オン・ザ・ロード
皆さん、48グループにハマって最初に出来た推しメンは誰ですかね?
僕は、実はAKB48の宮澤佐江さんなんです。
彼女の魅力はなんと言っても「ゲンキング」と呼ばれていたぐらい明るい性格。
しかし、中学時代は同級生にいじめられていて、教室にも部活にも居場所がなくなった彼女はよくおばあ様の経営する焼き鳥屋さんに居たそうです。
この時、おばあ様は、自分もかつていじめにあっていたことを告白します。そして、「前向きに生きていれば、いつか、必ず、佐江の良さを分かってくれる人がいるから」という言葉を宮澤さんに伝えるんですね。もうね、ここだけで既に泣きそうです。さらに、うれし涙の方はいいが、悔し涙はダメだということを語ってもらいます。おばあ様がいよいよがんで亡くなる時のやりとりは、ここに書くのも辛くなるので、是非とも公式インタビュー本「あなたがいてくれたから」をご購入あれ。
また、岩井俊二監督が撮った「DOCUMENTARY OF AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう」を観ていると、彼女がインタビューされているシーンがあります(この枯葉が敷き詰められた秋の公園がまたいいんですよね)。
「一人になる時間はある、家とかで、泣いてる。ふふふ、一人になると、良い時もあるけど、記憶に残ってる時は今も泣いてる。今年の4月におばあちゃんを亡くして、今も信じられなくて。一人の時はおばあちゃまの前で、こうなんだよねーって心の中で話してたら、はあって泣いてることが多いかな」
亡くなった後もおばあ様との関係が続いているのが、素敵でしてね。
その反面、いつも元気な佐江さんが、自分の弱い部分を出せる貴重な場所の一つだったのかもしれません。
さて、そんな彼女は、48グループ人生を送っていく中で、徐々に超選抜に入るようになり、ベテランへ。そして、珍しい3グループを経験し、自分の場所が変わり続けるという体験をします。なかでも、上海が拠点のSNH48への移籍は衝撃でした。その後の大人の事情による2013年日本武道館での、やっぱ兼任にしますを喰らって本当に辛い顔をしてましたが、そこから、総選挙での「上海一本」宣言はめちゃくちゃカッコ良かったです。
そして、2014年。彼女は、SKE48へやってきます。
まあ、正直に移籍が決まった時の感想を書くと、「な、なんで…」だったんですね。
まさか、SKE48に来るとは。その頃、中西優香ファンだった僕からしたら、キャラが被りまくってるじゃん。しかも、SKE48のキャプテンの座も持っていくのね、と思いましてね(全部、大人の事情ですけど)。
そして、SKE48は暗黒期を乗り越えるために前進していきます。正直、2014年はまだ新しいチームが動き始めたばかりの手探り感がありましたが、2015年あたりからは、それぞれの個性がぴたりとはまり始めた感じがしましてね。
メンバー達にも良い影響を与え続けていきます。
詳しくは、ソフト化された彼女の卒業コンサートのディスク4を観ていただきたいんですが、ゆりあが卒業して精神的に不安定だったぴよすの支えになっていたり、玲奈が卒業発表して精神的に不安定になっていたりした珠理奈を励ましたりとかね。公演終わりの新幹線で鈴蘭の相談に乗ったり。
本店時代には関わりが薄かった(アンダーが3回程度)みなるんとの関係が深くなったこと、実は生写真も持っていた惣田さんから尊敬の眼差しで見つめられていたこと、新人時代のちゅりに優しかったこと。奈和ちゃんたちメンバーが言いづらいことを率先して大人に言ってくれたこと。
真木子が悔しくてないている時に、声をかけてくれたこと。秋元才加さんのアンダーでチームKの公演に出たすーめろに優しく微笑み、仲良くなったこと。ミュージカル49で感謝の伝え方をだーすーに助言してくれたこと。同じくミュージカルで緊張していた谷に「私が全部受け止めるから」と言ってくれたこと。
もう、書きだしたらキリがないぐらい素晴らしい働きをしていったわけです。
やがて、訪れた卒業の時。
彼女にはこんな名曲が送られます。
ちょっと聴いてみましょう。
この曲はフルで観ないと、ちゃんとした意味は伝われないと思うので、皆さん、なんらかの方法で手にいれて観てください。
なぜかって?
まず、1番が彼女がソロで歌い、2番で仲間たちと歌うという曲の構成が素晴らしいのと、それに合わせるように映像が重なっていき、最後には、AKB48の2期生のみなさんが出てきたところでは、もう、初めて観た日は感動で泣いてしまいましたよ。うおっ、KKがいるとか、うおっ、ともーみ!とかね。
リクエストアワー2015のオーディオコメンタリーで、「卒業曲は一人で歌いたくない」と言ってましたが、その願いが反映されるような歌詞が凄くよくてね。やっぱり秋元康は、知ってる人の歌詞を書かせたら強いな、と。
「旅を続けて愛を知ったよ」という「愛知」を連想させる歌詞も上手いんですが、1番と2番の関係が旅を続ける宮澤佐江と彼女が旅の途中に訪れたSKE48メンバーや2期生たちの関係になってましてね。
MVは、次の旅の準備をして出発する前のひと時が描かれてるんですが、唐突に出てくるかおたんに吹き出してしまいます。それは置いといて、旅立つ彼女が空を見上げて、目を少し伏せてから笑うところが本当に良くてね。それぞれの場で、旅を続ける仲間たちが映っていく中、彼女も新しい旅に出るんだな、と感じました。
今も彼女は、旅を続けています。
先日までは、ミュージカル「ピーターパン」でタイガー・リリー役を演じてましたし、エグザイルのネスミスさんにデジタル写真を撮ってもらったりと活躍を続けています。僕個人としては、地球ゴージャスに出演が凄いな、と感じています。
個人のファンクラブもあり、これからもファンは増え続けると思いますし、出演作も増えていくと思います。
そう、おばあさまが言われていた「佐江の良さを分かってくれる人」は沢山、居たわけです。
これからも彼女の活躍が楽しみです。
彼女のエッセイ集「これさえあれば」もお勧めですよ。
僕は「奇跡は間に合わない」のエピソードが好き。