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2020年6月13日土曜日

不器用太陽①

太陽が燃えている

 皆さんは聴けば聴くほど良さが見えてくる曲はありますか?
 SKE48の曲でもそういう名曲が沢山あるんですが、僕の場合は「不器用太陽」がそれです。
 「パレオはエメラルド」、「アイシテラブル!」といった夏の名曲たちの影に隠れがちですが、上記の2曲が夏の昼間にかかっていそうなイメージだとすれば、「不器用太陽」は夏の夕暮れにかかっていそうなイメージがあります。ついでですが、「君はラムネ」はMVのイメージもあって夏の昼下がり、「花火は終わらない」は夏の夜をイメージします。




  さて、まずは歌詞の世界を見て行こうと思うんですが、とにかく歌詞がいいんですよね。
 まず1番のAメロで、夏の暑さで蜃気楼のようにみんなスローモーションのようになっていることと、僕たちが知り合って長すぎることで、関係性がゆっくり進んでいるんだな、ということをここでいきなり連想させます。君だけが特別にゆっくり見えるという解釈も更にできますね。
 次に「海に行きたい」という君に対して、僕はうまく答えが出ずにいつものように視線を合わせず、欲しいスニーカーの話をしている。ここがもう、素直になれない行動としては、共感する人が多いんじゃないでしょうか?
 でも、バスが「君」の傍を通った時はさりげなく庇うという「言葉」にはしなくても、行動で表す人なんですね。

 そして、サビです。
 自分を太陽になぞらえますが、不器用な太陽なんですね。
 言葉には出せずに照らしている。その思いは太陽のように熱くてジリジリしている。
 これ以上、近づくと関係が変わってしまうんじゃないか、という怖さも少しあります。
 先ほどの歌詞にあったように、まっすぐに君をなかなか見られずに、言葉にもできない、うーん、もどかしいですね。

 2番は、二人が海にやってきたところから始まります。
 かき氷を食べながら、こんな感じで波をぼんやり見ながら、「君」の一番近くに居られたらいいかなあ、「僕」は思います。
 そんな「僕」の気持ちを見透かしたように、「君」は唇を尖らせます。
 もう、チャンス以外の何物でもないんですが、2番のサビでは僕の葛藤が描かれます。
 近づくべきか、このままでいるべきか。
 奇しくも「かき氷」という太陽の日差しが近づくと、溶けてしまうものが出ているのも印象的ですね。

 大サビは、1番のサビで終わるんですが、このあと二人の関係はどうなるのか?
 自分のことを「太陽」だと思っている「僕」ですが、よく考えると街がのぼせたようになる蜃気楼も「太陽」によるものですよね。そう考えると、初めからこの曲の世界は「太陽」である「僕」視点の「君」への物語だったんですね。
 
 メロディーは、イントロが凄く好きなんんですよね。
 それから1番のAメロのゆっくりと二人の関係をなぞっていく感じも良いです。
 サビのラップは、初めて聴いた時は「果たしてこれは必要なのか?」と思ったもんですが、僕の内面を語っていると考えれば、全然いけるな、と思うんですよね。
 

 好きなライブパフォーマンスは、「リクアワ2014」です。
 「珠理奈ソロバージョン?」と松井玲奈ひょんがオーディオコメンタリーで語っていた感じで始まるが印象的です。そして、みなるんと山田さんが並んだところも面白かったですね。「フルで聴くと印象が変わる」と玲奈ひょんが語っていましたが、その通りなんですよね。
 あと、衣装が凄く良い。
 抑え目の色なのに華がある。
 それから松井玲奈卒業コンサート初日の浴衣バージョンも良いですよね。
 曲の一番最後の振り付けで、胸をトントンと叩いて、手を開くところが心の中のものが開いたようで好きです。

 ちなみに、もし二人の関係が変わらなかったら、このシングルのカップリングの「友達のままで」みたいになっていたかも知れませんね。

 今年の夏は、どこで「不器用太陽」が聴けるのか?
 皆さんは好きな夏曲はありますか?

※「パレオはエメラルド」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/12/blog-post_12.html