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2020年12月29日火曜日

「KARAAGE WARS:カラアゲウォーズ」の感想

 仮説を通して見えてくるもの

 ある物の価値や必要性を考えていく上で、「もし、〇〇が無かったらどんな世界があるか?」という考え方があります。
 今回、紹介する「KARAGE WARS カラアゲウォーズ」は、もし、唐揚げを食べることを禁じられたら、という仮説のもとに物語が展開されていきます。
 まずは、公式チャンネルをチェック!



 ううむ、みなるん、今年は「ウォーズ」続きだな(意味が分からない人はリトルサブカルウォーズを観よう!)。
 まずは、お腹が空いてくる動画でしたね。
 今はコンビニで唐揚げが24時間売っているので、もう、気軽に買いに行ける素晴らしい世界だと改めて認識しましたよ。
 そして、我らがみなるんこと、大場美奈が今回は、どこかサントリー角ハイボールのCMの井川遥さんを彷彿とさせる唐揚げバーのママ的な役をしています。


  このCMの加瀬亮いいなあ。って、田中圭が出てたのか!
 ほんの3年前のCMなのに、早口のナレーションや賑やかな音楽もない、ちょっと上品な感じでいいですね。
 ううん、お酒呑めないですけど、ウイスキーとハイボール略して「ハイカラ」がさっきの動画の後だと似合いそう。

 さて、話を戻すと「カラアゲウォーズ」は、唐揚げの良さを改めて認識する以外にも、様々な面白みがありましてね。
 まずは、音ですよね。ASMR動画的な楽しみがあります。
 ちなみに、僕は咀嚼音が大の苦手なので、アゲヒコさんが食べる音とかを聴いている時がわりと大変でした。ただ、何かを食べるという人間の3大欲求(食欲・性欲・睡眠欲。『映画秘宝読者』は食欲・性欲・殺人欲)はどこか繋がっている気がして、食べている様子が少しセクシーな感じもします。
 
 そして、この動画のもう一つ面白みは「あげる」という動詞を活かしたストーリーラインです。今年公開された「とんかつDJあげ太郎」も、「あげる」という動詞がとんかつとDJをうまく繋げましたが、こちらの作品では「3あげ禁止」という言葉遊びのうまさに加えて、「一旗あげる」という更に意味を一つ増やしてストーリーラインを作れているところが本当に凄いんですよね。
 
 警官たちの「もう我慢できない!」はケロッグコンボのCMを思い出しましたよ(子供の頃、というか大人になっても何か食べる前、よく言ってましたねえ)。


 もし、唐揚げじゃなくて、違法薬物がメインだったら、警官たちが「もう我慢できない!」と言って薬物をキメ始めるのは完全にアウトですし、やっぱり無くて良かったとなるんですが、唐揚げは一回外してみたことで、やっぱり在って良かったとなるわけですね。
 
 終わり方を見ると、続編を期待させるような感じですが、果たしてどうなる?
 ずっと夜の風景で解放されてからの昼の風景の描写や主演の方の演技も素敵だったので、是非、次のエピソードがみたいですね。
 コミカルなだけでなく、オフビートの大人なみなるんが楽しめる作品です。

※リトルサブカルウォーズの感想はこちら!