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2018年11月30日金曜日

10クローネとパン①

泥の中の宝石


 レイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説が若い頃に好きで、よく「長いお別れ」や「さらば愛しき女よ」を読んだもんです。いずれも汚れた(もしくは汚れてしまった)世界の中でいかに美しく生きるかを考えさせられる作品でした。( 仮面ライダーWで左翔太郎がよく探偵事務所の経費で買ってるのもこの手の小説です )。

 また、高橋源一郎の「さようならギャングたち」も好きな小説なんですが、マイナスの札をひたすら出していって、最後に1枚のプラスの札で救済がある、というような評論をどこかで読んだんですが、流石に覚えていません。


 豊かな環境にいる時はそうでもないんですが、人間、恵まれない環境の中にいると、どんどん精神が荒んで行くもんです。アメリカ文学のビートジェネレーションの人々も小説がなかったら、はっきり言って、ただヤバい人たちですからね。
 ただ、その世界で道を踏み外さずに「生きていける支えというか、拠り所になるもの」があれば、人はやり直せると思うんですね。ジャンルは違うんですが、映画だと「ランボー」とか「スリー・ビルボード」とか「ベイビー・ドライバー」なんかは、つくづくそれを感じさせられる映画でした。


 醜い世界の中でどうやって美しく生きるか、それがハードボイルドなのかもしれません。


 今回紹介する「10クローネとパン」は元々、2014年にリリースされたAKB48の3枚目のアルバム「次の足跡」の収録曲で、歌唱メンバーも山本彩、古畑奈和、横山由依、児玉遥、藤江れいなという、中々の豪華メンバーなんですが、このアルバムの中で一番、僕が好きな曲です。
 ただ、グループをまたいだ歌唱メンバーのせいで、披露される機会が少なかったんですね。
 特に大サビ前の「僕は目を閉じて走ってる」の山本彩の歌は、主人公の孤独と悲哀を感じさせて、何度も聴いたもんです。いつかまた誰かが歌ってくれないかなあ、という毎日でした。


 時は巡って2016年。
 古畑奈和ちゃんが一人で披露することになります。


というわけで、今回紹介するのは、SKE48 SOLOCON 2016」です。

 歌詞の内容を雑に説明すると、サーカス小屋で生まれた少年が主人公なんですね。「10クローネばかり貸してくれよ、来月には返すから」と始まるんですが、「クローネ」っていうのが北欧とか中欧で使われる通貨のことで、「クローナ」とも言います。たとえば、「アイスランド・クローナ」はいくらぐらいかというと、日本円に換算すると、約0.91円なんですね。えっ、そんなに金ないのっていうぐらい貧しいわけです。

 で、主人公は「街の外れに建ってた古い見世物小屋」に入ってリハーサルをのぞきます。「目の前には眩い電飾が溢れて 僕の知らない世界へ連れて行ってくれたよ」と自分知らない世界を見ることになります。それから、主人公の10クローネの使い道が、おそらく普段とは変わります。


 「10クローネ出せば パンが買える ワインだって手に入る それより僕は 夢が欲しい ウキウキさせる音楽とか 辺りではみたことない 奇抜な衣装を…

「パン」「ワイン」という物理的なものではなく、「夢」「音楽」「奇抜な衣装」という普段の生活と少し離れた明るいものになっている気がするんですが、「奇抜な衣装」というのは、「見世物小屋」の影響があるのかもしれません。

 2番はまあ、ひどいんですよ。歌詞の世界観がね。

 「あの人」が出てくるんですが、これが主人公の父とも取れますし、近所にいるごろつきとも、僕ともとれる歌詞なんですね。


あの人は仕事もせず 昼間から酒飲み 管巻いて 『この世は闇なんだ』と死んだ目でつぶやく 安っぽい絶望さ 死ねばいい


 「酒」を「ココア」にすると完全に僕なんですが、どうやら、この後の歌詞の世界観を見ると、父親の方が有力かもなあ、と考えています。というのもダンサーだった母親が愛人の道化師と逃げて行ったんですね。竹馬を履いて。竹馬・・・。竹馬だと・・・。「マッドマックス怒りのデスロード」の湿地帯に出てきたあれ?と雑なボケでは置いておいて。
 道化師、つまり、ピエロがいるところといえば、サーカスのテントの中。1番で「見世物小屋」に入っていったのは、どこかで母親の影を追っていたのかもしれませんね。 

 2番で主人公が欲しがっているものは「チケット」なんですね。

 「こっそり脇から 入るんじゃなく 正式に入口から 未来に向かおうか」と1番でこっそり忍びこんだ道をやめようと決めるんですね。

 で、ここからがこの曲の神髄なんですが、「呼吸をする度 白い息 それは僕自身 まるで 一つの宇宙が現れて 神の掌の上」と一旦、現実世界を離れるんですね。しかも「白い息」という現れて消える儚い物に自分をたとえています。「一つの宇宙」とは内面でしょうか。


 「いくばくかの金なんか 意味がないんだ 生きる意味を探せ パンやワインなんかより大切なもの アイデンティティを思い出せ

 ここまでの1番2番のサビを踏まえて、自分の精神性の方に向かうんですね。
 
そう 僕は目を閉じて 走ってる

 目に見える実存的な物に左右されずに、「生きる意味」や「アイデンティティ」を大切にしようと読み取れるんですが、いや、実際は苦しいよね、という現実にも読み取れそうなんですね。前者の方があってそうですが。

 そして、サビを挟んで「正式に 入口に 未来に向かおうか」で終わります。

 ソロコンでこの曲を歌う古畑奈和ちゃんの表情が良いんですね。1曲前に「孤独なバレーナ」の多重奏をやって世界観を完全に作り上げてからのこれなので、完全に自分の場を作っているわけです。で、「10クローネとパン」は本店のリクエストアワーとかを見ていただくと分かると思うんですが、わりと大人しく歌う曲なんですが、ガンガンに踊るんですね。「流石はSKE48だぜっ!」と嬉しくなるんですが、わりと枯葉のステーションっぽい衣装なんで「大丈夫か?」と心配になります。しかし、流れるような動きで奈和ちゃんは踊り切ります。しかも、振り付けがかなり歌詞とリンクした振り付けになっているので、そちらも注目してほしいです。特に最後の「正式に入口から 未来に向かおうか」がどんな振りつけかも。ひょっとすると、それまでの激しい動きは、世界の醜さと内面の葛藤を表しているのか、と思うぐらいです。

 この曲、「呼吸をする度」からの冷たさが、良いんですね。
 もう、イントロから曇り空みたいな音から始まるんですが、この曲中の世界はたぶん、晴れてはいないんだろうな、と「呼吸をする度、白い息」だから、雪が降っていたり、寒い地域なんだりするんだろうな、と景色が浮かびます。
 で、その極限が「呼吸をする度」からの部分で、「僕は目を閉じて 走ってる」で音は消えます。

 この曲、雪の降る帰り道、しかも、学校や職場でよろしくないことがあった時の帰り道なんかに聴くと、主人公との一体感が凄いです(関係ないですが、雪の日に階段で寝転がると「ブレードランナー2049」ごっこもできるよ)。「苦しい」という現状をとことん感じさせてくれます。


 たぶん、人間なので、皆、道を踏み外しそうになったり、なんなら今、踏み外し中だったりするかもしれません。そこまで言わなくても、苦しい状況になることはあるんじゃないでしょうか。苦しくなればなるほど、思考も鈍くなったり、余裕もなくなります。苦しい毎日に彩りを加えられるのは「音楽」のような芸術だったり、「奇抜な衣装」が見られるイベントだったり、生きていき続けるための「夢」なんじゃないでしょうか。それが最後の支えになるはずです。


 「正式に未来に向かう」というのは、簡単なようで、難しいと思います。「安っぽい絶望」に浸っている方が楽です。それに、多くの人は「金」や「パン」」の方に手が行くのではないでしょうか。今の暮らしで精いっぱいで。2018年11月現在、無職の僕は、今めちゃくちゃ「金」と「パン」が欲しいですもん。「ウルフ・オブ・ウォール・ストーリト」大好きですもん。でも、それだけにとらわれてしまうと、「金」とか「パン」の本質を見失ってしまう気がしてなりません。何のために「金」や「パン」があって、自分の「アイデンティティ」は何で、何のために生きるか。「あの人」のように「安っぽい絶望」に浸らずに未来へ向かえるか。

 凍え切った世界の中いる青年の答えは、きっとなによりも強く輝いているのではないでしょうか。
 

  
 
 
 

2018年11月29日木曜日

前のめり①

走り続けた二人の物語

 前の職場でSKE48をほんとんど知らないジャニーズの追っかけのおばちゃんと話す機会がありましてね。「SKE48が好きなんです」というと、「ああ、W松井さんね。あの子たちは可愛いわね。姉妹?」と言ってもらったことがありました。
 また、別の武田真治さんのおっかけをしてるおばあちゃんは、「AKB48なんて!」とまるでいじめや戦争のように48グループを見る目は厳しかったですが、「でも、松井玲奈ちゃんは好きよ。あの子は上品」とほめてくれました。
 そして、12歳年下のK-POP大好きな後輩も「SKE48好きなんだよね」と話すと、「あたし、SKEなら松井玲奈ちゃんが好きですよ」と言ってもらったことがあります。
 僕の狭い人間関係の中ですら松井珠理奈、松井玲奈のコンビは有名で、SKE48の入り口になっていました。
 AKB48の選抜でもしっかり入り続けた二人。玲奈があえて珠理奈を甘やかせないように接する姿勢は、本当に珠理奈のことを考えているんだなあ、と思うんですね。なんでも「いいんだよ」みたいな感じで甘やかしてしまうと、まだ幼かった珠理奈は勘違いをしてしまう恐れもあったんでしょう。
 珠理奈がダンスなどでグイグイ攻めていくのに対して、玲奈はブログやメールなど言葉の人だなあ、というのが僕のW松井像でした。しかも内面は表面とは逆で玲奈の方が絶対に強気な気がするのもいいですね。
 そして、いつしか二人はライバルのようにも見られていました。
 きっとこの二人にしか走れないスピードで走ってきたのではないでしょうか。

 そんな松井玲奈の卒業というとりあえず理不尽な暴力に走りそうになるニュースを聞いた時、一つの時代が終わりに近づいていると感じました。
 僕みたいなプロテ星人もペロリンガ星人もスカウトを躊躇うレベルの奴でも不安を感じたんですから、珠理奈の心情はどれほどだったんでしょう(知らない人はウルトラセブンを観よう)。


 松井玲奈センターのSKE48シングル「前のめり」。
 ここまで物語性を背負ったMVはないんじゃないでしょうか。 
https://youtu.be/m9e1oHhZhRY

 

 時報とともに「オールナイトニッポン」の松井玲奈卒業発表会が流れるんですね。
とても緊張しているので、うまく皆さんにお伝えできるか、分からないんですけれども。私はですね。8月いっぱいでSKE48を卒業することになりました

 この曲は、とにかく沖縄の美しい海と空がいい。
 まず、MVをざっと説明すると、沖縄の海で松井玲奈の卒業を祝うパーティの準備をするメンバーから始まります。調べたら、リゾート用の島みたいですね。もうこの舞台設定が素晴らしい。いろんな海PVの中で一番好きです。
 で、玲奈も遅れてやってきて、ここで少しだけW松井が走っている描写が出るんですね。これがあとあと利いてきます。玲奈が少し珠理奈の前を走っていて。

 
 2番では、玲奈が島へ向かうところから始まります。到着していよいよ、島へ向かう桟橋を歩いていくシーンの前に玲奈が海を走っているシーンがあるんですが、ここでは、一人で走っているんですね。何か、卒業や旅立ちを暗示させるようなシーンです。
 そして、浜辺を歩くシーンの前と後に、今度は珠理奈のソロで走るカットが入ります。あれ、二人は走っている距離に少し差が出来たのかな、と感じさせられます。特に珠理奈の足が止まった後の「弾む息も」のところで珠理奈のリップカットが入るんですが、そこで珠理奈の顔は泣いています。どうやら、玲奈は走ってどうこうできないくらい離れてしまった、つまり、いなくなってしまったのかもしれません。この演出がうまい。
 で、優しいどっきりの後に、一人一人のメンバーが玲奈にお別れを言っていくんですが、みんなに慕われてたんだなあ、と感じるカットが沢山でてくるわけです。ちなみにここいらあたりで、MVはオレンジがかった映像になります。夕暮れが来ているというのを感じさせるわけです。一瞬だけ珠理奈が頷いているリップカットが、入るんですが、玲奈の卒業をなんとか祝いたいという気持ちが伝わってきます。
 そして、海でみんなで遊ぶんですが、なんというか、ここが夏の儚い最後の思い出を感じさせてすごくいいんですね。メンバーの楽しそうな顔。
 その後のぽつんといる珠理奈の背中と広大な海。その先には、海しかなくて、もう玲奈はいないんですね。

 もうここでわたくし、号泣ですよ。玲奈のことを一瞬、思い出して振り返った時の顔は、勝手ですが「ああ、珠理奈は一人になってしまったんだなあ」というさみしい気持ちになりました。

 もちろんこの時、同期の大矢真那や先輩の宮澤佐江、支えてくれる後輩達はいたんですが、なんていうんでしょう。同じレベル、いや自分以上の速さで走れるライバルであり仲間がSKE48からいなくなった感じでしょうか。 
 もうこの背中のシーンで僕の中ではナンバー1MVになりました。
 凄くここまで丁寧に走るシーンを置いてきたからこそのこの背中ですよ。
 やがて、島からメンバーは去っていくんですが、夏の終わりを感じさせる寂しさなんですね。最後は玲奈と珠理奈の船の中のカットの後、ダンスシーンの玲奈のアップで終わります。

 このMVは何回みても、あの背中のシーンで泣いてしまうぐらい、思い入れのあるMVです。ダンスシーンが明るく楽し気であればあるほど、その陰にある寂しさを感じさせる名作だと思います。
 次のシングル「Stand by you」のMVはある意味、このMVのアンサーとなるようなシーンがあるんで、とても気になる1作に今なっています。
 これまで走ってきた二人の物語に思いを馳せながら、ぜひ「前のめり」のMVをチェックしてください。



 
 

 
 

 

2018年11月28日水曜日

FLASH BACK①

所属から離れるということ


  三島由紀夫の小説で何が一番好きですか?
 僕は「雨の噴水」という短編が一番好きなんですが、「命売ります」という変わったタイトルの小説があります。ミュージカルAKB49でも、吉永が勘で選んだ本として、タイトルが出てきたあれです。

 この作品、自殺に失敗した青年が、自分の命を売るよ、という広告を出すところから始まる小説です(現代だと、youtuberでこういう人いるんですんかね?)。で、物語が進んでいくうちにある場面で、人間はいかにどこかに所属したがるか、集団の中に自分を置きたがるか、ということが浮き彫りになってくるシーンがあるんですね。

 会社で働いていた頃は、「そうだよねえ、なんだかんだ言って、団体とか集団とかにいると安心するもんね。長い物には巻かれよう」みたいな感じだったんです。ところが、結果的に「HIGH&LOW END OF SKY」での九龍グループに対するコブラみたいな感じで組織を飛び出した今、改めてこの作品を読むと違った味わいがありますね。

 今回、紹介する「FLASH BACK」は、SKE48を卒業した出口陽さんの1stシングルなんですね。ちょっと聴いてみましょう。
https://youtu.be/S7ZQf5Zkob4

 
 うーむ、なんともカッコいい曲でしたね(音楽知識ゼロの感想)。

 「FLASH BACK」というのは、「光が照り返す」という意味と「記憶などが突然過去に戻す」という意味があるんですね。歌詞の世界もまさにそうですよね。


 「『あそこにあるよ』と右へならえしてた あの日」とこれまでの日々から「もっともっと遠くへ そっとそっと あの向こうまで」という願いが生まれます。この曲、サビ終わりの「泣いて笑った欠片が まるでフィルムのように 繋がって 光の粒に変わった 明日をそっと照らすよ」という部分が未来への希望を感じられて好きなんですね。

 最終的に「逃げたりしない」、「光の中」と曲の主人公が自分がこれまで積み上げてきたものを糧にして希望の中に入って行くのを感じさせます。
 サビ終わりの少しラジオがかすれたようなボイスも、「光の中」という今までいたところとは違う場所に向かっている感じがします。

 過去を思い出し、その過去が自分のこれからを照らしていくという。今までいた時間も消して無駄ではなかった、大事な蓄積になっていたと思うと、なんか泣けてきますね。
 所属していた場所を離れ、集団から個人で夢に向かって新しい場所で歌っていくことを決めた出口陽さんの名曲だと思います。ちなみに「ハジマリノオト」も良い曲なので、いつか書けたらなあと思います。


※あきすんと言えば、2013年のあれを忘れてないか?という方、まあ、そう焦らずお茶でも飲んでまっていてください。


 

夢の階段を上がれ!①

階段、上らせてもらおうか

 肩書きって、大事ですよね。
 ある街コンで、名刺代わりに自分を表す言葉を3つ書いて、相手が参考にするというシステムがあるらしいんですね。例えば「公務員」「週1でジム」「趣味 スポーツ観戦」と爽やかそうな肩書きの人もいれば、「ウォーボーイズ」「5で時代劇」「趣味 アイドル」というあと一つか二つビンゴの穴が空いたら、大変なことになりそうな僕みたいなのもいるわけです。

 じゃあ、48グループから外に出た時に、何が肩書きになるかというと、総選挙の順位がついて回るわけです。もちろん、選挙にランクインしなくても、各業界で活躍されてるOG達もいます。ただ、このグループにいる限り、どうしても直面するのが、総選挙なわけです。

 やはり、48グループに入ったからには、いつかは自分の名前も呼ばれたい、そんな夢を持つメンバーも多いんじゃないでしょうか。


 今回、紹介する「夢の階段を上れ!」は、21枚目のシングル「意外にマンゴー」のカップリング曲です。歌っているのは当時の研究生たち。

 「夢の階段」という「マジすか学園」から続く、秋元先生大好きな「階段」曲です。研究生たちにとって、総選挙ランクインはまさに夢へと続く階段なんでしょう。
 ちょっと歌詞を見ていきましょう。

 1番は客席から、先輩達が踊っているところを見ているという歌詞なんですね。
 「熱いそのステージ 夢中で見入ってしまった」
 「優しいあのメンバー 怖いあの先輩 みんな 本気を出して 戦っていた」
 ここは、「青春ガールズ」公演が研究生だけのものから、正規メンも混じっていく体制に変わったことを連想してしまうんですが、曲が出たのが先なので、未来を予言したかのような歌詞です。
 
 先輩の姿を見て、主人公のメンバーは自問自答するわけです。
「今日まで何をしたか? 他人(ひと)より努力をしたか?」
「明日はどう生きるか? 未来はどこを目指すか?」
 そして、出した答えは「グループの中で場所を探そう」です。
 もうね、48グループってキャラの宝庫じゃないですか。しかも、もう結構席が埋まってしまっていて。その中で「場所」を見つけるというのは、研究生なら考えることの一つではないでしょうか。

 2番では、いよいよ総選挙についてふれられています。
「去年はあきらめてた 今年はあと一歩だ」
「これから どう頑張る?」
「来年 何位になるか? 」
 そして、「この胸の奥で 目標を決めた」と決意するわけです。

 サビでは「誰も行かぬ道を行け!」とやはりオンリーワンであることを決意します。
 そして、この曲の最後に「来年は この客席から そう ステージに立ちたい」つまり、ランクインしたい、ということになります。

 この曲が発売された頃は、丁度、総選挙が終わった7月なので、まさに歌詞の通りにランクインする先輩達を見ていたメンバーも多いんじゃないでしょうか。

 さてさて、この曲のおすすめ映像として紹介したいのは、「SKE48 単独コンサート ~サカエファン入学式~」です。

 既に歌唱メンバーの何名かは、正規メンバーに昇格しているので、当時の研究生メンバーが踊っています。
 それぞれのメンバーに歌割があり、僕は「明日はどう生きるか」の時の、あみちゃんねがいちゃんコンビが好きです。表情がね、もう凄い

 何より凄いのが最後の岡田美紅の笑顔です。
 この曲でセンターポジションなんですが、これまでセンターポジションでのお披露目がイベントの都合などで出来なったので、悔しい思いをずっとためていたわけです。
 大サビに向けて、メンバーがステージの階段を上がり、上の段で中央に集まり、曲が終わるんですが、この時の表情に注目してほしいんですね。
 一瞬泣きそうになって唇を横に伸ばします。そして、目を瞑って、噛みしめるように笑うんです。最後の顔あげの後の声援を浴びるように目を閉じて笑うところも素敵です。

 なんというか、こういう表情に出会えるから、SKE48って良いんだよな、と思います。個人的な話になりますが、僕も会場の2階にいましてね。モニターにこの表情が映った時に、徹夜で来てよかったと満足したものです。帰りもとても幸せな余韻に包まれて、「サニー千葉の絶対これ死んだだろ、という危険なスタント集」とか「映画『悪女』の冒頭5分シーン」とか観ながら新幹線で帰りました。

 結果として、その3ヶ月後にあった総選挙で岡田美紅は、8期生で唯一、ランクインします。この時の映像を観ると、また未来を予言していたかのような配置でした。


 今では彼女は、得意のモノマネで全国ネットの番組に出てますし、ギターの弾き語りという武器もあります。「場所」や「誰も行かぬ道」を見つけたのかもしれません。たとえ先人と被っていても、負けないぐらいに磨いていけばよい気もしますよ。僕個人としては、彼女の好きなmiwaの「サヨナラ」を歌って欲しいんですがね(どうでもいい願望)。

 ちなみに、毎年総選挙の投票時のめんどくさい作業中に、皆さんは何を聴きながらやってますか?今年の投票時、僕はこれと「心臓を捧げよ」を聴きまくってました。

 来年は何人、階段を上るのか、どうか途中で降りずに上っていくところを見せてほしいです。

Is that your secret?

その好奇心は正しいのか?


 好奇心というのは良い方に働くこともあれば、悪い方に傾くこともあります。
 良い方に働く場合は、学術的な発見であったり、技術の革新であったりなんですが、悪い方に働くと、ストーカーからのサスペンス映画の犯人へという道になることもあるんですね。

 「Is that your secret」は、簡単に訳すと「あなたの秘密」という意味になります。

 まず、歌詞の世界を見ていきましょう。
 最初はサビから始まりますが「Is that your secret?」「君のsecret」と相手の女性の「secret」が強調されます。そのまま1番を見ていくと、「いなくなる前兆は」 、「タクシー拾ってどこかに消えてく」「夜と朝の隙間へと吸い込まれる」という内容です。
 どうやら相手の女性が夜に抜け出している。何か秘密を抱えている。そして、1番のサビの最後に「どうして秘密に 惹かれるのだろう?」と主人公が秘密に惹かれていることがわかります。
 続いて2番ですが、「何事もなかったようにこの場所に戻るだけ」「少し乱れた息遣いが物語る"訳あり"」「『まだまだ夜は長いわ』なんて」「明かされないミステリーに巻き込むのか?」と「秘密」の断片だけが出てくるんですね。
 ここで注目したいのは、2番のサビは「Is that my secret?」と「your」から「my」と自分も秘密を抱えることを表す歌詞になっています。とどめに「誰もが一つは 隠し事がある」となります。大サビの前の「光だけじゃない 愛は幻」と実体のない「幻」という言葉から、「なんらかの裏切り行為があったの?」と暗示してきます。で、大サビはもう一度1番のサビに戻ります。

 整理していくと、こんな感じで読み取れます。
 女性「何か秘密を持っている
 男性「女性の言動を疑っているという秘密を持っている
 そうすると、「愛は幻」という信頼関係が崩れている歌詞も納得です。
 1番と2番で秘密を持っている人間が逆転するというのも良いですね。
 同じ秘密を持つ側になるというか。

 うーん、これは付き合いが長くなればなるほど、夫婦やカップル関係で起こる危険が多い現象ですよね。感情に流されてしまって、秘密を抱えてしまうというのは。僕の願いとしては、この女性が実は、夜の街を守るヒーローで、男はずっと疑っていて、女に付いてきて、なかなか女がヒーローに変身できない、というヒーローあるあるにならないかな、と思います。そしたら歌詞の中の「少し乱れた息遣いが物語る"訳あり"」も納得なんですけどね。まあ、歌詞の中にショッカーもテレスドンも出てないですし。「タクシー」がせめて「レオパルドン」だったらなあ。

 と、もうそんな馬鹿な妄想をしたくなるぐらい、パートナーの秘密を疑い始めたら、しんどいわけです。本当は不幸な秘密なのに知りたくなるという。特に向こうがヒント出しまくってる場合は、別れの匂いもしてきますしね。この曲の女性目線から男のことがどう見えているのか、という歌詞も読んでみたいですね。

 さて、この歌詞の世界を踏まえておすすめしたいのは、「SKE48 MV COLLECTION ~箱押しの中身~」です。
 まずはこちらのMVをご覧ください。
 https://youtu.be/kJ3soGJk8kI 

 サスペンスでしたねえ。
 映画秘宝のギンティ小林さん風にいうと、「ナメてたアイドルが殺人マシーンならぬ追跡マシーン」MVでしたねえ。

 今回MVを撮った二宮“NINO”大輔監督なんですが、SKE48だと「GALAXY OF DREAMS」や「青春カレーライス」を撮ってらっしゃる監督なんですね。我らが三浦大知の「EXCITE」もこの方が撮ってらっしゃいますね。カメラを人間に固定して、主人公の視点でMVの世界が進んでいくわけです。しかもここぞというところはスローを使ってメンバーの表情を見せます。

 さて、このMVですが、まずチームEメンバーが周りを囲む中、めちゃくちゃSっぽいさーなんの笑みのカットで始まります。1番では主人公が港やその付近らしき建物を逃げまわってて、「なんで追われてるの?ザフトのモビールスーツでも盗んだの?」と思うぐらいなんですが、すぐに原因がわかります。チームEのメンバーをカメラで盗撮していたようなんですね。笑顔でサロンを出るなっきーとるみ。カフェで嬉しそうにメニューを選んで座席に座るだーすー、楽々、真木子。ボーリングに興じるあやちゃん、めいめい、ATMさん、谷、菅原、花音。街を楽しそうに歩くれお様、どんちゃん、谷。で、ここで急にれお様、めいめい、なるちゃん、どんちゃんが車を覗き込むカットが入ります。そして、メンバー全員とすれ違った時、全員が振り返ってこっちを見ているんですが、誰一人として笑顔を見せていない。
 サビでは既に追われ始めています。ここのBGMが「ルパンⅢ世」のテーマにしてたら、愉快なんですが「シークレー、シークレー」と「海をよこせ」と聞こえかねない不気味なサビが続きます。で、結構、メンバーが捕まえかける描写が出てきます。しかし、そこはなんとか振りほどいて逃げてるんでしょうね。
 2番からは、完全に主人公はメンバーに気づかれています。
 まず熊ちゃんがすれ違いざまに何か罵倒する言葉を言っています。たぶん、ナ行はサ行で変換されているんでしょうね。
 次にファインダー越しにるみたちを見ているんですが、メンバーは盗撮に気づいています。楽しそうな表情からの冷たい表情に変化するわけです。
 で、ついに家を突き止められたのか、なんとドアの覗き窓の向こうにはなるちゃんが!
エレベータでメンバーとばったり、みたいなことがあって、最終的に夜の倉庫らしきところに来るわけです。夜の倉庫といえば、みんな大好きファン・ジョンミン主演の「新しき世界」の拷問シーンですが、一体に何が!とみてみると、さーなんが震えて縮こまっているではありませんか。と、振り返ると、鈍器を持ったあやちゃんが!振り下ろされて、気を失います。
 再び、「逃げてたあの頃」が走馬燈のように甦るのですが、ここでのジャンプ飛び移りの数々がなかなか凄いんですね。特にホテルなのかホールのロビーみたいなところでのジャンプは「さ、真田広之なのか!」と驚くぐらいです。で、なるちゃんのライダーきりもみシュートを喰らい、なんか体育館みたいなところで、じりじり追い詰められ、再び倉庫に戻ります。

 ここからのメンバーの攻めが怖いわけです。
 さーなん「頬杖でニコニコ」
 めいめい「ビンタ」
 菅原「ビンタ」
 なるちゃん「左からのビンタ」
 鎌田「顔を起こして不気味ににっこり」
 あやちゃん「ボディに一発入れている?」
 谷「ポンポンと叩いて起こす」
 だーすー「手を握って語りかける」
 すーめろ・花音・楽々・熊ちゃん「睨む」
 るみ「バックで叩く」
 めいめい・れおな「ざまあ、みたいな笑顔」
 最後はさーなんがカメラを手で隠して終わります。

 歌詞と同じように主人公は秘密を追う側だったのに、気付いたらメンバーに追われて捕まり、誰も助けのこなさそうな「秘密」の空間で出来れば体験したくない報復タイムが始まります。

 このMVを繰り返しみている時、ずっと「僕、なにも悪いことしてないのにな」と思うぐらいメンバーの不機嫌顔やS的な顔が、観られるます。メンバー同士で喋っている時の笑顔からの冷たい視線。普段、笑顔が多いだけに、こういう心の底から嫌いみたいな顔を楽しみたい人にもおすすめですね。逆のギャップというかね。「めちゃめちゃ優しい人たちが不意に見せた 厳しさのせいだったり」するんでしょうね(と幽遊白書でごまかしたり、ありがとうございーます)。

 で、このご時世、一億総文春化なんて言われていますが、「あっ、SKE48のメンバーだ」と後を付けたり、隠し撮りをしたりだとか、こういう好奇心の使い方は間違っているわけです。有名税とかいうひどい言葉もありますが、メンバーのプライバシーは、守り続けてほしいところです。ある意味、追われる側のメンバーの逆襲のようにも見えますね。「撃たれる覚悟のあるやつしか、撃ってはいけない」のようなメッセージを感じますね。でも、秘密には惹かれてしまうという堂々巡り。節度は守って、メンバーのSNSとかモバメで楽しみましょう。

 あの後、MVの主人公はどうなったのか。
 何でもやりすぎはよくないですね。
 

 

2018年11月27日火曜日

バナナ革命①



どう料理する?


 皆さんは、CDに付いてくる歌詞カードの最後のページって見ますかね?
 あそこのスタッフ欄を見て、「あっ、マネージャの〇〇が辞めた」と知る方もいるみたいなんですね。そこまで見るのか、と思いますが一つのコンテンツを楽しみつくしていて良いと思います。

 さて、僕はこの「バナナ革命」のMVを観た時に初めて歌詞カードの最後のページを確認したんですね。すごい面白いなこのMV、誰が撮ったんだろうと。

 監督は中村太洸さん。調べてみると、本店MVで個人的に好きな「バラの果実」や「掌が語ること」も撮ってらっしゃるみたいなんですね。「バラの果実」は当時、会社の後輩と「この選抜強すぎだろ!」と盛り上がった記憶がありますね。曲も凄くかっこいい。「掌が語ること」のMVは、3・11というどうしょうもない強大な悲しみとどう向き合っていくのか、観るたびにあの頃の空気を思い出せます。もっとじっくり考えたい人は「DOCUMENTARY OF AKB48 2012」をお勧めします。

 SKEだと「いつの間にか、弱い者いじめ」や「チキンLINE」を撮ってらっしゃる。この少し後に撮った「音を消したテレビ」もすごく良いんですよね。また、記事にできればと思います。

 さて、このバナナ革命の歌詞ですが、「最近なんだか、退屈ですよね」という呼びかけで始まります。で、「何にも起こらない平凡な毎日」に対して「刺激」イコール「バナナ」が普段の暮らしの中に「落ちていませんか」と探すわけです。
 「バナナ」イコール「滑ったり 転んだり」とマイナスなイメージの変化が予想されそうですが、それを「ハプニング」といい、それを欲しているぐらい生活の変化を望んでいるんですね。
 そして、2番になると内面の話になってきます。「真面目じゃないけど 不真面目にもなれなくて」とあります。そして、「バナナが落ちていませんか 自分の足元あたり」とまた尋ねます。実は「見過ごしているだけ」ではないかとも。最後に「些細なきっかけで立ち上がりましょう」と「バナナ」イコール「些細なきっかけ」で暮らしの変化を起こそうということですね。
 それが「バナナ革命」だ! (急に断言する暑苦しい文体)

 急に断言しましたが、「毎日平凡だわあ、持て余してるフラストレイション、ユキャナイージーデイズだわあ」みたいに思ってらっしゃる方もいるかもしれませんが、バナナは本当に気づかぬところに落ちているもんですよ(経験者は語る)。

 忘れてはならないのが、この曲はイントロがカッコいいんです。
 ちょっと聴いてみましょう。
 https://youtu.be/nq3OmWRQV7M

 なんでしょう。人によっては、昔のロボットアニメの主題歌みたいに聞こえるかもしれません。僕は探偵物の連続ドラマのエンディング中にかかってほしいなと思います。SKE48の曲って色んなタイアップに向いていると思うんですけどね。それこそ、昔流行った「モテキ!」みたいにドラマ中にストーリーにあった曲がかかるとかね。あっ、「死幣」があったか(1曲だけですが)。

 さてさて、いよいよMVの話に移るんですが、私の前職の会社でもともと芸能界にいらっしゃった方がいたんですね。で、よく酒の席で悪い酔いしながら僕に言ったもんです(ちなみに僕は酒が飲めないので、飲み会中は頭の中で『魔界転生』を上映してしのいでいました)。「芸能人なんてなあ、調味料みたいなもんなんだよ。料理するやつによって生きもするし、死にもする」ほとんどの飲み会は、僕の頭の中でサニー千葉と若山富三郎が闘っているので、上の空で聞き流すんですが、この言葉はなんだか印象に残っていたんですね。

 それじゃあ、中村大洸監督はどのようにチームEを料理したのか。
 SKEに対して、
 まさかの実験!
 もう、これが大成功だと思います。

 まず、アイドルに白衣・眼鏡・ネクタイという理系大学教授ファッション(偏見)をさせるというのが新しいですね。しかも靴が大きくて可愛い。

 で、ここからは、メンバーごとの個性が出てきます。眼鏡もちょっとずつ違いますしね。なかでも一番作りこんでらっしゃるのが、松井玲奈さん。わざわざ黒子つけるわ、髪ボサボサにするわ、ネクタイゆるゆるやら、ポケットに手を突っ込んでるやらで、いやあ、本当にいそうな感じです。研究はすごいけど、ズボラみたいなね。


 順番に実験を箇条書きで見ていくと・・・。
①「アイドルとバナナの皮」
 谷がバナナの皮ですべるという、この頃から身体を張ってらっしゃる実験。
 ありたんのバナナの持ち方が上品。
 今観ると、バナナを3つ同時に投げている。

②「アイドルと風船まわし」
 風で繋げた風船をまわす実験。メンバーはセットして「わーい」。
 ひょこひょこ出てくる谷の面白さとだーすーの眼鏡芸。
 よく見ると、あやちゃんの眼鏡はハート型。

③「アイドルと自転車発電」
 自転車を漕いで発電するというウルフルズの「ガッツだぜ」以来続いている実験。
 梅ちゃんのモンロー。
 眼鏡をずらして遊ぶのが素敵。
 一瞬だけ、だーすーが鼻を伸ばしている?

④「アイドルと空中遊泳」
 風の抵抗を利用して空中を遊泳しちゃおうというトム・クルーズもびっくりの実験。
 どんちゃんみたいな顔の事務職の人、いそうだなあ。
 飛んだ瞬間の真紀子の顔。

⑤「アイドルと円環座法」
 みんなで円になってひざの上に座る実験。
 昔、小学生対象のキャンプでやったなあ、理屈は分かりませんが。
 めいめいの眼鏡のでかさ。
 こけそうになっているのはどんちゃん?

⑥「アイドルと回転椅子」
 空気を放出する逆掃除機みたいなマシーンを持って、椅子に座って、グルグル回るスクリュードライバー実験。
 きょんちゃんのやる前の顔。
 ガチで怯える周りのメンバー。

⑦「アイドルと巨大送風機」
 巨大送風機から風を受けながらも歌って踊るイントゥー・ザ・ストーム実験。
 白衣の集合がかっこいい。なるちゃんが送風機に乗っかっている。
 飛んでくるのは実験で使った風船や新聞紙。
 前の方の人ほど、風のダメージが強いという「弱虫ペダル」でも言われていた理論もついでに証明される。
 最後の真紀子の顔に青いビニールがヒット。
 終わってみんなヘロヘロなところに「バナナ革命」のテロップ

 うーん、まだまだ見どころはある気がしますが、特殊な環境と恰好で、メンバーの新たな魅力が出てくるわけです。今回でしたら、松井玲奈が持って行った感じがします。
 そして、「実験」という新しい何かを見つけ、証明しようとチャレンジすることは、歌詞の世界ともマッチしています。

 コスチュームを変える、シチュエーションを変える。
 そんな「些細なきっかけ」かもしれませんが、愉快で可愛いMVになったと思います。それを「革命」といったら言い過ぎかもしれませんが、「ワクワクする ドキドキする」MVになっていると思います。
 これからのMVでもどんな料理をしてくるか、最近SKEを撮っていないので、中村大洸監督の次のSKEのMVが楽しみです。
 
 
  

2018年11月22日から11月26日の備忘録

2018年11月22日から11月26日の備忘録


 11月22日(木) ブログ開設→映画「ボーダーライン・ソルジャーデイズ」鑑賞
 11月23日(金) ブログ→前職の会社と交渉→映画「ポリスストーリー REBORN」鑑賞
 11月24日(土) ブログ→映画「search」鑑賞
 11月25日(日) ブログ→SKE-1鑑賞→家で「レディ・バード」鑑賞→PLANETS「惑星開発委員会 松村香織」→ブログ
 11月26日(月) ブログ→映画「ハードコア」鑑賞

 今週はブログを始めてまだ1週間も経っていないんですが、なんかもう、この数日は手探りでブログを形にしていく毎日でした。こんなにHOW TO系のサイトを読んだのは初めてですよ。おすすめのブログサイトもサイトによって違うので、グーグルはんが進めてくるところにしました。

 いやあ、先週会社を退職しましてね。
 今、割と時間があるんで、上記のようなスケジュールになってるんですね。
 前職の人事部の偉い方から電話がありまして、「お前、最後に会社のローカルネットワーク回覧板で退社の挨拶書いたけど、みんなからの返信を読んだか?」という質問がありましてね。僕は挨拶だけ書いて会社を去っていたので、返信は読んでいなかったんですね。てっきり「お前を1回しか殺せないのが残念だ」とか、「約束しよう。お前を殺す時は苦しませない。プロとしての礼儀だ」とか書かれてるもんだと思ってたんですね。ちなみに僕の前職はイコライザーでもジョン・ウィックでもありません。
 すると、会社の仲間たちから別れを惜しみ、「尊敬してました」「あんたといると楽しかったよ」「俺はガンダムで行く」という励ましのメッセージが!思わず「孤狼の血」の松坂桃李みたいに泣きそうでしたよ。
 少し、後ろ髪をひかれますが、次に向かって頑張らねばと思うブログ開設週でした。

 で、「はじめに」で書ききれなかったことをもう少し詳しく。
 これまでSKE48に関するサイトは、公式サイトや5ちゃんねるのまとめサイトを中心に読んでたんですが、なんていうんでしょうね。突発的な盛り上がりがあるけど、あとで戻って何回も読んだり、じっくり考えるという記事やまとめは少ないと思うんですね(そういう記事があった時は嬉しかったなあ、『一日一人について真面目に討論』シリーズは好きでした。エンクラとかでまとめてた。ちなみに僕は、未だに名古屋ドーム公演当日の朝の記事は、ヲタ活のモチベーションを上げたいときに読みます)。

 
 それから、僕個人の話になるんですが、映画を最近よく観るようになりましてね。
 自分の鑑賞ノートを書いたり、頭の中でまとめたりした後、他の人の感想をラジオで聞くのが好きなんですね。宇多丸さんとか町山さんとか春日太一さんとかの。で、ラジオで喋った内容が今は書き起こしでデータ化されてて、ちょっと昔の映画を観た後にサイトを読むと、「なるほど、ここには気づかなかった」とか、「ああ、その見方は面白い」とか気づきがあるわけです。そこから、またさっき観た映画に戻って考える。すると、さらに面白くなってくる。なんなら、さっき閃かなかったことが閃くということがあります。もちろん、人間なんで意見の違いはありますよ(エピソード8とかハイロー3とか)。でも、一つの作品について、自分以外にも考えを持ってる人がいて、それを知ることができるっていいなあ、と思ったわけです。

 だから、地方の在宅ヲタでSNSのノリが合わない、という人。
 周りにSKE48ファンがいなくて、好きな曲についてじっくり考える材料がほしいという人。
 仲間うちからは自分の好きな曲の評価が低くて、居心地が悪いなあと思っている人。
 握手や選挙もいいけど、曲の話もじっくりしたかったなあ、という人。
 友達と応援していく上での熱量がなんか違うんだよなあ、と思っている人。
 他にもいろんな人にかすればなあ、SKE48を楽しむための役に立つブログにしたいと思っています。

 反射的なワーキャーもいいけど、腰を据えて考える場、考えを置いておく場も作りたいんです。2、3日で過ぎ去るんじゃなくて、もっと賞味期限の長いものを(この辺はまだうまく言葉にできませんが)このネットの中に置いていければと思います。

 各タイトルに①と付けたのは一回だけに留まらずに、いろんな角度から曲と映像を楽しみたいと思っているからです。ですので、既に紹介した曲もまた紹介するかと思います。

最後に今週観た映画の感想を簡単に。

「ボーダーライン・ソルジャーデイズ」


 容赦がない。最初から最後まで。あの不穏な音楽を聴きながら、夜中ブログを書いていると、声を上げそうになります。前作観てなくても十分楽しめる傑作です。あの終わり方はバッドエンドなのかハッピーエンドなのか。

「ポリスストーリー REBORN」

 みんな、あの歌だぞ!
 それからNG集あるぞ!
 最後に絶対、パンフは買うべき!
 50パーセント以上、公式サイトと同じ内容でも!
 最後のページのために!!
 はあはあ、興奮してしまいました。

「search」


 映画がまた新しい表現を手にいれたと感じる映画でした。
 パンフの作りもウィンドウズみたいになってて、作りが凝ってますよ。

「レディ・バード」


 思春期の痛々しい思い出がよみがえる一作でした。ドライブにああいう意味を持たせるとは。無理して中2の夏ぐらいまでクラスの1軍集団にいた辛さを思い出させる傷をえぐられ系映画でした。 

「ハードコア」


 「目的はわからないけれど、やっている」、とても考えさせられる言葉でした。
 気付いたら、何のためにやっているのか忘れてしまわないように生きていきたいものです。そして、世の中が間違っているとして、そのことへの向き合い方はズシリときましたね。おすすめです。
 
 それじゃあ、備忘録はまた来週。
 

2018年11月26日月曜日

2108年11月25日「ラジオ惑星開発委員会」松村香織編

モヤモヤしていたことの解消


※非常にヲタ向けの内容です。

 昨日、SKE48のクイズ大会をDMMで楽しく観た後、そういえばと思い、ニコニコチャンネルの「PLANETSチャンネル」の宇野常寛さん(ほら、『スッキリ!』に出てたいつも黒い服着てる眼鏡の人)がやっているチャンネルを観たわけです。

 ゲストはかおたんこと、SKE48の松村香織
 もう、すごい自分のSKE48に対するモヤモヤが表面化してきて、それを整理できてよかったです。
 有料放送なので、ざっくりしか書きませんが、下の通り。


① 映画「アイドル」について

 継承の物語であり、何故、高柳明音で始まり、高柳明音で終わるか。イズムを受け継ぐのか、新しいイズムので行くのか。メンバーとして、感じる7Ⅾ2以降との違い。これから9期はどう育てるか。

 

② 今のSKE48の選抜方法について

 握手の売り上げだけでいいのか。お試し枠が必要では?
 例えば、お試し枠は必要では?
 もっと言うと、握手が苦手なメンバーはどうする?
 選挙・握手、以外の何かが必要では?バズり枠とか。


③ これからのかおたんの将来について

 芸能活動をしたいし、店も出してみたい。
 店を出すというのはすごく良いアイディアで、名古屋でファン向けの店を作りたい。
 テレビだけではなく、クラウドファウンディングなど、様々な方法はあるはず。
 アイドルのセカンドキャリアのロールモデルになってほしい


④ 本店について

 本店のメンバーは、今のシングル選抜をどう思っているのか。
 本店握手会は、支店に頼り続けるシステムを一度リセットできないか。
 16期は隔離して育てて成功している? SKE48も7期・D2・8期はその育て方。

 ①・②は、今のSKEに対して、色々と考えていたところだったので、自分がSKEを考える上で参考になることが沢山できました。そうなんだよなあ、昔の選抜って、お試し枠あったんだよなあ。運営枠もあったけど。やっぱり握手だけで行くと、坂道シリーズみたいになっちゃうし、SKEは劇場や話題枠あってもいいなあ。あと、かおたんが言っていた「キャバクラみたいになるのは・・・」というのも納得。

 ③はこれから、SKE48メンバーの明るいロールモデルになって欲しいな、と思う限りです。プロのスポーツ選手が、引退後に店を出して、ファンが昔の話とかを聞きにくるのは、よくあるケース。栄にかおたんの店を出してくれたら、話を聞きにいくのになあ。

 そして、④は映画「アイドル」とも関連してくることなんですが、やっぱ、あの映画で、7Ⅾ2と8期への風当たりの強さは意図的なもので気づいてるメンバーは気づいてるんだな、と。
 ぜひ、次回作は映画「アイドル 怒りのデス・ロード」として、若手たちの奮起に期待です。6期が先輩たちの意志をどう受け継いで、新しいスタイルを確立するのかも。9期を育てるのなら、6期からさきぽんとか、どうかなあと思うんですけどね。
 
 宇野さん自体、よく本を買っていますし、メルマガも読んでいるので、評論家として信頼している方ですが、かおたんとのSKEに関する深い話をもっと聞きたいなと思わせる放送でした。アーカイブでも観られるので、ぜひ、ご覧になってください。ここに書いてないことも話されてますよ。

 最後に、「菅原はもう一つ上のステージに上がった」は素晴らしい考察ですね。次は誰だ!!

お待たせSet list①



与えられたのではなく、手に入れたもの


 今回、紹介する「お待たせセットリスト」ですが、チームKⅡの「ラムネの飲み方公演」の楽曲です。いつもでしたら、関係ないことを書いて行くんですが、まずは、下の2010年から2011年にチームKⅡに起こったことを雑にまとめたので、読んでみてください。面倒な方は赤い文字だけで結構です。

2010年3月10日 秋元康から「夏にはKⅡのオリジナル公演を始めたい」というメッセージ
2010年6月13日 湯浅支配人「秋にオリジナル公演」をという手紙を読む。
2010年9月22日 KⅡ「手をつなぎながら」リバイバル公演 千秋楽
2010年12月6日 チームKⅡメンバーの降格
2011年元日公演 初日発表 2月13日予定
2011年2月2日  初日延期 3月18日へ
2011年2月13日 KⅡ1st「会いたかった」リバイバル公演
2011年3月9日  初日延期
2011年3月31日 KⅡオリジナル楽曲 「愛の数」をチームS公演でチームSメンバーが初披露
2011年4月5日  チームKⅡ「手をつなぎながら」リバイバル公演 初日
2011年6月9日  高柳明音 直訴
2011年8月11日 公演名決定 「ラムネの飲み方」
2011年9月21日 チームKⅡリバイバル公演「手をつなぎながら」千秋楽 台風のため中止
2011年10月1日 「ラムネの飲み方」公演初日

 もうね、2011年春ぐらいにマイケル・ムーアに見つかってたら、間違いなく乗り込んでこられますよ。めちゃくちゃインタビューされて、過去の事例ひっぱりだされて、この国全体の問題として語られますよ「俺たち全員の問題だ! 立ち上がれ! うぉおおおおお」(BGM「HIGER GROUND」ハイローのあれ)みたいになりますよ。

 とふざけたことを書きましたが、「ドキュメンタリーオブSKE48 アイドルの涙」を観てみると、かなりKⅡメンバーには深刻な時期でしてね。ちょっと、メンバーのコメントも雑にまとめたので、見てみましょう。

高柳明音「ゴールが見えない」
佐藤実絵子「暗黒時代」
古川愛李「このままできないんじゃないか」

 うーむ、毎日の楽しみが、映画「アジョシ」でウォン・ビンが悪人をボコボコにするシーンを観ることしかない僕でも共感できるぐらいしんどいですね。

 考えてみてください、もうすぐ出来るという言葉だけしか、信じる道がなく、それを待つしかない。そして、延期が何回もある。分かりやすく、ご飯ができるまでで、例えるとこんな感じです。

母「もうすぐ、アンタの好きなゴリラが握りつぶしたおにぎりできるわよ」
僕「わーい、後どれぐらい?」
母「今年の夏かな」
僕「ママ~、出来たあ?」
母「うーん、秋まで待って」
僕「ママ~、お腹ペコペコだよう」
母「ごめんね、来月ね」
僕「・・・」
母「あと一ヶ月待ってね」
僕「・・・」
母「何も言わないし、もうしばらくいいか」

 うん、余計ややこしくなったかもしれませんが、これらなちびっ子たちにも共感してもらえると思います。働いている方でしたら「ゴリラが握りつぶしたおにぎり」を「給料」でも「お家」でも自分の大切で待ち遠しいものを当てはめてみると良いかも知れません。


 真面目な話に戻ると、これ、応援している当時のKⅡヲタの方々もたまったもんではないと思います。いつなんだよ、と。あと自分のチームの曲を他のチームに初披露されるとか、今では考えられないですよね。

 たぶん、僕がメンバーだったら、「もう、秋元先生の嘘だろ。諦めよう。『恋愛禁止条例公演』やろうぜ!ひこうき雲好きだし!!」とかいい加減なことを言い始めて、ウォン・ビンにボコボコにされていたと思います。

 それでも、KⅡメンバーは、新しい公演が始まらない間も、リバイバル公演したり、秋元先生に手紙を書いたり、色々とやっていたわけです。しかし、自分たちが何をすれば良いのか、分からないまま日々が続くのは辛いものです。
 そんな中、迎えた2011年6月9日の総選挙。23位で呼ばれた高柳明音はあの言葉を言うわけです。

「秋元先生、お忙しいのは本当に承知なんですけれども、チームKⅡのみんなとチームKⅡを応援しているファンの皆さんの言葉を代弁して言わせてください、私たちに公演をやらせてください!!」

 かなり覚悟を決めて言った言葉だと思います。
 入社2年目ぐらいの社員がいきなり会社の総会で、社長に「前から出してた企画書の案件、いい加減許可だせや!」と物申すぐらいの衝撃です。

 ただ、ここまでの流れを見ていただくと分かる通り、高柳明音はもう後がないというか、「No Fear No Pain」という仮面ライダークウガの歌みたいな状態だったわけです。

 この言葉を受けて、やっと秋元先生は公演曲をKⅡにくれるわけです。
 最初に来た曲が「兆し」というのは有名ですが、このお待たせセットリストはKⅡのドラマがつまった歌詞なんですね。

 「ずっと羨ましかった先輩たちのステージ オリジナルの歌」「だけど そう私たちは忘れられてるみたいに お下がりばかりで どうして・・・」という苦悩。
 「同じレッスン ただ 黙々と・・・ 力をつけて いつかはきっと」という願い。
 「お待たせSet list 叶った夢 私たちに用意された素敵なメロディー」「KⅡのSet list みんなの夢 大切に 大切に 歌い続けるよ これから」という喜び。

色々ふまえて、こちらの公式動画をごらんくださいませ。

 https://youtu.be/zF8Yigps3KI

 2番も自分たちだけの公演という喜びが書かれています。
 いやあ、秋元先生、分かってるなあと書きながら思ったんですが、そもそもの原因はこの人なんですがね。
 ただ、曲が届くまでここまでドラマがある曲は48グループには他にないのではないでしょうか。
 いまだに「ラムネの飲み方公演」がSKE48のチームKⅡでしか公演されていないのも、この曲が持つドラマと強度からではないでしょうか。

 さあ、曲の持つドラマを知ったところで、今回おすすめしたいのは、「SKE48 REQUEST HOUR SETLIST BEST 50 2011」です!


 「ラムネの飲み方」公演が始まった2011年のリクアワなんですが、この年、2位にランクイン!
 曲の前後のKⅡコールが、「やっと報われた!」という気持ちが伝わってきて、最高です。聞いている時のメンバーの顔も本当に幸せそうです。
 オーディオコメンタリーのチームSメンバーの解説も良くてですね。

 平松加奈子「この曲がKⅡのヒストリーになっている」「ファンの人たちもお茶漬け食べながら泣いている」
 松井玲奈「『同じレッスン』のところで今までの公演のふりが入っている」「指のふりが音符になっている」

 ちなみに、チームSのオリジナル新公演は未だに来ていません。
 秋元先生は「7割できてる」って、2014年8月7日に言っていたんですけどね。
 気づいたら、本店と新潟に新公演が先に回されて・・・。
 秋元先生、約束は・・・。
 やっぱりマイケル・ムーアに突っ込んでもらうしかない!




2018年11月25日日曜日

DA DA マシンガン①

空想の楽しみ


 皆さんはスピンオフ作品はお好きでしょうか。

 例えば、機動戦士ガンダムのスピンオフの広がりっぷりは、当事者のアムロたちに「いや、連邦もジオンもあんたらの知らないところで、そこそこ凄いもん作ってドンパチしてたみたいよ」と教えたくなります。
 また、スターウォーズで2年に1回あるスピンオフ作品「ローグワン」とか「ハン・ソロ」ですね。この辺りはスターウォーズのエピソード4の前日譚になるわけですが、「デススターの設計図を手に入れるまで、どんな苦労があったのかなあ」とか「ハン・ソロと紅條が大好きなチューバッカはどこで出会ったのかなあ」とロンハワード監督とかが考えて撮ってたわけですよね(ロン・ハワードが紅條のチューバッカ好きをリサーチしていたかは不明)。


 今回紹介する「DA DA マシンガン」は、そんな空想の楽しみを感じさせてくれる曲です。

 まずは、このyoutube公式動画を観て欲しいんですね。
 ※続きが観たい人はぜひ、MV集か「12月のカンガルー」を買ってください。
 https://youtu.be/NF3CsWk4c58


 古いテレビドラマが好きな方でしたら、松田優作の探偵物語を連想させるシーンがありますよね。このMV、実は「探偵物語」へのオマージュがいくつかあります。

① 上からのアングルでタイトルのドアからかけるやつをひっくり返す。
  (しかも探偵物語の松田優作と同じように、一回、くるりと回ってからひっくり返す。しかも手を叩くところも同じ。優作は2回叩きますが、高柳明音は1回)。
② 髪を櫛で梳いてつばでセットする(優作は左右2回に対して高柳明音は右側を1回。つばをつけては、優作が2回に対して、高柳明音は1回)。
③ 準備ができて一服(優作は煙草、高柳明音はポッキー)。
④ 上半身は準備できているが、下半身は準備できていない(優作はパンツ、高柳明音はパジャマ)
⑤ 自分が淹れたコーヒーで吹き出す(優作は砂糖らしきものも入れ、香りを楽しんだ後、吹き出す。古川愛李は吹き出しそうなところでストップ)。
 ちなみに探偵物語は名作ドラマなので松田優作ファンの僕はおすすめしておきます。「いつになったら、日本にハードボイルドの夜明けはいつくるんでしょうかね。小鷹信光さん」


 歌詞はバイト先で出会った、化粧もろくにしていないボーイッシュな女の子に惹かれていく僕の視点で進みます。
 一言声をかけたい気持ちをマンシンガンに喩えながら、いろいろな言葉を撃って接近したいという歌詞なんですね。
 しかし、この歌詞の主人公はすごく気弱で「ランチに行こうと誘いたいけれど ただ無視されるか けんもほろろに 断られそうだ」とかなりネガティブなんですね。
 それで、「君が帰りがてらに お疲れ様って 言ってくれた それだけでも 前進」という超ポジティブシンキングなんですね。人によっては、「たぶん、それ、他のやつにも言ってるぞ、職場なら当たり前だろ バイト初めてか? てめえ、殿様か? 3匹が斬るの高橋英樹か?」と思うかもしれません(さすがにそこまでは思わない)。片思いの時は、相手の些細な一言でも過敏に反応してしまうこともあります。しかも、クールな女性(書き忘れましたが、『誰も見てない時間外に トイレ掃除』もするぐらい良い子)がこっちにこう、挨拶とはいえ、言葉をかけてくれたら嬉しくて浮かれてしまう気持ちは分かります。人によっては、「女に挨拶されたぐらいで、何浮かれてんだタコ。 てめえ、タコか? 3匹が斬るの春風亭小朝か?」と怒る人がいるかもしれません(さすがにいない)。でも、好きな人の一挙手一投足に気持ちが動くっていいですよね。初々しくて好きです。


 で、やっと本題に入りますが、このMVは「KⅡ探偵事務所」という架空の探偵事務所が舞台です。
 この探偵事務所の恐らく所長なのかリーダーなのか分かりませんが、メインになっている高柳明音は、この事務所の大家さんらしき人からの電話で「明日までに滞納した家賃100万円を明日までに払え」と迫られます。ところが、探偵事務所はペット探しがメインという鳴海探偵事務所みたいな感じなんで、そこまで収入はないエブリディなんですね。そこに山田みずほ演じるいかにも金持ちそうな令嬢が「私が無くしたスマホを3時間以内に見つけたら、100万払いますわ」とやってきます。依頼を受けたKⅡ探偵事務所の運命やいかに!というところで曲が始まります。

 このMV、KⅡのメンバーの少し男性っぽい着こなしが見られるのがいいですね。特に奈和ちゃんとあんにゃの服装は好きです。

 そして、このMVの新しいところは、「女性の探偵が17人もいる!」ということです。こんなに多人数の女性の探偵が活躍するドラマや映画ってありますか?「オーシャンズ8」すら2名ずつマンツーマンでマークに付けるんですよ。アン・ハサウェイの相手とか大変そうですけど。

 で、MVの中でどうやらスマホは、「山田みずほが自分で川に捨てていた!」ということが判明するわけです。なんでそんなことするの?と思われたかもしれませんが、ひょっとしたら、楽しそうにやってる探偵事務所をどっかで見ていて、混ざりたくなったのかもな、と想像してしまいます。


 この探偵事務所、曲の中では行動派の高柳明音とか、食いしん坊な古畑奈和とか、バトル要因の石田安奈とか、理屈はよくわからんが強い阿比留さんなど(なんでイコライザーやジョン・ウィックが強いか、いちいち君は考えるのか?)。一人ひとりのキャラがすごく立った探偵たちが揃っているわけですこのメンバーでドラマとかやったら楽しいだろうなあ、と想像するわけです。


 このMVが公開されてから時間が経っているので、今のKⅡにあてはめて考えると、どんな探偵になるかなあ、と想像するのも楽しいわけです。下は勝手に僕が考えたKⅡメンバーの二つ名。


小畑優奈 逸材マンゴーハラショー探偵
白井琴望 富豪パンダ圧縮探偵
片岡成美 ネット弁慶草生やし探偵
水野愛理 破天荒セールス探偵
太田彩夏 左手ブラブラさせがち自爆探偵
大芝りんか 管理探偵
中野愛理  古参探偵
松村香織 全てを壊し、全てをつなぐ探偵

 自分で書いていて、意味が分からない探偵もいましたが(特に上の3つ)、気にしないでください。それぞれ1話ずつ焦点を当てて進めていくだけでも2クールのドラマが撮れるんじゃないでしょうか。依頼人は他のチームや他のグループのメンバーとかね。最終回は探偵事務所崩壊の危機とか観たいですね。

 このように、わずか、数分のMVで色々な想像を楽しませてくれるのが、このMVの素晴らしいところです。皆さんも一度、想像してみると楽しいかもですよ。

 さあ、色々ふまえた上で今回のおすすめはMVの方でした。
 ※ライブだと「2588DAY 松井玲奈 SKE48卒業コンサートin豊田スタジアム 2日目」がおすすめですよ。役所広司ファンの皆さん、すいません、僕の力不足です。
 
 

 

2018年11月24日土曜日

スルー・ザ・ナイト①

アイズ ワイド シャット

見出しの言葉はスタンリー・キューブリック監督の遺作で、監督の作品の中では「フルメタル・ジャケット」に次いで好きな作品なんですが、今回紹介する「スルー・ザ・ナイト」はこの言葉のような楽しみ方もおすすめな作品です。

 この曲はSKE48の12枚目のシングル「美しい稲妻」のタイプĄのカップリング曲なんですが、MVがありません。歌っているのは、陽P選抜という1期生の出口陽さんがナイスバディな8人を選抜したメンバーなんですね。普段、ナイスバディというと、シュワちゃんとかスタローンとか、ドルフラングレンとか、マ・ソンドク(一人違う気もします)が出てくる僕とは目の付け所が違うわけです(なんだそりゃ)。

 で、初代メンバーだった方が何名かいたんですが、卒業に伴い、CDが発売された頃にはメンバーが変わってしまったんです。しかし、僕はこの曲の歌唱メンバーの方が好きです。だって、5期生多いし(知能低そうな答え)。

 さて、この曲とにかく衣装の露出度が高いんです。ネイビーで透け感のあるブラウスの下は、黒いブラだけというかなり激しいものです。スカートは同色で濃い色合いです。手元にあるSKE48の衣装本「SKE48衣装図鑑 全力制服」を読んでみても、これより露出度が高いのは、「美しい稲妻」MVのビキニ衣装しかないのではと思います。で、僕はこの衣装が好きなんです。こう書くと「なんだその猥雑な見方は、こんなことを紹介していくブログは廃盤だあ!!」と仮面ライダーエグゼイドの檀正宗社長みたいに叫ばれた方がいらっしゃるかも知れませんね。いやいや、この衣装の色使いと色白のメンバーが着た時の相性の良さが素晴らしいんです。
 ※そのあとも黒と白を基調にした衣装も出てくるんですが、僕はネイビーバージョンの方が好きです。



 衣装はこのかおたんちゃんねるのサムネをチェック!
https://youtu.be/9MeOoLz2alI

 で、この曲。
 どうしても、衣装やどのメンバーが着てるんだ、ということが注目されてしまいます。
 ですが、今回は、歌の方に注目したいと思います。

 歌詞を追っていくと、ドライブしているカップルの歌なんです。
 女性視点の歌詞なんですが、「ハンドル握るあなたの嘘は」とか、「バツの悪いあなたらしいとぼけ方ね」とか、どうやらこの曲中の男性はうしろめたいことがあるようなんですね。で、それが決定的になるのは、「誰を裏切りながら 私 誘ってくれたの」で、どうやら他に関係がある人がいるみたいなんですね。
 曲中の女性はどうするかというと、男性の嘘を「スルー」して「今を楽しもう」とするわけです。「聞かなかったふりして窓を見る」。
 そして、曲の最後は「言葉だけでは好きになれない」で終わるんです。
 男の方は「嘘」や「ラジオ(言葉が出てくるもの)」でごまかそうとするわけです。でも、それは信用できない、でも、嫌いにはなりきれないからスルーして、「ロマンティックを壊したくない」気持ちを優先する。うーん、どちらが上位に立っているか分かりませんが、「ハンドル」を握っているのは、「あなた」という車を二人の関係で考えると、なんだかんだ言って、まだ男性側が主導権を握っているのかな、と考えました。「言葉」以上の何かで証明してほしい曲中の女性の心情もすごい好きですね。

 歌詞だけじゃなくて、曲の夜感も良いんです。
 イントロ、Ąメロの水の音みたいなSE、サビから入るタンバリンみたいな音、曲通り夜のドライブに聴くのもいいですが、なめかに進む感じがして電車通勤にも良いですよ(なんだそりゃ)。

 衣装やセクシーさに目が行きがちですが、一度、目を閉じて曲として楽しむのも良いと思います。

 最後に今回おすすめするのは、こちら!
「SKE48 REQUEST HOUR SETLIST BEST 50 2013」です!
 2日目は1曲目からスルーザナイト!
 黒沢映画で言えば、いきなりミフネが暴れまわるご褒美仕様!!
 
 


2018年11月23日金曜日

仲間の歌①

 その曲をどこに置く


 いきなりなんですが、私、日本のヒップホップグループRHYMESTERのファンでして、ライブDVDもよく買うんですね。で、毎回オーディオコメンタリーが入ってて、映画のDVDのようでお得で嬉しいんです。でね、あるライブのオーディオコメンタリーでこんなことを仰ってたんですね。

「この曲は、曲の持つ力があって、絶対にライブの最初か最後にもってこないとしっくりこない曲なんだよね」

 今回、紹介させていただく「仲間の歌」はそんな曲です。
   手元にある大箱コンサートDVDのセットリストを参考にライブのどの辺にもってきているかというと・・・。

2012年ガイシホール1日目  なし
2012年ガイシホール2日目  EN4曲目(ENラスト)
2013年ガイシホール1日目夜 なし
2013年ガイシホール2日目昼 30曲目(本編ラスト)
2013年ガイシホール2日目夜 EN4曲目(ENラスト)
2013年武道館コンサート    2曲目(1曲目がOVERTUREなので、実質1曲目)
2014年神戸ワールド記念ホール EN4曲目(ENラスト)
2014年横浜アリーナ2日目 EN4曲目(ENラスト)
2014年名古屋ドーム1日目 41曲目(本編ラスト)
2014年名古屋ドーム2日目 40曲目(本編ラスト)
2015年豊田スタジアム 1日目 なし
2015年豊田スタジアム 2日目 32曲目(本編ラスト)
2016年ガイシホール1日目 なし
2016年ガイシホール2日目 EN5曲目(ENラスト)
2017年ガイシホール     なし
2017年センチュリーホール なし
2017年センチュリーホール 夜 EN2曲目
2018年さいたまスーパーアリーナ なし
2018年ガイシホール 昼     EN2曲目
2018年ガイシホール 夜     EN2曲目

 こうしてみると、最近、あんまりラストに置かれてないなあ、と思いましたが、今年のリクエストアワーのラストで歌われてましたね(苦しい言い訳)。昔は、大箱2公演の時、先のコンサートが「手をつなぎながら」で終わって、後のコンサートで「仲間の歌」というイメージだったんですが、すっかり時代は変わったんですね(しみじみ)。

 さて、 「仲間の歌」は、S3rd「制服の芽」公演の楽曲です。
 歌詞の内容を雑に説明しておくと、一緒にいる仲間の大切さと感謝、最後にこの場所で歌い続けることを誓うような歌詞になっています。

 この曲一番の特徴は、ファンが一緒に歌う部分があるということです。
 その時のメンバーの声掛けの具合にもよるんですが、最後の大サビ「愛の歌を歌おう 聞いてほしいんだ うまくはないけど 心をこめるよ 太陽のように 大きな声で ずっと 言いたかった いつもありがとう」の部分をファンも一緒に歌います。
 ライブでこの曲を一緒に唄っている時は、映画「ロッキー」におけるポーリーみたいな僕でも、SKEの仲間なんだなあ、としみじみ思えるわけです。

 最後の掛け声の誘導は、最初は中西優香から始まり、卒業後は、一部の例外を除いて、その時のリーダーやキャプテンが言うんですが、この誘導も始まりもライブによって違うんですね。

普段 「みなさんも歌ってください、愛の歌を歌おう」

メンバー大量卒業時の2013年ガイシホール 「これからもみんな仲間だからな、愛の歌を歌おう」

初の名古屋ドーム2日目「SKE48が生まれてから5年半経って、私たちは今ここにいます。私達をここまで連れてきてくださったのは皆さんです。皆さんは大切な仲間です。皆さん、これからもSKE48応援してくれますか? 愛の歌を歌おう」

このような掛け声から、合唱が始まるわけです。
そこで、私が今回、おすすめしたい映像は、こちら!!

「2588DAYS 松井玲奈・SKE48卒業コンサート in 豊田スタジアム2日目」

 SKE48を引っ張り続けてくれた松井玲奈の卒業コンサートの本編ラスト曲です。
 掛け声で、松井玲奈はこんなことを言うんですね。

「皆さん、最後に、オレンジ色の景色を見せてくださーい!」

 えっ、「オレンジ色の景色って何?」と思った方に説明しておくと、SKE48名古屋ドーム公演の2日目のアンコールでみんなオレンジ色のサイリウム振ろうというファンの間での約束というか、サプライズがあったわけです。
 で、当日は暗闇に無限のオレンジ色の光という映画「シン・ゴジラ」の東京みたいな感じになりまして。写真で見るより、会場内は異様な空間でした。僕も持てる限りのオレンジサイを振りました。

 たぶん、僕の走馬燈で必ず現れるであろう光景でしたが、これ、僕のような映画「アシュラ」の雑魚みたいなやつが見られて、SKEのメンバーは、当日の「未来とは」の選抜メンバー以外は見ることができなかったんですね。
 MVを名古屋ドームで撮ろうという試みのためでしたが、これがなんとも複雑で(映像として残るのは嬉しいんですが)。で、これがなんとも言えないモヤモヤになっていたわけです。例えば、非選抜のメンバーもステージで見たかったでしょうし、ファンも全員に見せたかったという人も居たんじゃないでしょうか。
 で、それを踏まえての、「オレンジ色の景色を見せてくださーい!」ですよ。
 当日、僕も2階席に居たんですが、焦ってサイリウムの色をオレンジに変えたもんですよ。
 その言葉の意味に気づいたのはアンコール中でしたが。

 「みなさーん、みんなにこの景色、見せてれて、本当にありがとうございます」本編の曲終了後に玲奈が言った言葉です。名古屋ドームのモヤモヤを自分の卒業コンサートで払拭してくれたわけです。ENのMCで玲奈も上記の内容を言ってますね。最後まで凄い人だな、と思う限りです。

 ちなみにかおたんに注目してみると、唄いながら泣いています。メイキングでは、アンコール前に「玲奈さん、ありがとう」とお礼を言っていることから、相当嬉しかったんだな、というのが伝わります。

 いまだにコンサートでこの曲がかかると泣いてしまいます。特に一緒に唄っている時は。たぶん、この曲が持っている大団円にする力がなせる業でしょう。
 次、一緒に唄えるのはいつか分かりませんが、またこの曲をコンサートのラストで聴けるのを楽しみにしています。
 
 余談ですが、映画「ボヘミアンラブソティ」のラストのレディオ・ガガ観てたら、なんとなくSKE48のトヨスタを思い出しました。

 一応、公式のyoutubeチャンネルでも「仲間の歌」はアップしてるんですが、結構シチュエーションが特殊ですので、その辺を頭に入れてみていただけると良いかと思います。

公式の動画はこちら
https://youtu.be/ND2TOMPIW2E


2018年11月22日木曜日

はじめに

 

 はじめまして、紅條(くじょう)と申します。



 今回、ブログを始めた理由としましては、私、AKB48の大ファンでして、2012年ぐらいからAKB48からSKE48ファンになりましてね。


 握手会よりは、どちらかというと、ライブの方が好きなファンなんですが、住んでいるところが関西であることと、先日までサービス業をしていた関係で、なかなか土日祝日に現場に行けなかったんですね(しみじみ)。


 そうなると、何をしてファン活動を楽しんでいたかというと、① SKE48のサイトをウロウロしたり、② 推しからのモバメを楽しみにしたり、③ 楽曲を聴くか、④ ライブDVDを観るか、⑤ 公演をDMMで見るか、⑥ youtubeで関連動画を観るか、というどちらかというと、こちらが一方的に楽しむ形が多かったわけです。(SNSはオジサンだから弱いのと追いきれないのよ・・・)


 それで、SKE48の各メンバーのドラマっていいな、とつくづく思っていたわけですが、その一つの要素として、楽曲と映像ってすごく大事だと思うんですね。急ですけど。


 あと、去年「SKE48 MV COLLECTION~箱推しの中身~」が出たのに加え、最近「映像倉庫」も出来たでしょう。だから、始めるなら今かなと思いまして。





 「あの曲をここで、あのメンバーが!」という興奮だったり、「この曲のMVの世界観がすごく好き」というこだわりだったりが皆さんもあるんじゃないでしょうか。


 それで、今、いろいろあって凄く時間が出来たんですね。
 ここで一つ、自分の感想を書きつつ、皆さんにSKE48の楽曲の魅力を新たに知ったり、こんなことあったな、と思い出していただいたりすることのきっかけの一つになれば幸いだと思っています。


 例えば、僕は1期生の中西優香さんのファンだったので、「5色の虹」を早く音源化してくれ!と願ってやまない一人なんですよ。みんな、あの曲のことどう思ってるんだろう、と考えています。本当にもったいない。2018年11月になっても言い続けています。

 あと、人間なので、少なからず好みが読んでいる貴方と違うかもしれません。ファンとしても偏った面もあるかもしれませんが、そこはまだ未熟なファンの戯言として寛大なお心で許して頂ければ嬉しいです。


 最後に最新曲のMVのリンクを張っておきますね。
 これからのSKE48が楽しみです。
 
https://youtu.be/zYYzf81pCks?list=RDMMzYYzf81pCks

紅條