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2018年12月7日金曜日

ラムネの飲み方①

半分のことで良いから君を教えておくれ


 しんどい時ってないですか
 

 僕は、昼か夕方ぐらいに目覚めて。だらだら過ごして、ブログ書いて。電車が動き始めたら、駅の近くの自販機にコーヒー買いに行って。通勤するサラリーマンや通学する学生たちとすれ違って。映画「愛のコリーダ」の最後の方みたいな感じになってというエブリディですよ。もうね、精神的にしんどい。それだけです。
※ なんとなく、真夜中の散歩の時に聴く、ザ・サラバーズの「夏の夜」張っときますね。「あいつら、人間にはないしょだぜ」

 で、そんな僕が働いていた若い頃を思い出すと、まあ、ガンガン働くのが好きだったわけですね。別に半年休みなくても平気っすよ、という恐ろしい発想でして。身体はしんどいんですけど。このまま行けば、「24」のジャック・バウアーになると思ったら、バタリアンになってしまう!(しかも、オバンバ)という感じだったんですね。で、今考えると、ダセえないなあ、と思うんですが、それがカッコいいと思っていたんですね。

 ある時、同じ職場でマジカルラジオをご覧になって、秦さんファンになった方が僕にこう言いました。
 「今のあなたは『ラムネの飲み方』を聴くべきです」

 今回紹介する「ラムネの飲み方」、「ラムネの飲み方」公演の表題曲になっているんですが、なんとも優しいメロディの曲なんですね。こういう優しいメロディの曲って、SKE48でも少ないんのではないでしょうか(ぱっと思いつくのは、『大好き』ですかね)。

 歌詞の世界を見ていくと、休んでいる「君」のことを僕は、心配するんですね。休んでるけど、大丈夫か、先週会った時も無理してたんじゃないか、メールの「大丈夫!」も信用ならんと。

 それで、サビの部分で生き方をラムネの飲み方に喩えるんです。ラムネの飲み方について言及するのは、サビの3回なんですね。それぞれ微かに違います。

 ①「一気にラムネを飲めないだろう もっともっとゆっくり飲めばいい 真っ青な空 見上げながら 瓶のビー玉落ちて一休み 心の泡が苦しいなら 息をついてごらん
 
 まず、無理する生き方をするなと、そして、ラムネの瓶にビー玉が付いてて、それが落ちて、出てくる量が減ったり、止まったりするから、一回飲むのを休む。つまり、頑張りすぎずに一休みしなはれ、という感じなんですね。「息をついてごらん」は「苦しい」原因を言ってごらん、と言っているようにも聞こえます。

②「大人はラムネを飲まなくなるよ きっときっと嫌いじゃないけどね 忙しい日々 疲れ切って そんなビー玉なんか面倒で…楽に生きてくその方法は頑張らないことさ
 
 次に2番のサビですね。割と直球というか、大人になるとラムネ自体飲まない、つまり、立ち止まらなければいけないほど、一生懸命な生き方というか、無理な生き方はしない、ということ。「楽に生きてく方法」も提示するんですが、どこか自嘲的な感じがするんですね。詳しくは後で。

③「一気にラムネを飲めないだろう 半分半分残せばいいんだよ 炭酸抜けて温くなっても 胸のビー玉 息がつまるなら 今は何も考えないで ちょっと休憩しよう
 
 今度は「ゆっくり飲めばいい」から「半分残せばいい」に変わります。
 「炭酸抜けて温くなっても」ということは、時間の経過を感じさせます。
 「瓶のビー玉」が「胸のビー玉」に変わります。これは何か心の中の重しでしょう。
 「今は何も考えないで ちょっと休憩しよう」は、そのままですが、無理をしている「君」に対してのメッセージでしょう。

 「君」と「僕」の関係を考えていく上でヒントになる歌詞があります。

 「強がりなんか言うなよ 僕はそのためにいるんだ 恋愛感情ないだろう?
 ダメな君と向き合おう

 男女の友人関係にも見えますし、大人と少女にも見えますし、アイドルとファンのようにも見えます。色んなとらえ方ができますが、②から察するに「僕」の方はそれなりに年がいっているような気がしますね。同じように頑張っていた経験があって、今は止めてしまった感じがします。凄く紳士的な距離感で「君」と関わっているわけですよ。「君」の生き方を否定せずにゆっくりと待つ姿勢は、今の世の中に必要なものだと感じます。無理せずに、でも頑張ることは諦めずに、今は少し休もうという。
 で、もう少し「僕」側に立って考えると君」が周りに対して、「無理」をしているのに対して、「僕」だけには本音を言ってくれ、と言っているようにも感じます。
※ ここからは完全に飛躍しますが、新公演をつかみ取ったKⅡへの秋元康からのメッセージとも受け取れます。お前らは頑張った、でも、あまり無理はし過ぎるなとも。

 さて、じゃあ、どの映像で楽しもうかという話になりますが、公演の映像やリクアワでも良いんですが、あえて、1stアルバム「この日のチャイムを忘れない」の63人PVをお勧めしたいと思います。
 
 歌っているのは、秦佐和子さん。
 秦佐和子さんといえば、バラエティーでの活躍も好きなんですが、個人的に思い出に残っているのは、握手会なんですね。握手会で、「どこから来られたんですか?」と聞かれて、関西から来たことを伝えると、「ありがとうございます」といいながら、まるで、傷をさするように僕の右手をさすってくれたんですね。なんていうんでしょう。風の谷のナウシカに会ったのかと思いましたよ。
 
 さて、話を戻して、MVを観ていくと、肩から上のショット中心で映像は進んでいきます。
 



 歌声が優しいんですよ。
 映像も余計なものがなく、これがかえって清涼感を出すことが出来ているんだと思います。こんだけアップが続いて、画面が持つのって流石はアイドルだなあ、と思う限りです。



 自分が走って生きている時(あるいはそう思い込んでる時)、無理をしている時、少しだけ立ち止まって、この映像を観てみるのもいいですし、そういう立場の人にどんな声をかけたらいいのかを考える時のヒントになるのではと思います。
 
 
 この曲は聴いていると、「自分も大人になってしまったなあ」、という寂しさもあるんですが、今、無理をしていることに年は関係ないので、無理している時にちょっと聴いて、自分の本音を話せる誰かに話してみるのもいいんじゃないでしょうか。