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2021年3月11日木曜日

AKB48グループ「東日本大震災復興支援配信〜誰かのためにプロジェクト2021〜」配信の感想

 忘れないことずっと仲間なこと


 本日で、東北で震災があってから10年になります。
 AKB48グループは、震災があった東北地方への訪問を続けています。
 これまでの歩みがまとまった映像が本日、生配信で公開されました。
 ちょっと観てみましょう。

 


 ううむ、こうして年代順にみて行くと、最初は不安の中、表敬訪問をしていった彼女たちが徐々に元気を与えられる存在になっていき、その関係が形になって残り始めているフェーズになったのかな、と思います。
 ある人は48グループから生きる希望をもらい、ある人は48グループから未来へのヒントをもらう。


 印象に残った点をいくつか挙げて行くと、まずは10年前の東北のリアル。
 特に2011年から14年ぐらいまでの町の光景は、観ながら絶望感を感じるぐらいの瓦礫の山がそこにはありました。怪獣映画が好きな僕が見ても、こんな絶望感がフィクションではなく、リアルの中にある恐ろしさを感じました。自分の故郷がこうなったら、と仮定した時に凄まじい喪失感を抱きます。
 
 次に家や家族を失った子供たちが、はしゃいで踊っている様子を見て、ある小学校の教頭先生が「子供たちのありえない姿、見させていただきました。肩組んで、ジャンプして、手を振って。あり得ないんですよ。あの子供たちのかなり多くの子がおうち流されました。親戚、家族、亡くした子もいます。思い出の品も大事なものも、全部流れて無くなって、今、住まいも仮設住宅にいる子もいっぱいいるんですけど、あんな姿はじめて見ました。皆さんの力ですね。すごいです。ぜひ続けてください」という場面がありました。
 ここでアイドルというものが、決して不要不急ではなく、誰かに力を与えるものなんだと感じました。それが、子供たちという忖度を知らないものたちだからこそ、余計に。
 この教頭先生の話を聞いている、珠理奈が思わず泣きそうになっているところも印象的で、他者の痛みを想像できる優しい人だと思いました。

 優しさで言うと、かおたんの寄り添い方も素敵でしてね。
 山田町との付き合いはSKE48ファンの皆さんの中では有名だと思いますが、現地のお子さんからの手紙を聞いていると、東北への訪問を点で終わらせずに線にしていく感じがしましてね。しかも、その点と点とつなぐ線は運営が用意したペンだけではなくて、自分がプライベートで行って、より太い線にしていくところが流石だと思いました。
 2013年から2019年にかけてどんどん成り上がって行ったかおたんですが、どんなに立場が変わっても、東北の人たちとの関係が変わらないのが彼女の良いところだと思います。特に、お手紙を聞いている時の眼差しと表情の豊かさを観ていると、本当に良いアイドルがSKE48には居てくれたな、と嬉しくなります。
 
 それから、東北の映像を観て、必ず思いだすメンバーがいます。
 それがみなるんこと大場美奈です。 
 今日の配信でもコメントを求められて、凄く良い言葉を残しています。
 「沢山の言葉を現地の方からかけていただくんですけど、その中でもやっぱり『忘れないでいてくれてありがとう』って言われたことを凄く印象に残ってて。私達としては、絶対忘れることは無いのに、被災された方々はそういう言葉をかけてくれているっていうことは、そういうことに不安だったり、何か思っていることがあるんだって感じた時に、これから自分がいくつになった時も絶対に忘れないでいようと思ったし、これから私たちが出来ることは少ないかもしれないけど、全力でやっていけたらいいなって、凄く強く思いました」
 丁度、彼女が被災地へ行き始めた時、彼女はスキャンダルで様々なものを失っていました。
 もう一度、大場美奈を再興させ始めていた時でもあったのでは、と僕は思っています。
 ドキュメンタリー映画の2012年のエンディング付近で、100年松を見上げるみなるんの表情が未だに忘れられません。あの時、彼女はどんなことをイメージしていたのか。
 10年近く経った彼女の顔は穏やかでした。

 震災から10年。
 東北出身の48メンバーも増え、気づけば新潟にNGT48も出来ました。 
 総選挙の会場にもなりました。
 未だに、「掌が語ること」も歌い継がれています(本気を出した時の秋元康って本当に良い歌詞かきますよね。最後の「ラララ」のとこで毎回号泣してしまいます)。

 
 そして、ヒット曲があるって大きいことだな、とも思いましてね。
 大人から子供までみんな知っている曲がある。
 一緒に歌ったり、踊るだけで少しだけ気分が明るくなる。
 いや、口ずさんだり、メロディーにゆられるだけでも良い。
 大変な「日常」を乗り越える力をもらえる。
 それは、問題の規模こそ違えど、僕らも同じかも知れません。

 次の10年で、東北がどんな風になっているのか。
 ずっと、48グループとの線がつながり続けて欲しいなと今日の配信を観て思いました。