失った季節を思う時
COVID-19の影響で、僕らは「安全」と「自由」を天秤にかけ、「安全」を選びました。
「自粛」を「要請」という日本語的に違和感を覚える政府の方針で、エンターテイメント業界は、人が集まるイベントを「自粛」することになりました。
それは48グループも同じです。
公演を始めとするコンサート、握手会、その他のイベントも中止となりました。
48グループの時計のスピードが急速に遅くなったのを感じます。
ぽっかりと「春」が失われたような感覚でもうすぐ「梅雨」から「夏」を迎えようとしています。
そんな時にSTU48の「僕らの春夏秋冬」の動画がアップされましてね。
ちょっと聴いてみましょう。
2020年1月29日発売の「無謀な夢は覚めることがない」のタイプBのカップリング曲なので、秋元康が作詞した頃は、まだCOVID-19の感染やこの未来を予想していなかったと思いますが、見事に時代にマッチした曲になりましたね。
歌詞の世界を見ていくと、まず1番のAメロでは、曲の主人公が好きだった一本道の話から始まります。そこは桜がキレイなんですね。歌詞の中の「君」と往復して色々なことを話した思い出の場所。サビ前に出てくる「満開の夢」を語り合っていたんでしょうね。現実の満開の桜は散っても、夢はずっと散らずに残っている。
そして、サビなんですが、春夏秋冬が過ぎていくことが語られます。そして、「できなかった何かを残して」いることも。僕はこの表現が大好きです。
それでも「次のチャンス」を待てと。年月が流れていきながら、何度も空を見上げて「今度こそ」と誓います。
そして、サビの終わりで「君」と離れ離れになっていることが分かります。
2番では、桜の咲いてない季節に「僕」が偶然、思い出の場所に辿り着きます。時間は桜の咲いていない季節です。一人で歩くことで、二人で居たことの楽しさを噛みしめます。1番のサビ前では「桜」が「散る」風景でしたが、今度は「雨」が「降る」表現が語られるんですが、2番では「恋しい」という誰かに対する感情が明らかになっていきます。また、悲しみのニュアンスが強まるように「濡れる」という言葉も加わっています。
そして、「君」のことを思い出す。今は会えない遠い場所にいる二人の関係ですね。
2番のサビが面白くてですね。
春夏秋冬があることについて疑問を抱くんですね。
確かに季節と同じように人との出会いと別れがあります。
そして、「僕」が「君」を愛していたことがここで明らかになります。
ようやく、この曲の全貌が明らかになってきましたが、風景とその人の記憶が重なりあって「物語」としてずっと残っている。この人の「物語」の場合は「春」の「一本道」なんですよね。
大サビ前では、「君」がどこにいて、どんな「後悔」を胸に秘めているのかと思いを馳せます。ということは、二人とも望んで分かれたわけではないのかも知れませんね。
そして、大サビ。
ここまでの歌詞をおさえて聴くと、「できなかった何か」の中に「君」と夢を叶えることもあったんじゃないか、と僕は思っています。
そして、「次のチャンス」もいつか「君」と再会することなのかも知れません。
そう考えると、今回は偶然きた「一本道」も春に来たら、また違うかも知れませんね。
歌詞の世界を恐ろしいほど雑に見ていきましたが、凄く爽やかなメロディなんですよね。特にサビの終わり方が切なくて僕は好きです。
純粋に作品としても素晴らしいんですが、この2020年5月現在の状況に当てはめて楽しむとまた、違う味わいがありましてね。「君」を推しにして「一本道」を「劇場」でも「握手会」に変えるというミクロレベルの変換でも良いと思いますが、この2020年春に起こった色々なことを当てはめながら考えると、「できなかった何か」の響きがまた変わってきます。
僕はSKE48のファンなので、SKEのことを書かせてもらうと、高柳明音というグループにとってとても大切な人の卒業コンサートが行われませんでしたし、片岡成美というSKEの劇場を守り続けてくれ、後輩たちのお手本となるようなメンバーの卒業公演が出来ませんでした。
今はまだ動けませんが、「次のチャンス」がやってくることを信じて、今は日常を過ごしていきたいな、と思います。
STU48の「大好きな人」と地続きのようで、素敵な曲でした。
ちなみに、STU48では、同郷の兵頭葵さんを応援しています。
毎週金曜日にshowroomで配信されている「あおぞらじお」も面白くて、最近は、投稿までしています(結構、読んでくれるのでお勧めですよ!)
2期生も魅力たっぷりなメンバーが沢山いて、この動画では清水沙良さんが気になりましたね。
それにしても、甲斐心愛ちゃんって、可愛いよね!
もうさ、2期生もいいけど、やっぱ甲斐心愛ちゃんだよね。
こないだのnoteの対談も良かったし。B.L.Tのカレー画像も美味しそうだったしさ。
もう毎日、カレーでも良いと思うんだよね。
朝、昼、晩、カレーでさ。
2013年から2015年ぐらいまでの秋から冬はCoco壱番屋いきまくってたしさ。
いや、待て待て、落ち着け。
仮にお前が兵頭さんから甲斐心愛ちゃんに推し変したとしよう。
すると、どうなる?
謎の細菌兵器がマンションのエントランスで爆発。
恐ろしいガスが迫ってきて、つまり、こうなるぞ!
ふう、危なかったぜ。
何回観ても、ボンクラが普段鍛えてきたことを非常時に役立てる映画は最高だぜ。
話を戻すと、過去に作った作品が未来の出来事によって、新しい解釈を可能にしていくのが面白いし、今しかできないことですよ、珍しい作品です。
個人的にSTUのシングル曲は質の高いものが多いので(その秘密は『土地』や『場所』の設定にあると思っています)、次も期待しています。
さあ、推しとの「物語」を更新する「次のチャンス」を待ちましょう。
※「無謀な夢は覚めることがない」の記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2020/01/blog-post_28.html
※「STU48 2周年公演」の記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/03/stu48.html