物語的思考へ
何故、人は人を応援するんだろう、と最近になってまた、よく考えています。
赤の他人に自分のお金や時間を使っていく。
2020年4月末現在、日本だけでもオンラインサロンやクラウドファウンディングが活発に動いています。
48グループのファンになって思ったのは、こんなに人を応援する人が沢山居て、色々な魅力を持ったメンバーたちがいるんだなあ、ということです。
中でもSKE48に居た松村香織さん、通称「かおたん」については、様々なドラマがあります。
「研究生」という肩書きで、どんどん彼女がのし上がっていく姿はとてもドラマチックで、彼女が最終的にAKB48の選抜に入っていったのは、48グループの歴史の中で例を見ないものなんじゃないでしょうか?(選抜ランクイン時はチームK2に昇格後)
なんで、彼女がここまでのし上がったのか。
彼女を応援したくなる理由は何なのか?
慮らずに書くと、スタートの時点では、決してスキル的に素晴らしかったわけでもルックス的にずば抜けていたわけではありません(かおたんファンの皆さん、ごめんなさい)。けれど、彼女を応援したいと思う理由は何でしょう?
それはギリギリの状況で、もがいた彼女の姿だったのだと思います。
この人は、明日、どうなってるんだろう、というスリル。
現在、日本で一番オンラインサロンの会員がいる西野亮廣さんのサロンは、彼が美術館を作るために、多額の借金を背負った時に、会員がぐっと増えたそうです。
この人の物語をもっと読みたい、応援したい、参加したい、と思わせる姿が彼女の躍進の秘密だったのかも知れません。
たとえば、2013年10月20日に名古屋ドームの駐車場で行われた彼女のソロシングル「マツムラブ!」の手売りイベント。
雨が降りしきる中、1000人以上の人が朝から駐車場に集まって、発売を待つ。
その中、雨合羽姿のかおたんが設置を手伝っていました。
僕は直接行っていませんでしたが、現場での写真や彼女の投稿、ファンの方のレポートを読んでいると、何か胸が熱くなったのを覚えています。
色々なかおたんの写真が、彼女の活動の中で残っていますが、僕は雨の中、CDのケースを合羽姿で持ってくるかおたんの写真が一番好きです。
また、脱線してしまうので、最小限の内容に留めますが、初めて個別握手会でかおたんの券を取った時、前で握手されていた不知火幻庵みたいなおじいさんに丁寧に感謝の言葉を述べられていたこと、そして、僕みたいな常連でもない初心者にも1枚の券とは思えないぐらい時間を取って、名刺にサインをしてくれたことから、凄くファンを大事にしてくれている人なんだな、と感じました。
さて、ぐぐたす、「マツムラブ!」ときて、彼女のキャリアの中で忘れてはならないのが、ソロ写真集の「無修正」です。
2014年11月2日、彼女のソロ写真集の発売が決定されました。
2015年8月30日、タイトルは「無修正」に決定。翌日に各種サイトで先行カットが解禁になります。
そして、2015年9月20日には、Amazonタレント写真集ランキング1位を獲得します。
2015年9月29日、『無修正』発売。
ちなみにその翌日ぐらいに、Amazonの商品レビュー欄に、全ページのレビューを入れる稗田阿礼クラスのかおたんずの登場に、衝撃を隠せませんでした。
さて、この後、お渡し会が平和に続いていくんですがね。
2015年11月22日。
三洋堂書店新開橋店の5階特設会場で、メイキング映像上映&スペシャル抽選会が行われました。
ここでの抽選景品の一つに「フルスイング尻バット」という文字がありました。
写真集の中にあったバッティングの画像が良かったということから、この特典が出来たらしいですが、さだかではありません(かおたんは、元ソフトボール部)。
翌日のヤフーニュースでその衝撃的な写真が公開されます。
僕は価値観の転倒にクラクラしたのを覚えています。
何故だ、何故、罰ゲームみたいなことが景品の中にあるんだ、と。
2015年12月25日の東京スポーツの記事を読むと、元中日ドラゴンズの宇野勝さんから、バッティングについて学んだという衝撃的な記事が書かれていました。
えっ、そっちを更にパワーアップさせるの?という驚き。
先日観た、映画「工作 黒金星と呼ばれた男」の中で、主人公が「ビジネスには二つの意味があります。一つは事業。もう一つは冒険です。私と冒険しませんか?」と物語のクライマックスで説得に乗り出すシーンがありましたが、冒険しすぎだろ、というこのサービスがこの後、すさまじい現象を生み出すことになります。
2015年12月27日に白夜書房で行われたイベントでは、色々な抽選景品がありましたが、ケツバットの色はさらに強くなった気がします。
参加者のみなさんのSNSを参照にするとバッティングするかおたんの姿が残されています。
ここから、2016年3月6日の25人連続ケツバットや発売1周年イベントなどを挟みながら、2017年3月19日。ラストイベント「さらば、無修正~卒業~」を持って無修正の発売イベントは終了します。
16000冊刷って、15900部完売。出版史上、類を見ない数字をマークしたことがBUBUKA編集部の並木さんからアナウンスされます。驚異の完売率。かおたんのソロ写真集を最後まで楽しみきったかおたんファンの皆さんのすごさを感じる数字です。
多分、家に2冊以上の『無修正』がある人もいるかも知れません、でも、このイベントを楽しむためにまた買ってもらえるというのは、何か、評価経済におけるかおたんの信用度を感じさせるエピソードだと思います。
彼女は卒業後、ソロ活動を開始。
競馬の予想などを中心に活動を続けています。
2020年に予定していた生誕祭のバスツアーは、新型コロナウイルスのせいで、残念ながら中止に終わってしまいました。
来てくれるお客さんのことを考えての価格設定やサプライズを考えていた彼女だけに、今回の中止による痛手は大きかったと思います。
詳しくは、かおたんの生誕生配信を観て欲しいのですが、こちらを観ていると、彼女のファン思いな部分と、また、ピンチになって応援したくなる彼女の物語が立ち上がっていきます(しかも、意図したものではなく)。
もし、名古屋にお店を出したり、間借りすることが出来たりしたら、という話をされていましたが、是非、かおたんのお店を出して欲しいなと思いますね。その為にクラウドファウンディングやキャンプファイアーで協力する人の多さは、48OGの中でもかなりの数なのではないか、と僕は思います。
今、僕が住んでいるのは関西なのですが、もし、関西でイベントをするとしたら、ロフトプラスワンウエストとかで、トークイベントをするのはどうでしょうか?
あそこかなら、料理やお酒もお店の方が作ってくれるし、きちんとトークや配信・録画もできるので、あそこでやってみるのはどうかな、と思います。
遠く離れた人達に自分の思いやメンバーの思いを伝えていた「ぐぐたす」。
更に、自分の歌を手に入れた「マツムラブ!」。
そして、ある意味握手会を越えたファンへのサービス「ケツバット会」。
ここから、次はいったいどんなことをかおたんがやっていくのか、凄く楽しみです。
これまでは、どちらかというと接触が中心でしたが、コロナが終息するまでは、原点に戻って映像の配信を進めて行くのも良いんじゃないか、と僕は思っています。
個人的には、震災の後の山田町の映像が凄く印象に残っています。今の山田町に関する映像や写真のオーディコメント付きの解説や和光市の映像とかを、多分、それぞれの街のことを、かおたんを知るまでは知ることがなかった僕みたいな人間にも知らせてくれる映像とかも観てみたいですね。
とにかく、チャレンジ精神に満ち溢れた人ですし、業界内外問わず、応援してくれる人が沢山いるので、彼女のSKE48時代や彼女のセカンドキャリアが、10年後、20年後にゼストスクールの後輩たちが読む物語になればいいな、と期待しています。
その物語を読んだ後輩たちが、「ああ、あの時、私も生まれていればよかった。この物語に参加したかった、体験したかった」と胸が熱くなるような物語を明日もかおたんは作ってくれると信じています。
※ぐぐたすについて中心に書いた「ぐぐたすの空」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/02/blog-post_4.html
※松村香織卒業コンサートの感想はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/09/ske48_16.html