太陽が燃えている
皆さんは聴けば聴くほど良さが見えてくる曲はありますか?
SKE48の曲でもそういう名曲が沢山あるんですが、僕の場合は「不器用太陽」がそれです。
「パレオはエメラルド」、「アイシテラブル!」といった夏の名曲たちの影に隠れがちですが、上記の2曲が夏の昼間にかかっていそうなイメージだとすれば、「不器用太陽」は夏の夕暮れにかかっていそうなイメージがあります。ついでですが、「君はラムネ」はMVのイメージもあって夏の昼下がり、「花火は終わらない」は夏の夜をイメージします。
さて、まずは歌詞の世界を見て行こうと思うんですが、とにかく歌詞がいいんですよね。
まず1番のAメロで、夏の暑さで蜃気楼のようにみんなスローモーションのようになっていることと、僕たちが知り合って長すぎることで、関係性がゆっくり進んでいるんだな、ということをここでいきなり連想させます。君だけが特別にゆっくり見えるという解釈も更にできますね。
次に「海に行きたい」という君に対して、僕はうまく答えが出ずにいつものように視線を合わせず、欲しいスニーカーの話をしている。ここがもう、素直になれない行動としては、共感する人が多いんじゃないでしょうか?
でも、バスが「君」の傍を通った時はさりげなく庇うという「言葉」にはしなくても、行動で表す人なんですね。
そして、サビです。
自分を太陽になぞらえますが、不器用な太陽なんですね。
言葉には出せずに照らしている。その思いは太陽のように熱くてジリジリしている。
これ以上、近づくと関係が変わってしまうんじゃないか、という怖さも少しあります。
先ほどの歌詞にあったように、まっすぐに君をなかなか見られずに、言葉にもできない、うーん、もどかしいですね。
2番は、二人が海にやってきたところから始まります。
かき氷を食べながら、こんな感じで波をぼんやり見ながら、「君」の一番近くに居られたらいいかなあ、「僕」は思います。
そんな「僕」の気持ちを見透かしたように、「君」は唇を尖らせます。
もう、チャンス以外の何物でもないんですが、2番のサビでは僕の葛藤が描かれます。
近づくべきか、このままでいるべきか。
奇しくも「かき氷」という太陽の日差しが近づくと、溶けてしまうものが出ているのも印象的ですね。
大サビは、1番のサビで終わるんですが、このあと二人の関係はどうなるのか?
自分のことを「太陽」だと思っている「僕」ですが、よく考えると街がのぼせたようになる蜃気楼も「太陽」によるものですよね。そう考えると、初めからこの曲の世界は「太陽」である「僕」視点の「君」への物語だったんですね。
メロディーは、イントロが凄く好きなんんですよね。
それから1番のAメロのゆっくりと二人の関係をなぞっていく感じも良いです。
サビのラップは、初めて聴いた時は「果たしてこれは必要なのか?」と思ったもんですが、僕の内面を語っていると考えれば、全然いけるな、と思うんですよね。
好きなライブパフォーマンスは、「リクアワ2014」です。
「珠理奈ソロバージョン?」と松井玲奈ひょんがオーディオコメンタリーで語っていた感じで始まるが印象的です。そして、みなるんと山田さんが並んだところも面白かったですね。「フルで聴くと印象が変わる」と玲奈ひょんが語っていましたが、その通りなんですよね。
あと、衣装が凄く良い。
抑え目の色なのに華がある。
それから松井玲奈卒業コンサート初日の浴衣バージョンも良いですよね。
曲の一番最後の振り付けで、胸をトントンと叩いて、手を開くところが心の中のものが開いたようで好きです。
ちなみに、もし二人の関係が変わらなかったら、このシングルのカップリングの「友達のままで」みたいになっていたかも知れませんね。
今年の夏は、どこで「不器用太陽」が聴けるのか?
皆さんは好きな夏曲はありますか?
※「パレオはエメラルド」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/12/blog-post_12.html
SKE48のファンサイトです。楽曲と映像の関係、管理人の日々の生活などを綴っています。 ブログで掲載されている文章画像および動画等の著作権・肖像権等は各権利者に帰属しています。各権利を侵害する意図は全くございません 掲載内容に問題がありましたら、ご連絡下さい。
人気の投稿
-
特別なあなたへ 2020年2月15日。 友人の小粋なはからいで、 アイドルマスターのドームツアー、京セラドームの1日目 に行くことができました。 僕自身は、アイマスについての知識は、ほとんど無いと言っても良い状態でしてね。「お願いシンデレラ」は知っている...
-
アイドルとSNSの関係 は、ここで語らずとも多くの人が語ってらっしゃるので割愛しますが、アイドルの情報を享受していく上で、非常に重要なものになっていますし、10年代ではこれを有効に使って成り上がっていったメンバーが沢山いました。 しかし、現在、48グループでは...
-
誰かの嘘と真実 映画が好きなので、たまには映画の話をさせてください。 黒澤明監督の「羅生門」を皆さんはご覧になったことがあるでしょうか? もとは芥川龍之介の「藪の中」が原作になっています(原作には、映画に出てくる木こりは出てきませんが)。 ある殺人事件に対して、3人の...
-
誰かがスコアに起こすさ 2015年7月29日。 僕は、トヨタスタジアムの1階スタンド席に居ました。 もう、夏の気持ちの良い夕暮れが終わり、少しだけ雨の匂いがしてくる夜。 高木由麻奈さんが作曲した「ブリッジ」が流れました。 48グループでは珍しいインスト曲です。 48グ...
-
もし寂しくなったら何もない大地に話しかけて 先日、東京大学大学院情報理工学系研究科の稲見昌彦教授が「最近植物学者の方と研究しているんですが、植物は単体ではなく群として考えた方がいい時もあり、植物交信から学ぶことが多い」と宇野常寛さんと平田オリィさんとの対談で語っていました(平...
-
熱量が伝播していく SHOWROOMを立ち上げた前田裕二は、SHOWROOMを立ち上げた際、何か一つのカテゴリーに特化しないと他の配信アプリとの差別化ができないと考えたそうです(詳しくは彼の著作『人生の勝算』をチェック!)。様々な選択肢がある中で、アイドルに特化したものでま...
-
何色のイズムか? 皆さんは、自分のアイデンティティや個性はどんなものか、見えなくなることがないでしょうか? 先日観に行った映画で印象的なシーンがありました。 「日向坂46ドキュメント 3年目のデビュー」 という映画でした。 それは「けやき坂46」から「日向坂46」に改...
-
泥の中の宝石 レイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説が若い頃に好きで、よく「長いお別れ」や「さらば愛しき女よ」を読んだもんです。いずれも汚れた(もしくは汚れてしまった)世界の中でいかに美しく生きるかを考えさせられる作品でした。( 仮面ライダーWで左翔太郎...
-
3月のなるちゃん 志賀直哉の「小僧の神様」という小説があります。 秤屋の小僧である仙吉くんが、お使いの帰り道に寿司屋さんの屋台の前を通り、どうしてもお寿司が食べたくなります。勇気を出した仙吉くんが、お寿司屋さんの屋台に置かれているマグロのお寿司を手に取ろうとしたその時、「...
-
こんな出会いがあるなら、来年も行く 本日、2019年10月19日は、イオンシネマズ桂川で京都国際映画祭の「クリエーターズファクトリー エンターテイメント映像部門」の上映が行われました。 クリエーターズ・ファクトリーってなんじゃい、コラ、...