ネクストポジションから中心へ
「次世代」とか「ネクストブレイク」とか、便利な言葉がありましてね。
期待の若手とか、選抜まであと一歩というメンバーに使うことが多いんですよね。
今回、考えていきたいと思う、「窓際LOVER」という曲のメンバーがネクストポジションという名前で選抜されたことは、運営の期待の裏返しとも取れます。ただ、悪い見方をしたら「1.5軍」とか「2軍」いうレッテルにもなりかねないんですね。更に言えば、これに選ばれなかったメンバー一人一人に、選抜漏れの説明はあるのか?とかね。読まれている方は段々とお察しになられたかも知れませんが、発表時はあんまり紅條は乗り気じゃなかったんですね。選抜されたメンバーは、野口由芽、松本慈子、荒井優希、北野瑠華、市野成美、鎌田菜月、高寺沙菜、福士奈央の7人。6Ⅾ1の中に5期生のなるちゃんが混じってる感じですね。
長々と前置きを書きましたが、まずは曲を聴いてみましょう。
https://youtu.be/ec89pAPAqfU
うーん、素敵なメロディー。
まずは、歌詞の世界を見ていきましょう。
「カーテンが風に揺れて青空が物欲しげに見える」
秋元先生の歌詞では珍しく風景描写からの擬人法という流れですね。
「午後から古文の授業は 眠くなってしまうよ あさきゆめみし」
よく「古墳の授業」と間違われてましたね。
「あさきゆめみし」は「いろは歌」の中に出てきますね。
「浅い夢を見た」という解釈で行きますよ。調べたら色んな説がありましたが。
「君のことが気になるんだ(斜め前のその制服) 振り向いてくれたら もう少し頑張れるのに… 願ってみる」
はあ、共学行きたかったなあ。
まあ、そんなどうでもいい紅條の呟きは置いておいて、さっきの「あさきゆめみし」の内容が君が振り向いてくれることなのが分かってきます。
「教室の片隅で恋をしてる そばにいても遠くの人」
うーん、切ない。
物理的には近いんだけど、心理的には遠い。
「マツムラブ!」の1番みたい。
「ゆっくりと過ぎて行くハートの針 変わらないこの距離に切なくなる もどかしい窓際LOVER」
「ハートの針」という二人の時間はなかなか進んでくれない。だから「変わらないこの距離」なんですね。そして、やっと「窓際」という言葉が出てきます。「教室の片隅」という目立たない場所から恋をしてるよ、ということですかね。
「校庭で鳴いてるのか? 一匹の迷いこんだ犬よ」
「ラムネの飲み方」公演の「校庭の子犬」を連想しますね。
「退屈しのぎにノートに 想像をして描いた いとらうたし」
今度は枕草子ですね。
「うつくしきもの」のところに出てくる表現で「とても可愛らしい」とか「とても愛おしい」という意味になります。
「君はずっと前向いてる(ここに咲いた可憐な花)」
「可憐な花」とか僕の教室にはなかったぞ。
でも、やっぱり「君」の方は前しか向かねえなわけですね。
「長い髪落ちると 右耳にかきあげながら… 何思う?」
自分が思ってることを相手は気づいているのか、相手は何を考えているのか。
相手の女の子は古典に出てきそうな長い髪の子なんですね。
「この胸はあの日からざわめいてる 叶わないとわかってても…」
「あの日」に何があったのか、気になりますね。恋心が生まれた日なのか、何か良いことがあったのか。ただ、「叶わない」とあるので、何か事情があるんですかね。
「吐き出したため息は心の風」
自分の心情は言葉に出来ないから、ため息にするしかないわけです。
「愛しさがさりげなく届けばいい つかの間の窓際LOVER」
自分の出したため息が「風」として、相手に届けばいいというのが控えめで良いですね。
最後に大サビとして、1番のサビが来て終わります。
この歌詞の素晴らしいところとしては、「時間」だと思うんですね。
午後の古文の授業という短い間の束の間に考えたことなんですが、相手のことを愛しく思う気持ちは、授業で習っている古典の時代から変わらない。
古典の時代から物凄く長い時間が経った現代でも人間の心情は変わらないわけです。
そして、もう一つは、これだけ悶々としてても、二人の距離はゆっくりしか進まない「ハートの針」という時間。
この二つの時間が歌詞の中で表現されている。
そこが素晴らしくてですね。
多分、こいつ、映画「アイアム・ア・ヒーロー」のロッカーのシーンみたいに想像しまくってるんだろうなあ、としみじみ思いましてね。授業聞けやって話ですけどね。皆さんもこういう妄想したことないですかね。紅條は普段、自分が映画「新感染」の乗客だったら、どんな手段であのバス会社のおっさんを処刑するか、とかを考えてますがね。
アホな話にそれてしまいましたが、この曲、曲中の君が「選抜」のメタファーに見えてきましてね。近くにはいる。だけど、まだ自分の方を向いていない。そんな「ネクストポジション」のもどかしさを想像させる内容になってましてね。まだ手にしていないからこそ、様々な想像もするわけです。いったいどうなるんだろうと。深読みし過ぎかもしれませんが、皆さんの意見も聞きたいですね。
曲も良くてですね。
紅條はAメロからBメロが好きですよ。てか、サビ以外、全部好きという珍しい曲です。
さて、次はMVを観てみましょう。
皆さん、MVを再生しつつ、この文章を読んでみてください。
ネクストポジションの皆さんは、白いワンピースで埼玉県三郷市にある「におどろ公演」で楽しく歌って踊ってますよ。
なんか、「花火は終わらない」にも似合いそうな。
瑠華の提案で競争をすることになります。
いや、みんなの顔!
置いていかれる瑠華。
今度はかくれんぼですね。慈子が探す人です。最初は「慈子が鬼です」と書いたんですが、グーグル翻訳にかけたら、とんでもない翻訳になったんでね。
楽しそうに隠れるメンバー。
発煙筒と森とメンバー。
サビではみんなで唄いますよ。
2番はみんなでお絵かきだ!
どんちゃんの犬が可愛い!
そして、何故か挑発的な鎌田さん。
なるちゃんに石をあてるアルパカさん。
いったい何をしてるんだ。サノス?
髪をかきあげるをやってくれる瑠華。
楽しそうなサビの後は、シャボン玉だ!
大サビは、映画「ゲットアウト」みたいな夜の森でダンス!
個人的には、シャボン玉を吹きながら歩く、夕暮れが好きでしてね。
ただ、この演出が良くてですね。
教室の片隅で想像している「あさきゆめみし」が表現されてて素敵だなと思うMVですよ。
この曲の発表からもうすぐ3年近くの月日が経った2019年1月21日現在。
なるちゃんとゆめちとさーなんは卒業。
アルパカさんとるか、鎌田さんは選抜入り。
慈子とどんちゃんは、各チームの重要な存在に。
気づけば、「ネクストポジション」から離れているメンバーもいます。
このメンバーと言えば、これ、という強みを活かしつつ、各方面で活躍しています。
「ネクストポジション」入れ替え制もファンの方からも提案が出てましたが、それも今のメンバーの活躍を考えていけば、良いかもしれませんね。
6Ⅾ1が伝説を塗り替えられるか、確実に2年前から見る目が変わった紅條も期待してみていますよ。
(「金の愛 銀の愛」収録「窓際LOVER」から引用)