非日常から日常へ
マラソンとランニングの違いを聞かれたら、皆さんはどう説明するでしょう?
もし、僕が説明するとすれば、マラソンには競技性があって、地方自治体や企業に開催されることが多く、距離や日程が決められているものだと思います。それに対して、ランニングは基本的に競技性がなく、走るペースやコース、走るタイミングも自分で決めて行く必要があります。
もし、僕が説明するとすれば、マラソンには競技性があって、地方自治体や企業に開催されることが多く、距離や日程が決められているものだと思います。それに対して、ランニングは基本的に競技性がなく、走るペースやコース、走るタイミングも自分で決めて行く必要があります。
さらに考えて行くと、ランニングカルチャーの広がりの背景には2007年に行われた東京マラソンの開催は無視できないですし、SKE48の地元である名古屋ウィメンズマラソンが開催など、各都市でマラソン大会が開催されています。日常的にランニングで走っている風景が、大会の開催によって少しだけ非日常の風景に変わるということも挙げられるかも知れません。
SKE48のメンバーが名古屋ウィメンズマラソンに2017年に高木由麻奈さんが、ランナーとして出場してから、2019年までオフィシャルサポートランナーとして参加していました。
平田詩奈が参加したのは、2019年のウィメンズマラソンのことでした。
彼女の大会参加や大会での様子は、東海テレビの「Run Way Story~彼女の走る道~」という番組でも取り上げられています。
「人数が多くて周りのメンバーに埋もれちゃうので、自分の個性を見つけるためにこのマラソンを走ろうと思いました」
番組の中で、彼女はマラソンを走る理由をそう語りました。
確かに48グループは個性の大渋滞状態です。
このマラソンに関しても、先ほども書きましたが高木由麻奈さんという先駆者が居ます(更に遡ると、ホノルルマラソンを走ったメンバーたちとかも)。あくまで、マラソンを個性にするのではなく、個性を見つけるため(その後の番組テロップでは『自分を変えるため』)。
このマラソンに関しても、先ほども書きましたが高木由麻奈さんという先駆者が居ます(更に遡ると、ホノルルマラソンを走ったメンバーたちとかも)。あくまで、マラソンを個性にするのではなく、個性を見つけるため(その後の番組テロップでは『自分を変えるため』)。
先日、アラスカをテーマに写真を撮っている写真家の松本紀生さんの写真展と講演会に行った時、松本さんが「自分は写真家という肩書きが欲しかったんじゃない。撮りたいものを懸命に追う過程を充実させたかった。社会に出ると結果が求められるけど、そうじゃないものもあっていい」と語っていたのを思い出しました。彼はアラスカへの旅の資金を稼ぐために3か月間、深夜の工場の検品作業をしながら、嫌と言うほど自分と向き合うことになったそうです。それはアラスカに行ってからも同じで、雄大な自然の中でたった一人、シャッターチャンスを待ちながら、内省を繰り返していたそうです。
ふと、練習で走っている平田さんの映像を観て、彼女は一人で走りながらどんなことを考えていたんだろう?と思いましてね。
どんな言葉が溢れていて、どんな音楽が彼女の中では駆け巡っていたのだろうと、上記の松本さんの言葉から考えました。自主練主をしている時、そして、レース中。
ウィメンズマラソンのあの日。
19キロぐらいから重くなっていく足、24キロぐらいから降り始める雨、32キロぐらいから一旦歩いてまた走りだした時、沿道から見えたファンの方々の姿。
走り続けた6時間10分の間、どんな言葉たちが生まれて、今も残っているんでしょう。
どんな言葉が溢れていて、どんな音楽が彼女の中では駆け巡っていたのだろうと、上記の松本さんの言葉から考えました。自主練主をしている時、そして、レース中。
ウィメンズマラソンのあの日。
19キロぐらいから重くなっていく足、24キロぐらいから降り始める雨、32キロぐらいから一旦歩いてまた走りだした時、沿道から見えたファンの方々の姿。
走り続けた6時間10分の間、どんな言葉たちが生まれて、今も残っているんでしょう。
丁度、フルマラソンから約2年経った、2021年3月10日の公式ブログでも、フルマラソンを走ったという経験についてと、雨の中で応援してくれたファンの皆さんへの感謝を書いていました。それだけSKE人生の中でも忘れられない経験だったんでしょう(約1年前の2020年3月9日の公式ブログでも貴重な経験だということを書いています。なんならこっちの方が詳しいです)。
番組の終盤で「これをきっかけに応援してくれる人が増えた」と語っていましたが、目標に向けて努力していく姿に心を打たれた方も多いのではないでしょうか?
「挑戦する前よりは、なんか個性を持って、自信も持って活動できるようになったと思います」と話す笑顔は、春風のように爽やかでした。
「挑戦する前よりは、なんか個性を持って、自信も持って活動できるようになったと思います」と話す笑顔は、春風のように爽やかでした。
やがて、彼女はどんどんあか抜けて行き、SNSや「1たす1は2じゃないよ!」動画での私服のお洒落さとその服たちのデザインや彩りに負けない素材の良さは、NMB48の吉田朱里さんのようにモデルとしてやコスメのプロデュースでの才能も発揮できるのでは、と期待させられるものでした。ううむ、この辺りはファッション業界と運営に、もっとパイプがあればという慙愧の念に堪えません(成人式の写真を見ると、和洋どちらも行けそうなだけに)。
いや、もっと言うならば、もう少し早く僕も平田詩奈の物語を読んでいれば、という思いを抱きました。
なーやんに第1印象を「ギャル」と言われて、太陽のように明るく笑う姿を見ると、何故かこちらも笑ってしまう親しみやすさもお洒落さの裏にあります。大谷悠妃の天才ぷりに笑いながらツッコむ時の少し上品な笑顔も素敵でした(ちなみに、2019年3月8日の公式ブログを読むと、ゆうゆが沿道に応援に駆けつけてくれていたことも書いています。僕はこのことを知ってゆうゆ株が爆上がりインフレジンバブエ状態になりました)。
きっと、これからも彼女の観ていない動画やブログには様々な発見が潜んでいるでしょう。初めて記事を書くメンバーあるあるなんですが、集団で踊っているとそのメンバーばかり暫くは視線で追いかけるようになってしまいます。この数日間は、平田さんがそうでした。
しかし、彼女はもうすぐSKE48を卒業します。
48グループという様々な競争があった世界の中で、彼女は個性や自信を身につけ、自分の足で新しい道へ走り出します。
48グループという様々な競争があった世界の中で、彼女は個性や自信を身につけ、自分の足で新しい道へ走り出します。
卒業後については、まだ詳しく分かっていませんが、今度はランニングのように、毎日を自分のペースで走っていってほしいなと思います。あの時、雨の中から聞こえた声や多くのファンの方々のメッセージを、時々思い出しながら。