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2020年2月28日金曜日

STU48ぷるぷるで何を思考する?

意味は自分で付け加えるもの


 皆さんは、ゲームが好きだろうか。
 僕は丁度、ファミコン黎明期に物心がついたので、家庭用ゲーム機がどんどん進化していく過程を学生時代は体感していた。また、アーケードゲームも好きでSNKやカプコンのゲームの対戦格闘ゲームから「ぐわんげ」などのシューティングゲームもよくやった。
 ただ、社会人になってからは、仕事に支障が出てはいけない、というのと、読書や映画などに時間を使いたいと思い、ゲームから離れた。
 「SKE48パッション FOR YOU」が出るまでは。
 やがて、スマートフォンに機種変更すると、日常にゲームが入り込む時間は増えた。
 「SKE48の大富豪は終わらない」もプレイしているし、坂道グループの「ユニゾンエア」もリリース時はライブ映像でゲームができるわ、インタビューやドラマが楽しめるわで結構やった。
 ちなみに、多分、今いちばんしているのは「シャドウバース」である。

 さて、そんな中2020年2月13日に「STU48 ぷるぷる!on Stage」がリリースされた。「STU48」と言えば、既に7ならべのゲームがある。
 このぷるぷるは、どんなゲームなんだ?
 よく分からないがスマホゲームはスタートダッシュが大事。
 僕は、すかさずインストールした。

 グーグルプレイストアのレビューが、星一つだらけだったのが気になったが、とにかくプレイを開始した。
 ルールはシンプルだ。
 数字をつないでいき、合計数が指定された数字以上になれば、「LIVE」を1回したことになる。5人のメンバーがランダムに配置されて、5人全員終わればクリアー。
 これだけ。
 シンプル過ぎる。
 最近のゲームでよくあるチュートリアルもなければ、ミッションもない。
 クリアーを重ねるごとに指定される数字が増えていく。
 メンバーごとに50回クリアー、100回クリアーで衣装が変わってくるらしい。
 それだけだ。
 メンバーのボイスもない。
 穏やかな波音みたいな感じのBGMと、カモメの声だけだ。
 クリアーするごとに回すボーナスも、あまり、嬉しさを感じない。
 僕はプレイをしながら思った。
 「なんか、ファミコンやゲームボーイでこういうのあったな」
 僕と同世代の読者の方は、お分かりいただけるかも知れないが、昔のゲームはシステムがそこにあるだけで、目的だったりクリアーだったりは、ある程度、自分で勝手に設定すればよかった。
 このゲームは凄くそれに近い。
 そこで、僕は決めた。
 「よし、兵頭葵さんで100回ライブをするまではやってみよう。あと甲斐心愛ちゃんも…」

 書き忘れていたが、僕はSTU48では、同郷の兵頭葵さんを推している。
 今は、短髪になってボーイッシュな要素も加わった、素敵なメンバーだ。
 ゲームはなんでもやり始めが面白い。
 小説家の森博嗣が「なんでも初心者の時が一番楽しい」とエッセイで書いていたが、僕は新しい趣味を始める度にそう思う。
 映画「ロッキー4」のトレーニングテーマである「ハーツ・オン・ファイアー」にのって、僕はどんどん数字をつなげて、ルーレットを回し、数字をつなげていった。





 やがて、ある現象が起こる。
 メンバーがランダムに出るので、思ったより兵頭葵さんが出現せず、同郷の中村舞さんが、先にライブ50回を突破する。なんなら、甲斐心愛ちゃんなんかは、この時点で60回は行っていた。
 まずいな。
 そう思いながら、ひたすらプレイを続ける。
 指が大きいせいなのか、全然違うところにセンサーが反応する。
 しかたがないので、スマホ用のペンを使って、数字をつなぐ。
 それでも、初手を上手く認識してくれずに、全然違う数字からスタートすることもあった。
 3日ほどたった頃だろうか。
 なんとか兵頭葵さんのライブが100回終了した。
 100回の画像はまさかの制服だった。
 特に称号も祝福画像もない。
 僕が勝手に決めただけだからだ。
 昔、銀杏BOYSでそんな曲あったな、と思いながら、次の可能性を探した。
 もしかしたら、全員100回ライブをしたら、何か演出があるんじゃないか?

 ここから、僕の新しい闘いが始まる。
 「クリード2 炎の宿敵」の特訓BGMがいつも頭に流れていた。
 

 
 ゲームをインストールして、10日ほどたった頃、最後の新谷野々花さんのライブが100回終わった。
 ここまで長かった。
 全員100回以上ライブをしているメンバーが3回連続で来た時は、泣きそうになった。ゲーム性がシンプルなせいか1時間ぐらい連続してやっていることもあった。
 でも、これで終わりだ。やっと終わったんだ。


 
 画面は。
 何も変わらない。 
 次のLIVEが始まった。
 そう、これも僕が勝手に決めただけだ。
 なんとも無情な気持ちになったが、デューイの『民主主義と教育』の中に「思考という要素を何ら含まないでは、意味を持つ経験はありえない」という言葉もある。
 ゲームをしながら、僕が考えた、ああ、僕ならこのゲームをどうアップデートするかなあ、という案を書いておきたいと思う。

 せめて、ランキングを作る。
 メンバーの声を収録する。
 推しメン設定を作る。
 スコアによって、もらえる画像を増やす。
 通信対戦を可能にする。
 BGMをマツムラブ!にする。
 1回クリアーするごとに一番憎い相手の家のネジが一本緩むようにする。
  
 今後、「STU48ぷるぷるをするごとに1億円」と国からのリリースがない限りは、おそらく頻繁にプレイすることはないだろうが、あの気軽に線を引いて楽しめるゲーム性はまだまだ活かせるのではないか、と僕は思っている。
 なんでもそうだ、楽しさや価値は自分から作ろう。