想像の時間軸のゆらめき
昨日、STU48の5枚目のシングル「思い出せる恋をしよう」がリリースされました。今回も瀬戸内の素敵な景色が舞台のMVになっているので、ちょっと観てみましょう。
ううむ、素敵なMVでしたね。
特に最後の映像が素敵。
早速、歌詞の世界から見ていきましょう。
まずは、イントロ。
いきなり、時間が経過して「君」と離れている自分を想像するところから、歌詞の世界が始まります。
1番のAメロでは、臆病な主人公の性格が表されます。
遠くから眺めているだけでいいというSKE48の「青空片思い」的な視点から、手に入れてしまったら失った時に辛くなるという、わりと未来を怖がりながらみています。
この1番Aメロで注目したいのは、泣きそうな顔をして前髪をおろしている君です。
なんで急に「君」の描写が出てきたのか、しかも前髪?
島崎藤村の「初恋」の冒頭にある詩を僕は連想しました。大人になった女性が前髪を挙げる習慣があったそうです。つまり、まだ、二人とも幼い状態なのかな、とふと考えました。深読みしすぎですかね。
1番Bメロでは、二人の気持ちが通じ合ったことが示されます。この主人公、現在については大丈夫だけど、未来は不安なんですよね。
1番サビでは、思い出せるぐらい良い恋をしたいということを書いています。しかも、世界の終わりという終末が来ても後悔しないように。この恋が思い出した時に微笑むことができる素晴らしい恋になるようにと。
まあ、皆さん、どっちの恋の方が多いですかね。
さて、話を戻して2番のAメロ。
いきなり「あの日」の思い出になります。
向日葵の道を手を繋ぎながら、ゆっくりと歩いた思い出。
幸せな時間が過ぎてしまった経験が一度ある。
そして、2番Bメロでは、未来への不安を感じています。
初恋は続かない「らしい」とまだ、はっきりとは知らない状態なんでしょうか。
2番サビでは、時間軸が「今日」、つまり現在に移ります。
ただ、「今日」という立ち位置から、「何年か後」の未来に自分を置いた時に、まだ想像できないけれど、隣りに「君」がいなくても後悔しないようにと。
そして、「今日」という日の素晴らしさを感じています。
大サビ前では、夢が叶ったはずなのに、もう別れる時の不安を感じている「僕」がいます。そして、大サビでは1番のサビをなぞって、最後に「忘れない」という約束をしたいと願います。
うーむ、歌詞だけを見ていくと、まだ来ていない未来に対しての不安をひしひしと感じていますね。しかもその未来は別れるというネガティブな未来です。でも、その不安な未来を少しでも明るいものにしたい、だから、「現在」を良いものにしよう。未来に自分を置いた時に、思い出せるぐらい素晴らしい「過去」を作ろうと。
いやあ、この曲、視点が過去、現在、未来、と飛び交う為に、「思い出せる恋」がしたいんだな、となりがちなんですが、主人公の豊か過ぎる想像力をとらえていくと、「今」を大切にするというものが浮き彫りになっていきます。特に2020年9月現在、まだまだ世界の未来は見えません。不安になることの方が僕は多いです。だからこそ、思い出せる「恋」もそうなんですが、「毎日」を送りたいな、と思います。毎日は無理でも「思い出せる9月」にしたいな、と。
ちなみに、今日からメンバーカメラバージョンも出てますよ!
メンバーたちの笑顔が素敵。
それにしても甲斐心愛ちゃんって可愛いよね。
もう、今回のMVの私服姿も素敵だし、海辺の風景、学校の教室、色々なところに映えるよね。もう、写真集とか出してほしいよね。
いや、待て、落ち着け。
昨日、兵頭葵さん推しって書いたばっかりだろ!
何、ちゃっかり、甲斐心愛ちゃんが映ってるであろう、通常版のタイプAも買おうとしてるんだ。
このままいくと、こうなるぞ!!
はあはあ、危なかったぜ。
とりあえず、STU48のライブのアーカイブもみよう。
海という場を離れて、「夢」、「未来」といった時間軸における先に指標を置き始めたSTU48のシングルの世界が、次はどんな世界を描く楽しみです。