価値観が変わっていく時代へ
皆さん、ゲームというとどのようなものをイメージするでしょうか?
今だとPCゲームやスマホゲーム、据え置き型ゲームなど様々なものがありますね。
僕は丁度、中学・高校とアーケードゲーム全盛期で、「ゲーメスト」、「アルカディア」、「ネオジオフリーク」というゲーム雑誌も購読していました。余談になりますが、突然、「ゲーメスト」が廃刊した時の絶望感は、未だに覚えています。愛媛県宇和島市という超ド田舎に住んでいた僕は、「これから自分で『ぐわんげ』の攻略をしていかなきゃいけないのか…」と。
ただ、多くの人たちが生きている中で一つぐらいは熱中したゲームがあるんじゃないでしょうか?
ただね。
僕たちの世代は、ゲーム=悪、ゲームセンター=ゴッサムシティみたいなとこ、という負のイメージが強くてですね。ゲームが上手いということなんて、本当に仲間内での自慢ぐらいにしかならなかったんですね。
しかしですね、よく行っていた町のゲームセンターが「ゲーメスト」のスコア集計店で、お店の柱にはお店のハイスコアや全国1位の人のスコアが貼られていました。
今回紹介する「eスポーツビジネス eスポーツ×ビジネスの現場からお伝えします!」の著者である中野龍三さんは、元々シューティングゲームの全国1位のスコアを叩き出したプレイヤーで、現在はeスポーツ事業や大会運営、番組作りのも関わってらっしゃる方でしてね。「eスポーツ」という言葉を聞くと、夢や可能性がモリモリですが、実は甘い話ばかりではなく、これまでの停滞や誤解、これからの課題もちゃんと書いているんですね。
まず、この本を読んでなるほどな、と納得したことが「スポーツ」という言葉の定義です。身体を動かすだけがスポーツにあらず、競争することや遊ぶこと楽しむこともスポーツなり、というのは目から鱗でした。また、指を動かす競技としての射撃との比較も面白かったですね。
また、2章からのeスポーツの歴史は、認識の変化、まさに「価値転倒」の過程を見ているようで、非常に興味深かったです。
少し話が逸れますが、僕がやっていたアーケードゲームは「ストリートファイターⅢ 3rd」だったんですが、ゲームセンターという場に知らない学校の人同士、年齢の違う人同士が集まって、ゲームをする面白さ。そして、部活で他校に練習試合にいった時に、「あっ、ヒューゴが上手い人ですよね?」と声をかけられた時の嬉しさ。
時は経ち、奈良県に出てきた僕は「キャノンショット」という奈良県ではかなりレベルの高いお店に、大学が終わるとふらりと行くようになるんですが、そこで「バーチャファイター5」や「鉄拳6」のリプレイ映像とかをぼんやり見るのは、今のゲーム実況や配信を楽しむ文化の始まりだったのかも知れません。自分がプレイするだけでなく、観ているのも楽しかった。
今は別の趣味を楽しんでいますが、場所も年齢も違う人達が繋がり合うという楽しさはeスポーツにもあると思いますし、今はオンラインで本当に上手い人のプレイが観られますしね。
話を戻すと、これからのeスポーツの課題として、魅力的なプレイヤーがどれぐらい出てくるか、「推しプレイヤー」を観客が持てるかなんですが、これは他のジャンルにも言えるなあ、と思いましてね。僕の世代はウメハラさんやときどさん、なんかが有名ですが、もう、ウメハラさんのこの動画とか、今観ても鳥肌ものですよね。初めて観た時は「すげええ」ともう、「ワールドプロレスリング」の解説席の獣神サンダーライガーみたいになってました。
さて、何度も脱線していますが、まだまだ課題がもあり、プレイヤーに対する観客のモラルや競技人口をどう増やしていくのか、と僕の好きなアイドル業界とも似ている要素もありますね。
ちなみに、今年のAKB48の運動会は「e運動会」だから、今のうちに予習しておくのも良いですよ!