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2019年12月14日土曜日

「おすすめの映画と本 決算!忠臣蔵」

何百年経っても変わるぬ意識、変わり続ける視点


 今更なんですが、皆さんって、お金の使い方って上手ですかね。
 僕は子供の頃から無駄遣いの絶対王者として、君臨していましてね。実家を離れて、一人暮らしをしている現在は、ストッパーが自分だけという非情に危険な状態で毎日過ごしています。
 今更ですが、お金って本当に使い方が大事なんですよね。
 なんの為に使うかっていうのを最近、よく考えます。
 たとえば、コミュニケーションの為に使うお金でも、「会社の飲み会」とかに使うお金と時間って本当に無駄だな、と昔から感じてましてね。なんというか、「この時間と金で映画1本観られるなあ」と思うと凄く虚しい気持ちになってくるんですね。お酒を一切飲まない人間からしたら、居酒屋とかに行くだけで損した気持ちになる時もあります。本当に、お酒とかを介さないコミュニケーション手段を僕らはもっと、考えるべきなんじゃないかな、とふと思う時があります。
 
 話を戻しましょう。
 体面というものにお金をかける人がいます。
 そのせいで、借金する人もというと、SMAPの歌でそんな歌あったなあ、と思いますが、武士という仕事も体面を気にするもので、今まではその体面を大事にするところをフューチャーした映画が多かったんですが、今回紹介する「決算!忠臣蔵」は、全く違った視点から武士や体面、お金について見つめています。



 【ここからは、ネタバレありで語ります】

 凄い、綿密なシミュレーションで面白かった。
 お金をガンガン使いまくる大石側の皆さんに関しては、これまで英雄視するような感じで描かれることが多かったですが、勘定方の目線から見ると、「お金の使い方を分かってない人たち・無駄遣いする人たち」という感じで描かれるのが面白くてですね。
 そりゃ、色々と維持していくためにお金かかりますよね。
 行き当たりばったりでお金を使っていくことで、どんどん疲弊していく赤穂浪士の皆さんを観ていくと、「無駄遣いしなかったら、ちゃんと殿の命日に討ち入りできたんじゃない?」とも思いましてね。
 江戸に行きすぎ、江戸から帰り過ぎ問題や、せっかく買った江戸の屋敷が燃えるわ、観ていて気の毒になるシーンだらけで、最後の方の「全員分買おう!」ラッシュは、笑いが止まりませんでした。
 逆にちょっとひっかかたシーンとしては、リトルトゥースには「ポスター売れ残り、略して、ポスのこ」でお馴染みの岡村さん演じる矢頭長助が死ぬことで、内蔵助の討ち入りへのエンジンがかかるんですが、「途中、駕籠間違えるか?っていうか、お前らも駕籠で追えば良かったんじゃない?」とか、観てて思うところもありましたし、戦闘シーンがなんか浮いてる感じがしたんですがね。
 でも、某映画雑誌で批評されていたような、討ち入りのシーンがカットされていることに関しては、この映画のメインテーマを考えたら、むしろ、カットは正解だろ、と思いました。
 観ながら、何度も前職で企画書を切って、企画を進めていきながら販促費にかかるお金とか、色々なコスト計算をして、これ、採算とろうと思ったら、どれぐらいかかるんだ、とか考えて働いていた日々を思い出したもんです。
 なんとなく、映画「億男」でも語られていた、何の為にお金を使うのか、ということを考えさせられた良作でした。
 そして、この映画を観に行ったら、是非、パンフレットを買って欲しい!
 専門用語解説は勿論ですが、映画史・時代劇研究家の春日太一さんのコラムが載ってて、忠臣蔵を作ることに関しての内容が面白かったですよ。
 
 ちなみに、一番好きな忠臣蔵映画は何かって?
 「忠臣蔵外伝 四谷怪談」に決まってるだろ!
 色々、ぶっ飛んでて最高だぞ!
 まだ観てないやつは、今すぐ、Amazonプライムに飛べ!



 急に口調が荒くなりましたが、正調の「忠臣蔵」を知っているからこそ、ちょっと変わったアプローチが楽しめるという意味では、同じかもしれませんね。

 「忠臣蔵」が誕生してから、江戸時代に作られて数百年が経ちましたが、別の視点から見たら、まだまだ楽しめるという意味では、凄いことだな、と感じました。

 それにしても、今、僕がお金を使ってることも、別の価値観の人から観たら、超無駄遣いなんだろうな、とふと思いましたよ。
 だからこそ、自分だけでも納得できるお金の使い方をしたいし、そのお金の使い方に共感してくれる仲間を増やしていきたいな、と思いましたよ。