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2021年1月29日金曜日

少女レイ

 思い出に逆行していきながら


 生きて行く中で、あの時こうしておけばという瞬間が沢山あります。
 そして、それはずっと残らずに心の中で再生されていく。
 今回は、加藤結さんの動画の「少女レイ」を観て行きましょう。
 2021年1月29日現在、4本アップされている「歌ってみた動画」の中で僕は一番好きな曲です。



 まず、この曲の南国を思わせるリズムやセミの鳴き声と、明るい曲調が凄く聴き心地が良いですね。そして、それとは真逆な歌詞の世界。
 
 曲の始まりから、登場人物が踏切へと飛び込むシーンというのがとても衝撃的で、このシーンで「君」は死んでしまいまったのではと思います。
 そして、歌詞の「フラッシュバック」にある通り、どんどん思い出が甦ってきます。
 「二度と帰らぬ君」、「永遠に千切れてく」、「夏が消し去った」、何度も死を連想させる言葉が羅列されていきます。
 
 で、2番の歌詞で、なんとも心をえぐられましてね。
 机に花瓶を置くいじめがあって、このいじめを仕掛けたのが「僕」で、「君」には「僕」の助けが必要なんだ、というシチュエーションを作ろうとしています。
 いやあ、この人間の醜い業というか、共依存のようなものが凄く苦手でしてね。
 何故苦手かというと、この曲の世界では友人同士ですが、恋人との関係におきかえると悲しいですが、少し共感できてしまうんですよね。そういう手をしか思いつかない「僕」の幼さも含めて、とても恥ずかしくなるので、苦手です。
 「仕掛けたのは僕だった」で音が止まるところもゾッとしますね。
 
 さて、この曲の中で「君」は「透明」な状態になってしまいます。
 この「透明」を「死」と考えるならば、「透き通った世界で愛し合えたら」は、自分も死んだらという読み解き方が見えてきます。
 この場合、「僕」が最初のシーンで踏切に飛び込んで、「君」は夏の教室で「切り裂くような悲鳴」を上げて命を絶った可能性もありますが、解釈が分かれそうです。

 最後の透明な君が僕を指さすというのは、罪悪感の表れにも読み取れます。
 なんとも悲しい世界観で僕は、とても好きな曲です。

 普段、ボカロ曲を聴かないので、こういう形で触れることが出来るのが、かとゆいの「歌ってみた」配信の良いところですね。
 
 今回の見所としては、最後にどう反応したらいいのか、照れたような表情になるのが良いですね。
 彼女が持っている明るい雰囲気と少し困ったような笑顔が、悲しみや怒りをはらんだ曲の世界ともあっているのでは、と思います。でも、次はハッピーな曲が来ても良いと思います。「チュンチュンワールド」とか。



 麻雀はあまり知りませんが、「中」は「ちゅん」と読むらしくて、僕はあの牌を映画とかでみる度に頭の中でメロディが流れます(超どうでも良い情報)。

 SKE48を辞めて新たなスタートを始めたかとゆい。
 こういう時こそ、再生回数を回して、「ちゃんと聴いている人はいるぞ、まずは収益化だ」とよくこの曲を聴いています。
 これまでの人生を含めて、凄く魅力的で応援したくなる人なので、どうか、これからも表現を続けられるように彼女の場所をみんなで確立していければ良いなと思っています。

 個人的には、前も書きましたが、「君に晴れ」が聴きたいですね。
 かとゆいや早香先生の世界と凄く合いそうな気がします。
 
 

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