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2020年11月13日金曜日

文脈と表現

 ヴィジュアライズ化の先に


 皆さんは、どんなダンスが好きでしょう?
 現代的なヒップホップダンスもあれば、ジャズやロック、ブレイクダンス、フリースタイル的なものもありますね。
 中でも僕は、ビートに対する解釈としてどうリズムを刻むのか、を表現したヒップホップダンスを観ることが、好きなアーティストの関係で多いのですが(歌詞の解釈としてフロウを刻んだり、歌詞の時代のダンスをいれていくグループは特に好きです)、「ああ、歌詞やビートをこんな風に解釈して、自分の身体を使ってヴィジュアライズ化したのか」と考える楽しみがあります。


 SKE48で、ダンスを観るのが楽しみなメンバーが何人かいますが、ダンスで曲の世界観を自分で創るという意味では、古畑奈和のダンスはやはり唯一無二のものだと思います。
 文脈を読み取り、曲の世界を広げていくために身体を動かす。
 それを一番感じるのは「10クローネとパン」です。
 まずは、普通の振り付けの「10クローネとパン」を観てみましょう。



 流石は、NMB48のセンターでこの曲のオリメンセンターの山本彩、素晴らしいダンスと表現ですね。「呼吸をする度、白い息」からの歌声とかたまりません。
 これは、比較する相手…まちがえたんじゃ…オリメンのいないバージョンとか持ってきた方がいいんじゃ…と心配になりますが、奈和ちゃんのバージョンはどうでしょう?
※忙しくて、仕方ないんだ、という方は4分42秒ぐらいからどうぞ!
 

 まずは、彼女の表情の豊かさですよね。
 最初の「10クローネばかり貸してくれよ」の悲痛な願い。2番サビで即物的な幸せを連想させる物を語る時の笑顔、そして、最後のモニター越しの視線。
 先ほどのさや姉バージョンと比較すると前奏部分や「司会者のジョークは笑えない」のところは同じふりつけですが、要所要所でオリジナルに変わっていますね。「僕の知らない世界へ連れて行ってくれたよ」のふりが、通常は指が下へ動くのに、奈和ちゃんバージョンは、天を指しているのが印象的です(『辺りではみたことない奇抜な衣装を』のところも)。
 また「まばゆい電飾が」のところや「僕は目を閉じて」のところは、まさにヴィジュアライズ化といえる表現だと思います。
 ちなみにサビも「それより僕は」までは一緒ですが、流石は古畑奈和。一つ一つの振りが一番遠いところまで手を伸ばしています(さや姉のしなやかな重心移動も、彼女ならではの表現で好きです)。
 さらにこの曲の激しく動くところをあえて動きを抑えることで、ためを作るところも素晴らしいですね(間奏から2番の最初なんかがそうです)。「僕の母親は」からオリジナルと比較して自分の表現を激しくしていくところの助走になっています。
 まるで、彼女の身体自体も表現を具現化するための道具であるかのように、曲の世界をヴィジュアライズ化していきます。
 ちなみに、この方向性を更に進めてストーリング重視で解釈したのが、NMB48の石塚朱莉さんのバージョンだと思います(彼女の解釈も好きです)。


 
 
 話を戻すと、古畑奈和の楽曲の世界をヴィジュアライズする力は、この後も2018年感謝祭の「誰かの耳」でも発揮されますし、ソロ曲の「本能」でも発揮されます。欅坂の楽曲とも相性が良いのも分かる気がします。

 ただし、あえて表現をおさえることで曲の別の側面をピックアップすることもあります。それが、2017年の「ランクインコンサート」で披露した。「Escape」です。
 ここでは歌いあげることに集中し、踊ることをセーブして、最後のふりだけオリジナルに合わせます。
 ダンスの激しさが目に行きがちですが、歌詞やメロディの素晴らしさを改めて認識させられる素晴らしいパフォーマンスになっています。
 
 じゃあ、振り付けがないものはどうするのか?
 よく「渋滞曲」とか言われるメンバーが手を振りながら、大会場を移動する曲ですね。
 上に挙げた2017年、「ランクインコンサート」では「あなたが居てくれたから」の時にメンバーたちが客席まで降りて、撮影タイムとして歩いていくんですが、彼女はここで涙が溢れて顔を覆っていまいます。
※8分20秒あたりから
 

 この時の奈和ちゃんは、いったいどんなことを思っていたのか、彼女のブログを読んでみましょう。

 総選挙という自分の価値を数値化されて叩きつけられるイベント、大勢のアイドルの中の自分、この残酷な世界の中で自分の味方で居てくれる人、「これまでのこと」、様々な思いが駆け巡って涙になっていったんですね。
 初めての選抜、そして、「あなたが居てくれたから」という曲の歌詞がこれほどまでにしみるシチュエーションはないでしょう。
 シチュエーションや歌詞が彼女の心に反響して涙になったと仮定すると、古畑奈和という人の人間性や感受性の豊かさ、それがあるからこその表現力だと思います。
 そんな、奈和ちゃんだからこそ、曲の世界の「表現」というところから離れた、目の前や中継を見ているファンの方への感謝という、別の「文脈」で曲を受け止めた時に、溢れてくる涙の美しさ。
 
 総選挙というイベントは、既に終わりを迎えましたが、彼女がファンの皆さんと一緒に嬉し涙を流せるような、イベントや場があればいいな、と思いました。まずは、歌唱力のイベントでしょうか。

 日常を彩ってくれたラジオ番組「10月のお楽しみ」も良かったですが、まだまだ、彼女の表現力は様々な場で輝くと思います。次は、どこで彼女の人間性を見せてくれるでしょう?

※2017年総選挙について書いた「悔しさの先に見えてくるもの」の記事はこちら!

※2018年総選挙感謝祭で披露した「誰かの耳」についての記事はこちら!

2020年11月11日水曜日

Nobody`s fault①

生まれ変わった先にある世界


 ※この記事はSKE48ファンのリトルトゥースが書いたものです、勉強不足の点はご容赦ください。

 本日、2020年11月11日の正午に櫻坂46のデビュー曲「Nobody`s fault」のMVが公開されました。いやあ、これが映像美的にもドラマ的にも素晴らしいので、ちょっと観てみましょう。


 うーむ、素晴らしい映像美でしたね。
 なんとなく僕は「スターウォーズ EP7」のラストに出てくる島を思い出しましたよ。
 
 さて、そんなどうでも良い話は置いておき、MVが発表されたと同時に各種ニュースサイトで「MVのテーマは自由への渇望と絆!」ということが提示されて、「そういうことだったのかあ」となるかというと、そうではなく、「えっ?じゃあ、あのシーンは一体?」と思うことがあったので、自分の中での解釈を書いていきたいと思います。
 
 まず、気になったのが着ている衣装と場所の違いなんですね。
 1番では制服姿、2番のサビから白いワンピース姿。
 1番では港を思わせる場所や船路といった人工物が中心であること、2番の大サビからは島に辿り着いた先、自然が中心であること。
 衣装の変化のブリッジになるのは、「もう一度 生まれ変わるなら」の部分。
 勿論、このMVが歌詞の通り、生まれ変わりを視覚的に新しい姿で新しい場所へとたどり着いたんだなあ、と感じるんですが、曲が進むにつれて、次の疑問が生まれるわけです。

 なんで、津波が迫ってるの?
 そして、何故、縦に立ちあがってくる波に飛び込んでいくの?
 なんで、あの島には桜の木がないのに桜吹雪が?
 
 ここで最初の疑問の繋がってくるんですが、ひょっとして、2番の内容は精神的な世界のメタファーなんじゃないかと思いましてね。1番の制服の少女たちが、新しい場所を目指して、自分たちの船で新しい場所を目指す。
 2番ではこれから予想される逆風、試練が波や泥が顔についた彼女たちの姿であり、桜吹雪や最後に駆け上がっていく丘は、グループの名前や希望をイメージさせる素晴らしいものになんじゃないかと考えています。
 
 MVの前半の空は雲で日差しが隠れていることが多いんですが、衣装が変わったあたりからはどんどん明るくなっていく。これも生まれ変わった先の希望を感じさせるものでした。更に、海という巨大な自然に飲み込まれずに、波を足元に浴びながらも踊り続ける姿、最後は融合するかのように飛び込んでいく姿は、飲み込まれずに突き進んでいくということを連想させられます。

 正直、「平手さんがいない状態でどんな曲になるんだろう…」と考えていたんですが、欅坂のカッコ良さを残しつつ、新しいスタートを感じさせられるものになっています。
 ちなみに、欅坂46はそこまで強くなかったんですが、山崎天ちゃん推しでしたよ。今回も自分たちで船を出航させようとしたり、目力がある姿が観られて大満足です。
 
 欅坂の過去作とのリンク(「避雷針」のMVや共和国の船とのリンク等)は、きっと欅坂から応援してきた方々の方が詳しいと思いますので避けますが、森田さんの顔は主人公の顔だと僕は思っています。

 歌詞もコロナ禍の現在において、大いに現状に絶望している僕には刺さりまくった素晴らしいものなので、是非是非皆さんも注目して聴いていただければ、と思います。

 それにしてもさ、SKE48にもくれんかね、こういう曲。

※欅坂のドキュメンタリー映画の感想はこちら!

2020年11月9日月曜日

快速と動体視力①

推しを見つけられる視力


 皆さんが推しを見つけたきっかけは何だったでしょう?
 何気なく観たMVでしょうか?
 本屋さんでふと視界に入った雑誌の表紙でしょうか?
 それとも、テレビに映った姿でしょうか?
 

 今回紹介する「快速と動体視力」は、見つける力となかなか対象に触れられない距離が歌われています。ちょっと公式のMVを聴いてみましょう。

 


 ううむ、何故、48グループは通学路でカワイイ子を見つける曲が多いんでしょう。
 まずは、歌詞の世界から見ていきましょう。
 曲の主人子は、毎日、快速電車に乗って通学しています。
 快速電車が通りすぎる駅には、気になる女の子の姿が一瞬だけ見えます。
 でも、快速電車は止まらない。

 毎朝、一瞬だけ見える彼女の姿に恋をするというなんとも切ないストーリーなんですね。
 彼女が髪型を変えたことに気づくんですが、もうすぐ、冬がやってくることで、ガラスは自分の息で曇ってみえない。でも、窓から離れすぎると見えない。
 この曲の歌詞で注目したいのが、まだ、二人の目が合っていないことです。
 曲の主人公が同じ電車の中にいる子に恋をする「センチメンタルトレイン」と比較すると、物凄く一方的なんですね。
 でも、本当に一瞬でも止まって見えるという歌詞が、「動体視力」とリンクします。

 この曲のセンターを務めるのが、須田亜香里と加藤玲奈の二人。
 SKE48と関連メンバーでは、ゆりあ、ちゅり、奈和ちゃん、花音、そして、移籍する前のみなるんやすーめろさんも出ています。ちなみに、MVですーめろさんが、奈和ちゃんに「頑張ろうね」というところは、今観ると、えっ、ここから繋がってたっけとふと錯覚しそうになります。
 この曲のMVは、絵画のコンクールが舞台で美大に入るために技術を争うという縦軸とかとれなとだーすーの友情の修復という横軸が交差します。
 印象的なのが、だーすーの抑えた表情です。
 普段は明るい笑顔が印象的な彼女ですが、このMVではじっと抑えた表情の芝居をしています。ずっと「静」が続いているからこそ、「動」のダンスシーンや最後の笑顔がキラキラしている。
 また、非常に構図が美しいシーンが多くてですね。
 窓辺で一人佇むだーすーのシーンや円になってデッサンするシーンが印象的です。
 さらに、美術の先生が「マジカルラジオ2」の御仏さんなんですよね。そして、だーすーとかとれなの中を取り持つ助けをするのがゆりあであるというのも、3期生でありこの後、チーム4に行く彼女の運命を感じさせます。更にいうと、ゆりあとだーすーのカーディガンが似ているのも暗示的ですね。
 
 諦めかけていた自分の夢を手放さず、友情も修復していく過程が本当に素敵なMVです。勿論、競い合う48グループというモチーフとも繋がるものがあります。

 さて、この曲が発表されたのが、2013年10月30日。
 だーすーが総選挙で16位にランクインした年ですね。
 この時の彼女のスピーチで印象的だったのが、「瞳の中のセンター」という言葉です。
 どんなにステージの端っこに居ても、ファンの方は見つけてくれる。
 なんとなく、この曲の歌詞の世界と似ていませんか?
 「瞳」と「動体視力」というリンクを僕は感じます。

 ちなみに、だーすーは、ブログでこの曲についてどんな風に書いているんでしょう?
 ちょっとアメーバブログをチェックしてみましょう(2013年10月13日)。

 この頃のだーすーは、一つ一つの嬉しいことや悔しいことを経験しながら、少しずつセンターへ向かっていたんですね。

 さらに、裏話もありますよ!(2013年12月10日)

 あの美しい涙は本物の涙だったんですね。「ハートエレキ」をお持ちの方は是非ご確認ください。ちなみに、裏話その2は池田鉄洋さんとのエピソードですね。


 曲とMVどちらもだーすーとリンクする素敵な作品になっているので、「ハートエレキ」をお持ちの方は是非是非、久しぶりに楽しんでみてはいかかがでしょう?
 なんとなく、イメージした曲を貼ってお別れです。

2020年11月7日土曜日

おすすめの映画と本「eスポーツビジネス eスポーツ×ビジネスの現場からお伝えします!」

 価値観が変わっていく時代へ



 皆さん、ゲームというとどのようなものをイメージするでしょうか?
 今だとPCゲームやスマホゲーム、据え置き型ゲームなど様々なものがありますね。
 僕は丁度、中学・高校とアーケードゲーム全盛期で、「ゲーメスト」、「アルカディア」、「ネオジオフリーク」というゲーム雑誌も購読していました。余談になりますが、突然、「ゲーメスト」が廃刊した時の絶望感は、未だに覚えています。愛媛県宇和島市という超ド田舎に住んでいた僕は、「これから自分で『ぐわんげ』の攻略をしていかなきゃいけないのか…」と。
 ただ、多くの人たちが生きている中で一つぐらいは熱中したゲームがあるんじゃないでしょうか?

 ただね。
 僕たちの世代は、ゲーム=悪、ゲームセンター=ゴッサムシティみたいなとこ、という負のイメージが強くてですね。ゲームが上手いということなんて、本当に仲間内での自慢ぐらいにしかならなかったんですね。
 しかしですね、よく行っていた町のゲームセンターが「ゲーメスト」のスコア集計店で、お店の柱にはお店のハイスコアや全国1位の人のスコアが貼られていました。
 今回紹介する「eスポーツビジネス eスポーツ×ビジネスの現場からお伝えします!」の著者である中野龍三さんは、元々シューティングゲームの全国1位のスコアを叩き出したプレイヤーで、現在はeスポーツ事業や大会運営、番組作りのも関わってらっしゃる方でしてね。「eスポーツ」という言葉を聞くと、夢や可能性がモリモリですが、実は甘い話ばかりではなく、これまでの停滞や誤解、これからの課題もちゃんと書いているんですね。

 まず、この本を読んでなるほどな、と納得したことが「スポーツ」という言葉の定義です。身体を動かすだけがスポーツにあらず、競争することや遊ぶこと楽しむこともスポーツなり、というのは目から鱗でした。また、指を動かす競技としての射撃との比較も面白かったですね。
 また、2章からのeスポーツの歴史は、認識の変化、まさに「価値転倒」の過程を見ているようで、非常に興味深かったです。

 少し話が逸れますが、僕がやっていたアーケードゲームは「ストリートファイターⅢ 3rd」だったんですが、ゲームセンターという場に知らない学校の人同士、年齢の違う人同士が集まって、ゲームをする面白さ。そして、部活で他校に練習試合にいった時に、「あっ、ヒューゴが上手い人ですよね?」と声をかけられた時の嬉しさ。
 時は経ち、奈良県に出てきた僕は「キャノンショット」という奈良県ではかなりレベルの高いお店に、大学が終わるとふらりと行くようになるんですが、そこで「バーチャファイター5」や「鉄拳6」のリプレイ映像とかをぼんやり見るのは、今のゲーム実況や配信を楽しむ文化の始まりだったのかも知れません。自分がプレイするだけでなく、観ているのも楽しかった。

 今は別の趣味を楽しんでいますが、場所も年齢も違う人達が繋がり合うという楽しさはeスポーツにもあると思いますし、今はオンラインで本当に上手い人のプレイが観られますしね。

 話を戻すと、これからのeスポーツの課題として、魅力的なプレイヤーがどれぐらい出てくるか、「推しプレイヤー」を観客が持てるかなんですが、これは他のジャンルにも言えるなあ、と思いましてね。僕の世代はウメハラさんやときどさん、なんかが有名ですが、もう、ウメハラさんのこの動画とか、今観ても鳥肌ものですよね。初めて観た時は「すげええ」ともう、「ワールドプロレスリング」の解説席の獣神サンダーライガーみたいになってました。



 そう、ゲームのプレイで人を感動させたり、興奮させることはできるんです。
 また、プレイヤーの人間ドラマで言えば、映画「リビング ザ ゲーム」というeスポーツのプレイヤーたちを題材にしたドキュメンタリー映画なんかも素晴らしいものがあるので、これからも頻繁にこういうドキュメンタリー映画は作って欲しいですね。


 何かに真剣になったり、マジになったりすることが、世間や社会から「こんなこと」と言われてしまうという場面がまだあるのが悲しいですね。ちなみに、ライセンスだったりプロだったりもしっかりと出来ているみたいですね。


 ううむ、SKE48やら映画のブログを書く人間にスポンサーやライセンスがつかんものか…。
 さて、何度も脱線していますが、まだまだ課題がもあり、プレイヤーに対する観客のモラルや競技人口をどう増やしていくのか、と僕の好きなアイドル業界とも似ている要素もありますね。
 
 ゲームというものを通してのコミュニケーションの構築や、スポーツへの入り口として徳島県や一般社団法人日本野球機構のインタビューは、その手があったかと、かなりeスポーツへの視点がまた一つ増えた感じです。

 ジャンルこそ違えど一つの物に「マジ」で挑む人たちを応援できる、なんなら自分も挑める「eスポーツ」。僕も何か始めてみようかな、と思いました。
 ちなみに、今年のAKB48の運動会は「e運動会」だから、今のうちに予習しておくのも良いですよ!

2020年11月6日金曜日

珠理奈HOUSE「SKE48 12th Anniversary Fes 舞台裏密着 -前編- (Behind the scenes)」の感想

 接続点であり特異点


 皆さん、松井珠理奈公式youtubeチャンネルの第1回の投稿はもうご覧になりましたか?
 まだの方はこちらをチェック!



 率直な感想を書かせていただくとですね…。
 「えっ、これ、タダでみていいんですか?」
 オープニング映像の気合いの入り方や字幕の細かさも凄いんですが、12周年公演の舞台裏の一部や音を変えている部分こそあれ、踊っているシーンも収録されてましてね。「動画2.0」や「動画の世紀」の著者である明石ガクトさんの定義で言えば、「動画」というよりは「映像」としての作り方がしてあって、じっくりとSKE48を楽しみたい人にはぴったりの投稿になっています。だって、これ、コンサートの特典ディスクのメイキングと比べても遜色ないレベルですよ。
 
 なかでも僕が印象的だったのは、珠理奈がメンバーたちに公演の中の各曲の動きや表情について語るところでしてね。珠理奈が曲をどんな風に解釈しているのかが伝わって、実に興味深い内容でした。珠理奈が言う「共有する」ということにもつながりますね。
 「Innocence」と「火曜日の夜、水曜日の朝」の違いなんて、特に興味深かったですね。
 また、未だに緊張するというところも素晴らしくてですね。緊張するのは、そのことに対する責任感からであると考える僕としては、流石は珠理奈と感じました。
 
 メンバーとのからみも良くてですね。
 深井ねがいちゃんの身体を心配したり、るーちゃんから「チワワみたい」と言われたり、鎌田さんとの絆を確認できたりと、SKE48の中にいる珠理奈は本当に生き生きしてるなあ、と感じる映像です。

 ただですね。
 もしかすると、彼女がいない12年フェスもあったかも知れないわけで。
 コロナによるトラブルがあったものの、「SKE48に残っていてくれてありがとう!」と言いたくなりました。
 普段はチームが違うメンバーも珠理奈との共演は、SKE48の最前線にいた人と同じステージで共演できて、何か発見があったんじゃないでしょうか?
 そういう意味で災い転じて福となすではないですが、SKE48の歴史の中で「卒業」という必然的な時間の波に、幸か不幸かのまれなかった特異点である松井珠理奈が、残りの時間でSKE48に何を残していくのか?
 
 とにかく、youtubeの映像としては、非常にクオリティの高いものが飛び込んできた第1回。
 正直、チャンネル解説のニュースを聞いた時は「その辺のyoutuberがしていることをなぞるみたいなことになるのかなあ。だったら、別に珠理奈がやる必要ないようなあ」と思っていただけに、良い意味で裏切られました!
 次も楽しみです!

 
 

2020年11月5日木曜日

SKE48とホラー

深淵を覗く時


 皆さん、ホラーは好きですかね。
 ああ、はいはい、黄金騎士が倒すやつね、と思った方は、特撮の観過ぎだ!


 

 さて、僕はホラー映画がめちゃくちゃ苦手で、もう、最後に観たホラー映画が何か分からないぐらい観てないんですね。
 文学としてのホラーはまだぎりぎり楽しめて、昨日も三島由紀夫の「切符」や田中貢太郎の「首が落ちた話」を映画と映画の待ち時間に読んだんですがね。映像作品になると、ヴィジュアルと音の恐怖が苦手で全然、観られていません。「犬鳴村」も「ヘレデタリー継承」も「来る。」も怖くて観てないです。でも、民俗学における怪談とかは好きなんですね。地方の民話とか、明治時代や大正時代の文学者たちによる百物語録や創作として怪談は好きです。

 さて、SKE48の中には、ホラーが大好きな方々がいます。
 まずは、映像としてのホラー好きな人。

 谷真理佳、佐藤佳穂の2巨頭ですね。
 谷といえば、2016年のソロコンサートで、「軽蔑していた愛情」を美声で歌いつつ、Jホラーっぽい化け物になっていましたね。怪談のフォーマットを使って、面白トークになっていましたね。

 ちょっと谷のブログを読んでみましょう。
https://gamp-ameblo-jp.cdn.ampproject.org/v/s/gamp.ameblo.jp/ske48official/entry-12159389090.html?usqp=mq331AQFKAGwASA%3D&amp_js_v=0.1#aoh=16044952583416&csi=1&referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.com&amp_tf=%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B9%3A%20%251%24s

  うーむ、怖いけど観たいという心理は、形こそ違いますが、ハード目なドキュメンタリーや戦争映画を観たい気持ちに似ていますね。ファンの人とのホラー映画の上映会というのは、面白いですね。

 そして、2大巨頭のもう1人、さとかほの信用でき過ぎるリストを読んでみましょう。
 

 

   

 皆さんは何作観ていますかね?
 ホラーのカテゴリーに入れていいのか分かりませんが「新感染 ファイナルエクスプレス」と「Us」は観ていますよ。
 以前、あべのキューズモールで行われたイベントで、さとかほも居たレーンに並んだ時に「新感染」観ましたよ、ということを伝えたら、「アレいいよねー」と笑顔で答えてくれました。ううむ、時間があれば、マ・ソンドクの魅力やあのお遊戯会の歌がフックになっていることとか、ある人物の最期が最高!ということを語りたかったんですがね。

 ホラーについて語っているさとかほのブログを読んでみましょう。
 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12495014206.html?frm=theme


 ううむ、ながら仕事で吹き替え版のホラーを観るという斬新な映画鑑賞術。
 その翌日には、ファンの人からおすすめのホラー映画について書いています。
 「哭声 コクソン」は未だに、解釈がはっきりとしませんが、みんな大好きファン・ジョンミンが出ているのでお勧めですよ。
 https://ameblo.jp/ske48official/entry-12495247723.html?frm=theme

 この後、さとかほは好きが高じて、映画「ハロウィン」の応援コメントのタレントに選ばれます。何気に清水監督とか、声優の花江夏樹さんとかスゴイ人達と並んでいます。


 これからもどんどんホラー映画の仕事を獲得していって欲しいですね。

 ちなみに、「ホラー映画」を観る側じゃなくて、演じる側だと、みなるんの「地獄少女」や菅原の「ホラーちゃんねる」が印象的ですが、古畑奈和ちゃんの「劇場霊からの招待状」や「アドレナリンの夜 第4夜 間違い電話」もありましたね、勿論、怖いから全部観てないですよ。それから、忘れてはならない珠理奈の「死幣」ですね。毎回、オモシロ殺人シーンのオンパレードでしたね。死ぬやつらが悪いやつが多くて、死んでも心が痛まない親切設計になっていましたね。

 

 さて、ここまでは、映像作品としてのホラーを楽しむメンバーを紹介しましたが、実際に怖い現場に行ってみようじゃないか、というメンバーも現れました。

 それが、10期生の五十嵐早香。
 彼女は「ハイアンドシーカーズ」なる「ハイアンドロー」の琥珀さんもびっくりの心霊スポットや都市伝説を探る、MUGENというよりはMMRっぽい集団を立ち上げたんですよ。
 はっきり言って、アイドルの趣味として大丈夫かという心配もありますが、フィールドワークという民俗学には欠かせないことをやっていく辺り、流石は早香先生と注目しています。彼女は配信で定期的にみんな体験談なども募集しているので、そういう体験をしたことがある方は、柳田國男に対する佐々木喜善のように色々と語ってほしいところです。
 

 ホラー苦手な僕としては、これからも避けて生きていくと思いますが、メンバーたちが自分の好きなものに対して、生き生きと語る姿は良いですよね。

 共通点と熱量について書いたさとかほのブログを読んでみましょう。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12557113213.html?frm=theme

 たとえば、自分の好きなものを語れる仲間がどれぐらい皆さんには、いらっしゃるでしょう?

 その中で自分と同じぐらいの知識量、熱量、思考力、表現力がある人はどれぐらいいらっしゃるでしょう。会話などで刺激を受ける人はどれぐらいいらっしゃるでしょう?

 ふと、さとかほのこのブログを読んでいて、自分の好きなものと取り巻く状況について考えさせられました。

 ホラーから少し話がずれましたが、観る側、演じる側、行く側と様々なアプローチがありますが、アイドルとホラーは昔から相性が良いので、これからも仕事としても趣味としても楽しんでいって欲しいなと思います。
 そういや、SKE48でホラー曲ってありましたっけ?


 ※おすすめのホラー映画 小林正樹監督の「怪談」の予告を貼ろうと思ったけど「切腹」しかなかったので、パス!
 小泉八雲の「怪談」が原作ですが、4作の短編が揃ったオムニバス形式です。なかでも「茶碗の中」が、文学作品としても素晴らしい。よく明治期にあの構造が思いついたな、というものを、昭和に映像化しています。ちなみに予算掛け過ぎて、制作会社は潰れますが、カンヌ国際映画祭とイタリア国際映画祭でそれぞれ優れた賞を受賞していますよ。


2020年11月3日火曜日

いつか、またあの曲を

 今だけは逃げないで君をみつめていよう

 

 

 2019年5月30日。
 SKE48チームK2の内山命が卒業しました。

 この日、上村亜柚香と倉島杏実がスクランブルで出演し、彼女の門出に花を添えました。
 この日、本来出るはずだったメンバーは、佐藤佳穂でした。

 佐藤佳穂、通称「さとかほ」は内山命が大好きで、彼女の卒業公演に出演するのを楽しみしていたんですが、神の悪戯というのは時として残酷です。

 直前の怪我の為に出演できなくなった彼女は、翌日のブログでこのように書いています。

https://ameblo.jp/ske48official/entry-12465568649.html

 おそらく、みこってぃとの「リターンマッチ」の相手役になる予定だったんですね。嬉しくて仕方なかった大好きな人とのユニット曲。しかし、運命は冷たく彼女を引き離します。

 この後の6月2日のブログでは、少し虚脱感が抜けていきますが、「中京テレビまつり」も出演予定でしたが、みこってぃポジションだったのに出られなかったことが書かれています。

https://ameblo.jp/ske48official/entry-12465833785.html

 ここから、彼女は少しずつ元気を取り戻していきます。
 6月7日のブログで彼女は「ネガティブやめる」というタイトルで心境を綴っています。

https://ameblo.jp/ske48official/entry-12474920614.html

 「あの日に戻れたらなあ」という1文から、彼女の命運を分けた「あの日」がいかに重かったかが伝わってきます。そして、簡単には前を向けないというところも凄く共感できますね。僕も一つの失敗を冷凍保存してずっと持っているタイプなので。
 それでも、歩き出すことを決めた彼女。
 「推しメンが情緒不安定だと困るよね」という言葉は、普段の「アザトカワイイ」さとかほとは、全く違う1面です。この数日の今にも壊れそうな儚い文章に何故か僕は惹かれてしまいます。
※ちなみに、「あざとい」ということについての彼女の見解は書きのブログをご確認あれ。
https://ameblo.jp/ske48official/entry-12497282010.html?frm=theme

 話を戻すと、彼女の中で最初で最後のチャンスだった内山命の卒業公演出演は幻に終わります。それは、年の終わりまで彼女の中に残り続けます。
 SKE48の曲の中で彼女が挙げている曲に注目して、2019年12月24日のブログを読んでみましょう。

https://ameblo.jp/ske48official/entry-12561934188.html?frm=theme

 明るく書いていますが、最後まで読むと切ないブログですね。
 彼女が大好きなあの人ともう一度、SKE48の舞台で出来ることはもうできない。
 なんとか、卒業公演でみこってぃと再会できないか、と読んでいると思っていましますね。

 そして、迎えた20周年公演。
 彼女は「制服の芽」公演で「枯葉のステーション」を担当します。

https://ameblo.jp/ske48official/entry-12630189344.html?frm=theme

 ブログの中で彼女自身も書いていますが、「清楚さとか儚さ」が求められる曲で、「結構程遠いところにいた」とありますが、いや、充分そういうところは、さとかほにもあるとここまで調べてきて思います。
 普段の佐藤佳穂とは一味違う色を見せたこの「枯葉のステーション」。それは、彼女がこれまで体験してきた別れや儚さ、悲しさの引き出しを開けた曲だったのかも知れません。
 そして、翌日の「シアターの女神」では「勇気のハンマー」でみこってぃとの接点を感じます。

https://ameblo.jp/ske48official/entry-12632911019.html

 いつかまた、「マンモス」と「リターンマッチ」をする時、彼女がどんな表情で、誰と踊っているのか、彼女にとっての特別な曲を特別な気持ちで見守りたいと思います。

 佐藤佳穂という人は、一見すると、掴みどころがないように思えます。色々な顔がありすぎて。そして、その底なしの魅力に、一度触れると飲み込まれそうで、敬遠してしまいます。

 でも、一つ一つの要素を丁寧に拾っていくと、彼女の繊細な魅力が見えてくるように思えます。パブリックイメージとはまた違った。いつかまた、13女目や14女目の彼女を見つけられたらな、と思います。

※なんとなく、イメージした曲を貼ってお別れです。きっと幸せは、途切れながらも続いていくと願いながら。