そぎ落とすアプローチに耐えられるもの
2019年12月23日。
「帰ってきたミッドナイト公演」で行われた(2019年10月4日)「誰のことを一番 愛してる?」の映像が公開されました。
以前、この公演の感想を書いた時に、この曲を実施したことについて絶賛したんですが、じっくりとまた観ることが出来て嬉しいです。
まあ、まずは観てみましょう。
この曲、以前も書きましたが、オリジナルのメンバーがかなり強力すぎて、下手に触ると大けがする曲なんですよね。欅坂46の平手さんのあのニヤリと笑う狂気は、なかなか真似できるものじゃないと思うんですね。特にダンス中の表情なんて、モノマネしてもオリジナルには勝てないし、アレンジの幅も大分限られていると思います。
じゃあ、今回センターを務めた古畑奈和は、どうアプローチしたか?
是非、もう一度、曲中の奈和ちゃんの表情に注目して欲しいんですが、あえて、表情をを大きく出し過ぎないというアプローチをしていると思うんですね。この新しいアプローチは成功していると思いましてね。
喜怒哀楽というよりは、どこか虚無的な狂気を表している感じがします。あえて、表情を最小限にすることで、歌詞の中の主人公の危険な内面とのギャップを出しているかと思います。感情がいつ爆発するか分からない怖さを想像させられます。過剰に付け足していくのではなく、そぎ落としていくことで表現したいことを浮き上がらせる。この方法は映画や演劇でもあるんですが、演じる人の素の強さが求められるんで、誰でもできるとは思わないんですよね。
さすがは、SKE48のセンターに選ばれるだけあるな、と感じました。
次にSKE48がやることについてですが、今回は「ミッドナイト公演」ということで大人メンバー、つまり、ベテランメンバーが多めで、ダンス歴が長いメンバーも多いんですね。そんな上級者たちが表現する「誰のことを一番 愛してる?」なので、踊りの迫力が凄いんですね。もちろん、PVと比べてカメラアングルの差もあると思うんですがね。1列目の奈和ちゃん、ちゅり、みなるんというKⅡの精鋭たちで勝負してきたというのも良かったですね。大サビ前と最後のポーズを決めるところとか、ばっちりと決まっていました。
変な話、ここ最近、「古畑前田のえにし酒」でふにゃあ、とした奈和ちゃんを毎週観ていたので(この番組の感想もたまっててごめんなさい)、この曲でのギャップも良くてですね。昔からの奈和ちゃんファンの方でしたら覚えてらっしゃるかもしれませんが、ソロコンサートの「10クローネとパン」を観た時の衝撃を思い出しました。手が中心のダンスで、その激しさで前髪がぶわっと上がるのが本当にカッコいいんですよね。
「ミッドナイト公演」という生で観ようと思ったら、深夜まで起きていなければいけなかったり、そもそも栄ファン以外だとなかなか認識しにくかったり、と良い公演なのに、まだまだ届きにくい「ミッドナイト公演」の良いところを、youtubeで公開したのは素晴らしくてですね。ぜひぜひ入口を広げてるアプローチを続けて行って欲しいですね。
僕としては、ミッドナイトという大人メンバー中心の公演があるのなら、その反対の一定の年齢以下で集めた公演とかも観てみたいですね。たとえば高校生までのメンバーでも勝負できると思うんですよね。個人的には、「音楽室に片思い」とかカバーしてくれないかなあ、と思っています。
ミッドナイトだと、「こんなに好きになっちゃっていいの?」とかも観てみたいですね。
「帰ってきたミッドナイト公演」の感想はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/10/blog-post_5.html
「誰のことを愛してる?」の感想はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2018/12/blog-post_68.html