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2022年10月2日日曜日

鎌田さんから考える休みの日の過ごし方

没入と吸収とアウトプット


 皆さん、突然ですが休みの日に何をすれば良いか、分からないということってありませんか?

 いや、毎週予定が入りまくっているという方はいいですよ。

 でも、朝の11時ぐらいに起きた時のやっちまった感や、起きてダラダラとSNSを見てるだけで1時間経っていたということもないでしょうか?

 かくいう僕も2022年から紙の雑誌「かける人」を作る為に、休みの日の方がパンパンに予定が入ってしまい、この連載も5か月ぶりに書いてますよ、お侍さん。

 さて、哲学者の國分巧一郎先生は「暇と退屈の倫理学」の中で、中世ヨーロッパの貴族たちは暇の過ごしかたを知っていたが、庶民たちも暇な時間が出来た時に何をすれば良いのか、分からないという人も多かったのでレジャー産業が入ってきた、ということを書いています。

 誰かから「こういう休み方が良いぞ!」と与えられるわけです。

 しかし、2020年から始まったコロナ禍は僕らに、レジャーだけでなく休み方も改めて考えさせました。

 集まるのではなく、一人で。

 騒ぐのではなく、静かに。

 職場ではなく、家で。

 今まで境界線がはっきりしていたものが、ぼやけてしまったと「あなたの24時間はどこへ消えるのか」の著者であるスワンさんも分析しています。解決策として、「休みの日は何々をする!」とか「休みの日は何々をしない!」というルールから自分を解き放ってあげることが必要では、と彼女は分析します。そして、この本に関する対談で、VLDK / LivingAnywhere Commons 八ヶ岳北杜 プロデューサーの渡鳥ジョニーさんは、「休みの過ごし方を他者と比べない方が良い」という考えを語っています。住んでいる環境やライフステージも違いますしね。

 確かに休みの日にSNSを開くと、色々な人の休みの過ごし方が出てきます。ううっ、皆さんアクティブ、と感じることがあります。

 しかし、周りはこうとか普通はこうみたいなものに縛られない休み方もいいな、と思います。周囲の相互評価など関係しない過ごし方。先ほどの國分先生の著作の中の言葉を借りると「没入」ですね。

 こういう余暇の過ごし方について、考えるヒントをくれるメンバーが鎌田菜月さんだと僕は思います。

 まずは、彼女がコロナ禍の頃に書いたブログを読んでみましょう。

 (鎌ºωº田)<今しかできないこと。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

  このアメブロの中で、「意味もなく散歩をする」というところに僕は凄く惹かれまして、「何々しなきゃ!」とは真逆の時間の過ごし方だと思います。そして、持続できることでもあるな、と。

 ただ、彼女もオンとオフをはっきりさせたい方のようです。

(鎌ºωº田)<オンとオフとか。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 さて、今度は誰かと一緒に会うことについてです。

(鎌ºωº田)<乾杯〜!! | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)


 このブログの中の「1人の時間は大切だけれど、1人で居続けるのは寂しい」というのも凄く考えさせられる1文ですよね。たとえば、僕は今過疎化が進む田舎に住んでいます。しかし、都会で1人暮らしをしていた頃は、1人でも全く平気で好きな本や映画をどんどん吸収していったんですが、映画の帰りに1人で最寄りのカフェでコーヒーを飲みながらパンフを読む時間がとても幸せでしてね。
 だいたい映画の新作って、金曜日に公開なんですね。金曜日の夜の色々な事情でやってくる人達と、ほどよく他人でいながら同じ空間にいる時間が好きでした。

 鎌田さんにもこんな体験があるのかな、と思い、探してみると、あるではないですか!

 しかもわりと最近。

 「ハマっちゃった」SKE48の鎌田菜月が一人ディズニーシーを満喫 (msn.com)

 ううむ、こういう「普通は誰かと行くもの」という概念や他人にどう思われるかにこだわらない好きなものへの「没入」の仕方って素晴らしいな、と感じます。

 彼女のラジオ番組である「サクラバシ919」、皆さん聴いてらっしゃいますでしょうか?

 僕は全部の回ではないですが、聴ける時はなるべく聴いております。映画のランキングの時は、ちょっとラッキーという気持ちになります。彼女がこの番組で語るランキング企画を聴いていると、彼女が限られた休みの時間の中で豊かな過ごし方をしているなあ、というのが凄く伝わってきます。

 鎌田さんのアウトプットにベストの形式は、個人的には「書く」だと思っていたんですね。

 こういうブログを読んでいると。

(鎌ºωº田)<こんなこともある | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)


 個人的にもっと文章を読んでみたいメンバーの一人です。

 ファンの皆さんには、彼女のエッセイ集とか創作集とかはいかがでしょうか?

 個人的には「意見文」中心のものが読んでみたいですね。

 ちなみに、文章だけでいうと、彼女の凄いところって、そのメディアの外側の何かを掬い上げようとするところだと思います。たとえば、公式ブログのタイトル欄に限界まで文字を詰めたり、AAを積極的に使ったり。他のメンバーたちが豆腐を作っている時に、オカラを作ってきて、実はこっちもおいしいですよ、と違う可能性も見せてくれるメンバーだと思います。

 いつも心が動く文章ばかり紹介しているので、たまには爆笑したブログも紹介しましょう。彼女の表現の素晴らしさを感じます。

(鎌ºωº田)<暴投したっていいじゃない。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 話を戻すと、鎌田菜月の休みの過ごし方はもっと広がってほしいな、と思っています。

 彼女と同じように過ごしたいけれど、ちょっと気が引けるという方の背中をきっと押すと思います。そして、誰かと比べずに自分の好きなものと向き合う過ごし方を更新していくというのは、きっと我々も学ぶところが沢山あると思います。

 今日は日曜日。あなたはどんな過ごし方をしましたか?


2022年5月4日水曜日

もし、鎌田さんで4ページ使うなら!

 妄想と紙面と予算と


 「唐突だな!」と言われるかも知れないですが、あなたが雑誌の編集長になったとしましょう。「唐突だな!」というあなたの声が聞こえてきましたよ。

 自分が作っている雑誌のカラーページ4ページが余ってしまったら、あなたらどう使いますか?
 「宣伝スペースにしますね、ふっふっふ」という方もいるかも知れませんが、宣伝が付かないぐらいの大手ではない雑誌としましょう。ビレッジ・ヴァンガードに半年に1回ぐらい出るA4サイズぐらいの総300ページぐらいの雑誌としましょう。
 改めて、あなたなら4ページをどう使いますか?
 

 なんでこんな質問から今回始まったかというと、ついに自費で紙の雑誌を出すことになりましてね。現在「創刊準備号」のクラウドファンディング中なんで、もし、良かったらページだけでも覗いて行っていただければ、と控えめに宣伝させていただきます。で、そのクラファンのリターン特典の1つである「創刊号」の企画書を書いていたわけですよ。
 「だいたい依頼する方々や出版するタイミングはこれぐらいで…」と考えていたんですね。まあ、超小規模の雑誌ですし、ガンガン好きな人達に依頼できるほどの予算は無いんですが、それでも妄想だけは広がっていきましてね。
 ふと、4ページぐらいの枠で何が出来るだろう、とぼんやり考えたんです。
 これは、これまでのアイドルの楽曲やドラマからブログを書いていた頃には、全然発想しなかったことです。ただ、インデペンデントのメディアだからこそ、売り上げとかを気にせずにできることもあるのでは、と思ってもいます。

 そこで、今回はこんな記事を考えてみました!


 「もし、あなたが鎌田さんで4ページ使うなら!」

 鎌田さんって、これまでのブログでも取り上げてきた通り、様々な側面から語ることが出来る人だと思うんですよね。彼女自身の人間性。これまでの活動のドラマ。彼女の趣味である二次元、将棋、歴史、剣道、マラソンetc。
 じゃあ、4ページに落とし込んでいくなら、何がベストでしょうか?


 たとえば、僕が構想していた企画は「嫌いな君を好きになる」です。
 このブログを昔から読んでいる方はご存じだと思いますが、僕は鎌田さんが超苦手でした。でも、食わず嫌いせずに少しずつ彼女のことを知ることで、彼女の人間性の豊かさを知っていきました。
 そこで、鎌田さんが苦手だった僕だからこそできる、「価値転倒」の過程を彼女のインタビューと共に話していけないかな、と考えました。かつての体育会系バリバリのSKE48とは違う価値観を広げてきた( 松井玲奈、秦佐和子、古畑奈和という系譜はありましたが )彼女の台頭は、僕のように違和感を抱いた方もいらっしゃるかと思います。でも、違和感は新しさでもあります。そして、その新しさはやがて、足跡のない道を作っていくことになります。そんなインタビューの流れを考えていました。自分にしか出来ないことは何かと考えた末の企画です。
 ただですね、ふと思ったんですよ。 
 4ページじゃ足りん!
 ロッキンオンジャパンの2万字インタビュー並みに、1ページの紙面を3段組みで組んでも足りないかも知れません。
 

 そこで、改めて考えてみました。
 僕が次に取り出したのが、彼女の本への愛です。
 まずは、こちらのアメブロを読んでみましょう。 

(鎌ºωº田)<オタクが語るだけのブログ。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 「鬼滅の刃」の完結について書いたブログですね。 

 漫画というものが人生の中にあることで「宝物」が増えていき、自分の人生が色鮮やかになっていくというのは、読書家の彼女ならではの表現だと思います。
 そして、もう一つ読んでいただきたいブログがあります。

(鎌ºωº田)<秘密の書きもの。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 彼女の場合、インプットとアウトプットのバランスが凄く良いと僕は思います。
 宇野常寛の「遅いインターネット」の中で「優れた発信をするには、優れたインプットが必要である」という考えが登場します。現在は、発信する手段だけが発達していって、インプットである読書や映画鑑賞が無くなってしまっているということです。
 彼女の場合、その循環が凄く良いのではと思います。
 現在は、それがラジオのレギュラー番組「SKE48鎌田菜月のサクラバシ919」でのアウトプットになっているのかな、とも思います(実は秘かにメールを送っています)。
 そんなインプットとアウトプットのバランスが良い彼女だからこそ、4ページという枠の中で出きることは何か考えました。

「鎌田菜月 1万円選書」

 「1万円選書って、なんだよ。宣戦布告する文書のことかよ!」という島崎藤村マニアの方もいるかもしれませんが、「普段、忙しくて本屋に行く暇がないわあ」とか「本棚の本がかなり偏ってしまっている!」という方の為に北海道のいわた書店の店主である岩田徹さんが始めたサービスでしてね。
 1万円で店主が本を選んで申し込んだお客さんに送るサービスです。
 まず、個人カルテとして「これまで読んだ本で印象に残っている20冊を教えてください」とか「これまでの人生で苦しかったこと、嬉しかったことは?」、「これだけはしないと決めていることはありますか?」という内容です。
 そこで、鎌田さんが1万円分のおすすめの本を選び、チョイス理由を書いていく4ページはどうでしょう?
 本当は個人カルテを取りたいところですが、ペルソナをゆるーく設定してお願いしてみると逆に面白くなるかと思います。
 鎌田さんの作品に対するプレゼン力の高さは、他のメンバーへの作品の浸透度からも分かります。

(鎌ºωº田)<雨のち晴れ。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 ううむ、SKE48の生誕くじの1位の特典とかでどうでしょう?
 ちなみに、なーやんこと、竹内ななみさんにお願いしてみても面白い1万円選書になりそうな気がしています。

 僕としては、一度、自分でもチャレンジしてみたいですが、同じくらい依頼してみたいのが1万円選書だと思います。

 
 今回は、鎌田さんの読書家であり、発信した際の表現の豊かさや浸透度について考えてみましたが、皆さんなら4ページでどんな企画を考えますか?

※ これまでの鎌田さんについて考えたマガジンはこちら!

https://note.com/oboeteitekure913/m/m0d193ea4aab6

 
 

 

2022年3月20日日曜日

変異と適応と鎌田さんについて

 進化に必要なもの


 慶應義塾大学特別招聘准教授の太刀川英輔さんの「進化思考」が面白いです。
 生物や製品が進化していく過程を9種類の「変異」と4種類の「適応」で考えていく大著です。
 たとえば、量の変化を想像することで様々な進化や発明が生まれます。
 地球を小さく描きたいと思ったから地球儀が出来たでしょうし、iphoneをもっと大きくしたいと思ったからipadが出来たというような「変量」など、様々な事例が挙げられています。
 中でも生態系の競争での生き残り方が描かれた「適応」の賞が凄く面白くてですね。
 たとえば、「ニッチ」について書いた章。
 生態系ポジションの隙間を狙って自分の地位を作っていくことを生態学で「ニッチ」と呼ぶそうです。
 他の種がすでに生態的地位を確立してしまっているところでは競争に負けてしまうので、なるべく競争がすくないところを生物は狙って生き延びます。
 コアラのことを考えてみましょう。
 コアラが食べているユーカリの葉には猛毒があるそうです。
 他の生き物からみたら、「マ、マジか、あんなの誰も食べないよ。お腹こわしちゃうよ」と心配になると思います。
 実際にコアラにはユーカリを無毒化する免疫はありません。
 ですので、食べながら痺れているそうです。
 だから、コアラはゆっくり動きますし、22時間も寝ているそうです。
 めちゃくちゃ無理をして「適応」をしているわけですね。
 周りの動物、コアラにも食べさせてあげて、と思わず思ってしまいます。 
 僕は、ふとアイドルについても同じようなことが起こっているのでは、と思いました。


 まず、アイドルになるということは、普通の女の子が様々なタイプに「変異」していくことだと僕は思います。
 そして、厳しいアイドル界の中で自分なりの「適応」をしていくことだとも。
 

 鎌田菜月さんのサイリウムカラーを皆さん覚えてらっしゃいますでしょうか?
 紫1本と白2本ですね。
 普通の女の子だと自分の好きな色はあっても、自分を応援するサイリウムの色を持つというのは、アイドルならではだと思います。
 鎌田さんのサイリウムカラーについては、こんなエピソードがあります。
 ちょっと、2019年12月10日のブログを読んでみましょう。

 (鎌ºωº田)<紫は好きな色じゃない。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 ううむ、お母さまが好きな色だったんですね。
 「ライバルだと思って通したドレスが、相棒になりました」という表現が素敵ですね。
 そういえば、鎌田さんって、私服はモノトーンのイメージが強い感じでしたが、そういうことだったんですね。
 ちなみに、この紫は彼女にとって安心できる「お守り」のような色になっていきます。
 2020年11月16日のアメブロを読んでみましょう。

 (鎌ºωº田)<私にとってのお守り。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)
 

 知らない人たちと出会うロケ番組などで、ちょっと緊張するときに「ほっこり」を感じられるスタッフの方の優しさと色に関するエピソードが素敵ですね。
※本題と少しずれますが、ロケに関する素敵なエピソードがあったので、こちらのアメブロも是非!

(鎌ºωº田)<地元と一緒に。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 さて、鎌田さんがいる48グループは、W・チャン・キムが提唱したマーケティングの「ブルーオーシャン戦略」でいえば、非常に「レッドオーシャン」な状況だと思っています。
 2022年現在は勿論ですが、時計の針を5年戻したとしても、色々な席は埋まっていたと思います。それでも、生き残るためにはチャレンジが必要です。
 そこで、鎌田さんはこれまでの連載でも書きましたが、様々なチャレンジをしていきました。
 そんな鎌田さんのスタンスが分かるアメブロを読んでみましょう。

 (鎌ºωº田)< #美浜海遊祭2018 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)


 「たとえ自分の中の努力が結果と比例しないとしても、それが1つの結果であり評価です

 『何で頑張ってるのに?』ではなく受け止めて、1つ1つ頑張っていくしかないんです」

 そんな彼女のことを見つめていた先輩がいます。
 須田亜香里です。
 だーすーといえば、この長いアイドル生活の中で様々な「変異」を行い、アイドル界どころか、芸能界に「適応」していったメンバーです。
 彼女の目には、鎌田さんはどんな風に見えていたんでしょうか?
 

 #須田亜香里 #カレーはいかが? #鎌田菜月生誕祭 #お手紙 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 「頑張ったこと」に関するスタンスが非常に似ていますよね。
 さらにもう一つ。

 #須田亜香里 #鎌田菜月生誕祭 #Mステ | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 このアメブロからも鎌田さんが、アイドルの枠に収まらずに「変異」を続けていたことが分かります。


 ちなみに、鎌田さん関連で「行動すること」について書いたアメブロも読んでおきましょう。

 #須田亜香里 #名古屋ウィメンズマラソン #行動を起こすということ | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)


 ちなみに、だーすーに対する鎌田さんの視点を見てみましょう。

(鎌ºωº田)<須田亜香里のソーユートコあるよね? | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 ううむ、お互いの良いところを発見し合ってますね。
 

 「ニッチ」の獲得競争には環境負荷を低減させる効果もあるそうです。
 「ニッチ」を獲得することでそこに余剰が生まれ、お互いに価値化をしあえば生態系には効率化や安定化が生まれやすいそうです。
 SKE48もそうです。
 勇気を出して新しい分野に飛び込んでいくこと、自分の色を増やしていくこと、そうすることで周りのメンバーにも良い影響が生まれていくわけです。
 それが伝わるだーすーのアメブロを読んでみましょう。

#須田亜香里 #読み方が分からない味 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)


「頑張れ。
 そして
 鎌田のように頑張らせてくれ」


 後輩に対してそんなことを素直に言えるだーすーの凄さと、鎌田さんとファンの方々が起こした「活力をもらえる生誕祭」。
 本当に良い関係だと思います。
 もう鎌田さんたち6期生はベテランのグループに入ると思います。
 多分、これからは若手に混ざってイベントで戦うことになるとも思います。
 でも、鎌田さんには遠慮せずに欲張って欲しいな、と思います。

(鎌ºωº田)<立候補します! #春の鎌田まつり #P4U | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 今までは選ばなかった選択をしていく。それは怖いことですが、勇気をもってファンの方々と進んでいく。
 「変異」と「適応」を繰り返しながら、人見知りの彼女は新しい物や人と出会っていきます。それは時として疲れることや緊張することかも知れませんが、「月」という名前で覚えてくださった方のように、きっと彼女にとって大事な縁になっていくのではないか、と思います。

 2022年、鎌田さんはどんな「変異」を遂げて、どこに「適応」していくのか。
 今から楽しみです。

2022年2月6日日曜日

妄想企画「鎌田さんがラジオ番組を持ったら…」

 マジカルラジオにする女


 ※今月は妄想企画の回なので、肩の力を抜いて、頬をの肉を落として、ついでにまどろみながら読んで欲しいです。


 皆さん、ラジオは好きでしょうか? 
 僕は、ニッポン放送の「オードリーのオールナイトニッポン」が好きで毎週聴いていますし、TBSラジオの「アフターシックスジャンクション」も映画のレビューをする金曜日を中心に聴いております。
 あとは、「SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル」なんかも好きです。
 さらにインターネットラジオでしたら、吉本の芸人さんたちが中心に出演しているGERAや宇野常寛さんの「遅いインターネットラジオ」が好きで、芸人の金属バットがyoutubeで毎週配信している「声流電刹」なんかも好きです。

 ラジオという音声のみのメディアが持つ、密室感と想像力を刺激されるトーク。そして、時にはながら仕事をしながら楽しめる手軽さが好きです(朝に歯磨きや顔を洗いながら聞くのもいいですし、プラモデルの墨入れをしながらも聴けるのがありがたい!)。

 SKE48も、地元の名古屋のラジオ番組に出演していますし、「オールナイトニッポン0」の枠にも出演していますね。

 記事の為に様々なメンバーのラジオをチェックするようにしていますが、中でもラジオのトークが馴染むメンバーがいます。卒業したメンバーで言えば、高柳明音さん。彼女の場合、声と語り口が素晴らしいというのもありますし、誰がゲストで来てもちゃんと30分成立させるトーク力があります。
 現役メンバーだと、古畑奈和さんのラジオが好きで、外仕事でのちょっと「余所行き」なんですが、だんだん自分の好きなものの話になるとテンションが上がっていく、奈和ちゃんが素敵なラジオでした。

 じゃあ、鎌田菜月さんはどうでしょう?
 元々トーク力があるメンバーですし、様々なカルチャーについても語れるメンバーです。
 今回は、妄想ラジオ企画を2つ考えてみました。
 

① 「地上波番組編」金曜日 20時~22時( 2時間番組 )

 MC 鎌田菜月
 聴取可能メディア ラジオ・radiko・Spotify
 番組構成 ① オープニングトーク(15分)
      ② CM( 3分 )
      ③ 今週の1本( 30分 )
      ④ CM( 3分 )
      ⑤ ゲストとトーク( 40分 )
      ⑥ CM( 3分 )
      ⑦ エンディングトーク( 15分 )
      ⑧ 曲とCM調整用の枠( 11分 )

 ええ、いきなり、トーク多めのストロングスタイルラジオですよ。
 鎌田さんのラジオを聴くと、好きなものについてじっくりと語ることが好きなのかな、と感じる場面が何回かありましてね。それだったら、毎週1本映画や漫画の課題作を決めて、それについて30分じっくりとその作品について語る枠を作ったのが、このラジオの目玉です。
 リスナーも作品の感想を送り、賛否両論を鎌田さんと語り合うというのはどうでしょう?
 もしあったら、僕も凄く送りたいですね。
 そして、ゲストとトークコーナーでは、アイドル関係、将棋関係、歴史関係、2次元関係、という彼女のこれまでのキャリアは勿論ですが、これから話を聞いてみたいと人と話す時間を入れてみました。
 なので、このラジオはインプットとアウトプットの繰り返しのラジオになっていくと思います。カルチャーが好きで、じっくりとものを考えて行きたい人向けのラジオになるのでは、と思います。

 
② 「インターネットラジオ番組編」毎週木曜日の20時更新(25分~無制限)

MC 鎌田菜月( たまに近くにいたメンバー )

 聴取可能メディア youtube・amazon music・LINE music・Voicy

 番組構成 ① 1週間の近況報告
      ② リスナーメールを読む

 こちらは、ちょっとファン向けのラジオです。
 鎌田さんが1週間の仕事の振り返りをしながら、楽屋であんなことがあったとか、こんなことで笑った、今週はここに行ってきたというのを語っていきます。
 これは鎌田さんが以前、Twitterのスペース機能でユニット別公演のセトリについて語っていた時に、「この人、一人喋りでもむちゃくちゃ行けるな」と感じたからです。
 こっそりと内緒話をする感じで、語るのはどうでしょう?
 そして、どれぐらい事務所が権利的にOKするか分かりませんが、たまには鎌田さんの近くにいたチームEメンバーや仲の良いメンバーなんかと「あれだけどさ」とか「あの時のこと覚えてる?」という感じで話していきます。
 youtubeにチャンネルを作って配信していく形なので、時間の枠に縛られずに喋ることが出来るのが最大の強みです。
 リスナーメールはフリーテーマなので、自由度が高いものになっていくのではと思います。

 さて、ざっくりと妄想ラジオ企画を書いてみましたが、皆さんはどんな番組が思い浮かんだでしょう?
 知らないカルチャーに触れていくという意味では、鎌田さんが好きな音楽を流して彼女が解説していく番組とかも良さそうですね。
 ラジオから聞こえてくる彼女の声を楽しみに、今回の記事を終えます。

※大垣共立銀行さんプレゼンツとかで出来ないですかね?


2021年12月29日水曜日

すてきなわたしたちをつくるもの

 おまかせとカスタム


 ワシントン大学で客員研究員をしている栗原一貴さんが日本とアメリカの西海岸の人々を比較しながら、彼の所属する消極性研究会(SIGSHY)の研究とからめた「理想の国アメリカで凡庸化する私」の中でアメリカのカスタマイズ文化について語っています。
 たとえば、スターバックスのコーヒーやサブウェイのサンドウィッチ。
 それぞれの好みを尊重するために、カスタマイズというものがあり、日本の「おまかせ」とは違うと語っています。
 そして、アメリカでは個人の自主性が重んじられ、社会的な上下関係よりも優先させれるのでは、自分の論を語っていきます。
 それは、なるべく多くの人が不快感を抱いたり、自粛をしたりしなくて良いようにする空気作りがされたデザインのコミュニティが多いことについてです。
 彼の言葉を借りるならば「アメリカは空気が薄い」。
 そう、誰かの為に空気を読むのではなく、自分の考えを外に出してきちんと話し合える文化が(少なくとも彼の周りには)あるそうです。


 先日、吉田恵輔監督の映画最新作「空白」を観ました。
 自分の正義を信じて疑わない強引な人間たちと、自分の心のうちにあるものが上手く伝えられなかったり、そもそも上下関係に萎縮していえなかったりする人間の対比が作品の中に描かれていました。
 劇中、主人公二人のうち二人は、社会的なバッシングを受けます。
 それに対して、身近な人物が「これは無罪だから、駅前とかでビラをまこう!」と宣言し、主人公が「いや、いいですから…」と言うにも関わらず、どんどん運動を始めてしまいます。先ほど挙げたアメリカの「カスタム」文化の真逆、「おまかせ」の物凄く悪い例として作中で機能してしまっているのではないか、と思います。
 「言いたいことがあるなら、ハッキリ言えばいい!」と観ていて思う方もいるかも知れませんが、社会的な上下関係や親子関係が絡んでくるとなかなか難しいところが、まだあるのかも知れません。

 SKE48では、どうでしょう?
 かつての先輩後輩間の上下関係は非常に大きいものがあったと僕は感じます。
 たとえば、1たす1たす1は3じゃないよの3期生集合回の動画なんかでは、当時の1期生たちの厳しさについて語られていました。
 この厳しさは、当時、AKB48に追いつき追い抜くためには、公演などのパフォーマンスで差別化をするという牧野アンナ先生の意図(映画「アイドルの涙」参照)があったからこそだと思います。
 ただ、これが悪く作用してしまった結果、一部の先輩メンバーが「怖い先輩」になってしまうことになりました。いや、引き受けてもらうことになったと書いた方が良いかもしれません。
 体育会系が好きな方は、それでも良いかも知れませんが、先輩が言うことは疑問が多少あっても守るというのは思考停止になって、完全に「おまかせ」状態なんじゃないかな、という疑問もわいてきます(繰り返し書きますが、そういうのが好きな方はごめんなさい)。
 かといって、反論を言うことも勇気がいりますし、関係が壊れるかも知れません。
 それなら、どういった環境づくりをしていけば良いでしょう?

 その答えを見せてくれたのは、SKE48の6期生、鎌田菜月さんでした。
 彼女は先日行われた6期生がリーダーを務めるユニット別の対抗戦で、セットリスト作りについてある工夫をしました。
 まずは、SKE48公式チャンネルに挙げられた「アフタートーク」動画の7分30秒頃から9分頃までを鎌田さんの発言に注目してご覧ください。


 動画内でユニットへの希望について、下記の2点を挙げています。

① みんなに耳をつけたい

② 1曲目はみんなで立ちたい

 さらに、「最後まで本人たちの意志をなるべく優先しました」と鎌田さんは語っていますね。
 実はTwitterのスペース機能を使って、公演が終わった翌日の夜ぐらいにユニット公演のセットリストについて熱く語ってくれていたんですが、アーカイブに残らないことを忘れていて、まあ、聴くだけ聴いておいてまたブログに書く時に聴き返せば良いや、とゆるーく聴いていたんですが、その中でも当初選んでいた曲よりも、メンバーたちの希望に沿って決めていったということを語っていましたね(もし、記録されている方がいらっしゃったら、是非、再度ご確認ください)。

 この鎌田さんの方針、後輩達はどう感じていたんでしょうか?
 まずは、平野桃菜さんのアメブロを読んでみましょう。

平野百菜♪ユニット公演 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 ううむ、まずはグループラインでみんなから意見を集め、そこで言いにくかったら、個人の方に連絡してくれても良いという二段階の意見方法で、発言への抵抗感を減らしてくれていますね。
 「みんなに気をつかって」と後輩が感じるぐらいですから、きっと言葉選びなどにも配慮があったのではないかと思います。
 そして、普段はチームも期も違うメンバーたちが、同じ目標に向けて進む時に、「おまかせ」ではなく「カスタマイズ」をみんなでしていくことで、素晴らしいセットリストとパフォーマンスが生まれたのではないか、と思っています。

 これまで鎌田さんはどちらかというとソロプレイヤー的に活躍していくタイプという見方を僕はしていました。しかし、今回のユニット曲特別公演を経て、僕の中で一つの価値転倒が起こりました。
 それは、ひょっとすると、彼女は新しいタイプのリーダー適正があるのではないかということです。


 丁度、今朝、文庫版の「ナナメの夕暮れ」(若林正恭著)を読み終わったんですが、文庫版のために書き下ろされた部分で、オードリーの若林さんは、自分より若い人たちに示しをつけるようなスタンスで仕事をしていたことが少しだけ触れられます。しかし、一緒に仕事をして成長するのは後輩ではなく自分だ、ということに気づき、人見知りで世の中で良いとされているものを疑っていた自分のような人が喋りやすくなる、楽しんでもらえる、そんな雰囲気を作っていきたい、考えを変えたるようになったと書いていました。
 そのスタンスの根本には、芸能界にうまく馴染めなかった昔の自分の傷があったとも書かれていました。

 完全にここからは、僕の推測ですが、鎌田さんにもかつて世の中やカギ括弧付きの「SKE48」から受けた傷があったのかも知れません。この連載の第1回で書きましたが、僕は鎌田さんが嫌いでした。何故なら、5期生までのSKE48メンバーとは、全く違う雰囲気を持ったメンバーだったからです。ひょっとすると、SKE48の文化と馴染めない部分もあったかも知れません。
 あくまで僕の推測です。繰り返し書いておきます。
 

 ただ、これからのSKE48を作っていく上で、彼女のような価値観のリーダーがいてくれたら、きっとより良い「カスタム」がセットリストだけでなく、グループにも生まれるのではないか、と思っています。
 2021年の最後に、鎌田さんの新しい魅力を感じることが出来ましたが、2022年はいったいどんな一面を見せてくれるのか、はたしてこの月一連載はいつまで続けるのか、僕にも分かりませんが、1年以上見ていても、新しい発見があるので、きっとまだ連載は続いていくと思います。


2021年11月14日日曜日

心に火をつけて

受け継がれていく理解

 文具メーカーであるコクヨに勤めながら「働き方改革アドバイザー」として、社内や様々な企業の働き方改革の推進をしてきた坂本崇博さんの著書『意識が高くない僕たちのためのゼロからはじめる働き方改革』が先日発売されました。
 ヲタクである坂本さんが、いかに円滑に仕事を終わらせて家でアニメを観るか、という目標を達成するために、様々な働き方の工夫(個人的には営業の部分と自分の好きなものを仕事の中にうまく入れて行って『志事』にするところが勉強になりました)をご自身でされている様子は、刺激的でした。今月のおすすめ本の一つです。
 さて、そんな坂本さんの言葉の中で凄く気になる言葉がありました。
 それは、仕事の行動力を喩えた「可燃性」という言葉です。
 驚くぐらい雑に紹介すると、会社や組織に入りたての頃は、組織の改革アイディアが沢山出てきます。心が燃えている状態ですね、「可燃性が高い」わけです。
 しかし、なかなかアイディアを行動に移すのは難しいです。
 たとえば、人やモノや金や情報が欠けているという状態ですね。
 この状態が続くと、徐々に燃えにくくなります。 
 坂本さんは「難燃性」の状態に喩えています。
 この状態になると、行動せずに飲み屋で愚痴を言うだけで終わったり、時には周囲の「可燃性の高い」状態の人に水を差すような言葉を言ったりして、相手の炎まで消そうとしてしまいます。ううむ、僕が働いてた会社にもこういう人いたなあ。
 勿論、アイディアをみんながみんな出す必要はないんですが、誰かが設定したテストで高い点数を取る「イチニンマエ主義」とは違うアプローチが必要であると坂本さんは語っています。

 皆さんのいる組織や会社は「可燃性が高い」人はどれぐらいいるでしょう?
 いまのSKE48はどうでしょう?
 鎌田菜月さんがいた頃、彼女の心を燃やしてくれる魅力的な先輩的な先輩たちが沢山いました。
 たとえば、この人。
 かおたんこと、松村香織さん。
 「干されていた」研究生時代から、「人・金・モノ・情報」を持ち前のバイタリティーと企画力でクリアーしていった人物として、SKE48に今も燦然と輝く唯一無二の星座を描いてきた人です。
 ただ、人間としての魅力もとてもあり、人情に厚く、メンバーやファンのことまで考えられる想像力のリーチがとてつもなく長い人でした。
 それは、後輩達に対してもそうです。
 特に6期生たちは、研究生時代から娘のように手をかけ、昇格してからも気にしていたのではないでしょうか?

 ちょっと、2016年9月27日に行われた彼女の生誕祭で読まれた手紙を読んでみましょう。

「なっきーへ

 なっきー、お誕生日おめでとう。初めてお手紙を書くので緊張しています。
 なっきーとは今はチームも違うし、昔に比べて一緒にいる時間は少なくなってしまいましたが、なっきーにとってはとても重要な一年だったと思います。将棋のお仕事ができたこと、本当に凄いよね。おめでとう。
 SKE48として将棋のお仕事をしたメンバーは今までいなかったし、なっきーが新しい道を開いてくれました。そしてそのきっかけはTwitterとかで発信してきたから、きっかけやチャンスはどこにあるかわからないけど、小まめに自分からきちんと伝えていたから将棋のお仕事が出来たんじゃないかなと思います。なっきーにとっては大きな出来事だったんじゃないかな。

 そして私が個人的に悔しかったのは今年の選抜総選挙。正直もっと順位が上だと予想していました。だからすごいビックリした。なっきー自身もショックだったと思います。なっきーのファンの方は投票するやつとかの結束力がとても強いイメージがあるから。でもね、嬉しいこともありました。

 今回のシングル『金の愛、銀の愛』ではネクストポジションに選んでもらったこと。
 ネクストポジションという名前の通り選抜メンバーまであと一歩の位置まで来ているということです。どうなるかはここからの一年の過ごし方にかかっていると思います。
 なっきーはちゃんとしているから、自分自身が一番わかっていると思うけどね。

 頑張ってくださいとは気軽に言えないけど、昇格もしたし選抜メンバーに選ばれることも近くまで来ているからこそ頑張り時だと思います。後悔がないようにたくさんいろんなことに挑戦して新しいチャンスをつかんでください。そして、ダイエットはしっかりやってね。私みたいにリバウンドしないように気をつけてね。いつかまたアップカミングメンバーでご飯に行きましょう。

 かおたんこと、松村香織より」

 もう、鎌田さんとチームは離れても彼女の実績を認めて、最後の一段落の辺りでは心に火をつけるメッセージをくれるかおたん。
 最近、SKE48の映像作品のリリースは減ってきていますが、かおたんを始めとするベテランメンバーがオーディオコメンタリーに居た時の「ああ、こんな一面がこのメンバーにはあるんだ。流石はかおたん」という発見は非常に貴重で、彼女のリクアワでのオーディオコメンタリーを参照にしなければ書けなかった記事もありました。
 この頃の鎌田さんは、目指すべき目標に対して、少しずつ結果を出している頃ではないかと思います(翌年の生誕祭では、初の有言実行が出来なかったことを悔いていますが、翌々年には結果を出しています)。
 それでは、鎌田さんから見た先輩のかおたんはどうだったんでしょう?

(鎌ºωº田)<お寿司は鯛と光り物が好き❤️♡ #松村香織卒業コンサート | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ampproject.org)

 これまでのSKE48のカラーから見たら異端の存在だったであろう鎌田さん。
 本人は「問題児」と表現していますが、それまでのSKE48研究生のカラーとは違う何かがあったのではと思います。かくいう僕も鎌田さんが入ったばかりの頃は、彼女に対してかなりネガティブな印象がありました。
 しかし、かおたんという自分流のやり方でのし上がるロールモデルがあったからこそ、今のファンの人たちとの出会いがあったのでは、と鎌田さん自身も分析しています。
 理解者であり、先駆者でもある。
 パイオニアになることを恐れない。 

 それは、かおたんと鎌田さんの共通点かもしれません。
 燃える心に水をかけずに、ちゃんと理解をしてあげる。
 それでは、先輩としての鎌田さんはどんな存在なんでしょう?
 まず、彼女自身のブログを読んでみましょう。

(鎌ºωº田)<お腹へりました | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ampproject.org)

 衣装を通して感じる時間の経過と後輩たちへの想い。
 このブログでもかおたんを始めとする先輩からもらったものについて書いていますが、今の自分に厳しい評価をしていますね。

 次はこちらのブログを読んでみましょう。

(鎌ºωº田)<たーのしーーーーーーい。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ampproject.org)


 鎌田さんの素晴らしいところは、後輩が増えて来て先輩側になってきても、謙虚なところです。後輩の凄さをきちんと認めて、自分も努力をしていく姿勢。これは先輩として素晴らしい姿だと思います。というのも、丁度、昨夜(2021年11月13日)放送の「オードリーのオールナイトニッポン」で若林さんが語っていた後輩をダメにしていく先輩、努力せずに時間を吸い取っていく先輩の話をしていましたが、そちらの方向にならずに進んでいるなあ、と感じます。
 

 そして、これまでのSKE48のパターンではいない後輩への理解も深いです。
 ちょっとこちらのブログを読んでみましょう。

(鎌ºωº田)<カホリウムとは。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ampproject.org)

 一見タイプは違う二人ですが、SKE48に新しい色を描いてきたという意味では同じかもしれません。
 

 これまでと違うという意味では、同じくチームEの菅原茉椰も同じかもしれません。
 SKE48だけでなく、AKB48の選抜にも選ばれ、ノリに乗っていた状態からの休養期間。
 心のケアは簡単なことではないと思います。
 かくいう僕の職場でも心因性で長期期間休養することになった新卒の女の子がいました。
 僕と同年代の方(30代)でも、「これからあの子に仕事振りにくいわあ」と平気で言う人もいました。
 多少心に傷を負っても続けるのが当たり前、というのが昔の価値観なのかも知れませんが、その価値観に引きづられずに菅原を理解しようとした、当時の運営の方やメンバーの方々は本当に素晴らしいと思います。
 じゃあ、具体的にはどのように菅原に鎌田さんは寄り添ったのでしょう?

 2021年の10月21日に行われた鎌田さんの生誕祭で読まれた手紙を読んでみましょう。


 「ママ、25歳の誕生日おめでとうございます。

 今回の手紙は誰からだと思いますか?そうでーす、よくこの呼び方をする娘、菅原茉椰です。

 ついついママと言っちゃうぐらい面倒見がよくて、聖母のように優しく、頼りがいがあり、美味しいご飯を作ってくれて、周りを見てくれる先輩です。

 ちょっと長くなります。

 具合が悪かった時に何も言わずに薬を渡してくれたりと、ママです。

 ご飯行ったりしたら食べ物を分けてくれるし、食べさせてもくれます。ママです。

 今はそういう機会があまりないですが、食べたいものが2つあったりして悩んでいたら『茉椰はこっちにして、私のをあげるよ』と気を使ってくれます。

 あとお腹空いてたら自分が食べる用に買ってきた食べ物を分けてくれるんです。優しい。

 悲しいことやつらいことがあった時は肯定してくれて、自分の気持ちが軽くなるような言葉を投げてくれます。

 菅原が一時期病んでいた時期があって、なっきぃさん達の前で大号泣したことがあり、その時も慌てることとかなく優しく抱きしめてくれて、たくさんの言葉で励ましてくれました。

 『嫌だ』っていうことがあって、そういう話をしたら一緒に共感してくれて気持ちに寄り添ってくれました。優しい。


 大人の人に言いにくいことや聞きにくいことがあったらその時に空気を読み取ってくれて、代わりに聞いてくれるかっこいい先輩です。気づけるのって凄いですよね。優しい。

 優しいでいっぱいなんです。

 なっきぃさんから優しさをたくさんもらってるのに自分は何かしてあげれてるのかなって不安に思うこともあるけど、この前二人で話した時に悩み、不安を聞くことができて個人的に嬉しかったです。

 いつも聞いてもらってる立場だからこそ、そういう話を聞けて頼られてる気がしました。だから、これからも頼ってほしいです。うまく返事を返せないかもしれないけど、話は聞きますから。なっきぃさんの味方ですから。何があっても味方です。

 なっきぃさんってとっても大人で、周りが見え過ぎちゃってるんです。この人はどういうものを求めてるのかをしっかり見据えて、それに対して仕事をするから本当に尊敬してます。

 求められてることを理解し、100返せるのが凄くて。でも、それはなっきぃさんの見せない努力と、当たり前になっているのが普通で、普段のホワワンという雰囲気から何も感じさせずにやってくるから、なおさらカッコいいです。

 自分にはできないことをできてしまうなっきぃさんの姿にいつも尊敬させられます。だからこそ諦めることもあると思います。

 さっきも言った通り、求められてるものを理解しているからこそ自分にはこれを求められてないとか、これをしてもと言って、客観的に見て諦めてしまうことがありませんか?これは菅原の勝手な解釈だけど、そう思ってしまう時があります。

 求められてるものをこなすのもいいと思いますが、なっきぃさんが求めてるものを、個人の仕事はそうですが、グループ内の仕事でも手に入れて欲しいなと思っています。

 夢に向かって頑張るなっきぃさんを近くで応援したいので躊躇しないでくださいね。何度も言いますが、なっきぃさんの味方なので。

 手のかかる娘の世話焼き、いつもありがとうございます。

 生意気な後輩だけど、ちゃんと面倒を見てくれて、近くにいてくれて、楽しい時間をいつも作ってくれてありがとうございます。これからも一緒にいてください。

 改めて25歳のお誕生日おめでとうございます。

 今年1年いや永遠に素敵な年になりますように。

 大好きです。

 SKE48チームEの菅原茉椰より」


  読みながら、思わず泣きそうになりました。
 菅原が書いている自己像は、鎌田さんがかおたんについて書いたブログの自己像にとても似ています。
 周りのことをよく見て、求められているものも気づける鎌田さん。
 でも、そんな鎌田さんだからこそ、我慢してしまうこともあるのかも知れない。
 だからこそ、もっと自分の求めるものに正直になって欲しい、頼って欲しいという思いが菅原の中に芽生えていったのではと思います。
 鎌田さん自身も菅原について「妹に似ている」とこちらのブログで書いていましたね(タイトルも素晴らしいです)。

(鎌ºωº田)<人生を1日に置き換えるなら私たちはまだ朝。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ampproject.org)


 僕の勝手な妄想ですが、この手紙を読んでいると、かおたんから鎌田さんに受け継がれた思いは、鎌田さんから菅原に受け継がれていくのではと思います。
 

 菅原だけではありません。
 もうすぐ始まるSKE48のユニット曲特別公演では、普段はチームの違う後輩たちとも触れ合うことになります。きっとこの他者への理解はこれからも連綿と受け継がれていくのでは、と思っています。
 そう、きっと心の火を守ってくれる先輩たちがいるからこそ、新しい価値観を理解できる先輩やファンの皆さんがいるからこそ、SKE48は若手も熱く活動できるんだと思いながら、この記事を終えます。


※鎌田さんとはたごん、まーやん、谷の関係について書いたnoteはこちら!
vol.8 君がみてくれていた|栄、覚えていてくれ|note

※鎌田さんの最近の動画だとこちらが本当に凄かったです。


2021年9月18日土曜日

鎌田菜月が似合う街

 君と旅をするなら


 普段、「栄、覚えていてくれ」というブログを書いてますが、noteの方では私的なことや映画や本の感想を書いています。
 noteの中では、今、僕が住んでいる愛媛県宇和島市出身のSTU48の兵頭葵さんにも注目していましてね。彼女がTwitterなどで紹介した宇和島の名所に実際に行ってみて、そこの新しい魅力を探してみよう、という連載をしております(気づけばもう13回!)。

 ある日、ふと「鎌田菜月さんならどうだろう」と月に一度の連載用に鎌田さんが行ったところなんかを調べてみたんですが、いやあ、日本中にめちゃくちゃあるんですよ。
 ううむ、コロナ禍の今、そしてお金もひとよりも無い僕では直接行くことが出来ないので、この記事はボツかなあ、と考えておりました。
 なんとなく、前回の記事で総まとめ的なことも書きましたしね。

 それから数日して、自分自身が2022年にあるチャレンジをしようとあることを調べていました(『あること』だらけで申し訳ないです。多分、2022年の1月ぐらいにはお伝えできるかと思います)。
 そういえば、鎌田さんってまだソロ写真集やソロDVDって出してないな、と思いましてね。
 同じチームE内では、だーすーがソロ写真集、谷やさとかほがソロDVDを出しているんですが、鎌田さんはまだ書籍化やDVD化には恵まれていません。でも、彼女が色々な旅先で挙げる写真は、とても素敵なものが多いです。

 そこでですね。
 今回は、鎌田菜月さんが書籍やDVDを出すならどんなものが良いか、考えてみようという企画をやってみようと思います。
 ポイントは、どこでどんなコンセプトで、というところです。

・ 鎌田菜月1stフォトエッセイ企画

 名古屋・京都・台湾。
 3つの都市を舞台に鎌田菜月さんを撮っていきます。
 それぞれの都市やお店、物に対する鎌田さんのエッセイなんかも載せたいですね。
 何故、この3都市かというと、鎌田さんと風景の相性がとても良いと感じたからです。
 昔、ぱるるの写真集で5つの都市を回った写真集がありましたが、鎌田さんはぐっと3つに絞りました。


 まず、京都は、鎌田さんの歴史好きという側面は勿論ですが、一つのことにじっくりと向き合っていくという彼女の姿勢と歴史のある古都の風景というのがなかなか合っているのでは、と思いました。
 

※京都はこのあたりのツイートからのリンクが詳しいです。

 とりあえず、土方さんの為に、豊玉発句集のグッズ化はやめてあげてください…(新選組は『薄桜鬼』派)。
 話を戻すと、Instagramに挙げた京都の坂道の下のあたりで撮った写真が凄く良いんです。

 鎌田菜月はInstagramを利用しています:「kyoto \♡/ ・ 久しぶりにプライベートで京都へ行ってきました。 清水寺からスタートして、あとはひたすら歴史を楽しむ渋めの旅🙏💭 #kyoto #清水寺カフェ #京ばぁむ #sweets #matcha #coldday #memories」

 写真はプライベート鎌田さんですが、雨の夜とかにシチュエーションを変えるだけでぐっと雰囲気が変わりそうです。
 印象に残っている写真をもう一枚。


 鎌田菜月はInstagramを利用しています:「まだまだ朝は寒い🍃 寒すぎて予定してた服を着るの諦めました。 #gm #instamemories #京ばあむ #おたべ #こたべ #me #kyoto #cold #girls」
 

 ここは、実際に僕も行ったことがあるんですが、秋になると色彩が豊かで「鬼平犯科帳」のエンディングにも出てきますね。
 鎌田さんに似合いそうです。
 古い木造建築の色や神社の朱色、石畳の色なんかとも合う気がするんですよね。

 次に台湾なんですが、同じく写真を見て行くと鎌田さんと景色の相性が良いんですよね。
 奇しくも坂道が多いところですし、夜店の赤い提灯が印象的です。
 鎌田さんと一緒に旅をする感じになるのでは、と思います。

 台湾はおそらく、このリポートがめちゃくちゃ詳しいですし、写真も多いです。
 鎌田さん推しじゃない方も、この機会に是非読んで欲しいレポートです。

SKE48女子旅?鎌田菜月 in 台湾?presented by 美十|SKE48 Mobile

 

 そして、最後は名古屋。
 彼女のホームであるSKE48劇場や最近更新されている歴史関係の動画から思い入れのある史跡で撮るのも良いかも知れません。




 台湾も今回の写真集では何か歴史と関係があるところで撮っていくと、歴史という1本の線で3つの都市が結べます。
 そう、ひょっとすると、鎌田さんは「文脈のある街」が似合うのではないか、と最近は思っています。
 ただ、過ぎて行くだけでなく少し足を止めて考える。
 そんなコンセプトの写真、どうだろうか、と僕なんかは思いました。
 皆さんは、鎌田さんに似合う街、どんなところだと思いますか?
 また、どんなコンセプトの本屋DVDが似合いそうでしょう?
 
 推しがどこか自分の知らないところを旅する、何気ないことですが、実はその土地を知る偶然の出会いがそこにあると思います。

 次に彼女が発見するのはどこでしょう?

 

2021年8月22日日曜日

アンチの視点からは見えないもの

あの日、君に投げた、声に復讐されてる


 今年の6月末に刊行された小説家の高橋源一郎さんの新書「『ことば』に殺される前に」を今更ながら読み終えました。
 この新書は2021年のコロナ禍において、再読されたフランスの小説家アルベール・カミュの「ペスト」や「異邦人」の引用から始まり、「ことば」について考えさせられる内容になっています(中原中也の『ありし日の歌』の「正午」の引用も、Twitterという言葉が溢れる空間を考え直す上で、非常に参考になりました)。
 僕らが持っている「ことば」は病原菌のように誰かに感染することもある、それをしない為には強い意志と緊張が必要だ、とカミュは述べています。
 今は、SNSが発達したおかけで、僕らは様々な言葉を発信することができるようになりました。
 高橋さんは「公共の路上」にたとえ、様々な言葉がネットサーフィンする僕らの前に現れるし、自分も送っていたということを語ります。しかし、ある時から怒声を発する人達が増えてきて、その「公共の路上」を下を向いてあるくようになってきたと書いています。
 いつからか分かりませんが、高橋さんはTwitterの更新を減らすようになりました。
 高橋さんの即興連続ツイートの終盤で哲学者のカントの「啓蒙とは何か」の冒頭引用があります。
 「自分の頭で」「いかなる枠組みからも自由に」考えることの反対に「他人の指示を仰ぐ」ことがあることが示され、別の箇所で「考えるという面倒なことは他人がやってくれる」というところも引用しています。ここから誰かが「考えるという面倒なこと」をして作った「枠組み」に乗っかって、思考停止してしまう現象について語っていました(『公的と私的』の章より)。
 続く、「僕たちの間を分かつ分断線」の章では哲学者の鶴見俊輔さんの説得されて変わる経験について書いています。①相手の批判を理解し、②問題の事柄について完全に理解し、③自分のプライドやアイデンティティーよりも、真実の方が大事だと思っていることであると説明します。ちなみに、「洗脳」との違いは過去の自分を捨てずに残したまま変わることだそうです。
 自分と違う考えの違う人間がいることに恐怖を覚えるのではなく、鶴見さんは「自分と違った考えがある人間がいて良かった」という思想を持ったそうです。
 この考えが今あるかというと、まだまだ無いのではないかな、と僕は思います。
 2019年に刊行された批評家宇野常寛さんの著作「遅いインターネット」の中でも、タイムラインの潮目を読んで善悪を判断する人や世界の複雑性から目を逸らすために善悪にしの二分化しかできない人について指摘がありましたね。
 アンチのコメントがワンパターンなのは、ひょっとしたら「考える」ことを放棄しているからかも知れません。
 しかし、考えたり、考え続けることの難しさは、僕自身も感じます。
 
 もともと僕は、SKE48の6期生、鎌田菜月さんが苦手でした。
 いや、嫌いでした。
 なるべく彼女の情報は無視するようにして、コンサートでは彼女の方は見ないようにしました。
 今、考えると「何を意地を張っている!」と両肩を掴んで前後に揺らしてあげたいところですが、当時の僕は「嫌いである」ということに止まり、考えることを止めてしまいました。
 アンチ発言や発信はしないものの、ずっと目を逸らし続けていました。
 その方が楽ですし、考えなくて良いからです。
 1年前にフォロワーの方がSKE48のまとめサイトに寄稿した記事がきっかけで、ちょっと鎌田菜月さんについて調べてみようと思いました。
 それは、少し踏み出すのに力がいることでした。
 これまで鎌田さんが嫌いだった理由を赤裸々に書き、そこから彼女の魅力を調べ始めました。
 調べる中で彼女とファンの方々とのドラマやメンバーたちとの関係を知りながら、何故、自分は嫌いだけど多くの人は好きなメンバーなのか、ということが明らかになっていきます。
 でも、と時々思います。
 もし、あのまま、鎌田さんが嫌いなままだったら、自分は毎月彼女のことを考える視点を持ち合わせていただろうか、と思います。
 ひょっとしたら、悪い方向性に進んでいたかも知れません。
 鎌田さんは、アンチの発言に対して、どう捉えているんでしょうか?
 調べてみると、2015年9月11日の生誕祭のスピーチで少しだけ触れていました。
 一部を抜粋したいと思います。

「私は正直、去年と比べてれば本当に劇的に世界も変わってこうやって、チームE公演でお話させていただけるようにもなって、でもやっぱり周りと比べちゃうとまだまだチャンスを生かせてないとか、自分から掴めて行けてないんじゃないかなと思うことがあって、決して頂けるチャンスは多くないんですが、絶対にチャンスを次に繋げてやろうとか、どんな事もチャンスに繋げてやろうっていう気持ちは誰にも負けないっていうつもりで私はここにいます。
 それは多分、今ここにいる公演だったり、みなさん多分メンバーほぼ平等にいただいている公式ブログやぐぐたすや755も全部が全部私の中ではチャンスで、そのチャンスの中でネタがちょっと先行して自撮りの事だったり、お腹の事だったりが、どんどん先走っちゃって皆さんの中にはそれを苦く思っているのを私は知っています。本当は可愛いのにとか怒ってくださる方が居て、優しいなといつも思っています。
 でも私は、今はそれで良いんだって思っています。
 だから、心配しないでください。
 何か変にプライドを高くして自分からチャンスを逃すよりもちょっとぐらい自分をバッと開いてぶつかってってぶつかって誰かが振りむいてくれたら、その人は絶対に逃さないっていう気持ちでやって行きたいので、良かったら見守って下さると嬉しいです。

 そしてそんな私のエネルギーになって下さってるのは、皆さんなんですが、その言葉は『頑張ってね』とか、そういうのはもちろんあるんですけど、『可愛いね』って言われたら、その言葉に負けない人にならなきゃってプレッシャーにも感じて、逆に去年すごい言われてた『鎌田辞めそうだよね』、『すぐにこの子はSKEから居なくなりそうだよね』って言われたら『絶対に辞めてやるもんか』って思って、だから私を応援して下さる言葉も、温かく迎え入れて下さる言葉も、アンチの人の言葉も全部が全部私にとっては大きな力になっています。本当にありがとうございます。
 そして今年の3つの目標を考えてきたんですが、『公演での武器を見つけること』、『公演での武器を作ること』、『妥協しないこと、選んでもらえる人を作ること』です。詳しいことは後々ブログに書きます。
 でっかい壁はいっぱいあるこの世界なんですが、私はこの業界がすごく大好きです。SKEも大好きです。その壁はやっぱりSKEにいる素敵な物を沢山持っているメンバーだったりとか、ちっぽけな自分だったりとか、周りの人の評価だったりとか、色んなものがあって。昇格したからこそ大きく感じることもすごい沢山あって、苦しいなって思うこともあるんですけど、私以上に喜怒哀楽を示してくれて私の分も怒ってくれて悔しがってくれるみなさんがいるから、私は笑顔で鎌田菜月としてアイドルとしてやっていけることが出来ます。
 だから、決して悔しいって思ってない訳じゃなくて、悲しいって思ってないわけじゃないし、人間なので無理してるんじゃないかって皆さん心配するけど無理はしてません。安心してください。
 今日はこうやって素敵な場所を開いていただいて、私は今年もSKEで頑張りますので、卒業しませんので、安心して応援して下さると嬉しいです。これからもアイドルのSKE48の鎌田菜月をよろしくお願いします」

 心無いアンチの声も、自分が頑張る為のエネルギーに変えていく。
 だけど、人間だから、当然悔しさや悲しさもある。
 それでも、自分以上に自分のことで喜怒哀楽を示してくれるファンの方々がいる。
 そういえば、鎌田さんがさまざまなことを力に変えていることは、だーすーも指摘していましたね。


 
 このスピーチをした生誕祭から5年以上の時間が経ちました。 
 鎌田菜月を選ぶ人は増え続けています。
 ここ数か月も歴史関係のお仕事が!



 正直に書くとまだまだ僕は苦手なメンバーはいます。
 ほら、わりとSKE48に長いこといるのに、僕が一切触れていないメンバーとかいるでしょ?
 でも、アンチの視点では、「~でない」ということは言えても「~である」ということは難しくなります。
 たとえば、おしゆき動画に対して「つまらない、他のYoutuberの焼き直し」という批判をするのは簡単です。でも、二人だからできる企画はこれであると提案するのは難しいです。だって、二人の本質をとらえるために調べたり考えたりするのは面倒ですから。でも、本当に相手と向き合うなら、相手のことを理解し、そこまで考える方が真摯なのでは、と僕は思いました。
 これからも、毎月1回の鎌田さんについて考える連載を続けつつ、僕も鎌田さんから学び、少しずつ自分の中に変化を起こしていきたいと思います。
 そういえば、高橋源一郎さんは幻に終わった明治大学国際学科の卒業式の祝辞の中でこんな言葉を残していました。

 「けれど、私たちはいつも間違います。しかし、間違いの他に、私達を成長させてくれるものはないのです」

2021年7月25日日曜日

可能性をくれる二称的自由について

 「あなた」がくれるもの


 分析哲学者の青山拓央さんの著作の中に「時間と自由意志」という著作があります。その中に出て来る「二人称的自由」という概念が凄く面白くてですね。形而上学や哲学を専門にしている山口尚さん(京都大学講師、最新刊の『日本哲学の最前線』が超分かりやすいのでおススメ!)の例を借りると分かりやすいので拝借するとこんな感じです。
 タリーズコーヒーで僕がつまらないブログを書いたり、本を読んでいたりする。周りのお客さんはいますが、お互いに干渉しません。ちょっと賑やかな席があれば離れた席に移動することで解決します。僕は自由を満喫できます。そして、僕にとって他のお客さんは「彼や彼女」であり、第三人称の知らない人たちなんですよね。
 それに対して、突然、「あなた」と呼べる知り合いが僕に気づいて席に座ってきたとしましょう。「やあやあ、紅條さん。またつまらないブログを書いてるんですか?」とか言って。僕はブログを書く手を止めたり、本を読む視線を「あなた」の方に移さなければいけません。
 「あなた」が僕に話しかけてくる自由が、僕の自由を制限してしまう。「あなた」が僕に関わることで得られる承認感や自己肯定感は、ひょっとすると、誰かの不自由につながるかもしれない。自由論と不自由論が重なった「二人称的自由」を着想に、自由意志、そして自由でも不自由でもない「無自由」という凄まじい着想に青山さんが辿り着くんですが、僕はこの着想点が凄く興味深くてですね。
 これをアイドルの世界にあてはめると、SNSや握手会で「あなた」と「彼や彼女」の間にいる人達から沢山の関わりを持つことになるなあ、と思いましてね。

 これが上手に機能している例はないかな、と考えていると、SKE48の鎌田菜月さんのブログを思い出しましてね。
 ちょっと読んでみましょう。

(鎌ºωº田)<やばいやつ。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)


 高校卒業に必死だった鎌田さん。
 「鎌田のアンダーが見たい」という「あなた」たちの声。 
 高校を卒業するという視点から見れば、「あなた」たちの声は一人称の「私」を困らせる声になります。しかし、その声があったからこそ、アイドルとしての鎌田さんにチャンスが訪れたわけです。
 これは「二人称的自由」が良い方に機能した例ではないでしょうか。勿論、その背景に鎌田さんの努力があったというのもあると思います。
 また、このブログで印象的なのが、「でも勘違いしないでほしいのは、求める型や結果を押しこうもうとするお説教は別!」というのも、この「あなた」が関わることで生じる「不自由」を未然に防ぐ感じがして素晴らしいですね。丁度、新センターが発表されたSKE48ですが、「センターはあの子じゃないとダメだ!」とか「センターたるものこうあるべき!」という枠に収め過ぎるのは良くないですね(急に反社会的なことをし始めたら話は別ですが)。思えば、握手会でもメンバーの為を思って気になったところを言って下さる方もいれば、自分の考えるアイドル像で居て欲しいという支配欲が高い「あなた」もいるかもしれません。
 

 更に「あなた」と鎌田さんとの関係を感じられるブログを読んでみましょう。


 (鎌ºωº田)<お手紙の続きも。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)


 読みながら、泣きそうになりました。
 まだ滑走路だった頃から握手に来てくれた人。
 そして、「ちはやふる」を教えてくれた人。
 この場合のファンの方は、名前を知らないどこで何をしているかは分からない「あなた」でありながら、それを超えた影響のように感じます。
 そして、このブログを書く鎌田さんの一人一人のファンの方への思いも感じられます。そういえば、2017年の生誕祭スピーチでは「皆さん一人一人、応援して下さる方の代わりって、誰一人いなくて、きっと一人でも欠けたら、今の私はいません」と語っていましたね。
 たとえ、名前は知らなくても、自分の中の一部を作ってくれた人達がいる。
 上記のブログや生誕祭のコメントを見ると、それがおべんちゃらじゃなく、本当にそうなんだな、と考えさせられます。だって、極端なことを書けば、握手会で何をおすすめされようが、アドバイスされようが、ガン無視することもできるわけじゃないですか。SNSへのコメントやアメブロへのコメントも。でも、一人一人のことを大事に思える。それを飲み込める、取り込める器がある。鎌田さん推しじゃない僕から見ると、鎌田さん推しの方々は、推してて楽しいだろうなあ、と思います。

 これからも、自分に良い影響をあたえられる「あなた」に鎌田さんが恵まれ続けますように。そして、鎌田さん自身が実は我々に素敵な影響をくれる「あなた」ではないか、と気づいたところで、この記事を終えます。


2021年6月19日土曜日

鎌田菜月の分散と成長

T字に成長していく魅力


 MIMIGURI代表CoーCEO/東京大学大学院情報学環特任助教授の安斎勇気さんが書いた「問いのデザイン:創造的対話のファシリテーション」の最新作、「リサーチ・ドリブン・イノベーション 『問い』を起点にイノベーションする」と「情報の海に溺れないための航海術」どちらも面白いです。
 驚くほど、雑に説明すると、ピーター・ドラッガーのが提唱した「選択と集中」が長年支持されてきましたが、2020年の新型コロナウイルスの蔓延による社会変化は、本当にそれが正しいのか、と見直すきっかけになりました。
 たとえば、「サクセス・トラップ」という同じやり方を繰り返し、新しいやり方を試さなくなると、外的な大きな変化が起こった時に、使える方法が限られていると苦しくなると分析しています。
 安斎さんは、レヴィ=ストロースの「野生の思考」に出て来る「プリコラージュ」という考えで出てきた「修繕」という言葉を例に出します。
 大きな目標に基づいて計画を立てるのではなく、そこにあった道具を使って様々な方法を試して生きているアマゾンの先住民の考えかたこそ、創造的な活動と相性が良いのではと分析します。

 これを学問にあてはめると、「明らかにしたい問い」を設定して、それを起点に資源を分散して投資し、得られた洞察を手掛かりに問いを「修繕」していくというやり方です。これは研究職の方ならあるあるかも知れませんが、洞察を繰り返していくうちに、新しい「問い」が生まれたり、「問い」の設定を見直したりということがあります。
 そして、これを実践していくために、T字型にアイデンティティを言語化していく方法を紹介します。一つの専門領域をI字型に深掘りするスペシャリストタイプではなく、異領域の知見にも精通し、横の幅を持ったT字型ですね。
 企業で言うと、「Soup Stock Tokyo」というスープ専門店が、ネクタイ専門店の「giraffe」やセレクトリサイクルショップの「PASS THE BATON」など、幅広く新規事業を展開していますが、「世の中の体温をあげる」というコンセプトがあるからで、「世界一のスープ店にする」というコンセプトではないから、成功したという例を挙げています。

 全く違う2つのタスクを組み合わせることで、思いもよらぬ「結合」を生み、イノベーションににつながります。
 まずは、間に合わせの「問い」でもいいので設定して、それを探求しながら、どんどん「問い」を修繕していき、考える自分も磨いていけるわけですね。

 僕は、ふと、SKE48の鎌田菜月さんのことを思い出しました。
 試しに皆さん、Googleで鎌田菜月で検索してみてください。
 どんな言葉が出て来るでしょう?
 「将棋」、「藤井聡太」、「競馬」、「大学」、「棋力」など様々な言葉が並びます。

 鎌田さんの趣味や仕事の広さは、本当に広くてですね。
 歴史や城めぐり、二次元関係、将棋や競馬、水泳、剣道や弓道、マラソン、とこの人のT字はどこまで広がっていくんだ、と書きながら思います。
 更に、2020年には朗読劇も経験します。

(鎌ºωº田)<今しかできないこと。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)


 これまでのインプットが役者としてのアウトプットに活きていくのではないでしょうか。2021年6月5日の「オールナイトニッポン0~エンタメナイト~」のweb小説を読み漁り、この人はデビュー前から知っているぞ、となることを挙げていましたが、この人の知的好奇心はどこまで広がっていくんだと、思いましたよ(出版社に注目している話も)。ちなみに、その前の放送では、「リトルトゥース」だということを語っていましたが、この番組との相性はめちゃくちゃ良いんじゃないでしょうか?

 ちなみに、「シン・エヴァ」についての感想もネタバレしないように、でも、自分の思いを綴っているのが凄く良かったです。

(鎌ºωº田)<エヴァ語り。 #シン・エヴァンゲリオン劇場版 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 個人的には、彼女の「閃光のハサウェイ」評を聞いてみたいですね。
 ううむ、広がり続ける鎌田さんの守備範囲。
 髪型やメイクも変わり続けています。

(鎌ºωº田)<迷走中というかアプデ中というか。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 
 

 さてさて、なんでこんなに鎌田さんのT字型の広がりを見てきたかというと、実はあるメンバーの言葉がきっかけでしてね。
 先月、鎌田さんの生誕祭の手紙についての記事、「君がみていてくれた」を書いたんですが、意図的に省いた年の手紙があります。それが、2017年の生誕祭、大矢真那からの手紙です。
 その一部を抜粋すると、「かまちょは、かなり前から松井玲奈に似ていると私は思っています。二次元オタク的なところ。陰か陽か聞かれたら陰なところ。少しあざとそうなところ。朝が苦手なところ。ビジネス上手なところ。たまに人をイラっとさせるところ。少し違うのはかまちょの方がお友達が多そうなところかな」という印象的な文章です。

 最初読んだ時は、ちょっと短絡的な結び付けじゃないかな、と思っていたんですが、よく考えると、松井玲奈もT字型の才能だと思うんですよね。女優、歌手、文筆歌、youtuver、アニメヲタク、と手広く才能を広げています。個人的に、この人なら純文学の作家としても、充分通用するのではと思っています。

 そんな才能の広がりの可能性を真那は、2017年の時点から感じていたのかもしれません。
 ううむ、玲奈ひょんの才能の広がり方からすると、鎌田さんもyoutube配信や文筆業でも活躍できるのでは、と思いますね。勿論、将棋や競馬仕事もどんどん広がって行ってほしいです。そうしながら、アイドルとしての彼女の魅力もどんどん上がっていきますし、卒業後も様々な場で活躍していくことになるのでは、と思います。きっと推していて退屈しないのは、間違いないと思います。

(鎌ºωº田)<はじめての〇〇。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

  

 さて、実はこのブログの月イチ鎌田さん連載も、元々は「鎌田菜月が苦手でなんなら6期生アンチだった」僕が、「鎌田菜月というアイドルの何が良いのか」という雑な問いからスタートしました。
 毎月、彼女のことを様々なワードを手掛かりに調べ、タスクを分散投資して、得られた洞察を手掛かりに、元の「鎌田菜月というアイドルの何が良いのか」という問いに戻っていきました。
 今月は、「鎌田菜月というアイドルと松井玲奈はどこが似ているのか?」という問いからスタートして、安斎勇樹さんの「リサーチ・ドリブン・イノベーション」にあたりました。来月は、どんな鎌田さんに関する問いが僕を成長させてくれるでしょう?
 皆さんにとっても発見が多い連載になっているといいな、と10回目を前にして考えています。



2021年4月29日木曜日

君が見てくれていた

 いつか抱き合って涙流して喜びたい

 先日、アカデミー賞歌曲賞、助演男優賞にノミネートされた「あの夜、マイアミで」を観ました。
 1964年2月、カシアス・クレイがモハメド・アリに名前を改名する前夜、友人である活動家のマルコムX、NFL選手のジム・ブラウン、歌手のサム・クックがあるモーテルに集まったそうです。この実話を元に才能がまったく違う4人が、他の才能に刺激を受け、時には自分に足りないものを指摘され口論になりながらも、自分たちの未来について語り合う映画は、残念ながら受賞は逃したものの、衣装デザイン賞を受賞した「マ・レイニーのブラックボトム」と世界観が、ある登場人物が歌う曲で見事に繋がりますし、4人誰もが時代を動かす主役であり、それぞれの活躍を見守る仲間でもありました。そして、だからこそ、結末がとても切ないんですがね。

 この映画に限らずですが、自分の周りにいてくれる人によって、自分の個性や才能が磨かれていくということはないでしょうか?
 ここでいう「周りにいてくれる人」というのは、別に生きている人である必要はありません。本の中にはもう死んでしまっていますが、昨日のことのように熱く語ってくれる先人たちがいます。直接ではなく、間接的に自分のことを高めてくれたり、指摘してくれたりします。

 それはSKE48の中でも同じです。
 アイドルという一般人と比べると密度の濃い1年を毎年送り、同じステージに立つ仲間でありライバルが居て、順位や選抜や売り上げで時には比べられ、自分には無いものも感じ、それでも周りの才能たちに刺激されながら成長していきます。

 なんでこんなことを感じたかというと、鎌田菜月さんのある生誕祭の手紙を読んだからです。まずは、読んでみましょう。

「菅原茉椰さん、お誕生日おめでとうございます。

 とてつもないインパクトのオンザ眉毛で宮城からやってきたチームEの末っ子が20歳、ハタチ。

 昔の『あどけない可愛い』から成人式での姿はもう綺麗なお姉さんでした。本当に本当におめでとう。とっても嬉しいです。

 まーやんのSKE48人生は凄く波乱というか濃いなって、勝手に感慨深くなりながらお手紙を書いています。

 ラブ・クレッシェンドへの抜擢を始め、キラキラとした道かと思えば、SKE選抜への険しい道もあって、そこから続く19歳の1年もなかなかに波乱だったんじゃないでしょうか。

 前に菅原は自分で自分に『菅原は推されなんです』と言い切ってましたね。

 菅原の素直にそう言い切るところが新鮮で。でもただ言うだけじゃなくて、その自覚を持って、お仕事に向かう姿勢をずっと尊敬しています。

 やりたいことははっきり『やりたい』と言えて、悔しいことははっきり『悔しい』って言える。スタッフさんにも面と向かって自分に足りないものは何かとかズバッと聞ける。全部やるにはとても勇気がいることです。

 一緒にご飯を食べに行けばコロコロ変わる表情が楽しいし、ふざける時には全力で街中でも踊ってくれるところが愛しい。

 菅原のお仕事、そしてひとに 対する向き合い方はあなたにしかできないことがたくさんあります。そんな人柄に惹かれて、周りにたくさんの人が集まるんだよ。
 

 そうやって菅原に集まった人達は、私たちは菅原が大好きで、菅原の味方です。何か力になりたいし、菅原にいっぱい笑って欲しいし、笑顔にさせたい人達です。

 このお仕事をしていると色んな人に色んな言葉をかけてもらうことがあると思います。

 きっと発した本人には何の悪気もない無自覚な一言に傷つくこともあると思う。

 その人にとっては何気ない言葉が、どうしようもないくらいに心をあけることもあると思います。

 それを『お仕事だから仕方ない』心に蓋をしてそう割り切ることが正しいと思っていたけれど、違うかもしれないと菅原のおかげで考えるきっけになりました。

 痛いなものは痛い。つらいものはつらい。それでいいんじゃないかな。

 菅原の人を信じられる素直さ、優しさはそのままでいいんじゃないかな。

 家族や周りの人に接するみたいに自分のことも大切にしてあげてください。甘やかしてあげてください。私もい~っぱい甘やかしたいと思います。

 はるばる宮城から名古屋に来てくれてありがとう。

 今年こそ宮城の観光地を案内してもらいたいな。

 またお風呂屋さんやお買い物やご飯も行きましょう。

 お酒も飲みに行かなきゃね。

 一緒にお仕事ももっともっとしよう。

 皆で制服を着てのお出かけも頑張ります。

 本当に本当にお誕生日おめでとう。

 20歳のお手紙を書かせてもらえて嬉しかったです。

 SKEチームE 鎌田菜月より」

 これは2020年1月21日の菅原茉椰の生誕祭の時に読まれた鎌田菜月の手紙です。
 手紙に書かれた一つ一つの思い出から、読んでいるだけで、まーやんのあの眼を細めた愛くるしい笑顔が、僕は浮かんできました。
 でも、それだけではありません。
 きっと近くにいたからこそ、菅原の才能をファンの方々と同じように触れ、きっと舞台裏の機微についても感じたのかも知れません。
 想像力のリーチの長さ、と彼女の素直さを自分の辛いことにも我慢せずに出しても大丈夫だという鎌田さんの優しさが溢れた文章です。
 これは普段からメンバーのことを観ている彼女だからこその手紙だと思います。
 そして、菅原という存在は、実はSKE48というグループの未来を占う上では非常に重要だと僕は考えています。
 一度休養したメンバーが成功していく、というのは、今、休養を考えているメンバーや休んでいるメンバーの安心にも繋がりますし、帰ってきてくれたということが、ファンの安心にも繋がるということを今回の手紙で再認識しました。

https://ameblo.jp/ske48official/entry-12568812718.html?frm=theme

 次は、2019年7月23日に書かれた手紙を読みましょう。

「はたごんへ

 お誕生日おめでとうございます。

 多分まさかの人からのお手紙です。

 私なりの、もしかしたら独りよがりになってしまうかもしれない言葉ですが受け取ってもらえたら幸いです。

 はたごんは同期の中ではお姉ちゃんみたいな、先輩といる時は仲良い人にもしっかり気は使う人。んー、後輩といる時はよく知らないです。

 ぽんこつと言われることもあるけれど、実はとてもしっかり者なんだなーと思っています。

 その気遣いが根本にある優しさに皆が笑顔になっちゃって、思わずやらかしても許してしまうんです。

 実はそれを『おいしい』と思っていたりもしませんか?それがまた面白かったりもします。

 実はアンダーに出たのも早いし、ライブのリハーサルがあると事前に誰よりも早く練習を始めたり、SHOWROOM配信を長いこと毎週継続していたり、どんなことにも正面からしっかりと向かっていく姿は皆がやらなきゃと思っていてもやれないことで、はたごんの本当に凄いところです。

 今はたごんの目の前には選抜という1つの壁があるんじゃないかな。

 一緒にご飯に行ったりすると、その話題が出ることもだいぶ前から何度かありました。そのたびに真っ正面すぎるぐらい本気でまっすぐ。ふと思い出してみるとはたごんと真面目なお話をしていて、あまり後ろ向きな発言を聞いたことがないんです。

 そこに溜め込んでないかな。まだ話してもらえる関係ではないのかな。なんてちょっと心配になったりするけれど、それがはたごんの持つ強さなのかなと思っていたりします。

 アイドルとして誕生日を重ねることはちょっと不安になったりします。でもどうかブレないでください。目標がどこかとかでなく、これからもはたごんであることを楽しんで楽しんで貫いていってください。これは私からの勝手なお願いです。

 今年はたごんにとっては選抜へのチャンスになったであろう選抜総選挙は開催されませんでした。それを残念だと、そう言える道をファンの方と歩き固めてきたこと、お祭りみたいなイベントではあるけれど、誰もが多少なり怖がってしまうそのイベントを待ち望めていたということ、頑張ってきたことに無駄なことはなかったと言える、それもまた1つの結果です。

 その頑張りはファンの人はもちろん、スタッフさん、メンバーまでしっかり響いているよ。

 だからずーっといい子でなくてもいいんじゃないかなとも思うの。もうちょっと周りの人に甘えてもいいんだよと。

 それを嫌と思う人はきっといなくて、それくらいはたごんは愛されてる人です。

 はたごんにとって愛あふれる幸せな1年いなることを願っています。

 地元香川の美味しいうどん屋さんにまたお仕事のついでに連れてって行ってもらえることもつよーくつよーく願っております。

 最後に。お手紙を書かせてくださった生誕委員の皆様、私でいいのかと驚いたりもしたんのですが、書かせてもらえてとっても嬉しかったです。素敵な機会をありがとうございました。

 はたごん、改めてお誕生日おめでとう。

 チームE 鎌田菜月」

 まず、鎌田さんのはたごんの「ぽんこつ」に対する視線の鋭さが流石ですね。
 それだけでなく、努力家であることもきちんと観ている。
 この辺りは同じメンバーでないと分からないことですよね。
 総選挙と選抜との関係も当事者の立場でありながら、冷静に分析できているのも流石です。
 更に選抜への壁は、かつて自分が突破した壁だからこそ、分かるものがあるのではと思います。彼女自身もそう簡単に手に入れた場所ではないからこそ、苦しさが分かる。
 はたごんは、この約半年後に選抜になります。

 上記の簡単には越えられない選抜への壁。
 それを感じる手紙があります。
 次は2018年1月13日の手紙です。

「谷真理佳さんへ

 お誕生日おめでとう。

 この1年で私たちの周りではたくさんのことがありました。

 こうして今周りを見てみるだけでも去年とだいぶ顔ぶれが変わったと思います。仲良しのメンバーやずっと支え合ってきたメンバーが続けて新しい道へ進んでいく姿に寂しさや不安、色々なことを考えさせられました。

 谷さんにとってはきっと名古屋での家族みたいな人たちばかりで、そのたびに涙が枯れないと言いながら泣く姿に胸が痛くなりました。

 卒業公演などでは泣くからと、最初からアイメイクはしないという荒業にはビックリさせられました。

 その空いた穴をその人たちの変わりにと埋めることは私たちにはできません。それくらいその人たちは特別だし、きっと大切な存在だったと思うんです。

 だけれど、忘れないでほしいです。谷さんが思っている以上に周りの人は谷さんのことが大好きです。

 今年の誕生日に『こんなに連絡をくれるなんて思わなかった』、そんなことを言っていたけれど、そうなんです。それは谷さんの面白いところはもちろん、無自覚かもしれないけど、谷さんの何気ない優しさに集まった人たちです。もっともっと自分を好きでいてあげてください。そして、周りの人を頼ってみてください。私含め、嫌な顔する人は誰もいないよ。

 『意外にマンゴー』のMV撮影があるとなんとなく聞いた夜に電話をかけてきてくれたこと、その数日後にガシガシとマンゴーを一緒に食べたこと、懐かしいです。あの時、誰かに電話する勇気が私にはありませんでした。電話越しに隠しちゃったけれど、私も泣いていたんだよ。あの電話があったから気持ちを整理して折れずに、進むためにと前を向けました。

 今回の選抜のことも凄い早さで連絡をくれてビックリしました、いつも私が怖気づいて動けない時に谷さんはそっと連絡をくれたり、動いてくれます。本当にありがとう。

 ずっと最初の癖が抜けなくてさん呼びだったんですが、これを機に『まりかちゃん』とか『にーたー』とか「まりか」って、どれかしらで良かったら呼ばせてください。(中略)

 そして、SKEで期ごとに集まる時はドカーンと6期のところに是非来てください。みんなで待ってます。

 これからも自分らしく、自分だけの、谷さんだからこその道を是非開拓していってください。道を作っていくのは本当に大変なことだし、ときどき疲れちゃう時もあるかもしれません。そんな時はまたブラっとご飯でも行きましょうね。いつでもどこでも鎌田はとんできます」

 それまで選抜に入っていた谷が選抜から落ち、選抜への階段を登っていた鎌田さんも手が届かなかった。
 過程こそ違えど、選抜には届かなかった二人。
 そんな二人の知られざる物語があったとは。
 そして、「穴」を消して埋めることは出来なくても、自分たちのやり方で盛り上げていく。
 2021年4月末現在、谷は選抜に戻ることは出来ていません。しかし、事務所所属、ソロDVD発売、知多メディアスや「お宝ちゃん」といったレギュラー番組、FM AICHI「今夜も大騒ぎ!!」もあります。2018年頃から谷のラジオ出演に外れなしみたいな感じですが、それが更にレギュラーに繋がっているのは流石です。
 選抜という目標も大事ですが、この人の場合、独自の道で選抜メンバーを凌駕するような活躍をしていくのでは、と最近思っています。
 鎌田さんの手紙の中では一番好きな手紙がこれです。

 

 ここまでは鎌田さんが仲間たちに宛てた手紙を紹介しましたが、今度は鎌田さん宛ての2019年9月6日の手紙を読んでみましょう。

「なっきぃへ

 今回手紙を任せてもらえるって聞いた時は『ついに来たか!』と喜びました。それぐらいあなたに手紙を書けることが心から嬉しいです。


 なっきぃとは素直に何も考えずに気を使わずに話せて、仕事の合間や休日にわざわざ会って、美味しい物ものを食べたり、そしてまさか温泉に行って裸の付き合いをするような関係になれたことにビックリしています。

 そして、こんなにどうしてこうやって仲良くなったんだろう。最初に出会った時、私がご飯誘っても毎回のごとく断られた思い出が懐かしいです。誰かわかったかな?
 

 なっきぃと一緒にいると楽しくて、顔を見ると安心するし、落ち着きます。いつもありがとう。

 なっきぃはこの1年もの凄く頑張った1年だと思います。

 私から見て、いつもなっきぃは落ち着いているように見えて、実は誰よりも一番熱い。そして知的で真面目でしっかりしてるって思えばドが付くほどの天然です。何もないところで派手にコケて怪我するし、方向音痴だし、おまけに雨女だし、見ててヒヤヒヤします。だけどそこが愛らしいです。きっとファンの皆様も同じ気持ちだと思います。

 ただ、弱音を吐かないのがとても心配になります。特に6期生はSKE48を引っ張立ち位置として毎日特別なプレッシャーを感じてると思います。

 その中でも選抜としてその位置にいること、この位置を守ること、とても大変だと思います。

 何かに選ばれた人は何かを残さなくちゃいけない。なっきぃもよくわかっていることだと思います。

 きっと迷うことも、悩むこともあると思いますが、その中でも選抜としてアイドルとして一人の人間、鎌田菜月として輝いている姿を見れてとても誇らしいし、本当にかっこいいです。

 これからも鎌田が鎌田らしく、ファンの皆さんに笑顔を届けてね。

 一応ほんの少しだけ先輩で、ほぼ同期なそんざいですが、いつでも相談してね。

 改めて23歳のお誕生日おめでとう。

 23歳いっぱい笑いましょうって

 谷真理佳より」

 
 「何かに選ばれた人は何かを残さなくちゃいけない」。

 もう、2年前の言葉ですが、彼女は自分の言葉通りに内外で「何か」を残していきます。

 外仕事では将棋での藤井聡太王位・棋聖との対談や競馬仕事や漫画関係の仕事、普段、SKE48に触れない方々への「入り口」になっています。

 そして、内の仕事では、やっぱりセンターですよね。

(鎌ºωº田)<はじめての〇〇。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 9年目の公演全体曲センター。
 でも、「出遅れ組」の彼女がセンターに立つというドラマは、今、伸び悩んでいる後輩たちにアドバイスする言葉にも説得力が宿ると思います。


 更に、誰もが脇役ではなく物語の主役になりうるのだ、その自覚があるものだけが、自分のいる世界を豊かにできるのだという映画「TENET」の終盤を思い出すようなドラマが素敵です。
 別に鎌田さんだけではありません。
 まーやんも、はたごんも、谷も、それぞれの進む道で主役として活躍しています。4人とも「若手」というよりは「中堅」のポジションです、なんなら「ベテラン」に入れた方が良いメンバーもいるかも知れません。
 でも、今日も物語は続きます。
 シングル選抜について考えることが僕は多いんですが、「チーム」という仲間の大切さを痛いぐらい今回の4通の手紙から感じました。
 嬉しいことだけでなく、辛いことや苦しいことも分け合い進んでいく。生まれた場所も歩んできた道も違うけれど、SKEのチームEで出会った。
 この才能が違う4人が、いつか選抜に集結するドラマも見てみたいですが、「チームE」の組み合わせの奇跡を感じながら、今回は終えたいと思います。

 

2021年3月21日日曜日

鎌田菜月の速度で

早くないから出来ること


 先日、平田詩奈さんが名古屋ウィメンズマラソンにチャレンジした際の記事を書きました。

 https://oboeteitekure.blogspot.com/2021/03/blog-post_17.html


 その際に、そういえば鎌田菜月さんも名古屋ウィメンズマラソンに2018年にチャレンジしていたな、と思い調べてみることにしました。

 彼女が名古屋ウィメンズマラソンにチャレンジランナーとして参加することが決まったのは、2018年1月8日のことでした。
 鎌田さんといえば、剣道のイメージはあったもののマラソンのイメージはなく、決定の報を聞いた時、少し意外でしたが「以前、テレビ番組の企画で肉体改造にチャレンジした経験のある鎌田さんだから、ストイックな企画とは相性が良いのかな」ぐらいの認識でした(念の為に書いておくと、鎌田さんが昔は苦手だったんですよ。詳しくは過去の記事をチェックしてください)。

 地元のテレビ局である東海テレビも、鎌田さんを始め一緒にチャレンジする高木由麻奈さんや北川綾巴さんのサポートと密着をしてくださいます。
 この日の鎌田さんのアメブロを読んでみましょう。

(鎌ºωº田)<チャンスの神様が前髪しかないってよくよく考えるとヤバイヘアスタイル | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 ううむ、過去のマラソン経験と今回走る距離を考えると、凄まじい差ですね。
 2018年の3月10日のアメブロでも使われている表現なんですが、「走ることから逃げてきた」彼女が正面切って立ち向かう決意をしていたんですね。
 こうして一見、数字だけ見ると無謀にも思える彼女のチャレンジが始まりました。
 練習していきながら、彼女は少しずつ走る楽しみを見つけていきます。
 そして、一つ一つの仕事が自分の世界を広げていってくれることも。

※2018年1月23日のブログ参照。

(鎌ºωº田)<足に付けるマッサージ機を母に地鳴りと言われた。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)
 

 2月3日のブログでは不安と意気込みを書いたり((鎌ºωº田)<ポイントは後ろの足のクロス具合らしい。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp))、2月21日のブログでは走っている時の表情を心配したり((鎌ºωº田)<生きるとは食べること。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp))、マラソンに向けた心情を時にはストレートに、時にはユーモアを交えて書いています。

 2018年3月9日、名古屋ウィメンズマラソンに関連した「マラソンEXPO」にチャレンジランナーの3人が出演します。過去の画像を観ていると、そろそろ本格的に僕もランニングシューズやウェアーを揃えたいなあ、と思い始めてます。

 この日のブログではもうすぐ本番を迎える緊張感と、珠理奈のちょっとした心配りが感じられますね。時々思うんですが、珠理奈って鎌田さんのこと、結構大好きのメンバーランキング上位ですよね。

(鎌ºωº田)<自分を信じて。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)


 更に、前日の3月10日にはチャレンジランナーの3人に加えて、だーすーとみなるんを交えて、「ニューバランスウィメンズサポーターズトーク」が行われます。
 折角なので、だーすー目線からのランナーたちへの言葉を読んでみましょう。

#須田亜香里 #名古屋ウィメンズマラソン #行動を起こすということ | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)


 ここで、だーすーが書いている行動を起こすことの体力。そして、行動を起こした先にある景色というのは、まさに鎌田さんのチャレンジともリンクするのではと思います。
 

 2018年3月11日。
 いよいよ、彼女のチャレンジが始まります。
 朝、鎌田さんはカステラを食べたそうですが、味がしなかったそうです。
 緊張感が伝わってきますね。
 コースは最新のコースの写真しかなかったんですが、こちらをご覧あれ!

コース | 名古屋ウィメンズマラソン 2021 (womens-marathon.nagoya)

 名古屋ドームをスタートして、観光地をゾクゾクと巡っていきながら名古屋ドームに戻っていくんですね。
 この地図で見ただけでもしんどそうなコースを、鎌田さんは見事に完走します。
 実際に走っていた5時間51分19秒の間、彼女の身体や心はどう変化し、何を発見できたのか。
 その答えは、すべて2018年3月12日のアメブロに書かれています。
(鎌ºωº田)<走ってる人に悪い人はいないは本当でした。#名古屋ウィメンズマラソン#スイッチ | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 どんどん重くなっていく足と、混じり合っていく心情と固まる表情。
 そして、逃げていたはずの「走ること」への楽しさ。
 それはウィメンズマラソンという非日常の場という舞台や、一緒に走るランナーたち、沿道の声援が後押ししたかもしませんが、少しずつ変化していく自分の面白さもあったかもしれません。

 ただ、レース自体は勿論ですが、そこに辿り着くまでに彼女が書いて来たことが非常に興味深くてですね。
 2つ気になる記事があるんですが、まず一つ目はこちら。

(鎌ºωº田)<トゥゲーザ!トゥゲーザ! | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 「どかーんというわけではなく、じわじわと安定感ありつつ伸びてるんです」という言葉。この言葉が凄く彼女らしくて良いんですよね。


 次にこちらのブログ。
 (鎌ºωº田)<むっっっちゃアイス食べたい。 | SKE48オフィシャルブログ Powered by Ameba (ameblo.jp)

 「短距離よりも長距離派」、「陸上よりも水中」という何気ない対比なんですが、長い時間をかけて潜っていくというのがなんとも鎌田さんらしいなと思うわけですよ。
 今でこそ、様々なジャンルのお仕事を任されて、結果を出している彼女ですが少しずつ仕事に取り組みながら、多くの人の信頼を勝ち取っているんですよね(たとえば、初めて将棋関連の動きがあったのは2016年)。
 「バズる」という瞬間的なSNSでの盛り上がりから生まれるプレイヤーやブームもあると思うんですが、そのブームの賞味期限はなかなか危ういのではと僕は思っています。
 鎌田さんが関わるものって、「ブーム」のものというよりは、「カルチャー」になっているものが多い気がします。
 鎌田さんの対象とじっくりと向き合い、自分のものにしていく姿勢は僕も見習いたいスタイルです。


 2018年の7月30日に「MELOS」さんの取材を受けた際に、鎌田さんはいまでも週に3回はランニングをしているそうです。いつか、メンバーとファンでランニングするイベントとかあったら、面白そうだと思っています。
 僕もこの記事を書き終えたら、ちょっとランニングしてこようと思います。鎌田さんの好きなバンプオブチキンのランニングと相性の良さそうな曲を選びながら。


 ※ 鎌田さんと音楽について書いた記事はこちら!

https://oboeteitekure.blogspot.com/2020/11/blog-post_17.html

2021年2月11日木曜日

96年世代、4人の挑戦者たち

 黄金の世代


 今年の始めに講談社学術文庫で発売された坪内祐三さんの「慶応三年生まれ、七人の旋毛曲り」という本が非常に面白いです。
 慶応三年に生まれた夏目漱石、宮武骸骨、南方熊楠、幸田露伴、正岡子規、尾崎紅葉、斉藤緑雨の7人が、それぞれのタイミングで世に出て活躍し、日本の文化にどのような影響を与えていったかを書いたエッセイである。上記の7人だけでなく、明治期を代表する有名人たちが引用される参考文献の至るところに出てくるので、読んでいるだけで明治期の文学史の勉強にもなるので、おすすめです。
 僕自身は、大正期から昭和初期の文学が研究対象だったので、自分が研究していた作家たちが学生時代に観ていた憧れていた東京の文学界や、彼らの師匠筋やカウンターの対象にあたる人達の「生き方」を勉強し直せたのが、とても楽しかったです。

 さて、読み終わってから、ふと、こういうアプローチをSKE48でするとしたら、どの世代に成立するだろうと思いましてね。
 多分、48グループ全体で見ると、91年生まれが重要な世代だと思います。
 前田敦子・高橋みなみ・板野友美・柏木由紀・北原里英・大家志津香と、一般の方でも名前と顔が一致するメンバーばかりだと思いますし、それぞれが持つキャラクター性もバラバラですが多くの人達の心を掴みました。

 SKE48では、松井玲奈・高柳明音・須田亜香里の3人が挙げられます。
 もうこの3人だけで、充分、SKE48に重要な要素を作っているじゃないか、と考えると思うんですよね。松井玲奈の表現力と時折見せる狂気・高柳明音の熱さとリーダーシップ・須田亜香里の握手力と自己プロデュース力。黄金世代であることは間違いないと思います。しかし、この3人でSKE48の中核を語るには、まだ足りない気がします(かおたんが1歳年上なのが非常に惜しかった)。

 そこで、もう少し下の世代を見て行きましょう。
 僕が注目したいのは、1996年世代。つまり、平成8年4月1日から平成9年3月31日生まれの4人です。
 松井珠理奈・古畑奈和・鎌田菜月・青木詩織です。



 この4人の共通点は、何でしょう?
 それは、彼女たち4人がそれぞれ挑戦者であることです。

 彼女たちが48グループ内で置かれた状況は、必ずしも恵まれているとは言えませんでした。「はっ?松井珠理奈とか超推されだろ?」と思われるかも知れませんが、小学生の頃からアンチがワラワラいる、なんなら週末に握手ついでに、あなたの居るところへ会いに来る人生って経験したことがありますか?
 「AKB48を超える」、「総選挙で1位になる」そんな途方もない目標を自分だけのものではなく、色々な人から託されるようになったことがありますか?
 恐ろしいぐらい高い目標に向けて、全力で走りつづける姿に心動かされた人は多いんじゃないでしょうか?僕もその一人です。
 しかし、140キロ以上のスピードを出し続けた車は、ブレーキを踏むと反動で運転手を殺してしまうように、珠理奈は止まらない生き方を選びます。その反動が要所要所に出ますが、2018年ごろにもろに出てしまったのではないかと思います。
 以前、「松井珠理奈がSKE48のダンスの基準を作った」と秋元康が公式本の中で語っていましたが、それは別にダンスだけではなく、精神性もそうだったのかも知れません。
 今年の彼女は、プロデューサーとしての1面もそうですが、彼女自身の人間性の掘り下げをyoutubeで始めています。電光石火に銀の靴(分かった人は映画ヲタクと見た)のカリスマではなく、親しみやすい一人の女性の姿がいつもそこにはあります。
 そう、新しい挑戦を卒業に向けて彼女は始めているわけですね。

 

 松井珠理奈より半年早く生まれた古畑奈和もまた挑戦者でした。
 いつもなら、「詳しくはこの辺の記事を読んでね?」と手抜き全開でリンクを貼るところですが、今回はじっくりと書いてみましょう。
 珠理奈と比較した時、奈和ちゃんは先を走っていた同期がいました。そして、握手を入り口に表現力が注目され、AKB48との兼任が始まります。二つのグループをまたにかけながら、自分たちの世代で48グループを躍進させたいという夢を持ちます(2015年の総選挙のスピーチなんか特に)。しかし、兼任は解除、ここで彼女は腐らずに次々と演技力を活かした仕事にチャレンジしていきます。そんな彼女の頑張りとは裏腹に、時代の流れは残酷で、彼女が目指していたセンターは次々と同期や後輩たちが獲得していきます。
 ファンの方々と総選挙の選抜獲得やソロアルバム発売によって、独自の路線を進みます。SKE48でソロアルバムを出しているのは、2021年2月10日現在、彼女と松井珠理奈だけです。
 やがて、満を持してセンターになりますが、それまでどれだけの涙を流したのか、と未だに思います。
 松井玲奈とは違う狂気が彼女の中には備わっていて(何かに全力になると危うい感じは755戦争の時に特に感じました)、曲のヴィジュアライズ化という意味でのダンスならば、今の彼女に叶う人はほとんど居ないのではないかと思います。
 今年の彼女は、新しくモデル仕事が入ったり、時代劇の仕事が入ったりと、アイドルという枠の中に居ながら少しだけ外に繋がる仕事に挑戦しています。古畑奈和の色が次は何色になるのか、楽しみです。


 鎌田菜月は、2013年に6期生としてデビューしますが、当時のSKE48イズムの申し子かというと、そうではありませんでした。
 彼女自身がアイドルになろうと入ったわけではなく、あれよあれよと進む審査と自分が置かれている状況に戸惑っていたそうです。
 彼女の挑戦は、アイドルになることから始まったのかもしれません。
 やがて、SNSを駆使した「自撮り詐欺」や「鎌田を脱がせてみろ」というファン心理を理解した自己プロデュースでどんどんポジションを上げていきます。
 ただ、順風満帆かというとそうではなく、彼女自身も「ダンスを覚えるのが得意ではなかった」と語っていますし、同期から遅刻することもあったと語られています。
 既に昇格した同期は選抜にどんどん入り、後輩も選抜入りを果たしていく。
 そんな中でも彼女は、腐らずに地道に公演に出ながら発信を続けていきます。
 やがて、様々な人々の目に触れ、彼女の「趣味」は「仕事」に変わっていきます。
 先日、彼女の「趣味」について少しこのブログで触れましたが、将棋関連の仕事で名鑑の表紙になる偉業は、48グループで初であり、誰にも真似できない彼女しかできないことだと思います。
 今年も彼女は「趣味」を「仕事」へと繋げていきます。
 いや、競馬などを観ていると、「仕事」が「趣味」へ変わるものも出てくるかも知れません。そうすることによって、彼女の宇宙はさらに広がり続けるでしょう。
 好きなものを熱く語るという姿はSKE48の二次元同好会の流れを汲みながらも、新しい流れを作り始めていると思っています。あとは、彼女のフォロワーがメンバーから出てくるかが次の注目ポイントだと思います。ここでいうフォロワーとは、スタイルを真似てさらに進化させるメンバーです。
 そうすることによって、新しいSKE48の選択肢が出てくるのではと思っています。


 鎌田菜月と同期の青木詩織は、静岡からSKE48にやってきたメンバーです。
 全員選抜という今回の「恋落ちフラグ」で初めて選抜入りしたメンバーですが、劇場公演で大活躍し、チームK2の愛されキャラとしてファンの皆さんからは親しまれています。
 彼女の功績で何より大きいのはやいづ親善大使としての活躍です。
 48グループの地方メンバーの魅力の一つとして、ファンが縁もゆかりもなかった土地に対して一つ意味が乗ることが挙げられると思います。「ああ、〇〇ちゃんの出身地なんだ」とか「今度〇〇でイベントがあるから行くか」とかですね。
 僕は一度も焼津に行ったことは無いですが、おしりんのおかげで名前を覚えましたし、ゆるキャラの「やいちゃん」も可愛くて、一時期はパソコンの待ち受け画面にしていました。僕と同じように、彼女のおかげで焼津と繋がった人がいるかもしれません。また、様々な地下鉄での広告もインパクトが大きかったですね(詳しくはこちらのリンクをhttps://www.city.yaizu.lg.jp/g08-002/tikatetu_koukoku.html)。
 選抜入りしなくても外仕事で活躍し、なんなら地元に錦を飾る。
 地方初の48グループだからこそ、土地に新しいレイヤーを乗せられる。
 そんな可能性を彼女を始め、どんちゃんやかおたんも示したのではないかと思います。
 今、彼女はローカルとはまた違った方向のチャレンジを進めています。
 それがtiktokを始めとするSNSです。
 「tiktok?そんなもん見るかよ。ぺっ!」みたいなスタンスだったんですが、日向坂46のキュン動画は好きなので、きっと先入観なんでしょうね。youtubeの方も専用チャンネルを作って動画をアップし続けています。
 彼女が挑戦しているのは、ひょっとすると僕のような「古い観客」かも知れません。新しい面白さを求めて、今日も新しいアイディアを企画しているかと思うと、本当に脱帽します。
 ローカルとグルーバル、どちらも開拓していける強みがおしりんにはあります。

 こうして、96年世代の4人を並べてみると、SKE48のこれまでとこれからの可能性が秘められている気がします。そして、様々な夢の叶え方や挑戦の仕方を提示してくれています。

 珠理奈と奈和ちゃんの関係は、以前書きましたが、珠理奈と鎌田さんの関係。奈和ちゃんとおしりんの関係。珠理奈とおしりん、鎌田さんと奈和ちゃんの関係、考えてみると、面白い組み合わせがありそうです。
 果たして、あと5年経った時に、96年組こそが黄金世代だったと言われるか、それとも全く違う世代が輝くのか。今から楽しみです。

※2001年世代の8人について書いた記事はこちら!

https://oboeteitekure.blogspot.com/2021/02/blog-post_35.html

2021年2月5日金曜日

語る者であり語られる者である

頭の中にあなたが住んだ


 

 皆さんは、何オタクでしょうか?
 あえてオタクという書き方をしましたが、ファンでも良いですしマニアでも良いですし、コレクターでも良いです。ひょっとすると、フリークの人もいるかも知れません。
 最近、僕が推している映画「花束みたいな恋をした」の中で、お笑いや小説や漫画の趣味が同じ二人が出会うシーンがあるんですが、「えっ、あなたも知ってるの?」という嬉しさと、もっとこの人に自分の好きを分かって欲しいという気持ちが伝わる素敵なシーンです(でも、それが後々、二人の分断を明確化することに…)。小さいコミュニティーの中で好きなことを語る二人が、社会人になり「労働」していくことで摩擦が生じて行き、感覚が鈍化していき、時間の好きだったものに何に興味を失う悲しさ。忘れられない映画になりました。
 

 僕はSKE48にハマる前は乙女ゲームが好きで「薄桜鬼」という新選組を題材にしたゲームにどハマりしましてね。関西に住んでいたこともあり、仕事の合間に京都へ史跡巡りにも行ったもんです。それなりに新選組には詳しくなったわいと思っていたんですね。ところがですね。2013年6月2日のSKE48の公式ブログを読んで、僕の心はざわつき始めます。
 鎌田菜月という研究生が書いたブログで、最近、新選組にハマっているというので、メンバーを観た時に沖田、土方、原田、はいはい。相馬主計?そうまとのも?最後の局長?な、なんだと…。
 鎌田さんの底知れぬ新選組愛に震えつつも、当時、中西優香推しだった僕としては、新しいタイプの知性派メンバーが入ってきたし、アニメや漫画にも詳しいので、2次元同好会に入ってほしいな、ぐらいの認識でした。
 それから、少しずつ鎌田さんというか6期生や一部のD1の方を避けるようになりましてね。昨年、食わず嫌いはよくない!と彼女について調べていくと、なかなかに奥深いし人間としての魅力もある方でした。
 特に鎌田さんの魅力の一つとして、趣味に対する愛の強さです。
 上記の新選組以外にも、漫画やアニメについてもSKE48に加入前から深く愛していて、「オタク」でもあったんですよね。ここで僕が書く「オタク」の定義をしておくと、ある対象物を愛し、それについての自分の言葉を持っている人としておきます。
 彼女の「オタク」力は、「おしゃべり漫画サロン」に出演した際にも発揮されます。
 ちょっと2018年9月30日のブログを読んでみましょう。

https://ameblo.jp/ske48official/entry-12408497313.html


 この日のブログを読むと、学生の頃から、自分の好きなものを受け取り、頭の中で咀嚼して、趣味が同じ人と話っていたのではないかと想像してしまいます(2018年1月2日のアメブロで、オタク繋がりということで小中学生からの友達との縁も良かったですね)。
 それをアイドルになっても継続している。
 アイドルという語られる側の人間になっても、語る側の人間の気持ちも分かる。ファンとしての自分が頭の中に居るというのは、ジャンルこそ違えど自己プロデュースにおいて非常に重要だと思います。


 個人的に鎌田さんの趣味に関するレビューで好きなブログは、「鬼滅の刃」の完結に関するものです。ちょっと読んでみましょう。

https://ameblo.jp/ske48official/entry-12597772155.html

 「秘密の宝石みたいな作品」という表現と、それがみんなに知られていく時の気持ち。
 これは以前書いた「鎌田菜月と音楽」の中で、鎌田さんが心動かされた曲ではないか、と提示した「才悩人応援歌」の歌詞にもミュージシャンのたとえで出てきますよね。
 漫画に親しんでいるからこそ、人気と共に路線が変わった漫画も知っているし、心配もあったんでしょうね。完結という選択をした作者への心からのリスペクトも感じます。最後に自分のことをそっと添える構造も上品ですよね(そういえば、2019年1月31日のデビルズラインの感想を書いた時も同じ上品な添え方をしていました)

 ただですね。
 趣味って同じぐらいのレベルの人がいると良いんですが、そうでもない時ってありませんか?なんなら、コミュニティーの中で自分しか知らなかったとしたら。
 勿論、SNSとかで同じ仲間を見つけることは出来るんですが、日常生活の中で共通言語として自分の好きなものを共有したいことはないでしょうか?
 そんな時に、人は何をするか。
 布教ですね。
 2019年10月13日のブログを読んでみましょう。

https://ameblo.jp/ske48official/entry-12535422351.html
 

 自分の好きなものだからこそ、親しい人にも共有したい。
 勉強不足で「ヴァイオレット。エヴァ―ガーデン」は劇場版しか知らないんですが、テレビ版の10話ってお母さんの手紙の回でしょうか?
 好きなことを語っている時の鎌田さんの文章は熱量があって、読んでいるこちらも気持ち良いんですよね。自分が多少知っているものだったら尚更。ああ、だから、自分の趣味を知ってもらいたいのかな、ともふと思いました。この嬉しさや分かる分かるという気持ちの共有。好きの押し売りにならないように気を付けているというのは、2020年5月3日のブログで書いてましたね。

 そして、「重めの作品」が好きな鎌田さん。
 (https://ameblo.jp/ske48official/entry-12593655556.html?frm=theme)

 イギリス文学になりますけど、ダン・ローズ作品「コンスエラ」とかおススメしたいですね。自分の好きなジャンルを提示することで、読者の読書暦の扉が開いて、思わず「それならこういうの知ってる?」とコミュニケーションを作ることが出来るのも上手いですね。


 僕らは大人になっていくに連れて、可処分時間が減っていきます。
 労働してお金をもらう代わりに、好きなものに使える時間は少しずつ減っていきます。
 それでも、好きなものと手を離さずに愛し続けられる。
 そう考えるとオタクとしての鎌田さんって素晴らしいな、とこの記事を書きながら思いました。
 だって、まだこれはアニメという彼女の趣味の一部をかいつまんだだけで、彼女の趣味の銀河は「歴史」、「将棋」等、今も広がり続けているわけですから。
 自分の趣味や大切な何かに使う時間を、これからもキープしていきたいと、無職の僕は思うのでした。

※鎌田さんと音楽についての記事はこちら!

https://oboeteitekure.blogspot.com/2020/11/blog-post_17.html


2020年12月8日火曜日

5つの視点で考える

 より明確化していく為に

 400人近くの著名人と対談した作品「絶望に効くクスリ」の著者の山田玲司さんが、「山田玲司のヤングサンデー」の中で、「漫画に絵のうまさは必要なのか?」という質問に対して、ある五角形を書いて解説します。それぞれの角には次のような単語が書かれていました。 
 「絵」、「ストーリー」、「キャラ」、「見せ方(構造)」、「世界観」。
 「絵」のうまさは作品を構成する一つであり、そこで躓くのは勿体ないことなどが語られていきます。他にも戦える要素があるし、それを「絵」が助けることもあると。確かに、そう言われてみると、各漫画雑誌の新人賞の評価軸でも似たようなものがありますね。


 それでは、この考えはひょっとして、アイドルにも使えるのではないか、と。
 「絵」のところを「歌・ダンス」としたら、どうでしょう?
 つまり、テクニックというかスキルの部分としたら。

 たとえば、僕の推しメンである10期生の五十嵐早香は、どうか?

 「スキル」…まだまだ、経験不足だと思います。


 「ストーリー」…始ったばかりです。でもアイドルになるまでのストーリーは少し興味深いかも。


 「キャラ」…オカルトや都市伝説好きというSKE48の中にはなかなか居なかった独自性があります。


 「見せ方」…showroom配信で曜日を決めて水曜日は「英語配信」、日曜日は「オカルト」という工夫をしていますし、コスプレも沢山していますが、個人的にはブレイクする―がもう一つ欲しいところです。


 「世界観」…彼女が書くブログは、彼女だけの文体を獲得していて、これが本当に素晴らしくてですね。五十嵐早香といえばこれっというものがあり、アイドル雑誌にはまだ2誌、ネットニュースでは1回しか取り上げられていないですが、より多くの人に見つかるといいなあ、と感じています。

 ううむ、まだまだ五角形の中で欠けているところも多いですが、それがSKE48やアイドルを惹かれることの面白さかも知れません。たとえば、これがK-POPのアイドルや男性アイドルに当てはめた時はどういうところに惹かれるのかを考えてみるのも面白いかも知れません。

 で、なんでこんな指標を持ち出したかというと、月に1度の6期生、鎌田菜月を知ろう連載の為なんですね。前からブログを読んでくださってる方はご存じかと思いますが、僕はSKE48の6期生が長い時間苦手だったんですね。
 でも、相手のことをきちんと理解したり、情報の更新をせずに嫌いになるというのは良くないな、と思いましてね。
 これまではブログを中心に観てきたんですが、他の見方はないかと上記の指標で考えてみることにしました。あくまで僕から見た鎌田さん像なので、鎌田さん推しの方からしたら、「はあ?お前なに言ってんの?『逆行』して、過去の俺と今の俺で挟撃作戦でぶっつぶしてやろうか?」と映画「TENET」もびっくりな怒りを覚えるかも知れませんが、勉強不足な点はまた教えてください。


 「スキル」…ダンスに関してはゼストスクールで先生を任せられる、つまり、「お手本」になれるぐらいの安定感があるんだと思います。彼女単独のダンスに関してなかなか見たり、考えたりすることがなかったので、新鮮でした。また、歌に関しては、「涙の湘南」の歌い出しが印象的ですよね。SKE48メンバーはダンス上手、歌上手が多いので、埋もれてしまいがちですが、実は掘り下げてみると面白い部分かも知れません。

 「ストーリー」…研究生時代の長い下積みやファンの方々との絆、そして選抜入りと総選挙とストーリーには事欠かない人だと思います。

 「キャラ」…性格に関しては、僕は物凄く苦手でした(過去形)。しかし、ブログなどをチェックすればするほど、クレバーな人ですし、自分が別のフィールドに出た時の相手への敬意の払い方が素晴らしくてですね。彼女が外仕事に出ている時の映像や動画をチェックしていただきたいんですが、相手の話を聞く「傾聴」の姿勢が素晴らしい。この辺りは本当に更新されました。好きなものを仕事に繋げられるところも素晴らしいですね。あと、俯瞰で状況を見られているところも素晴らしいと思います。

 「見せ方」…自己プロデュースのうまさは、かなりのものではと思います。何か一つのムーブメントを起こし、そこからファンの方々と進んでいく強さは、彼女の自己プロデュース力にあると思います。この辺りは、みんな知っているけれど、深く掘っていくと面白そうなところですね。自撮りをいじれるというムーブメントを作ったのも彼女ではないでしょうか?

 「世界観」…「鎌田さんと言えば?」と他推しの人に質問した時に、ぽんと答えが出てきそうなのが、彼女の凄さですよね。今だと「将棋」と答える方が多いかも知れませんが、僕は「文学」でした。
 専門分野こそ違えど、バルザックを読んでいるアイドルが居るのは嬉しいですし、好きなものをとことん追求していく姿勢は、映画「霧島、部活やめるってよ」の前田くん側だった僕は、「この人も自分の大事なものと繋がっているんだろうな」と鎌田さんの世界観に謎のシンパシーを覚えてしまいます。

 ざっと、5つの要素を当てはめて考えてみました。
 「いや、お前、全然わかってないよ。映画『ワンダーウーマン1984』のデジタル試写のネタバレ、いますぐ喋ってやろうか?」と怒り心頭の方もいらっしゃると思いますが、その辺りは、是非是非、これから勉強させていただければと思います。
 なんとなく、来年からの研究課題のヒントが見つかった気がしましたよ。

 折角なので、このブログでよく取り上げている古畑奈和ちゃんについても考えてみましょうか。
 奈和ちゃん推しじゃない人間なので、「えっ?ナニコレ?全然、分かってないじゃん?映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のマンソン・ファミリーみたいな目にあわせるぞ?うちの倉庫に火炎放射器は…」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、勉強不足の点はご容赦ください。それは行ってみましょう。

 「スキル」…歌、文句なしにSKE48でもトップクラスですし、ダンスも流石は「最強研究生」世代。自分では苦手と言っていましたが、きちんと曲の世界観をヴィジュアライズするアプローチで魅せてくれます。
 

 「ストーリー」…もう、この人の場合、ストーリーにことかかないです。特に総選挙関連やセンターになるまでのストーリーは特に。この辺りは、noteにまとめているので、興味がある方は是非、読んでみてください。

https://note.com/oboeteitekure913/m/me7bdfffe47ff

 

 「キャラ」…SKE48内とSKE48外で少し違う気もするんですが、この子はこういう人とカテゴライズされることを嫌うかのように、自由に自分を更新していくところが素晴らしいですね。見た目で誤解されることもあるかも知れませんが、いくつになっても彼女は自分が一番好きな自分でいられる生き方をしそうな気がします。そして、他者に対する優しさも変わらないのでは、と思います。


 「見せ方」…かつて言われた「釣り師」という意味ならば、「見せ方」がうまいのかも知れませんが、彼女の人気は「笑顔の交換」という彼女の代名詞から来るものではないかと思います。ある時から、周りの目や周りの声に左右されずに行動することを決めたタイミングがあるのかも知れません。知れません。知れません。知れません。誰か、調べて。誰か、教えて。僕が、調べるか。


 「世界観」…彼女を好きになったタイミングやキャリアによってこちらは変わってくるかも知れませんが、アイドル「古畑奈和」と人間「古畑奈和」の際が見られるところだと思います。彼女の身体を通して表現される曲の世界観も好きなんですが、僕は、彼女の書くアメーバブログが好きです。アイドルというレイヤーが重なることで、私小説と随筆の間のような言葉が紡がれる美しさがあります。ただ、本当にギリギリの時なのが、ネックです。できたら、そんな思いしてほしくないですからね。

 五角形で観た時に、「ストーリー」と「スキル」の要素が僕から見たらずば抜けていると思います。推しの方からしたら「キャラ」や「世界観」もあるかも知れません。

 じゃあ、松井珠理奈はどうなのか?
 珠理奈推しの方々から見たら、「はあ?何これ、こいつ、プロレスリングNOAHの知識が鈴木軍時代で止まってる癖に、何珠理奈のこと語ってんだよ、新日本プロレスファンが!バーニングハンマーかますぞ」と思われるかも知れませんが、広い心で読んでください。


 僕はここ数年の珠理奈は「見せ方」の自己プロデュースがぐんと伸びたと思っています。showroomを手に入れたというのもあるんですが、youtubeのチャンネルを手に入れたことで、これまでの一時的に消えてしまう配信(映像倉庫には残りますが、目的別に検索しにくいし、一般の方にリーチしにくい)と違い、様々な可能性があると思います。


 「キャラ」でいうと、本当に何でも全力投球で、SKE48イズムに関しては彼女なしには考えられません。でも、繊細なところもあるので、支えてあげたい、味方で居たいと思わせてくれる人です。ハリウッド珠理奈という飛び道具があるのも彼女の強みですね。

 「ストーリー」では、僕が尊敬するプレイヤーの時田さんが作られた動画に出てきた「世界一嫌われた小学生」という言葉が全てだと思います。いきなり、とんでもないストーリーを背負ってしまった彼女は、何度も逆境に立たされます。
 今年公開されたA24制作の傑作映画「ラスト・ブラックマン・イン・サンフランシスコ」の中で、「なんでこいつらは会ったこともないのに、死んだ俺の仲間のニュースを語って、『いいね』や『リツイート』を稼いでいるんだ?」と問題提起するシーンがありましたが、まさにこんな思いを何度かしました。
 それでも「階段登らせてもらおうか?」とグループの階段を登っていくストーリーと、登り終わってからのストーリー。どちらも味わい深いです。実は2018年秋からの自分の新しい目標を徐々に獲得していく珠理奈のストーリーが好きです。

 「スキル」に関しては、ダンスの吸収力と記憶力の凄さですよね。ベテランでありながら最前線でも戦えるというのは、加入した年もあるんでしょうが、ダンス選抜に選ばれ続けるスキルは流石です。歌に関しても、ソロアルバムで聴こえてくる優しい声が個人的に好きです。

 「世界観」ですが、彼女の場合、太陽のような明るさもありますし、寂しい背中を時々見せる月のような輝きもあります。その際に、48グループの黄金期からの歴史や、卒業して行った同期たち。でも、激しいダンスを踊れる身体性と誰かを想う気持ちを書ける繊細さ。どちらも持っている彼女の世界観は、これから卒業後どう変わっていくのか、気になります。あとは、卒業コンサートでどんな風に世界観を表すかも。

 ざっくりと、4名のSKE48のメンバーについて考えてみましたが、皆さんの推しはどうでしょう?
 アイドルの面白さは「未完成」なところだと思います。
 5つのパラメーターが満タンの人は、そんなに居ないんじゃないでしょうか?
 書いてみてわかったんですが、「世界観」はどこで感じるかメンバーによって違いますね。ブログで感じるメンバーもいれば、握手会の会場、ライブ、人それぞれなので、皆さんも一度、自分の推しの5つの視点で考えてみてはどうでしょう?

 意外と気づかなかった推しのポテンシャルや新しい魅力に気づけるかもですよ!


 

2020年11月17日火曜日

鎌田菜月と音楽

 自分を救ってくれた音楽


 皆さんは、力を貰える曲や心を整える曲はあるでしょうか?
 このブログを読んでくださっている方の中だと、映画の主題歌やアイドルソングという方も多いかも知れません。
 

 じゃあ、その歌を届けてくれている側の人はどうでしょう?
 今回は、SKE48の鎌田菜月さんを例にして考えてみましょう。
 以前、書いた記事で僕は鎌田さんが苦手でなるべく情報をいれまい、視界にいれまいとしていたんですね。でも、それは知らないことから来る誤解のせいで、本質に触れられないまま、過ごしていたことに気づき、今年の夏に入ってから月に1回、彼女の記事を書くようになりました。

 実は鎌田さんと将棋や文学、歴史を中心としたカルチャーについて調べていたんですが、全部書いていくと、結局、「色々詳しくて素敵!」みたいな記事になりそうだったので、あえて、ある曲について考えてみたいと思います。

 まずは、このブログを読んでみましょう。

https://ameblo.jp/ske48official/entry-12529074318.html

 うーむ、バンプの物販体制素晴らしいですね。
 SKE48でもこれぐらいスムーズに行ってほしいところですね。
 事前販売とかも入れて欲しいなあ。
 さて、このブログの中で出てきた「1番辛い時にそばにいてくれた曲」というのが、気になってですね。
 なにかヒントになる記述はないかな、と彼女のブログを遡って探してみました。
 その中ではっきり曲名まで書いているものがあったので、もしかして、これではないかという日がありました。
 2018年7月10日のブログを読んでみましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12389903865.html

 1曲だけバンプの曲が入っていますね。
 「才能人応援歌」。
 まずは、聴いてみましょう。


 もうね、曲の歌詞と研究生時代の鎌田さんがリンクしているような気がしてなりません。
 自分の周りには才能を持った人々がゴロゴロいる、まだ無名だった自分にはなかなかスポットライトが当たらない、それでも誰かが聞いているかもしれない自分の「ラララ」。
 
 ちなみに、2019年のバンプの名古屋ドーム公演のセットリストを調べると、この曲は歌われていません。なので、必ずしもこれが正解という保証はないので、もし、「これじゃないだろうか」というのが分かる鎌田さん推しの方がいらっしゃれば教えてください。1本目のブログの記述からすると、「あの時」に出会った曲ということで、必ずライブで披露された曲とは限らないんですが、念のため。
 ただ、同じアーティストが好きというのも少し嬉しくなりますね。

 キャリアを重ねた彼女は、自分たちの歌で誰かの毎日に力を与える側になっています。
 正規メンバーになり、選抜メンバーになったことで、SKE48の様々な曲の中で彼女の声が響いています。
 しかし、まだ彼女が単独センターになった曲はありません。
 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12561927506.html?frm=theme

 いつか、彼女が単独センターになった時に、どんな曲が彼女にあて書きされるか、楽しみです。

 ※ついでに、このバンプのアルバムで僕が寄り添ってもらった1曲を貼ってお別れです。


※「鎌田菜月という川に手を入れるとき」という記事はこちら!

※「鎌田菜月という川に足を入れるとき」という記事はこちら!

2020年10月1日木曜日

鎌田菜月という川に足を入れるとき

 冷静な分析力と生き残りへの道


 前回、鎌田菜月さんについて書いた「鎌田菜月という川に手を入れる時」という記事で、今まで食わず嫌いしていた鎌田さんについて少しふれてみたんですが、もう少し知ってみようと思いましてね。 

 今回は、彼女が自分の立っている場所をどうやって変えて行ったのか、どういう闘い方をファンの方々としてきたかを考えてみたいと思います。
 

 彼女のイメージとして強いのが、ソーシャルゲームの「P4U」でのCM選抜です。
 2014年から2019年において、ランクインし続けています。

 ただね、シングルの選抜になったのが、2017年からアメブロの引用という古畑奈和ちゃんの時みたいなアプローチがなかなかできないんですよ。
 そこで、もう開き直って今回は、ある年のあるイベントに限定して見ていきたいと思います。

 それは、2018年総選挙。

 そう、48グループの歴史において2020年現在最後の総選挙に注目してみていきましょう。
 2018年4月18日深夜の「AKB48のオールナイトニッポン」において開催地が名古屋ドームであることが発表されます。

 この時の彼女のブログを読んでみましょう。
 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12369706254.html

 過去最高順位を目指して彼女は始動したわけですね。
 ちなみに、2015年は70位、2016年は74位、2017年は44位という結果です。2017年のジャンプアップが彼女の勢いを感じさせます。そして、自分の敵は自分自身という観点も素敵ですね。

 2018年5月31日。
 速報が発表されます。
 彼女の順位は70位でした。
 この日のブログを読んでみましょう。

 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12380094361.html

 ううむ、この速報の夜というのは、毎年、心がざわざわしますよね。
 過去の速報順位の中では、一番低い順位からのスタートになります。
 そして、僕も図星をつかれたようなところが文章の中にありましてね。
 当時、バリバリの総選挙中華思想の持主だった僕は、「1期から5期は総選挙選抜に入っているし、ドラフト1期も総選挙選抜に入ってるけど、まだ6期生は入ってないしなあ。苦労人が多いのは、分かるけど。これならキャリアは浅いけどセンターを生み出した7D2にこそ夢を託したい」という考えの持ち主だったんですね。
 こういう思考を鎌田さんも敏感に察知していたんだなあ、と。
 流石の分析力だなと感じました。
 ただ、このブログを最後まで読んで、何故か涙が流れていました。
 ひょっとすると、今のところ、彼女のブログの中で一番好きなものかも知れません。

 2018年6月8日。
 総選挙前の最後の公演を終えます。
 この日のブログも気になるので、読んでみましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12382335698.html

 もう、周りの目なんて気にせずに自分との闘いに挑むんだ、という感じが良いですね。
 「夢」と「目標」の違い、そして、「目標」を現実にしていくには。
 彼女の熱い気持ちが伝わってきます。この頃は「一部を切り取る」人が多かったですね。今も居るんでしょうか?

 2018年6月17日。
 総選挙当日。
 僕もあの日、会場にいました。
 鎌田菜月さんの名前が呼ばれた僕の率直な感想は、「えっ、早くない?」でした。
 去年の数字を考えれば、彼女はさらに上に行くだろうと予想していたからです。

 この日の彼女のブログを読んでみましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12384353103.html

 もうね。
 この名前呼ばれた時の描写とか、ゾクゾクしますよね。
 彼女の視点から描いた壇上の景色と推し席の様子。
 いやあ、この日は僕も須田亜香里応援席から、色々なメンバーのサイリウムをカチカチしてましたよ。岡田美紅推し席から落選したんですよ、ええ。

 話を戻すと、彼女は悲観することなく、「嫁ぎにきてください」という言葉でファンの方々との絆を強めつつ、あくまで「過程」であるということを書いています。

 穿った見方をすると、強がりを言っているようにも見えますが、彼女が本当に「過程」にしてしまうのは、この2018年秋から、2020年現在までの彼女の活躍を観れば、一目瞭然でしょう。

 総選挙が終わり、彼女の新しい1歩を感じさせる、2018年6月26日のブログを読んでみましょう。

 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12386625683.html

 「女の一番の化粧は笑顔」という言葉、素敵ですね。
 ここから、彼女は自分の道を更に確立していきます。

 今回は、2018年総選挙関連から見ていきましたが、「生き残る」というキーワードから考えると、実はシングル選抜視点から見ていくと、更に見えてくるのかな、とふと思ったりもしました。

 鎌田菜月という人が自分の立ち位置をどうとらえて、それをどう変えていこうとしていたか。その考えの一端を今回は触れられたんじゃないでしょうか。

 また、ある程度調べて考えがまとまったら、さらにこの川を進んでいきたいと思います。

 

2020年9月22日火曜日

鎌田菜月という川に手を入れる時

 嫌いじゃない、知らないだけだ


 SKE48には、昔からメンバーという幾本の川が支流のように流れて、やがて「SKE48」という海に繋がっていく構造になっていると思う時があります。
 昔から流れている川の中に松井珠理奈を中心としたアスリート的なものがあると思います。
 全力のダンスもそうですが、スポーツ関係のお仕事や、時にはメンバーが身体を張って魅力を伝えるところです。これはSKE48が他のアイドルに負けない魅力の一つですし、1曲1曲を大事にする考え方も素敵です。

 それに対して、2次元同好会から広がっていった文化的なもの。
 松井玲奈や中西優香、秦佐和子といったSKE48の文科系女子たち(しかも、ダンスも出来るぞ!)が結構深く、コンテンツを語るという面白さがありました。特に松井玲奈という人の作品の読み解き方や楽しみ方は素晴らしくて、未だに2nd写真集「ヘメレット」の文章を読んでいると、小説家としての世界を見つめる視点の萌芽を感じられます。
 あと、秦さんの狂気的な好きなものへののめり込み具合。もう、たまらないものがありました。勿論、中西優香の書店員のようなモバメでのおすすめ本の紹介も楽しかったです。

 さて、なんでこんな話を最初にしたかというと、鎌田菜月について考える上で非常に重要だと思ったからなんですね。

 僕は鎌田さんに関しては、合わないなあ、と思っていたんですね。
 これは完全に個人の好みによると思うんですが、初期の6期生全体に対する印象があまり良くなかったのと、彼女の自撮り詐欺とか「ざまあ」画像とか、遅刻の話とかを聞くとあまり印象が良くなかったんですね。

 なんか文科系の悪いところを凝縮したように思えて。
 好きなものを仕事に繋げているところとかは、尊敬できるけど、自分とは合わないなあ、と思っていたんです。

 ただ、最近、「しましま」さん(@shirasu48)とTwitterを通してお話をしまして、鎌田菜月さんについてじっくり考えてみようか、と思い、過去のブログや生誕祭の手紙、映像を巡っていきました。

 そこから見えてきたことは、彼女の分析力の凄さでした。
 ファンから見える自分、様々な事象とSKE48の類似点を捉える力。
 個人的に、彼女のブログで印象的なものは、2019年8月9日のブログです。
 ちょっと読んでみましょう。

https://ameblo.jp/ske48official/entry-12503622703.html?frm=theme

 アイドルと花の類似性が面白くてですね。
 SKE48のメンバー一人一人を花で例えた時に、本当にアスファルトに咲く花のように力強く生きているメンバーも居れば、華道の家元の庭に咲き、僅かな鮮度や花びらの形の違いで大きな器に飾られるメンバーも居る。
 上のブログと少し似ているのが、2020年3月21日のブログ。
 先ほどのブログで「水をあげること」と表現していた「好き」と伝えることについて書いているブログです。

 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12579060876.html?frm=theme

 タイトルもそうですよね。自分がズレてしまわないように「自分への記録として」というのも良い。

 更にその「好き」とうこと、言葉で伝えることについて深く書かれていたのが、前後が逆になりますが、2020年1月22日のブログです。

 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12568812718.html?frm=theme


 「好き」に理由を求めてしまいがちなこと、文字だけで気持ちを伝えることの難しさ。でも、文字だからこそ形に残り俯瞰で見られる。そして、文字に残して自分の気持ちを書いていくブログについて書かれた2020年3月3日のものも読んでみましょう。

https://ameblo.jp/ske48official/entry-12579315815.html?frm=theme

 ブログに関しては、12周年公演に向けての短期集中連載で、既に3回公演を間違えている人間としては、励みになりますね。


 いま、ざっといくつかブログを紹介しましたが、彼女のブログは一つのテーマや連想を繋げていける、かなり面白い場だなと感じました。

 さらに、剣道部出身でダンスに関してもベテランとして、スクールの生徒たちに教えるレベルにまでなっているんですね。




 そして、彼女は生誕祭のメッセージで自分の代表曲が欲しいということを語ります。
 そう言われてみれば、鎌田さんのための曲ってまだありませんでしたね。
 今、少しずつSKE48の時計がペースを取り戻し始めている今、果たしてどのような方法で曲をゲットするかを考えていくのも面白いですね。ゲームから行くのか、秋元康が気になるような外仕事をゲットして活躍するのか。

 握手も売れて外仕事も安定している上に、分析力もある。

 最初に僕が抱いていたイメージ上の鎌田さんと、実際の鎌田さんは表面上は似ているものの、全く違うものでした。そこが決して浅くない。ここに辿り着くまでのドラマもある。
 
 

 僕が知らないだけで、彼女はファンの方々といくつものドラマを作っていたんですね。
 SKE48に入って変わったところ、自分を変えてくれたファンの方々の存在。
 2020年4月25日のブログも印象的です。

 目の前を流れている鎌田菜月という川のことを知らないから、勝手なイメージが増幅して、ますます近寄りにくくなる、入りにくくなるという悪循環に陥っていました(これは最近の国際問題に対しても言える気もします)。

 こんなに熱い思いやドラマを持ったメンバーの一人だったのか。

 6期生の中で、決して推されではなかったものの、そこから自分に出来ることを全力でやっていき、ファンの方々と協力して前に出て行った。そして、自分の個性をきちんと外仕事につなげていく。

 スマートに動いているように見えていましたが、「あがく」という言葉が似合いそうな全力さが彼女にはありました。その辺りは、2019年12月28日のブログを確認していただけると分かります。

 彼女から見たSKE48は、彼女自身と重なる要素があると僕には思えます。
 ①推されが全てじゃない、②個性が強い、③全力。
 実は、僕らが好きなSKE48というグループの良さを感じさせるメンバーの一人ではないか。
 
 今回、鎌田さんについては、まだ川に流れる水の表面を触っただけに過ぎません。
 その川にどんな魚が居て、飲むとどんな味がして、どんな水の流れかは分かりません。
 ただ、今、僕は鎌田菜月に対して楽しみにしていることがあります。
 それが、このブログです。

 僕が推している五十嵐早香さんが0から1を創る系の文章を構築していく人だとしたら、鎌田さんは、1から100を広げるイメージだとここまでのブログで思っていました。しかし、このブログを読むと、鎌田菜月の0から1がどんなものになるか、いつか、発表して欲しいなと感じています。

 将棋のことや歴史のことを何も書いていませんが、彼女の根源にあるものは、好きなものを分析してちゃんと表現できるところにあるんじゃないか、と僕は感じました。

 彼女に似合う素敵な曲が、発表されますように。