今日までのこと、これからのこと
今回紹介するのは、元SDN48に所属されていた大木亜希子さんが書かれた「アイドル、やめました。」です。
48グループに属していた女性たちのセカンドキャリアを取材して行った本なんですが、とても興味深い内容でしてね。
各章はそれぞれの女性がアイドルになるまで、そしてアイドル時代の経験、次のキャリアと出会うまで、そして、現在という構成になっています。
元SKE48メンバーからは、佐藤すみれ、藤本美月、菅なな子の3人が取り上げられています。
今回読んで、一番衝撃だったのが、やっぱり佐藤すみれという人は凄いんだな、ということです。
子役時代からのエピソードも凄いんですが、AKB48の研究生時代の全チームのアンダー制覇から、SKE48で「違和感」を武器に戦っていく事を決めるところは、今回初めて知りました。
今、アンダー出まくっている片岡なるぴーなんかも裏では相当努力してるんだろうなあ、としみじみ感じます。また、外から来たからこその目線というのは、今も残っているみなるんや鈴蘭、谷にもきっと残っているんだろうな、と思います。
そして、アイドルを辞めた後、彼女の人生に生まれた半年の空白期間。
なんというか、ああ、すーめろさんも人間なんだなあ、と少しほっとさせられるエピソードです。6歳から23歳まで走り続けた彼女なりの再生期間だったんでしょうかね。
現在はクリエイターとして様々なものとコラボしているすーめろさん。
彼女の名前である「すみれ」という言葉や花言葉にちなんだグッズも良くてですね。日常の何気ない時間に付加価値をつけてくれるものが多いです。
これからの彼女の活躍がまだまだ知っていきたいな、と思いました。
5期生の藤本美月、菅なな子は、アイドル時代の二人と変わらない良さが大人になっても残っていましたね。
保育士になってもうすぐ母になる藤本美月は、SKE48が初めて出場した「紅白歌合戦」でのバク中が今でもみんなの記憶に残っていますが、何故彼女がSKE48を辞めることにしたのか、そして、その裏であったマネージャーさんやご両親とのエピソードも良くてですね。あのすぐ忘れる湯浅さんの言葉も、ああ、みっきーってSKE48にとって本当に重要な子だったなあ、と思いましたよ。
菅なな子に関しては、やっぱり子供の頃から論理的な思考の持ち主だったな、と思いますし、彼女が出版した『アイドル受験戦記』の続きを読んでいる感じがしましてね。大学に入って、いよいよ自分の目指すジャンルへと就職が決まったんだなあ、としみじみ感じましてね。自分では気づけない自分の良さを、誰かに気づいてもらう。じゃあ、今度は自分も気づいて広める側へというのもなんなんらしくて良かったです。
ここまでは、SKEメンを中心に書きましたが、他のメンバーで一番、印象に残ったのがNMB48の河野早紀さん。現在、大阪のラジオ局で働いているそうなんですが、苦しい時期をラジオに救ってもらったというエピソードは、僕も全く同じ経験をしているので、凄い共感しました。
一人一人が「アイドル」だった時間が輝いてるんですが、一旦離れたら、その間に得られなかったものを色々な方法で取り返している人が多いのも印象に残りまして。恋愛だったり、ニートだったり、人それぞれですが、頑張ってきた分、自由になった時に思い切りそれを楽しむんでしょうね。アイドルだった日々を昇華して、自分の人生に活かしている姿を見ると、6月から全く別業界で働く僕も勇気をもらいました。
気が早い話ですが、2冊目が読みたいと思いました。
また他のメンバーのセカンドキャリアももっと知りたいなあ、と。
「アイドルの先」について、現在アイドルをしている人たちや今、卒業を考えているアイドル達の良い教科書になったらいいな、と思いますよ。こんな生き方もある、こんな苦労もあるということを知るのにうってつけの教材だと思います。
卒業したかつての自分の推したちは、今どうしてるんだろう、とふと、夜空を見上げた春の夜でした。
アイドル時代の佐藤すみれさんについて考えた「愛の意味」についての記事はこちら!
https://oboeteitekure.blogspot.com/2019/03/blog-post_1.html