ある日、気付くもの
12月12日に発売のSKE48の24枚目のシングル「Stand by you」ですが、松井珠理奈の休養明けのセンター曲になります。珠理奈がいない間、SKE48を守ってきたメンバーたちが、珠理奈を迎えるという何とも心温まるMVになっています。まずは、観てみましょう。
いやあ、なんとも素敵なMVですね。
歌詞の世界を見ていくと、まず1番で曲の主人公は、何回も通っている「道端の花」の美しさに気づき、はっとします。
自分自身はいつもと変わらないのに、そこで立ち止まる。気づいたきっかけは「季節のせいなのか」と言っていますが、何がきかっけなのかは分からないですね。時間の経過とも読み取れますしね。
サビでは日常で気づいた花の美しさと恋人を重ねてるんですね。
2番では、「いつも見る景色に紛れていた 近すぎる愛しさを見落としてる」と、一番での発見とつながるような内容になっています。
ただ、道端の花という「いつも見る景色」に加えて、「愛しさ」という恋愛の要素が2番からは混じります。よりはっきりして行っているわけですね。
2番もサビ前に「そういうタイミングか」と気づいたことを書いてますが、「直前に真っ白なマフラー」とあるので、冬がそのタイミングだったんでしょうね。1番の「季節」がはっきりしてくるわけです。
2番のサビでは、少しずつ愛が形になっていつか気づくということにが歌われています。だんだん、この曲のテーマが見えてきます。
さて、大サビ前の歌詞に注目してみましょう。
ここで「何があっても 心配しなくていいんだ 君は一人じゃない」という、急に「君」を励ます内容が出てきます。自分の愛しさに気づいて、「君」の傍にいるという大サビに続きます。
この大サビ前を聴くことで、「恋人はそばにいる」というのは、自分のことでもあると読めるわけです。
曲自体も公演前でイントロが流れてますが、とてもウキウキするメロディーでして。CDのoff vocalの方もお部屋のBGMとしてとても素敵です。「ヘイヘイヘイ」という威勢の良い寿司屋みたいな声もいいですね。
さて、MVの世界を観ていくと、完全にミュージカル風ですね。
珠理奈がメンバーをどんどん笑顔にしていきます。
メンバーそれぞれ、部活の設定があるようで、誰が何部かを考えるのも面白いですね。
TSUTAYAで配られてたフリーペーパーを読むと、鎌田さんは、吹奏楽と将棋部の掛け持ち、江籠さんも将棋部で、バスケも無理やり入れられてるみたいですね。紅條的には、りょうはたんが一体何部なのかが気になって仕方ないです。
机の上でダンスするのも、非日常感があって最高ですね。風船を持って、ジャンプするのも、現実からの飛躍という感じがします。
さて、ちょっと気になるのが、最初と最後なんですね。
最初は珠理奈がヘッドフォンをしていて、最後はヘッドフォンを外しているんですね。
これはなんでかな、と考えていたんです。まず、考えられるのは「遮断」。耳を塞いでいることで、一つじ情報が入らなくなるので、周りのことに気が付かない。外すことで気が付く。また、現実とリンクさせて、アンチの声を遮断というのも考えたんですが、なんか、その後のメンバーが楽しく踊り出す動きと合わないんですね。
で、曲のMVのテーマが「ミュージカル」というのは、分かっている。夢オチかと思いましたが、目は開いている。じゃあ、何なのか。
ヘッドフォンを外すとどうなりますか?
音が漏れません?
つまり、音楽が内から外へ広がることで、みんなの踊りが始まるというミュージカル映画の文法に沿って進んでいるんじゃないでしょうか。これは、僕なりの答えなので、何か有力な情報があったら、誰か教えて!
何気に周りのメンバーのポーズも違うんですね。このだーすー頼もしいなあ。
まあ、まだまだ考えがいのありそうな曲です。
一番のお気に入りショットは、メンバーが珠理奈に手を差し出すところです。
前のめりの時と比べて、振り返った時に、誰かがいるこの喜び。
ちなみに僕は、前のめりの悲しい別れ感も大好きです。
11年目、果たして珠理奈はどんな姿を見せてくれるのか、これからもメンバーと支え合いながら、頑張って欲しいです。
珠理奈がいない夏と秋、SKE48は進み続けました。
ただ、どうしても、物足りないわけです。
「センチメンタルトレイン」のMVで珠理奈だけいないことで、珠理奈の存在感がより浮き彫りになるというかね。
僕も久しぶりに感じたんですね。
「あっ、やっぱ珠理奈のこと好きなんだな」と。
珠理奈推しではないんですが、要所要所でSKE48の物語を描いている人なんで、やっぱり彼女なしでは、SKE48は語れないんですね。
で、いつ帰ってくるのか、帰ってくるのか、とその日を待っていたんですが、リクアワでの復活。たまらなかったですね。当日、サイリウムを忘れて、腕をただ振り続けるという格闘ゲームの背景キャラみたいな動きを繰り返していた僕も、この時は、来て良かったと思ったもんです。彼女がかえってきたことは、やっぱり嬉しかったですね。
この曲のリリースも12月と奇しくも「そういうタイミング」です。
ずっと傍にいたけど、気付けなかった珠理奈の存在を考えさせられる1曲になりました。