これからも語りたい
48グループの声優選抜として結成された「NO NAME」。
詳しくは「おすすめのアニメ AKB0048」の記事を読んでいただきたいんですが、今回は彼女たちのデビュー曲にして、「AKB0048」シーズン1の主題歌である「希望について」をじっくりと楽しんでいきたいと思います。
まずは、公式がアップしている動画をご覧あれ!
まず、なんとも宇宙観のあるイントロがカッコいい。
フォーメーションは、アニメのオープニングと同じで、まず佐藤亜美菜がセンターポジションにいて、みんなと一緒にしゃがむと立っているのは、麻友選手と華怜という流れ。
分かりにくいという方は、本編を見返すか、ブルーレイを買って初回盤の特典についてきた冊子の立ち位置表で確認してください。
ちなみに、作中で使われているオーケストラ曲とかもブルーレイ5巻にサウンドトラックが特典として入っているので、気になっている人は「一瞬でつかみ取るのさ、ARE YOU READY?」。
さて、話を本筋に戻すと、この曲は好きなポイントが沢山あるんですが、まずは歌いだしですよね。
「その手伸ばしても」の後の歌い方が凄く好きでしてね。
麻友「今は」(華怜『今は』)
二人「届かないよ」
「僕たち」と複数系なのは、「僕」が「君」に語りかける形式でこの曲は進んでいきます。「僕」の正体が誰で、「君」の正体が誰なのかは、はっきりとは描かれていませんが、「0048」の世界観に当てはめていくと、「僕」がWOTAの皆さんで、「君」がアイドルたちなんじゃないかな、と考えています。
ここの部分は、作中での智恵里と凪沙との関係と重なるようで良いんですよね。
ちなみに、「AKB0048 設定資料集&原画集」によると、智恵理と6代目柏木由紀さんのキャラクターデザインは、難航したそうです。襲名メンバーは、オリジナルのメンバーの要素を残しつつ、デフォルメしていく必要があったんですが、ゆきりんは苦労したそうです。
サビ前の「夜空の星だって」からの盛り上がりも良くてですね。
「星」という「スター」を連想させるものが語られます。
しかも、その「星」は、「暗闇」という苦労や辛い経験の「先で輝く」ものであると。
アニメのオープニングではそれぞれのキャラクターの姿が描かれているんですが、鈴子が閃いて「何億光年の彼方」とノートに書くところと、東雲彼方が立ち上がって戦いへ向かうところが好きです。
そして、サビです。
ここで、希望について「僕」が語るんですが、その時に出てくる比喩が「名もなき詩人」なんですね。「名もなき」が「NO NAME」を意識させますし、「詩人」は言葉を大切にする人ですよね、素晴らしい詩を書いて心を動かす。
まだ「夢」に手が届かなくて泣いている「君」に対して、「僕」は、慰めることよりも「白む空」について語ることを選びます。
「白む空」、つまり朝の訪れであり、夜の終わりという「暗闇の先」ですよね。
「君」が「星」になる日がくることについて熱く語ろうか、という風に読み解きました。
2番では、「愛」を探すことについて語られています。
僕はサビ前の宇宙のように広い世界の中で「たった一つだけの光を見た」という部分が凄く気になりましてね。
自分が「愛」を注ぐことが出来る「光」。
推しを見つけたヲタの物語のように、僕には聞こえます。
2番のサビでは希望を語る人の比喩として「年老いた水夫」が登場します。
長い間広大な海を旅してきた水夫のように、広い世界を見てきた中で見つけた「光」について「深く」語ることができると。
傷ついた「君」に対してするのは、「手当」ではなく、「昇る朝陽」を指さすという、1番の終わりと同じように「暗闇の先」が近づいていることを語ります。
大サビ前では、人は諦めてしまうけれど、「夢」は背をむけないことが語られ、大サビに突入します。
答えに迷っている「君」に対して、止まらずに歩くことを勧めます。
そして、最後にもう一度「名もなき」という「NO NAME」を連想させる言葉が出てきます。「夢を糧にして」、「君」と進んでいくことを提示しながら曲に終わります。
ここまで読むと、この曲は「僕」が「君」について一方的に語っている内容だということに気づきます。
「君」からの考えや言葉はなく、「君」の状態だけが語られます。
ここから、ヲタがアイドルに対して語っている曲なのではないか、と考えました。
冷静に考えれば、ヲタはアイドルの傍にいて「慰める」ことや「手当」できますかね?
じゃあ、ヲタに出来ることって何か?
それは「希望について」語ることなのではないか?
これまでのことではなく、これからのことを。
時には詩人のように美しい言葉を使い、時には年老いた人のようにこれまでの歴史を紐解きながら、最後に戦士のように共に夢を糧にして進もうと。
ここまで書いて、僕は「この涙を君に捧ぐ」ほど、作中で直接的には語られていませんが、似た視線の曲なのではないか、と思います。
「この涙を君に捧ぐ」が、気づかれなかったとしても、君を癒す「雨」になることを選ぶ間接的で比喩的な内容としたら、「希望について」は、「語る」という少し直接的なアプローチですね。
長年、「希望について」は名曲だと思っていたのですが、少しだけその理由が、この曲について書くことで理解できたかもしれません。
もちろん、遥かな銀河を思い浮かべることができるメロディも凄く良いんですよね。
アニメのオープニングでは、メンバーたちが泣いているところも印象的です。
NO NAMEの「希望について」は、オリコン初週第3位にランクインしました。
このCD、特典が充実していてですね、NO NAMEバージョンの方は、メンバーが本当に仲良しかどうか確かめる食事会の映像が楽しめるので、まだ買ってない人は、是非チェック!
この食事会では、「秦さんが、収録中に台本を見ていない」というエピソードが印象的で、スタッフの方から「頭の良い子なんでしょうね」というコメントがありましたが、もうほんとに知的な美人なんですよね。
ちなみに、この曲。
AKB48の初の東京ドーム公演「1830m」の初日でも披露されています。
西暦2012年8月24日、「伝説のオリジナルメンバーの夢が叶った」公演として、「0048」の歴史の中ではなっていて、キララの力で時空を超えてNO NAMEが登場します。
東京ドーム上空に降り立つフライングゲットが、カッコいいし、会場の盛り上がりも良いんですよね。
この時、岩田華怜にはモーションキャプチャー用の器材が付けられていて、大スクリーンにはCGの凪沙が映っていて、メンバーと同じように踊ります。ただ、MC時には、全然動かないというトラブルに見舞われます。
「緊張してるんですね、凪沙ちゃん」という亜美菜のフォローが良かった。
幸い、曲披露直前に凪咲は動きます。良かった。
DVDをお持ちの方は確認していいただきたいんですが、上空からのカメラが凄く良いんですよね。
上から見た時に広がるメンバーたちのスカートがキレイなんです。
この日のはるきゃんのブログが凄く良いので、未読の方は是非!
うう、秦さん、このアニメへの思い、熱いなあ。
https://lineblog.me/ishida_haruka/archives/3965723.html
それから時は流れ、2016年SKE48のソロコンサートのアンコールで、「希望について」は16人バージョンで披露されます。
この時、SKE48には、オリメンの佐藤すみれがいます。
しかも、この時のポジションは、「NO NAME」の時と同じなんですよね!
凄く興奮したことを覚えています。
曲終わりに手を戻すところの滑らかさに注目していただくと、すーめろさんだけ、凄くキレイなんですよね。
また、智恵理ポジションにいた古畑奈和が後にSKE48のセンターになったことも印象的です。
「希望について」の歌詞を読みながら、僕も好きな曲や映像について、「名もなき詩人のように熱く」語っていきたいな、と思いました。
やはり、NO NAMEの曲は心を震わせる良い曲が多い。
まだまだNO NAME不足の皆さん。
支配人のツバサさんのブログもあるので、こちらもチェック!
https://ameblo.jp/tsubasa-0048/theme2-10063182326.html
いつか、NO NAMEのメンバーが再会することを願っています。
午前3時。
白む空を待ちながら。
※ 「おすすめのアニメ AKB0048」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2020/02/akb0048.html