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2021年1月9日土曜日

万華鏡①

覗き見る世界の変化


 僕らが覗き見ることが出来る世界は、20世紀から21世紀にかけて、一気に広がりました。この文を書いている僕は、大人になるに連れてネットが生活の中に入ってきた世代です。生まれた時からネットがあるデジタルネイチャーの世代が、これからどんな風に世界を見ていき、作るのかも凄く興味があります。

 さて、大人になっていくに連れて、見るものも変わりますし、徐々に現実を知っていきます。いや、正確に言うと知った気になります。やがて、自分で「夢」に折り合いをつけて行ってしまう。徐々に変わってしまうんですね。このブログの読者の皆さんは、どんな夢を子供の頃に見ていたでしょう?

 SKE48の「制服の芽」公演のユニット曲「万華鏡」を聴いていると、僕は上記のことを思い出します。
 歌詞の世界を見て行くと、まず主人公の少年時代らしきものが提示されます。
 万華鏡を覗いて、夢を見ます。
 この時に注目していただきたいのが、窓の光を通して、万華鏡を見ているところですね。
 窓から光が差すということは、おそらく太陽が出ている昼間ですよね。
 この光を集めて見る夢は原色、つまり様々な色の元になるような希望があります。 

 1番のAメロでは、生きる意味が空白であり、それは想像ではまだ埋められない状況が語られます。大人びた友人は、ネットを見て少し学がある感じのことを言っています。多分、ソクラテス哲学における「自覚」ですかね?
 で、友人はネットを見ている。
 ネットというウインドウを開いて見る世界から、彼は哲学を学んでいます(この曲が作詞された時代はまだスマホ全盛ではなかったので、おそらくパソコンではないかと推測しました)。

 生きる目標がまだ分からない主人公ですが、欲しいものは明確です。
 それは愛です。
 受動的に自分の中に入ってくるものには、万華鏡を覗いた時のような色はない。


 さて、1番のサビでは、再び曲の主人公は万華鏡を覗くんですが、光が入ってくるのは、「蛍光灯」という人工的な光。そして、ひょっとすると夜やカーテンを閉めた部屋のような少年時代とは真逆の世界が描かれています。
 そして、彼の目には眩しく映ってしまいます。


 2番のAメロでは、落ちこぼれることもできず、軽蔑していた父親からお金を与えてもらう、という最低の生き方をしていることが描かれます。大人になりたいけれどまだなれない人生の中の特殊な時間が描かれます。

 そして、Bメロでは自由を欲しがります。
 自分の世界を彩るような素晴らしいものが無いこともここでは描かれています。

 2番のサビでは、冒頭に出てきた自分の少年時代の万華鏡の思い出が再度描かれます。
 大サビ前で、もう一度、愛を欲していることを示します。与えられるのではないとしたら、愛せるような対象かも知れません(お金じゃない愛が欲しいという解釈もできると思いますが)。
 映画「ニュー・シネマ・パラダイス」の「自分のすることを愛せ、子供の時、映写室を愛したように」という台詞に示されるように、少年の頃、虜になった万華鏡のように、愛せる何かをまだ見つけられない状況に置かれているのかも知れません。


 そして、大サビでは、もう曲の主人公が万華鏡を覗かなくなったことを、机の中で埃をかぶっていることが描かれます。万華鏡という様々な夢が広がるものに触れなくなったことで、「あの頃」、つまり少年時代には戻れないし、夢も現実と折り合いをつけてしまったせいか、もう壊れてしまったことが語られます。

 「万華鏡」を題材に、夢の見方が成長と共に変わり、気づけばもう夢を見なくなってしまった悲しさを感じる名曲だと思います。万華鏡を覗いても、何も感じなくなってしまったのかも知れません。

 さて、この曲のメロディについてなんですが、リクアワのオーディオコメンタリーだと、よく、メンバーが「終わりの音が好き」と語ったり、「どこか懐かしさを感じる」と語ったりしていますが、歌詞の中で少年時代を描いているからかも知れませんね。

 振り付けは、サビの全員がバラバラの動きをするのが印象的です。

 平田理香子は、リクエストアワー2011のオーディオコメンタリーの中で、サビの動きについて「全部一人一人同じふりがなくて、最初の振り入れする時って、前の人観ながらできるじゃん。でも全然できないの」と語っています。そういえば、2012年のオーディオコンタリーで、矢神久美が「カウントずれとかもあって難しそう」と語っていましたね。実は難易度の高い曲なのかも知れません。

 秋元康の曲には、社会の空気を歌詞に表現した「サイレントマジョリティ」のような名曲もありますが、僕はこういう短編小説のような曲が好きです。いつの間にか少年時代の夢を失ってしまった青年の悲しさ(勿論、万華鏡がまだ机の中に残っている希望もあります)。

 この辺りの曲の解釈は、是非皆さんの意見も聞いてみたいです。
 だーすーなんかも2011年12月14日のブログでこの曲の解釈を書いていますね。

https://ameblo.jp/ske48official/entry-11107207039.html
 

 歌詞をしっかりと考えて歌う彼女だからこそ、歌いながらジーンときてしまうのも納得ですね。ちなみに、翌年のリクアワで「万華鏡」に緊張している菅なな子にだーすーは、優しい言葉で励ましていますね(2012年10月12日のアメブロを参照)。

https://ameblo.jp/ske48official/entry-11377514517.html

 この万華鏡の公演でのパフォーマンスというと、皆さんは誰を思い浮かべるでしょうか?
 SKE48でも様々なメンバーがパーフォーマンスをしていますが、個人的には菅なな子バージョンや大矢真那バージョンが好きです。

 実は、大矢真那さんがブログの中で「万華鏡」を書いたことがあります。
 2017年6月28日のブログです。
 これは曲についてではありません。
 自分の心象風景を「万華鏡」で喩えています。

 少し読んでみましょう。

https://ameblo.jp/ske48official/entry-12287588668.html

 このブログを読んで目から鱗だったのが、万華鏡は、構成するパーツは常に同じだということです。見方を少しかえるだけで模様も変わる。少しの揺れで崩れてしまう繊細のものであるということ。これを念頭に置くと、先ほどの曲の解釈も更に奥行きが生まれます。夢は見る角度(視点の向き)によって変わってくるし、壊れやすいものであることが伝わってきます。

 もっと言うならば、SKE48の公演というのも同じメンバーで同じ楽曲をやっているように見えて、実は毎回違うものが表現されていることに気づかされます。

 自分の夢と、栄の劇場でメンバーたちが作るもう一つの夢、どちらも窓の光から覗いていたいと思います。

2020年5月10日日曜日

おすすめの映画と本「小倉トースト」

時代遅れ


 皆さんの思い出は、どんな形で残っているでしょうか。
 新型コロナウイルスの影響による外出自粛のおかげか、最近は過去に観た映画や過去に読んだ漫画、昔の思い出話をする人が増えたように思います。
 ここ数年の思い出は、スマホやPCのメモリーの中に入っている方が多いかも知れませんし、もっと前の思い出は写真としてアルバムの中に残っているかも知れません。

 今回紹介する大矢真那写真集「小倉トースト」は、2018年刊行にも関わらず、誰かの遠い想い出を覗いているような懐かしさを最初感じました。

 朝起きて、朝食を食べる。
 洗濯物を干して、ゴミを出す。
 町に出る。
 モノローグのように昨日のことが思い出される。
 公演でお昼ご飯を食べる。
 花やしきで遊ぶ。
 晩御飯を食べる。
 初めて引っ越してきた日を思い出す。

 勝手に構成を考えてみたんですが、どうでしょう?
 真那の何気ない1日が、フィルム撮影で切り取られています。
 SKE48に在籍していた頃と比べて、さらに透明度が上がったのではないか、と僕は思っています。こんなに朝の光と相性が良いとは。
 また、時々出てくるこちらを見つめる視線の美しさ。接写に耐えうる肌の白さ。
 大矢真那という人の素材の美しさを感じます。

 この写真集を観ていると、とても不思議な気持ちになります。
 何か、少し前に消えてしまった大切な文化というか美しさの在り方を勝手に感じてしまいます。あまり、グラビアや写真集に詳しくはないですが、今の流行りのベクトルとは違う何かを感じます。
 それは、大矢真那という人の物の考え方や言葉を読んでいても思います。今では軽く考えられるようなものや忘れてしまわれそうなことを、雑に扱わずに大事にしているように僕には思えます。
 そういうことを、人は「時代遅れ」というのかも知れません。しかし、真那にはずっと大事にしてい欲しいですし、僕らも時々思い出したい、そう思わせてくれます。
 だからこそ、「フィルム撮影」という、少し懐かしい世界を作って、時代を関係ないものにしたのかもしれません。

 色々と小難しいことを書きましたが、食べる幸せ、笑顔になる幸せを教えてくれる写真集でもあります。
 こんな世の中で、ちょっとほっこりさせてくれたり、ちょっと大事なものを思い出させてくれる、丁寧な写真集だと僕は思っています。
 何か色々なものに流されそうになったとき、変わらないものがあることを思い出させてくれる、懐かしいけれど新しい1冊でした。 
 
 

2020年3月14日土曜日

みんなみんなのために「大矢真那卒業コンサートの思い出」

みんなみんなで





 以前、大矢真那の卒業曲である「永遠のレガシー」について書いた時に、「言葉の人である」ということに少しだけ触れました。
※リンクはこちら!

 真那というと、SKEファンの間では「みんなみんな教」の教祖というキャラ付け(あえてこう書きます)をされて、中には「おれはあくびをしながら、キリスト教徒が正しいことを認める」というシェンケービッチの『クオ・ワァディス』の中に登場する冷ややかな目線で見ていた人もいるかも知れません。
 まあ、「教祖」っていう言い方は、このご時世危険な匂いがしますが、文学の世界では「神」というのは、世界を絶対の目で見通す力を持っていて、たとえば、モームの「月とペンス」。
 「行きづりの読者を、2、3時間のんびりさせるか、旅行の退屈をまぎらしてやるのかのために、著者がどんなに苦心し、どんなつらい経験に耐え、どんな心労を味わったかは、神のみぞ知るのである」

 自分の苦労を神だけは見ていてくれる、分かっていてくれる(もちろん、小説家の孤独も表しています)。こういう、まるで「神」のような信頼を持っているメンバーが大矢真那なんじゃないかな、と僕は思っています。

 よく絵の面白さや子供が大好きな点、何故かメンバーの卒業発表を知らなかった点などが、ピックアップされがちですが、今回は一旦置いて、彼女の卒業コンサートの思い出と言葉の素晴らしさについて、一緒に振り返っていきましょう。

 僕が大矢真那のブログがなんだか気になったのは、たしか、丁度僕がファンになりたての頃で、研究生だった真木子たちが昇格して、奈和ちゃんとなな子が昇格した時のブログでした。
 研究生が「アンダー」としてメディア出演しているメンバーの代わりに踊るというのは大事なことですが、果たしてそれをやりたがっている子がどれぐらい居るか。研究生で与えられたアンダーポジションを半年たっても覚えられていなかった子もいること、その反面、あびるさんやかおたん、えみりんが頑張ってアンダーをしてくれたことが書かれ、劇場が工事で休止される今、1期から6期まで次のスタートラインは同じだ、という内容だったと思います。
 これはメンバーとして言いにくいことを書いてくれたな、と当時、凄く胸が騒ぎました。大分勇気がいったでしょう。それでも、大事にしたいものがあって、それが「SKEらしさ」の一旦を担っていたと僕は思っています。
 
 他にも自分のことを唯一「真那ちゃん」と呼んでくれる矢神久美が卒業発表した時の「何も言えない もう何も聞きたくない」というブログでは、くーみんが居なくなる淋しさをストレートに表現してくれました。また、しーたんが卒業発表して卒業するまでの「うちら公演は好き だけど…」の後を書かないブログや「今のSKE48はどう見えていますか」、「紅白歌合戦でしたが、昨年との違いがありました」と常に問題提起をしてきました。なかなか、外に出しづらいこと、運営からしたら言わなくても良いことも、書いてくれました。それは厳しく映るかも知れませんが、僕はグループに対して、誠実だと思っていました。

 決して運営に推される側ではなかった、というのが僕から見た彼女のポジションですが、それでも恐れずに「おかしいと思ったことはきちんと書く」「考えなければいけないことは考える」という彼女の姿勢は、彼女が持っている育ちの良さから来るのかも知れません。
 アイドル人生の後半で、自他共に認めるオフロード人生を送ってきたかおたんこと、松村香織と意気投合できたのも、上記のことや、人を大切にするところが似ていたからかも知れません。

 さて、前置きが長くなりましたが、2017年9月24日。
 愛知県の日本ガイシホールで行われました。
 この頃の僕は、まだ推しメンが現役で活動していた頃で、少しでも良い席あたれええ!と念じていましたが、2階のスタンド席でした。まあ、肉眼でぎりぎりメンバーの顔が見えるかな、というぐらいの位置でした。
 
 真那ファンの皆さんが自作のチラシを作って「オレンジのサイリウムで真那を送り出してあげよう」的な内容でしてね。
 僕の第一印象は、「はぁ?」でした。
 いや、名古屋ドームのオレンジ1色は分かる。グループにとっての特別な日でしたしね。でも、なんでこのコンサートの開幕からオレンジなんだよ、と重箱の隅をつつくようなことを思いましたが、いやいや、待て待てと。
 真那の夢は何だったか?
 名古屋ドームに辿り着くことだったじゃないですか。
 本当はもう一度、名古屋ドームでのオレンジの景色を見せてあげたかった。でも、卒業までに間に合わなかった。だから、せめて開幕で。そんな想いがあったんじゃないか?
 僕がアスランだったら、斜に構える、略して「ハスる」自分が恥ずかしくなりましてね。
 ううっ、僕が浅はかでした。ごめんなさい、と思いながら僕はサイリウムの色をオレンジにしながら開幕を待ちました。
 やがて、始まった卒業コンサート。
 1曲目の「恋を語る詩人になれなくて」のジャンプから、今日は良いコンサートになるぞお、と期待感マシマシでした。
 3曲目の「意外にマンゴー」でのゆななとのダブルセンターが観られたのも嬉しかったんですが、久しぶりに「女の子の第六感」や「明日のためにキスを」が観られたのが嬉しかったです。ストレートにやったら、本家の秋元才加を超えることは難しいのを舞台監督さんに言われて、自分なりに解釈したことを思い出します。
 個人的には「万華鏡」で、中西優香のことを思い出して、何故か、しんみりしてしまいました。真那会で唄った「だって雨じゃない」でのサプライズも良かったですね。

 僕がこのコンサートで一番印象に残っているのは、選挙曲のブロックです。
 「なんてボヘミアン」や「愛の意味を考えてみた」、「抱きしめちゃいけないんだ」という過去の名曲たちが蘇ってきて、一番テンションが上がったブロックでした。
 個人的には一番好きな「だらしない愛し方」が入ってなかったのが残念でした。
 でもね、総選挙に投票してくれたファンのために、ランクイン曲を選曲するところが、彼女の誠実なところだなあ、と思いましてね。
 彼女が選挙の度に叫ぶ「ありがとーございましたー!」は、生で3回ほど聴きましたが、本当に会場の一番上まで聞こえるんですよね(なぜなら、僕は日産スタジアムの1番上に居た)。真那ファンの皆さんは、毎回、どんな気持ちで聞いていたんでしょう。悔しい時もあれば嬉しい時もあったのかも知れません。僕は2回目のランクインの時が印象に残っています。

 やがて、本編最後の曲、「神々の領域」になります。
 この曲は1期生だけの曲。
 しかし、もう珠理奈と真那しかいません。
 曲の途中で真那はいなくなります。
 この時の珠理奈の痛みを堪えるように踊る姿が、今見ても辛いんですが、同時にドラマも感じてしまいます。
 もちろん、僕は号泣していました。

 アンコール明けは「永遠のレガシー」。
 青と白にガイシホールが染まります。
 この曲は聴く度に、残していく若者たち、そして珠理奈へのメッセージのように僕は聞こえます。秋元先生から見た真那像なのかな、とも思います。
 「未来とは?」を挟んで、伝説の「やりきったことはありません」。
 いやあ、力が抜けましたよ。
 ピンと張りつめた空気を柔らかくしてくれるのも彼女らしいな、と思いましてね。
 最後の「大好き」の後のこじはるからのメッセージのサプライズ。

 客席を本当は周りたかったけれど、時間が…となりそうでしたが、なんとかOKが出て、ぐるりと会場を歩いていく真那。そういえば、この日、午後からじゃんけん大会があったんですよね。発表された時は、「なんでだよ!」と「SKEBINGO!」の時の西くんみたいな怒りを感じましたが、日帰り組もいましたしね。

 最後には「となりのトトロ」に乗せて、これまでの爆笑シーン集が流れました。
 もう、本当にこの人は「みんなみんな」のことを考えて卒業していったんだなあ、と考えながらガイシホールを後にしました。
 こんなに笑った卒業公演はあったでしょうか。
 それから、また一人、伝説がこの会場で行ってしまったとも。
 2012年に卒業した3人、旅立ち卒業組、宮澤佐江、大矢真那。
 そして、今年、この会場で松井珠理奈が卒業します。
 
 きっと真那は、来てくれるんじゃないか、と勝手に思っています。
 あの頃と変わらない笑顔で、珠理奈も、メンバーたちも、僕たちも笑顔にしてくれるんじゃないか、と思っています。

 あの日のことを思い出すと、何故か笑顔になります。

2020年2月6日木曜日

手紙のこと①

手紙のこと

 
 気づけば、このブログの記事も500を超えてしまいました。
 このブログを始めたきっかけは、SKE48の名曲や素晴らしい映像たちをもっとじっくり考えたり、知ってもらいたい、というところからスタートしました。
 ブログを書きながら、他のグループの名曲も触りたくなったり、自分が好きな映画や本について紹介したりと色々なことを書いてきました。
 でも、ふと原点に立ち返った時に、自分がSKE48の曲で、一番好きなものって何だろう、と考えましてね。映像込みだと「前のめり」がぶっちぎりで好きなんですが、曲単体だと「石榴の実は憂鬱が何粒詰まっている?」かなと思ってたんですね。
 これを48グループまで拡大するなら「10クローネとパン」「だらしない愛し方」なんかも入ってくるんですが、ふと、何か忘れていないかな、と考えた時に、「手紙のこと」を忘れていたな、と思いましてね。

 楽曲は公式動画の方に無いんで、各自で探してくんなんし。
 まず、この曲、歌詞が素晴らしい。
 主人公が「君」に対して手紙を書いているところから始まるんですが、語りかけるように手紙を書いてるんですよね。なかなか「好き」というメッセージが書けずに、最終的には出せずに終わってしまうんですが、こんなに片思いの相手のことを思う気持ちを歌詞に出来るのがうまいのか、と秋元康の作詞力にうなった1曲です。
 なかでも「君のことを考えるのが一番楽しい時間だから」という部分が、凄く良いんですよね。なんで好きなのか、ということが伝わってきます。
 また、曲の途中にメンバーが、メッセージを言うんですが、日によって違うんですよね。僕はいつかの公演で玲奈が泣きながら読んでいた時が印象に残っています。
 そして、玲奈の卒業コンサートでの珠理奈と真那の手紙。ダブル松井として時には競い合い、時には支え合った珠理奈と玲奈。最後に伝えられた玲奈への思い。
 真那の手紙では、彼女から見た、松井玲奈像が興味深くてですね。玲奈は外の世界を意識していたことが語られています。
 玲奈からの手紙もメンバーたちにこれからの希望を感じさせてくれるもので、凄く良いんですよね。
 もし、珠理奈の卒業コンサートが来た時には、是非「手紙のこと」を歌って欲しいなと密かに思っています。出来たら、玲奈と真那からの手紙があったら、なお嬉しいななんて思ったり。





 それにしても、公演でこの曲を披露した後にもらえる手紙が欲しかったなあ。

 僕は、今、手紙を書きたいメンバーは、まだいません。

 魅力的な曲たちに手紙の代わりにブログを書いていきたいなあ、とこの曲を聴きながら、しみじみ思いました。 

※「10クローネとパン」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2018/11/blog-post_30.html

※「だらしない愛し方」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/01/blog-post_10.html
 

2019年12月29日日曜日

となりのトトロ

拡張されていく名曲


 皆さん、自分の好きな曲がカバーされたりとかアレンジされたりとかするのって好きですかね?
 僕は「新世紀エヴァンゲリオン」世代ですんで、毎週、「FRY ME TO THE MOON」が色々なバージョンに変わっていくのが好きでしてね。特に第17話のアレンジが好きなんですがね。あとは、ピロウズのの「Black sheep」のライブアレンジとか、氷室京介のソロになってからの「クラウディハート」とかね。
 名曲であればあるほど、様々なアレンジやカバーが楽しめるわけですよ。

 さて、今回紹介するのは、「となりのトトロ」のエンディングテーマ「となりのトトロ」です。
 いやあ、今、聴いても良い曲ですね。
 



 
 未だにちびっ子たちが歌っている素晴らしい名曲です。
 僕も子供の頃、歌った記憶があります。
 さて、この曲をもし、SKE48のメンバーが歌ったら。
 何を馬鹿なことを思う方もいらっしゃるかもしれませんが、あったんです。
 2014年10月25日に。

 当時、握手会ではカラオケコーナーがあったんですね。
 この時に、我らが大矢真那さんが、この曲をリクエストして歌ってくださったんですが、バックダンサーに松井珠理奈、木本花音、山田みずほ、北川綾巴、東李苑という豪華メンバー。さらに撮影係にかおたんこと松村香織という、今考えると、超豪華なんですね。個人的には、この時の珠理奈の真理のコスプレが凄い似合ってて好きなんですよね。

 Googleプラスがなくなった今、どうやって観ようかな、と思ってたんですが、youtubeの方にファンの方々がいくつか残してらっしゃったので、貼っておきますよ。
 この迫力を感じてください。



 
 ね、凄かったでしょ?
 「となりのトトロ」ってこんな風にも楽しめるんだ、と初めて観た時の僕は思いました。ヲタクあるあるですが、たまに全然関係ない曲にミックスを打ちたくなる時があります、皆さんはないですかね。
 このカラオケのせいで、僕自身も会社の飲み会のカラオケに行くと、「トトロ」を自分のコール付きで歌いたくなってしまう、という謎の奇病にかかりました。

 大矢真那というイノセンスな女性の魅力はこの2年後のソロコンサートでの「おかあさんといっしょ」的なコーナーでより具体的に爆発することになります。

 でも、衝撃度で言えば、この時が僕は一番でした。
 アイドルのコンサートに居ながら、何故か童心に帰ったかのような懐かしい気持ちにさせられる不思議な時間。観ながら皆さんも一緒に唄っていませんでしたか?
 彼女のイノセンスな部分を少しだけ分けてもらったような、感じがしました。だって、この動画に出てくる人、誰も怒ってないでしょ。みんな子供に戻ったみたいな笑顔で笑っている。
 いつかまた、彼女が作る柔らかい時間に触れたいなと思います。
 

2019年11月6日水曜日

永遠のレガシー①

大矢真那というレガシー


 「浮世離れ」という言葉がありますが、僕は、大矢真那さんを見る度にこの言葉を思い出すんですね。凄くフワフワした感じがするというか、よくSKE48のマッドマックスかおたんと仲良くなったな、と思うんですがね。
 僕が彼女の魅力的な要素として、「言葉」があると思うんですね。
 彼女がブログに残していった言葉の数々、それは時として、SKE48の指針になる時もあれば、ファンの声を代弁してくれる時もあり、今のSKE48がファンの目にはどう映っているのかを問うような内容の時もありました。

 そして、珠理奈の保護者的なポジションでもあり、要所要所で珠理奈を支えてくれたことも印象的です。2018年の総選挙の舞台裏で、珠理奈の控室に彼女が来たときの、珠理奈のリラックスした顔を見ると、ああ、やっぱり心を許せる大事な存在なんだな、と感じました。

 さて、そんな彼女の卒業曲が「永遠のレガシー」です。
 まずは、聴いてみましょう。



 うーむ、もう観てるだけで、これまでの大矢真那の歴史を感じる素晴らしいMVですね。個人的には、メイキングの方が画質が良い気がするんですがね。
 劇場、レッスン場、羽豆岬、名古屋ドーム、大須、そして劇場と戻ってきて、最後は珠理奈からお花をもらうという構成になっているんですが、羽豆岬のところの綺麗なお嬢様感が凄く良いですね。こんな品性を感じるメンバーなかなかいないですよ。

 歌詞の世界を見ていくと、先が見えない未来へ進んでいく曲の主人公と、残されていく者たちへのメッセージが描かれています。自分が抜けても新しい夢がきっとそこに芽生えていく埋まっていくというのは、どこか新しい期への期待も感じられます。

 この曲を生で聴いたのは、大矢真那卒業コンサートの時なんですが、どうしても、1曲前の「神々の領域」が凄く好きで、涙の珠理奈の表情がたまらないんですよね。そして、この曲を挟んだ後の「未来とは?」の再登場もほんわかして良かったんですよね。
 総選挙曲を中心としたユニット曲ブロックも凄く、ファンの方への感謝の念が伝わってきて、良かったです。
 まさなコミュニティの強さは、SKE48ファンだったら、お馴染みだと思います。
 かくいう僕も、2017年の速報で、珠理奈の2位が発表されて、「速報1位は誰だ?」となった時に、僕は「真那が来るんじゃないのか、1年分のチャージをみんなみんなが爆発させたんじゃないのか?」と怯えたものです。
 
 彼女の誠実さ、真面目さとオモシロが融合した独自のキャラクターは、今後も登場しないんじゃないでしょうか?
 舞台「AKB49」での呪いキャラで、かおたんやみなるんからツッコまれるシーンとか最高に好きなんですけどね。

 最後に僕が観たのは映画「アイドル」の特典ディスクですが、また、いつかSKE48のコンサートを観に来て、彼女が残していったチームSの後輩たちや珠理奈の活躍を観に来て欲しいなあ、と思いますよ。



 

2019年1月6日日曜日

だらしない愛し方①

満身創痍の人生


 2017年リリース縛りで48グループでのお気に入り曲を上げるとしたら、皆さんは何を上げますか?

 SKE48だと「意外とマンゴー」がリリースされた年ですね。
 僕の2017年のベスト1は、今回紹介する「だらしない愛し方」なんですね。


 まあ、まずは聴いてみましょうか。
https://youtu.be/xmJ87w-45ik

 なんか、ゲスの極み乙女。の「キラーボール」みたいな曲ですね。
https://youtu.be/Wooi39K0pXg

 ピアノが主旋律になっていたり、早口の朗読のようなものが入っているところが、そう思わせるんですかね。

 今回僕がこの曲を選んだ理由は、このメロディの素晴らしさなんですね。
 普段、音楽の知識ゼロの僕のブログなんですが、なんだろうこのスリリングで聴き心地の良いメロディは。何ていうジャンルか、詳しい人、教えてください。最近だと古畑奈和ちゃんの「本性」とかもそうですかね。

 歌詞の世界も凄くてですね。
 「だらしない愛し方」とは、もっというと、だらしない人生とはどういうものかが見えてきますよ。

包帯をしている あたしの手首は 恋した数だけ印がある
 既に手負いのところから始まるんですが、「101回目のプロポーズ」の武田鉄矢とか、どうなってたんでしょうね。いやあ、もういきなり痛々しい歌詞ですよ。

『昨日、言った言葉を、今日、覚えているとは限らない』
 ええ!「私の頭の中の消しゴム」? 「博士の愛した数式」?でも、こういう人いるなあ。

『気の抜けたコーラは、一度別れた男とのキスみたいな味がする』
 コーラを飲む度にこんなことを思い出すとは。「一度別れた男とのキス」って、二度目の別れがあったんですかね。

『ねえ、喧嘩するなら、高架線の下で電車が通った時にしようよ』
 騒音で声が聞こえないからですかね。なんというアイディア。
 この自分の過去を思わせる名言集(?)の後に「なんて サイテー」と自分で自分の考え方に評価を下しています。

ペラペラ喋り過ぎて 自分のことが嫌いになる
こう見えてあの頃はね 無口だったんだよ
 なんか、この2か所だけ切り取ると演歌の歌詞みたいですが、言い訳じみたこの一言がこの女性の過去で唯一、上品だと思っているところなんでしょうね。なんとも言えない愛しさを僕は感じてしまいます。

だらしない愛し方で 自分を傷つけた どうでもいいプライドのせいで…
 自分が傷つくような愛し方、しかもプライドを守るためのもの。

だらしない愛し方で 今でも生きている 後悔なんて無縁でごめん
 だらしないと分かってるんですが、ノー反省!なんですね。

 2番もさらにこの女性のつぶやきが続きます。
『いつか見た夢の続きは、もう打ちきりらしいし…』
 夢が打ち切りになることってことは、年齢的なものなのか、身体的なものなかは分かりません。

『べッドに寝転がった時に見える 天井の模様に何か意味があるのかな』
 ここ、かおたんが喋ってるんですが、社会人時代の僕は、「そんなもん意味ないぞ」と言っていましたが、会社を辞めて、超暇になると同じことを考え始めたんですね。もしや、この女性も普段は超暇なんじゃ…。

『そう 土砂降りの雨にずぶ濡れになる機会を待っているんだ』
 これって、もう傘も持ってないぐらいみじめな状態ですかね。更にいうなら惨めになる機会を待っているとも考えられます。

世の中 面倒だから 他人のことは無視しようか いつだって自分勝手 死んだっていいんだ
 もう完全に人生を投げてる人間の発想ですね。更に言うならば、究極の逃げでもあります。

だらしない別れ方で 誰かがあきれてる 思いつきの感情のせいで…
 1番のサビが愛し方だったのに対して、2番では別れ方になっています。
 愛した理由は「プライド」だったのに対して、2番で別れた理由は「思いつきの感情」なんですね。
 「閃いた!別れよう!」みたいな感じではなくて、どちらかというと、享楽的な発想なのかも知れません。後先を考えてないというかね。

情けない悔やみ方で 生涯 負け犬だ それでも愛に舌打ちしてる
 1番では「後悔なんて無縁」って言ってた人がばっちり悔やんでるわけです。
 名言集でも昨日の言葉を覚えているとは限らないと言ってるような人ですしね。
「生涯 負け犬だ」って、なかなか言えないですよ。
「愛に舌打ち」というのは、人間である限りどこまでも付いてくる「愛」のせいで苦しんでいるからなんでしょうね。

 最後の大サビはラストだけ少し変わります。
だらしない忘れ方で 余計に落ちて行く 満身創痍もあたしの人生
 最後は「忘れ方」なんですね。何を忘れていくのか、自分の愛した男たちかと思ったんですが、彼女の身体に傷として残っていることが一番最初に明かされてますよね。そうなると、自分の失敗なんでしょうか。それとも、そもそも全部虚言なのか。

 どちらにせよ、ボロボロな女性の人生
 すべて「だらしない」ことをしているからなんですが、それをそのまま語ることで、「良いと感じるか悪いと感じるかはあなた次第、私は無視するけどね。だって人生だけは私のものだから」そんな感じがして。だらしない暮らし方で、誰かが呆れてる僕には、何か仲間が居たというか、正さないし罰さない感じが好きですよ。

 さて、MVを観て行くと、なかなか濃いメンバーが揃ってましてね。
 SKE48からは、かおたん、まさな、みなるんが入っていますよ。
 みんなメイクと衣装を合わせてるんですね。

 ロケ地は、「HIGH & LOW2」で雨宮兄弟と源治が闘ってた駐車場ですかね(違う)。

 詳しくは分からないんですが、天から降ってきている人と落ちている人がいましてね。
しかも曲の最後の方で消えてしまうんですよ。遠くから踊ってる体育館みたいなとこを見ているんですね。

 天から降りてきた少女たちは、ひょっとして、もう死んでる?
 そうなると、歌詞も違った意味を持ってくることになりますが、MVとの関連性がはっきりしないので、ここまででとどめておきたいと思います。
 このMVのセンターは、峯岸さんの当たり役の一つではないでしょうか。

 この曲、もうオリメンも卒業生が何名か出ているので、是非、SKE48の大人メンバーでミッドナイト公演とかでやって欲しいんですよね。ミッドナイト公演は、エロチシズムだけではないと思うので。
 ちなみに難波では、まおきゅんこと三田麻央がセンターでやったみたいですね。
 SKE48だとかおたん、みなるん、らんらん、だーそーとかで観たいですね。
 8期の大人メンでも面白いかもしれません。
 良曲なので、また聴きたい1曲です。