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2019年11月12日火曜日

TWO ROSES①

二つの太陽


 SKE48の物語を考える上で、松井珠理奈・松井玲奈のダブル松井の存在は、無視できません。というか、この二人を除いて語ることは不可能に近いのではないでしょうか。それほど、この二人はSKE48に置いて重要な二人です。
 総選挙、リクエストアワー、外仕事、本店超選抜、あらゆる場面でSKE48の代表として活躍し、ドラマを作ってきました。
 そんな二人が歌うのがこの「TWO ROSES」です。
 まあ、聴いてみましょう。



 初めて観た時は、あまりにも衣装とメイクの芸術性が高すぎて、ちょっと置いて行かれてる感があったんですがね。すっぴんに近い二人の姿から様々な色が重ねられていく感じが凄く良いんですよね。
 歌詞は出会いの衝撃から始まります。
 目に見えない手が、自分の中の何かを盗んでいった。それからというもの、心の中の何かが欠けて、孤独と切なさを感じることになっていくわけです。
 そして、サビではそんな繊細な心の持ち主を、手も触れずに見つめていたいという別の人物の視点にも見えるんですよね。さらに、バラに喩えることで、2番の歌詞からも見えて来る通り、「傷つくこと」や「いつか枯れてしまうこと」も連想させます。
 2本の薔薇がどうなっていくのかを考えさせられる名曲です。

 ちなみに、僕はリクアワの時に着てた黒白衣装の方が好きですね。

 さて、SKE48を引っ張ってきた松井珠理奈と松井玲奈。
 この二人の関係は、とても不思議な関係で、対照的な時もあれば、似ている時もあるんですよね。
 僕の感覚で言えば、松井珠理奈は「動き」(ムーブ・ダンス)の人。
 松井玲奈は「言葉」(ワード・発信)の人なんですよね。
 SKE48のアスリート的な部分を珠理奈が引っ張り、文化的な部分を玲奈が引っ張っていたんじゃないか、と考えています。
 珠理奈のパフォーマンスや元気な笑顔、玲奈が発信するブログの文章力や趣味の広さ。

 「陽」と「陰」というには、あまりにも野暮なので、玲奈の卒業コンサートで語られていた「太陽」と「月」で表すにしても、どちらもその要素を持っているんですよね。
 卒業コンサートの「手紙のこと」での玲奈への手紙で、珠理奈が玲奈のことを「太陽」と言っていましたしね。
 確かに、松井玲奈という人は、SKE48のメンバー達が憧れる「太陽」でもあったと思うんですね。彼女自身も凄く、芯の強い人で総選挙での「1位を目指したい」というスピーチや、公演や演技に対するストイックさ。それを評価されて広がっていく外仕事。
 真那の手紙でも「松井玲奈はSKEの夢です。松井玲奈はみんなの目標です」と言っていましたし、だーすーが卒業コンサートの特典映像で、「いつかライバルになりたかった人」と言っていました。
 また、珠理奈の繊細さは、満ち欠けを繰り返している「月」と通じる感じもします。

 いつしか、二人はライバルとみられることもありましたが(2011年の総選挙の時とか、何か大きなうねりがここから始まるのでは、と思ったもんです)、いやいや、「前のめり」のMVを観て欲しい。また、MVのメイキング(『アイドルの涙』特典ディスク4)で花の飾りつけをしながら、「カラフルな色を入れたのは、真っ白から玲奈ちゃんに色々な色をつけてほしいなと思って」と監督に語る姿。そして、次第に涙が止まらなくなる珠理奈。そんな珠理奈を「情けないなんて思わないで」と抱きしめる奈和ちゃん。
 やっぱり「前のめり」って曲の外のドラマも含めて名曲だと思いますね。
 「手紙のこと」での玲奈への手紙も凄く良いんですよね。
 最後に素直な自分の気持ちを伝えるところとかね。
 
 じゃあ、玲奈の珠理奈への接し方を見ていくと、珠理奈を甘やかさない、という方針なんですね。
 いつか、珠理奈がチューしたそうにしてるのを片手で制してる写真がありましたが、あれが全てだと僕は思ってます(あの画像、持ってる方いらっしゃったら、どこで観られるか、是非、教えてほしいです)。
 「珠理奈がトップで、そこに私が居てっていう体制にみんなが甘えてきちゃったから、だから、みんなが頑張っていかないとダメなんだなって私は思っています」、「一人一人が自覚をもつことが大切」という内容のことを映画「アイドルの涙」の中で語っていましたが、センターというものを目指す必要がないほどの存在感を得た彼女だからできる鋭い分析だと思います。
 卒業後も女優として活躍し、文筆業も順調な玲奈。
 「カモフラージュ」は本当に傑作でしたね。ドゥマゴ賞まで受賞しましたからね。
 後輩たちの輝く「太陽」であり続けて欲しいなと思います。
 いちSKEファンとしては、卒業コンサートの「仲間の歌」で「皆さん、最後にオレンジ色の景色を見せてください」と太陽のように大きな声で松井玲奈は言ってくれた時が印象的で。
 豊田スタジアムに作った太陽のようなオレンジ色の景色は一生忘れられないと思います。

 さて、そういえば、「アイドルの涙」の中で珠理奈が絶対的なセンターが自分以外にも出てきて欲しいという発言を「遠くにいても」の直前で語っていましたが、2019年11月現在はどうでしょう。
 「前のめり」のMVの中で珠理奈と同じスピードで走っていた玲奈。
 今、珠理奈と同じスピードで走れるメンバー、どんどん増えて来てるんじゃないでしょうか。いや、ジャンルによっては、珠理奈を追い越してる強みを持ってるメンバーもいるかもしれません。
 でも、松井玲奈の代わりはいないんですよね。
 確かに綾巴・みずほの「TWO ROSES」や珠理奈・佐江ちゃんの「TWO ROSES」もいいんですけど、やっぱり、ダブル松井の「TWO ROSES」が観たいわけですよ。てっきり、玲奈ひょんの卒業コンサートのアンコールでやるかと思ってたんですが、されず!
 もう、「TWO ROSES」は見られないのか。
 いや、きっと、珠理奈の卒業コンサートの時にきてくれるんじゃないか、そんなことを期待しています。

 「10年桜」のメイキング映像で玲奈の後ろでふざけて手を動かしていた珠理奈。あの二人から随分、遠くにきたもんだ、とこの記事の為に過去の映像を観ながら、ふと思いましたよ。

※「前のめり」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2018/11/blog-post_29.html
※「カモフラージュ」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/04/blog-post_8.html
※「仲間の歌」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2018/11/blog-post_23.html