎』の影響)。

 ただ、大サビの最後が気になりましてね。
 「ありえない日常」と来るんですよね。

 ここでは、2つの説が考えられましてね。
 一つは、「僕」が歌詞の最後の1行以外の内容そのままに「君」と幸せな「日常」を送っていて、「いやあ、僕の日常って、まるで非日常みたいだよね。ありえないよね。くほほ。っていうか、ホント、体育館って、天井にバレーボールが挟まってるよね。あれって、だいたいバレー部の練習終わりにどこまで高く上げられるか、試すやつのせいなんだよね。あれって、突然ボールが落ちてくる時があるから怖いよね」と、町田康みたいな感じで現実を語っている説。

 もう一つは、すべて「僕」の「そうだったらいいのにな」と、いう昔のファンタのCMみたいな妄想の可能性。




 どちらでも読めそうなんですが、わざわざ最後のひっくり返すような位置に配置していることを考えると、後者の方が有力なんですかね。皆さんはどちらを考えたでしょう。

 さて、この曲は、振り付けが素敵なんです。
 まず、イントロからAメロまでの振り付けが、料理をしている動作になっているんですね。2014年のリクエストアワーのオーディオコメンタリーでの古川プロのコメントでは、こんな感じです。
「・・かきまぜて、トントントントン、フライパン♪」
 松井玲奈ひょんも「振り付けが超かわいいの」と言ってましたが、その通りですね。江籠ちゃんがフライパンの仕草をする振り付けとかも注目してましたね。間奏で相手に食べさせるふりつけもカワイイ。
 それから、この年だと、皆さんが「谷ってかわいいんだよね」と言っていたのが、印象的でした。
 
 最近は、COVID-19の影響でお家時間が増えた方も多いのではないかと思うんですが、今までよりも「食事」について僕は考える時間が増えました。
 瀬尾まい子のデビュー作「卵の尾」の中で、おいしい物を食べた時に、それを食べさせたいと思う人のことを思い浮かべるというようなことが描かれていましたが、この朝ご飯を誰とどこで食べたいだろう、そんなことを考えたりします。
 きっと「体育館で朝食を」の「僕」は、「君」と「体育館」で「オムレツ」を食べるという、特別な時間を過ごしたかったんでしょうね。

  僕も、誰とどこで何を食べたら幸せかな、と考えながら、明日の朝ご飯を考えています。

2020年4月13日月曜日

「おすすめの映画と本 シン・二ホン」

スクラップ&ビルド



 「ポスト・トゥルース」という言葉をご存じでしょうか?
 客観的なデータとは関係なく、予断や偏見が先行した社会的信念のことを指します。
 人間は感情の動物で、自分の信じたいことしか信じない感情の生き物なんじゃないのか、僕は時々そう思うことがあります。
 たとえば、未だにやっている「日本って凄いよね」番組。
 本当にそうか、と観ていて思う時があります。
 また、このブログはSKE48のことを書いているので、SKE48に引き寄せて考えると、2018年のドキュメンタリー映像「アイドル」の中で出てきた、「今のSKE48で、名古屋ドームに立てるか問題」。
 この映像を観ていて、普段イライラしない僕が2年ぶりぐらいにイライラしたのが、全くデータで語らずに、主観だけで「いやあ、今のSKEじゃあ、名古屋ドームは埋まらない」という論説が繰り広げられたことです。もっと早く「FACTFULNESS」が発売されていれば!と思ったんですが、まあ、見せられない数字もあるんだろうな、と自分なりに納得しました。その後の「BUBUKA」での取材で珠理奈やだーすーが、「名古屋ドームは不可能じゃない」と語ってくれたのが、嬉しかったものの、自分もその嬉しさの根拠になるようなデータを、何も持っていないことをまざまざと実感もしました。

 2020年4月現在、COVID-19の影響で、世界は未曽有の危機に陥っています。その中で、諸外国の国民生活への保障と日本の保証を考えた時に、僕らはこの国、いや、この国の政府について考えさせられました。
 本当に、今の日本でいいのか。
 先日、ブログで紹介した宇野常寛さんの「遅いインターネット」と同じタイミングで発売された安宅和人さんの「シン・二ホン」には、僕らがこれからの日本を考えていく上でのヒントが書かれています。できれば、2冊を合わせて読むことをおすすめします。
 安宅さんは、慶應義塾大学、環境学部教授で、ヤフー株式会社のCSOも担当されています。10年前に発売された「イシューからはじめよ」を読まれた方も多いんじゃないでしょうか。



 まず、この本を読んで、衝撃的だったのが恐ろしい負のサイクルが起きていて、研究者が育ちにくい国になってしまっていることです。
 日米主要大学の学生一人あたりの予算と人件費率、日米トップ3大学の常勤教授の平均年収の差。僕自身も10年ほど前に、大学院の修士を終えて博士課程に進もうか悩んでいる時に、近代詩を研究されていた担当教授に「この世界はもう椅子がギチギチだし、どんどん予算も減っているから、食っていけなくなるよ」と言われたのを覚えています。
 その時、まだ20代前半だった僕は、まあ、文学の研究なんざ、偉い人には分かってもらえないんだろうな、もっと役に立つことあるんだろうし、と。しかし、こう、データで見せられるとクラクラしてきますね。
 P336からの未来のための原資を作り出す私案は、本当にこれからの日本を考えていく上で必要な処方箋だと思います。それに257ページのデータサイエンティスト業務のタスク全体像や350ページから4つの不確実性レベルは、様々な分野で応用可能だと思いました。
 あと、教育業界に居た人間としては、「スポンジ力」より「気づく力」というのが、現場にはまだまだ降りてきてないなあ、と思いました。特に小学生とかの中学受験は、これを変えなきゃなあ、と思いました。

 読めば読むほど、これから、若い世代に僕らはリソースを割いていきながら、もう一度、立ち上がっていかなければならない、と実感しました。まだ、僕は卒業した大学に寄付できるような身分ではないですが、これに近いことが出来ないかを考えています。

 2020年4月現在、僕らが向き合っている敵は、「シン・ゴジラ」よりも厄介で、姿が見えません。あの映画の政府は、全員がベストの選択をしていきながら、ゴジラを倒していきました。今の日本政府にあそこまでを期待するのは難しいですが、僕たちのレベルでこれからの世代に残していける試みがないか、この本を読み終わった後、思考しました。

 少なくとも、僕がこれから働く業界では、若いクリエーターたちが活躍できる場、いや、枠を設けられないかを考えてみたいと思っています。

 先日観た落合陽一さんとの対談で、「withコロナ」という言葉を安宅さんは出されていました。これから先まだまだ続くコロナとの関わり方を考えさせられました。

 話をSKE48に戻すと、これからの時代を進んでいく9期生や10期生たちは、様々な形でSKEが関わるメディアの活用方法を更新しています。
 「接触」しなくてもサイン会が出来る、ブログは書き方次第でミメーシスを生む。COVID-19時代で何組のアイドルが残るか分かりません。
 ただ、これからSKE48が生き残っていくために必要なことは何か、新しい生き残り方は何かを考えていくフェースが来たのかもしれません。

 色々と話が広がりましたが、この本を読んで、「そうだよね」で終わったらダメだと思います。政府レベルの力やルールを作る力はなくても、自分の会社やコミュニティーの中ではできるのではできないか。特に中間管理職やその上の立場が多い、僕たちの世代は。
 
 僕が大好きな映画「メランコリック」の松本の台詞を引用して終わります。
 危機的な状況に陥った主人公の和彦が、殺人をするしかないと提案した殺し屋の後輩の松本に賛成した時の一言です。

 「ノリで賛成すんなよ。どうせ、全部俺がやってくれると思ってるんでしょ?」


※おススメの映画と本「遅いインターネット」についての記事はこちら!

2020年4月12日日曜日

本性②

動く本性


 2019年6月27日(木)に新宿アルタのKeyStudioで古畑奈和のソロコンサートが行われました。
※詳しくはこちらのサイトのレポートをご確認あれ。写真多めです。

 残念ながら、こちらのソロコンサートは参加できず、さらに2019年7月25日に名古屋のSKE48劇場で行われたソロコンサートの方も運悪く観られず。
 だから、今年の3月にある大阪公演には参加できそうだったので、ワクワクしながら待っていたんですが、残念ながらコロナウイルスの影響で中止となりました。
 
 過去に行われた、ソロコンサートの1曲目はどちらも「本性」。
 いや、それだけではなく、2020年1月19日にTOKYO DOME CITYで行われた選抜メンバーでのコンサートでは、選抜メンバーそれぞれにソロで唄うブロックが用意されていたのですが、奈和ちゃんは「本性」を選んでいます。
 セットリスト上でどこの位置にどの曲を持ってくるか、自分以外のファンが沢山いるの中でどの曲を持ってくるか。「本性」に対する信頼感が伝わってきます。
 
 まあ、もちろん、こちらのコンサートも僕は観られず。
 2020年を生きる皆さんは信じられないかも知れませんが、youtubeとかが無かった90年代。田舎住みの人間は、好きなアーティストの音源を楽しもうと思うと大都会までライブを観るために遠征するしかなく、死ぬまでCDの音源を聴きながら、妄想を繰り広げるしかりませんでした。本当に、あの頃はスペースシャワーTVやWOWOWOのライブ中継が貴重でした。
 僕にとって「本性」は、まさに音源だけは知っているけど、幻の名曲状態だったんですね。
 コンサートではどんな風にパフォーマンスするんだろう、そもそも動いて唄うのか?ドレスコーズみたいな感じになるのか?とか、色々と想像を膨らましながら、「本性」が収録されている「Dear 君と僕。」のCDを聴いていたもんです。こんなに賞味期限が長いCDも久しぶりです。

 さて、時を動かして、2020年4月4日。
 古畑奈和のスタジオ収録した曲の動画が、youtubeで一気に3曲アップされます。
 その中には、「本性」が!
 さっそく、公式ページをチェックしてみましょう。



 いやあ、めちゃくちゃ嬉しかった。
 動く「本性」ってこんな感じなのか、と。
 まず、曲が始まるイントロで天を仰ぎながら、伸ばす右手。
 僕は「MESSIAH」がこんな感じになると思っていたので、意外でした。Aメロでは、右手がずっと自分の肩を抱きしめるようにしていて、外面的なことを語る歌詞に対して内面はふさぎこんでいる感じが伝わってきます。
 そして、Bメロでその右手が外に向いて、文字通り「内側」の方に向いていきます。そして、この曲の中で1度も握りしめなかった右手を「腐り始めてる」のところで、握りしめます。
 そして、サビではまるで苦悩するかのように、自分の頭を時折さわりながら、右手は外へ外へと動き、天へ向かっていきます。
 ここまでの動きは、決まったフリなのか、奈和ちゃんが本能的にやっているのか、是非、ソロコンサートとかを観たことある方に教えていただきたい部分です。
 右手というどちらかというと、あやめろが注目される人間の身体の部位ですが、実はこの曲の表現を拡張していると思います。
 また、眼ですよね、奈和ちゃんの。
 実は、2016年頃の「ラジオ惑星開発委員会」をこの記事を書く前に観ていたんですが、宇野さんと対談した時の奈和ちゃん評の一つとして、「真っすぐに見つめてくる瞳」が挙げられていました。握手会に行ったことがある方なら、この辺りは共感できるんじゃないでしょうか。彼女のあの眼差しにやられたという人は多いんじゃないでしょうか。
 しかし、この「本性」では怪しさや危うさを伴った眼をしてるんですよね。
 特に3分20秒台からの悲嘆的な歌声から、怒気をはらんだ声に変わるところの眼の動きは凄いです。
 最後の皆が顔をこちらに向けないところも印象的でした。
 まるで、ここまで語った「本性」に対する答えを求めていないようにも思います。
 
 動く「本性」を観て、曲に対する解釈がまだまだ広がっていく気がしました。
 それにしても、久しぶりにライブやコンサートが、CDの「答え合わせ」ではなく、観られて嬉しいと感じた動画でもありました。かつて、CDの音源しかなく生のコンサートを渇望していた頃の気持ち、そして、それが満たされた時の喜び。どちらも思い出せた素晴らしい体験が出来ました。特に自粛が広がる2020年4月現在、半ば諦めていただけに物凄く嬉しかったです。

 次は、動く「観覧車」がみたいなあ、と名古屋のソロライブを見逃した者としては、贅沢ですが思っています。その為にも明日も生きねば。

※「本性」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/01/blog-post_9.html