果たして何が発酵されているのか?
最近、小倉ヒラクさんの『発酵文化人類学』という本を読みました。
基本的に食というものに一切興味がない僕ですが、先日著者の方が出ている動画を見て、興味が湧いて読んでみることにしたんですね。
発酵を一言で表すと、「人間に有用な微生物が働いている過程」なんですね。たとえば、味噌や醤油とかお酒とかは発酵食品でもありますね。ちなみにその逆が腐敗です。
発酵文化と人間文化を行き来しながら見えてくるものが沢山ありました。
特に醸造家の方々の取材。
それぞれの蔵で、食品の特性や弱みを「個性」に変える試みがされていました。
「人間の手で細かく調整しながらつくる発酵食品には『クセ』や『揺らぎ』がある。これがプロダクトの個性をかたちづくる」というところが印象的でしてね(『発酵人類学 微生物から見た人類のカタチ』より引用)。オートメーションで作るものとは違う独特の味があると。
発酵食品は発酵菌や高濃度のアルコールで、腐りにくいものの、確実に時間は止まらずに進みます。
コントロールしつつ、よきタイミングで味わう必要もあるんですね。
SKE48にあてはめると、それは何か?
「パジャマドライブ」公演ではないか、と僕は思っています。
※AKBの方の公式で公演が上がっているので、違いを感じるために予習をするのもありかもです。
2012年3月28日に終わってしまったこの公演。
僕はリアルタイムで観たことはありません。
映像でアーカイブは残っているものの、その歴史をがっつり体験しているのはぴよすのみです。
ほぼ、みんなが初めて触る公演。
そして、誰がどれをするのかも予想もつかない公演。
更に、初代チームEとはキャリアが近いメンバー、遠いメンバーが入り混じっています。
「パジャマドライブ」公演を発酵食品とするならば、まさにメンバーはたちは醸造家の方々だと思います。時間が経っておいしく発酵されているこの公演をさらに美味しくする為に、自分たちでどんなアプローチをしていくのか。
きっとオリジナルとは違う味付けになるかも知れません。
でも、それは「クセ」や「揺らぎ」だと思います。
僕はそこに「個性」が生まれてくると思います。
個人的には、カミングフレイバー勢や8期生たちがどんなアプローチをして公演を作っていくのか期待しています。
「天使のしっぽ」、「てもでもの涙」、「鏡の中のジャンヌダルク」とユニット曲も個性的なものが多いですし、表題曲の「パジャマドライブ」も素晴らしい。
今のSKE48が料理した「パジャマドライブ」。
あなたにはどんな味がするでしょう?