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2018年12月5日水曜日

完璧ぐーのね①

混沌と混乱と狂熱が俺と一緒に行く


 価値観がひっくり返る時があります。
 たとえば、SKEのメンバーを観る時の価値観。
 握手至上主義の人もいれば、選挙至上主義の人もいると思います。いやいや、公演でしょ、という人もいれば、外仕事のはね方でしょ、という人もいます。まあ、いずれの主義にせよ、メンバーに対して心無い言葉を吐く連中は心の底から軽蔑しますが。

 で、もう少し大きく見ましょう。
 「パフォーマンスのSKE48、全力のSKE48」という一つの主義があったわけです。その陰で、「面白いSKE48、多様性のSKE48」という主義もあったわけです。

 いや、どこのグループにもそんな要素あるでしょって、思われたかもしれませんが、松村香織が他のグループにいますか?内山命が他のグループにいますか?もちろん、SKEには、峯岸みなみもいませんし、大家志津香もいません。三田麻央もいませんし、木下百花もいませんでした。例を挙げていったら、きりがないんですが、いったん、SKE48の中で考えていきたいんです。


 「パフォーマンスのSKE48、全力のSKE48」というのは、牧野アンナイズムを受け継ぐ、1期生たちから連綿と気づかれてきたイズムです。これを全面に感じるのは松井珠理奈でしょう。「面白いSKE48、多様性のSKE48」これを全面に感じるのは松村香織でしょう。で、SKE48の面白いところは、この両面を持っているメンバーが多いことです。僕の勝手なカテゴライズだと真木子とか、だーすーとか、ぴよすとかね。


 この二つのイズムが図らずしもぶつかったのが「SKE48 ユニット対抗戦」の決勝なんですね。

 まあ、ちょいと映像を観てみましょう。大矢真那卒業コンサートとセットなので、衝撃的なMCから始まりますが。
https://youtu.be/qq0epgblLOw

 なんか、ユニットコンの最初の方でピンク色の人たちが出てきたでしょ。
 そう、あれがストロベリーパンチ。
何を歌っていたかというと、渡り廊下走り隊という渡辺麻友がいたあのユニットですよ。原曲を張っておきますね。
完璧ぐーのね

※ ついでに僕の大好きな「戦国鍋テレビ」の「松の廊下走り隊7」も張っておきますね。前の会社でこれの曲のサビと「敦盛2011」めちゃくちゃ歌ってたなあ(しみじみ)。
https://youtu.be/IYXDbx1xKWU

 話を戻すと、このストロベリーパンチ、あえてアイドルの両面を見せていくというスタイルで爆笑をかっさらっていくわけです。表ではぶりっ子前回なんですが、バックステージでは、ほぼオッサンというギャップ。

 ライブビューイングで観ていた僕は「いったい。今。何を見せられているんだ…」という未体験ゾーンのユニットだったんですね。ここまでやるかという。とにかく、何か新しい何かを見せられている気がしましてね。「ここで一発」とか「恋よりもDREAM」を遥かに超える面白い演出だったわけです。
 そのストロベリーパンチの対面に立つのが、松井珠理奈率いる「IDOL NO OWARI」。メンバーのどんちゃんのヲタヲタしさ。ゆまなのクリエイティビティ。そして、卒業間近のりさ子と花音のドラマを含めて、素晴らしいパーフォーマンス力に溢れたユニットだったわけです。
 僕は決勝時に「あっ、こりゃなんだかんだあったけど、珠理奈のユニット勝つな」と思っていたわけです。それがこれまでのSKE48の流れというか価値観だと思っていたわけですね。
 審査員投票は「2対2」という結果に、最後は観客の1票が決めることになってしまったんですが、なんと選ばれたのは、ストロベリーパンチ!!
 喜ぶみこってぃと優月。崩れ落ちる珠理奈。
 何かが始まった瞬間でした。
 ああ、こっちもありなんだな、という感じでした。
 少しの寂しさも感じましたが、新しいSKEの価値観が確立されました
 特にみこってぃは、それまでMC力や公演のパフォーマンスこそ評価されていたものの、総選挙は圏外、握手の部数は少なめという状況でした。ところが、その価値観だけじゃないぞ、まだまだアイドルには楽しみがあるぞ、というのを見せつける勝利でした。

 その翌年、みこってぃは見事に総選挙にランクイン。
 10年の努力がまた一つ形になった選挙でした。


 この二つのイズムのぶつかり合いは、翌年の春のガイシコンサートで、「王道対邪道」、「伝統と革新」と形を変えて、MCで語られます。
※このMCの少し前にかおたん、谷、ぴよす、わんちゃんという、制御不能のメンバーで「アイドルなんて呼ばないで」が行われています。

珠理奈「『アイドルなんて呼ばないで』がすごい良かったなと思ったんですよ、かおたんたちの。でも、なんかやっぱ、面白さってよりは、やっぱりちゃんと王道で可愛くやってほしかったなあ、という気持ちもあって(以下略)」

だーすー「ああいうメンバーがやるからこそ、面白くていいじゃないですかね」

真木子「普通じゃつまんないですもんね」

珠理奈「でもさ、だってさ、やっぱ。先輩方が作ってきた伝統を受け継いで、ちゃんと歌うのが、正しくない?」

だーすー「でも、王道だけが人気でるとは限んないじゃないですか?」

だーそー「でも、王道アイドル皆さん、好きですよねー?」

観客の声援

真木子「言ってやれ、須田ちゃん」

だーすー「私のこと、さんざん王道じゃないって言ったの誰だよ!(以下略)」

真木子「ってことで、面白いだけじゃ、つまんないんですよ、珠理奈さん」

珠理奈「面白いことばっかりやってもだめでしょ、真面目にやんないと!」

真木子「ずっとずっと思ってきたんですけど、やっぱり面白みもやっぱりそうだけど、やっぱ今なんで、昔の考えは古いと思うんですよね」

珠理奈「じゃあ、辞めろってこと?

で、ここでちゅりが止めに入って、曲で勝負だあ!ダンスバトルになるんですが(隣のみなるんの泳ぎっぷりが凄い)、どこまでアドリブでどこまでブックか分かりませんが、凄まじい緊張感が走りました。
「珠理奈さーん、そんなに伝統、伝統っていうなら、私たちが見せてやりますよ」

「真木子、進化するSKE48を私たちが見せてあげる」

 それぞれの曲前の煽りもプロレスファンとしては最高!
 結局、二人はダンスで気持ちをぶつけ合って、MCに入ります。

真木子「珠理奈さん、まだまだ勝負したりないんで、まだまだSKEに居てください」

珠理奈「あー!泣けばいいですか?(泣きそうになり、後ろを向く) 泣いていいですか?あー!」

ちゅり「まだまだSKEにあなたは必要なんですよ」

珠理奈「もう、心が痛かった。もう、これやりたくない!」

だーすー「最近のSKEって、すごい仲いいじゃないですか?なんか、だからこそ、こういう刺激、ちょっと欲しかった。王道っていわれている人たちがいるからこそ、邪道だっていわれる組だってなにくそって思って頑張れるし、本当にどっちもいなくちゃいけなくて、感謝してます

 もう、この時の安心した珠理奈が可愛くてねえ(しみじみ)。
 この時のだーすーのコメントが全てだと思いますが、ストロベリーパンチって、邪道な見せ方で王道を見せてるから面白いのかな、と思います。今年観た映画だと「カメラを止めるな!」と構造がどこか似ている気もします。

 で、やっぱり内部が充実している今だからこそ、出来るわけです。
 なんとなく、今の新日本プロレスとも被って見えますね。
 様ざまなスタイルが混ざり合いながら、更なる進化を目指して、これからも突き進んで欲しいです。
※なんか真面目な感じになりましたから、僕はゴジラ・ガメラならぶっちぎりで「ガメラ3派」ということだけ書いておきましょう。ついでにタイトルは、ザ・ハイロウズの「青春」の歌詞です。