すぐに燃えつきる恋よりずっと愛しい君で居て
「アイドルが好きなんです」
「へえ、どこ?」
「SKE48です」
「へえ、アイドル詳しくないんだけど、何が良いの?」
こんな会話を何十回してきたでしょう?
SKE48の何が良いのかを説明する時、皆さんはどんな言葉で語っているでしょうか?
何故、SKE48なんでしょうか?
パフォーマンスなら国内ならハロープロジェクトが凄いですし、KーPOPのアイドル達は育成の過程から完璧なパフォーマンスが出来るまでを我々に見せてくれます。完璧なパフォーマンスにストーリーまで乗ってくるわけです。
曲の世界観やMVならば、坂道の方が予算をしっかりと組んで有名なクリエイターと共にそれぞれのグループの色を作っています。
ももいろクローバーのような安定したメディア出演やCM出演もありません。
全力のダンスと言っても、逆に全力で踊ってないグループの方が今は少ないのではないでしょうか?
何でSKE48なんでしょうか?
先日、「#あなたはどこからSKE48」というハッシュタグで自分のSKE48にハマるきっかけを皆さんがツイートしていました。
最近ハマったというツイートは、僕が探した限りでは見つけられませんでした(もし、ツイートされている方がいらっしゃれば申し訳ないです)。
何故、ずっとSKE48が好きでいられるんでしょうか?
今、SKE48は何度目かの成熟期を終えて、衰退期に入っていると思います。それはどこの48グループも同じかも知れませんが、坂道グループのメディア露出や認知度と比べるとかなり分が悪いです。
たとえば、欅坂46の平手友梨奈さんのカリスマ性。
孤高の天性と危うさは、多くの若者を熱狂させました。
その極限が「角を曲がる」と「不協和音」ではないかと思います。
でも、ベクトルが違えど、珠理奈にもカリスマ性を感じることがあったのではないかと僕は思っています。「片想いFinally」の時の彼女は、この後この人はどうなるんだろう、という色気と危うさがありました。丁度、SKE48が成長期から成熟期へ差しかかり始めた頃だと思います。
乃木坂46のように各女性誌のモデルをしているわけでも、日向坂46のようにレギュラー番組を特集したテレビ雑誌が増刷されるほどの人気があるわけでもありません。
でも、SKE48を見ているのは何故でしょうか?
何が良いんでしょうか?
2021年現在、総選挙もありませんし、コロナの影響で大箱コンサートの開催も難しくなってきています。
新しいシングルはいつの間にか年に1度になってしまいました。
それでもまだ見続ける理由は何でしょうか?
今年の2月にアイドルマスターの京セラドームコンサートに友人に連れて行ってもらった時の事、初めて行く声優さんたちのコンサートにドキドキしていました。
コンサート会場に向かいながら「SKE48のメンバーがブスとか言われてムカつかないの?」と聞かれたことがあります。
「全然、慣れてるから」と僕は答えました。
「じゃあ、日向坂46は?」
「超ムカつくね。僕、箱推しだしね。みんな可愛いよ」と答えていました。
そういえば、日向坂46の魅力をアイドルに詳しくない人に語る時は、ルックスや曲の良さ、バラエティでの適応力とスラスラ出てくるのに、SKE48について語る時は、とても慎重に話しているのを思い出しました。
なんで慎重になっているんだろう。
正確に伝えたいという思いもあるんですが、何かが違うなと思いました。
このモヤモヤはよく分からないまま、頭の中の保留ボックスに収納されました。
それから、今年の9月頃、ある記事を書く為に過去のメンバーのブログを読んで行っている時に、気になるものがありました。特にこの時のブログを使うことはなかったのですが、ずっとメモしていました。
2019年12月28日の髙畑結希のものです。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12562886462.html?frm=theme
「誰かの為に何かをする」ということ。
まず、ここがSKE48の魅力の根幹なのではないかと思いました。
誰かの本気を笑わずに応援が出きる。
そして、スポーツ観戦によく行く方ならば、分かりやすいかも知れませんが、全力のプレーにはやはり、心を動かされます。
そして、応援はプレーしている選手の力や自身にも繋がると思います。
自分のお金や時間をメンバーに使う。
時にはメンバーの序列が変わることもある。
だから、メンバーもファンも全力になる。
次に、同じテーマの須田亜香里のブログを読んでみましょう。
2019年12月29日のブログです。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12562964334.html?frm=theme
人との出会いですね。
よく「SKE48ファンは熱い」と言われます。
総選挙の時の強さは、最後の総選挙のオーバーキルに留まらず、毎年の総選挙用の動画やチラシ、ファンコミュニティ等でも伺えます。
僕はこのブログを始めるまでは、ほとんど一人でSKE48を楽しんできたので、自分もSKE48ファンなのに、SKE48ヲタって凄いなあ、と見ていました。
なんというんでしょう。
「ガチ恋」という言葉がありますが、そんなレベルじゃなくて、もう「愛」と言った方が言いんじゃないかというぐらいなんですね。しかも、特に見返りは求めてないという。それぞれが自分のやり方で自分の推しメンを大事にする。
ううむ、さっき、僕が慎重に説明しようとしたのも、この辺りにあるのではないか、と勝手に思っています。
①「誰かの為に」、②「人との出会い」でも、それだけだと、まだ他の48グループや投票イベントがあるアイドルでも言えますね。
それでは、更に深く考える為に、同じテーマの鎌田菜月さんのブログを読んでみましょう。
2019年12月28日のものです。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12562877058.html?frm=theme
③「メンバーの多様性」と④「推されが全てではない」。
いやあ、悔しいぐらい素晴らしい分析力です。
「メンバーの多様性」は、48グループ随一ではないでしょうか?
だって、松村香織が居たグループですよ。
そして、彼女の成り上がりストーリーは、まさに「推されが全てではない」だと思います。
彼女だけではありません。
柴田阿弥の2013年の速報は未だに忘れられません。
この辺りもSKE48ファンの熱さだと思います。
さて、ここまではメンバーの言葉を通して、SKE48の魅力を書いていきました。
上記のことに僕の考えを加えるならば、⑤「ギリギリまで追い詰められた時の輝き」です。
それはメンバーに負荷がかかることでもあります。
「ラムネの飲み方」公演を手に入れるまでのエピソード。
松井珠理奈がフルで出場できないことを逆手にとったガイシ2012。
リクアワエストアワーでの数々の物語。
「マツムラブ!」が発売された雨の朝。
2017、2018の総選挙での古畑奈和の逆転劇。
誰も予想していなかった2018年総選挙でのダブルフィニッシュ。
いきなりパンチラインでの須田亜香里の代打センター。
いつも、人間の際を越えて、SKE48のメンバーたちは輝きを見せます。
それを誘発するような大きなイベントが、2021年現在は少なくなっています。
それでも、まだまだ小さなエピソードが続いていきながら、やがて、「新しい物語」が出来て行くと僕は信じています。
それは、昔僕らが見ていた「大きな物語」と外見は違うかも知れませんが、根幹に流れるものは一緒だと信じています。「新しい物語」の書き方は、まだ探り探りです。だからこそ、これから始まる「新しい物語」に立ち会える楽しみがあると僕は思っています。静かな日常の中で幸せを見つけて行くのか?
昨年の12周年公演フェスのような熱いうねりが、今年もどこかで起こるのか?
メンバーだけが頑張るイベントなのか?
ファンも共に頑張るのか?
コロナ禍でコンサートも頻繁には出来なくなりましたが、どうか、恐れずに新しい自分たちの夢をメンバーたちが語れる環境を作ってほしいと思います。
自分の好きなものや夢を語ると冷笑されることもあると思います。
顔も名前もあやふやな人に傷つけられることもあるかも知れません。
現実を見ろよ、と言われるかも知れません。
それでも、新しい夢を語れるメンバーが出てきて欲しいです。
2014年1月31日。
名古屋ドームコンサートの前日にインタビューされた中西優香は、「過去の自分に言っても信じないと思う」と語っていました。
今の自分には未来は分かりません。だから、自分の嗅覚と仲間やファンを信じて、勇気を出して大きな夢も語り始めて欲しいと思います。
松井珠理奈という絶対的なセンターが卒業します。
今が第何章か分かりませんが、SKE48の新章がもうすぐ来ようとしています。
日常の中に「アイドル」という要素を入れることで、嬉しいこともあれば、ストレスを感じることもあると思います。
でも、少しだけ他人の物語と接続することで、自分自身も少しだけ変わるのではないかと思います。
僕の話になって恐縮ですが、「ああ、こんなことで泣ける自分もいるのか」という発見や「こんなバカみたいに毎日ブログ書けるんだな」とか、SKE48という鏡に反射することで自分の新しい一面も見られました。
長編映画のシリーズを最初から観て行くのは、本当に面倒くさいです。
文学を体系的に読んで行くのも、今からもう1回やれと言われたら、クラクラします。
でも、こんなに心が揺れるノンフィクションはこれまで観たことがないですし、読んだことがありません。しかも、この物語は公的なものが一つというわけではなく、握手会やトーク会、SNS上などでも小さな章が紡がれています。時にはそれが自分だけの特別な章になることもあると思います。
メンバーとファンの双方向で紡いでいくこの大長編。
これまでの物語も面白かったですが、これからの物語にライドできるチャンスがメンバーたちや新しいファンの方々にも来ていると思います。
だから、想像する楽しみがあるグループですし、創造していく楽しみがあるグループだと思っています。
次は誰が突き抜けて、どんな素晴らしい曲が生まれるのでしょう?
物語の終わりに立ち会えたり、別の物語の始まりに気づけたり。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12068015388.html
長くなりましたが、最後まで読んでいただいてありがとうございました。
あなたの好きは笑われても、あなたの愛は笑われないと僕は思っています。
(2021年1月17日 『10年桜』を聴きながら)