あの日見てた夢を仮にAとして、この未来をBとする。
AとBをイコールで結べるか?
5歳の頃の夢を皆さんは覚えているでしょうか?
「僕の夢は、」と書こうと思って手が止まりました。
とてもじゃないですが、覚えていないからです。
「夢」という概念をきちんと認識できたのは、もっと後になってからだと思います。
それに対して、倉島杏実は違っていました。
彼女は5歳の時に観た「マジすか学園」の「ゲキカラ」役を演じていた松井玲奈を見て、彼女のファンになります。
そして、彼女は決めます。
SKE48になると。
その約6年後。
彼女はSKE48のメンバーになっていました。
11歳でした。
この間、彼女の夢はぶれなかった。
むしろ、好きな思いは強くなっていたと思います。
時には、さいたまスーパーアリーナに48グループの合同コンサートに行き、時には美浜海遊祭に行く。推しの握手会に行って、ダンスが踊れるようになったことを伝える。
行動だけ見ると、我々SKE48ファンと同じかもしれません。
でも、その真っすぐな思いは、我々大人よりもっと真っすぐな気がするんですよね。
なんというか、「好き」に対する純度が高い。
先日、彼女のTwitterのリプライ祭りの際に、「マジカルラジオが好きです」というようなことを送りました。
まあ、答えてもらえたらいいかな、と思っていたんです。
多分、「私も好きです」的な答えが来るだろうと思っていました。答えは全く予想と違っていました。
もう、「好き」のレベルが違う。SKE入る前の夏休み暇すぎて毎年マジラジ全部3周くらいしてた人です— 倉島杏実(SKE48) (@ANZUNOMI_SKE) May 15, 2020
愛で方が違う。
入る前からSKE48のダンスを覚えていたメンバーも中にはいるでしょう。
しかし、彼女の場合はレベルが違う。
何か、新日本プロレスのオカダ・カズチカを説明する外道さんみたいになってきましたが、続けましょう。
僕が8期生の岡田美紅推しになって、すぐにモバイルメールを登録しました。
わりと早い段階だったと思います。
モバイルメールで、同期の杏実ちゃんからダンスを教わったというようなものが何度か来ました。
当時の僕は困惑しました。
えっ、この杏実ちゃんって子も8期だよな?
どういうことだ。
やがて、僕は彼女のバックボーンを知っていくことになります。
それが上記の内容でした。
SKE48の英才教育を自分自身でしていたのか、と驚愕します。
おそらく、幼かった彼女には難しい表現もあったかも知れません。
5歳からならば、途中で飽きてしまったり、モチベーションが下がったりする可能性もあったかもしれません。なんなら、家族の理解がなければできないことも多かったはずです。
しかし、彼女はずっと好きなまま、色々な現場を経験しながら、まるで、スポンジが水を吸収するようにSKE48のことを吸収していきます。
まだ脳のメモリーに余裕があるからなのかも知れないし、僕らとは違う経路で吸収しているのかも知れません。
彼女はSKE48のチームSからEまでの公演の助っ人をこなしつつ、なんと研究生公演の16ポジションを全部制覇してみせました。
この芸当ができるメンバーは、48グループ内でも限られているのではないでしょうか?
SHOWROOM配信の毎日アイドル365日も達成しました。
僕もタイミングがあえば、朝の配信を見ていましたが、彼女の生活に「SKE48」がくっついてきているんだなあ、と感じます。
公演のポジションを覚えることも、配信も「好き」だからこそ、続けられるのだと思います。
さらに、ファン的な「好き」だけでなく、2017年の総選挙本での湯浅支配人が語っていたように、「もともとファンで曲への思いが強い」というところが、彼女をメンバーとして、凄く信用できる要素なんですよね。
杏実ちゃんが踊っている時に、何故か僕は懐かしさを感じてしまいます。
それは、彼女が幼い頃から目で追っていた人の姿からかも知れません。
ファンからメンバーになった先輩としては、どんちゃんがいますが、彼女は一昨年から「お笑い」という新しい武器を手に入れました。SKE48ファンというだけに留まらずに別の要素を手に入れたわけです。
これに対して、杏実ちゃんは、よりSKE48の要素を深化させていったのではないか、と考えました。公演やSHOWROOMというSKE48に、より関連するところを。
もちろん、これから増えていくであろう、杏実ちゃんの新しい要素も楽しみですけどね。何か外仕事を担当してもらって、彼女にはどんどん冒険してほしいです。
2019年の生誕祭では、「名古屋ドームにもう一度立ちたい!」という願いを語ります。
一度は観客として観たSKE48の名古屋ドーム。
次はメンバーとして立つという目標。SKE48の黄金期を観ていたからこその目標でもあるのかもしれません。あの頃の輝きを知っているから。
ただでさえ、SKE48の次の目標がぼんやりとしている今、舵取りが出来る人がいるのは貴重だと思います。
そして、強制的に止められてしまったSKE48をもう一度走らせる為に、胸を熱くたぎらせる何かが、必要だと思います。
ちなみに、僕は倉島杏実という人を尊敬しています。
年齢とか関係なく、尊敬しています。
ちゃんと自分の夢と現在地をイコールで繋げてますから。
その真っすぐさ。
好きなものへの純度の高さ。
多分、もし生まれ変わったとしても、また、SKE48に出会うんじゃないか、とさえ思ってしまいます。
今、時代の変化の中で、SKE48の活動は変わりつつあります。
できたら、ずっと杏実ちゃんの好きな「SKE48」であって欲しいなと思います。
そして、いつか観てみたい曲があります。
それを書いて今日はお別れです。
倉島杏実の「枯葉のステーション」。