海が教えるもの
皆さん、四国の海ってみたことありますかね?
僕は愛媛県宇和島市出身なんですが、生活のすぐ側に海がありましてね。
今回、紹介する「海の色を知っているか?」という曲は、STU48のユニット「勝手に!四国観光大使」が歌ってましてね。皆さん、四国出身のメンバーで構成されていて、この人たちは、きっと四国の海を見て過ごしていたんだろな、と考えられます。
まあ、まずはMVを観てみましょう。
すごいうどんが食べたくなった。
それでは、まず、歌詞の世界を見ていきましょう。
とても印象的な歌い出しで始まります。
「海の色は青いなんて 誰が勝手に言ったんだろう」
ターンAガンダムの歌い出しみたいだな、と思った人はガンダムの観過ぎですね。
海の色=青という固定概念をまずは疑うところから始まります。実は、空だったり、太陽だったり、潮の流れで変わってくると。
この辺りは、海の近くで育った方なら、分かるかもしれませんが、本当にそうなんですよね。最悪の場合、赤潮なんて時もありますしね。
実は、同じ青なんて存在しないということ。
サビで海から大事なことを教わってきたことが見えてきます。
その大事なこととは、変化する何かと変化しない何かがあること。
いったい主人公がいる「ここ」がどこなのか、はっきりとは分かりませんが、海の傍なのでしょう。
そんな海を何色で描けばいいのか、と捉えきれない海についての思いを吐き出します。
だから、最初の言葉になるのか、というつながりも感じます。
そして、同じように変わらないものや変わるものである「陽」が登ったり沈んだりすることが語られます。
2番の歌詞では、心の動きが海に喩えられます。
いつも穏やかではなく、風が吹くいたり雨が降ったりすることで、波は荒れていきます。
しかし、雨が降ったあとに太陽が昇るように、陽がさして美しい四国の海が広がります。つまり、辛いことがあっても、穏やかな時間が再び帰ってくるということが描かれます。
そして、2番のサビ。
「言葉じゃなくて景色が教えてくれた」
ここが本当によくてね。
海という「景色」が教えてくれたというところが素晴らしい。
「波」と同じように悲しみもいつかは穏やかになっていくということを学んでいたんですね。
ここからちょっと気になる表現がありましてね。
「一緒に育った故郷の海」
誰と「一緒に」なのか、とふと考えたんですが、この場合は、「海」と一緒に育ったんだろうなあ、と感じました。
ここでまた、気になるワードが出てきます。
「あの頃の記憶で何を描けばいいのか?」
「何を」と書かれていることで、じゃあ、1番で描かれた目の前の海を描きたいわけではないのか?
過去の海が描きたいのか?
「青じゃない青 今も・・・」
これは、捉えきれない何かのことを指している気がします。
先ほどの「海」とリンクするもの。
人の心なんじゃないかと。
それを進めて考えると、1番で景色が描かれ、2番ではその景色の奥にある心を描いていく構成になっているのではないかと考えましてね。
「ちゃんと自分で見てごらん」
という1番の歌詞も全く違った意味を持ってこないでしょうか。
今も変わり続けている自分の心を、何色で描けばいいのか、という内省的な曲なのではないかと僕は考えました。また、自分自身とも一緒に育ってますしね。
最後は大サビで1番のサビを持ってきます。
この終わり方は、考えているうちに時間が過ぎて行ったという風にも捉えれますし、新しい始まりも感じさせられます。僕はなんとなく、「暗闇」と同じような自己内省を感じさせられる曲なのではないかと思います。「海」と「陽」という「水平線」を連想させる歌詞も出てきますしね。
要は、「自分自身の色を本当に分かっているのか?」という風に読み解くことも出来るのではないかと、考えさせられる曲だと思いました。海というのは、本当は何色なのか?青と決めつけられないという。
さて、MVはというと、まず目に飛び込んでくるのが、瀬戸内の海のような衣装の色です。これが広がるところが美しい。
また、メンバーたちが写真を貼り付けながら、「勝手に!四国観光大使」のボードを作っていく過程や四国の名物を楽しむところが、撮られています。
僕は同郷の兵頭葵さんをSTU48では、ゆるーく応援しているんですが、舞Qこと、中村舞さんのセンターも嬉しくてですね。
せっかくなんで、次のシングルでも「勝手に!四国観光大使」の曲を作ってほしいなあ、と思う次第です。MVは別のユニットの順番があると思うんで難しいかもしれませんが、是非、曲は収録してほしいな、と思います。
(「海の色を知っているか?」より引用)