人気の投稿

2018年12月23日日曜日

To be continued ①



あの話の続きが見たかった


 2010年12月6日。
 SKE48の4期生を中心に初代チームE( 以下梅本チームE )が誕生しました。
 1月16日から「パジャマドライブ公演」がスタートすることになります。
 ただ、ドキュメンタリー映画「アイドルの涙」の木本花音の言葉を借りると「外からも内からも厳しい評価ばっかだった」という状態だったんですね。さらにこの「アイドルの涙」の豪華版にはディレクターズカット映像として、この頃の事情を詳しくメンバーが語っています。特にまいまいこと、竹内舞の「駄目だ、駄目だって言われ過ぎて、その感覚に慣れてしまったことはあります。こんな頑張ってるのに、じゃあ、何がダメで誰がダメなのか、はっきり言えよと思ったことがあります」という渦中の人間ならではの思いは、何かに挑んでもがいている人間なら一度は感じたことはあるんじゃないでしょうか。また酒井萌衣は「何がダメなのか、自分たちにもわからない。結局、的確なアドバイスをあんまり頂くことがなかったので、自分たちで見つけていくことが難しかったです」と当時のことを語っています。なんか、こういう上司とか役員いますよね

 そして、2012年5月13日「逆上がり」公演初日。

 この公演の最終リハの様子がドキュメンタリー映画「アイドルの涙」の豪華版には入ってるんですが、まあ、地獄なわけですよ。舞台監督さんからの「何も感じない」「チームE解散じゃねぇ? こんなの」という、冷静な立場の人間から観たら、「いや、お前にそんな解散とかさせられる権利ないだろ」と突っ込みたくなるところですが、それぐらい初日のレベルが低かったのかもしれません。こればっかりは、個人の主観になるので、なんとも言えません。
 で、その後のメンバーが無言で通っていく廊下。控室でのまいまいの振り返り。「今まで何やってきたんだろう」と泣く小林亜実。過呼吸になる高木由真奈、それを抱きしめるまいまい。精神的に追い詰められて泣き始める金子栞、「本番できるから栞は」と励ます梅ちゃん。お互いに黙ったまま抱き合う花音とめいめい。虚ろな目のこあみ。何この地獄。

 そして、公演後。
 「本当にやる気ある?」と怒られるチームEメンバー。
 「全然伝わってこないよ」と怒る舞台監督さん。
 当時のチームEキャプテンの梅ちゃんこと梅本まどかは「何を頑張ったらいいか分からないけど」「ちょっとずつだけど、その時なりに学んだこともあった」と語っていますが、いや、舞台監督、ちゃんとアドバイスしてやれよ。ダメな中小企業か。まあ、メンバーは自分たちで探り探り「逆上がり」公演をしながら成長していったわけです。

 そして、2012年8月29日。
 内山命、斉藤真木子、古畑奈和の3名が正規メンバーとして昇格します。
 先輩の2期が入ることで刺激が生まれ、注意も聞きやすくなったと、ゆまなやめいめいも語っています。チームの風通しもよくなり、公演もより良くなっていきます。

 2013年4月13日。
 SKE48初の組閣が行われて、梅本チームEメンバーはバラバラになります。
 この日の花音は本当に見ていられないぐらい泣き崩れていました。
 ドキュメンタリーでは「ここまで積み上げてきたのに、なんで?」という悔しさを述べています。まいまいも同じことを言っていますね。

 花音はドキュメンタリーで「あのチームEで一番を取ってみたかった」という思いを語ります。

 2013年7月11日。
 逆上がり公演千秋楽。
 最初の「汚れちまった悲しみに」からメンバーが泣いているわけですよ。
 そして、この公演の最終曲。
 「To be continued」。
「振り返れば今日は今日で良かったのさ To be continued」で梅本チームEは物語を終わえました。



 それから2年後。
 2015年11月29日。
 「SKE48冬コン2015」のリクエストアワーで、最後の梅本チームE集合の「To be continued」が披露されます。なぜなら、この後、4期生や梅本チームEメンバーの卒業が相次いでしまいます。


 この時のTo be continued」のメンバーの涙とファンの「チームE」コール。もう、感涙ものです。気づけば、AKB48の総選挙選抜にまで昇りつめたメンバーもいる。他のグループとも兼任するぐらいの実力を身に着けたメンバーもいる。SKEの選抜に定着しているメンバーもいる。チームの中心メンバーになって後輩を育てているメンバーがいる。あの「駄目だ」と言われていたチームEがここまで成長した。

 2015年11月29日。2013年7月11日で終わったあの話の続きを観たからこそ、毎日悩んでもがいているあの頃の彼女たちに伝えたい。

 「振り返れば 今日は今日で良かったのさ